診療科・部門

専門分野のご案内

眼球はカメラに例えられます

眼球はカメラに例えられます。
目の最表面に位置する角膜とその後に存在する水晶体がレンズの働きをしていて、一番奥には神経の膜である網膜がありフイルムに例えられます。水晶体と網膜の間には眼球内容である硝子体(しょうしたい)というゼリー状の透明な組織が存在しています。
どの場所で問題が起こっても良い写真を撮ることができません。部位によってそれぞれ治療方法が異なり視力予後も変わってきます。

白内障

check!!

当院では年間1500件以上の手術を行っておりますが、その3分の2を占めるのが白内障手術です。

最新の手術器械を揃え、患者さんにとって安全に手術を行える体制を整えております。眼内レンズは従来の単焦点レンズだけでなく、乱視矯正レンズ、保険診療内で使用可能な遠距離~中距離まで対応可能なレンズも適応を見定めて積極的に使用しております。ただいわゆる多焦点レンズは扱っておりません。

現在は基本的に入院での手術を行っており、患者さんのご希望や全身状態に応じて片眼1泊2日や両眼4泊5日などの入院を選んでいただいております。また需要が増加している日帰り手術についても今年度中に開始予定です。

緑内障

check!!

当科の看板分野です。
点眼治療やレーザー治療(選択的レーザー線維柱帯形成術)では眼圧下降が得られない、あるいは視野障害の進行が急激な緑内障に対しては、積極的に手術を行っております。

緑内障手術のゴールドスタンダードである濾過手術(線維柱帯切除術)の件数が最も多いですが、初期緑内障では低侵襲緑内障手術(minimally invasive glaucoma surgery, MIGS、流出路再建術眼内法)、難治症例にはチューブシャント手術も行っております。
また、閉塞隅角緑内障にも興味を持っており、閉塞隅角のメカニズムを詳細に検討した上で、レーザー虹彩切開術を行うか水晶体再建術を行うか決定しております。

網膜硝子体疾患

check!!

国立大阪病院時代から伝統的に多くの手術治療を手がけており、経験を積んだ専門医が積極的に外科治療に取り組んでおります。

対象は黄斑疾患(網膜前膜、黄斑円孔)、糖尿病網膜症、硝子体出血から緊急性のある網膜剥離、増殖性硝子体網膜症などです。また最近高齢化に伴い白内障手術で挿入した眼内レンズが外れる(亜脱臼)ケースが増加しており、こういった症例に眼内レンズを改めて眼球の壁にはめ込む(強膜内固定)手術も積極的に行っております。

この分野はこれまで眼に非常に侵襲の大きい手術でしたが、当院では現在全例25ゲージシステム(約0.5mmの切り口)で手術を行っており、術後も炎症が軽度で早期の退院が可能となっております。
また手術以外にも糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症に対するレーザー治療、これらに合併した黄斑浮腫や近年非常に増加傾向にある加齢黄斑変性に対する抗VEGF硝子体注射も数多く行っております。