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大腸は、消化管の食物が通っていくいちばん最後の部分です。
図のように、肛門の近くから、直腸、S状結腸、下行結腸、横行結腸、上行結腸、盲腸の各部分に分けられています。盲腸の下に虫垂が付いています。
また、上行結腸には、小腸からの出口である、バウヒン弁があります。




大腸がんは、食生活の欧米化に伴って、日本でも患者数が増加しています。
平成11年の人口動態統計によると、がんによる死亡者数のうち、男女合計では、肺がん、胃がんについで第3位、男女別では、男性で第4位、女性では第2位を占めています。



早期の大腸がんには、自覚症状はあまりありません。
便の表面に血液が付着したり、排便時に出血したりといった症状が見られる場合があります。
進行がんになると、血便・下血の他に、便が細くなる(便柱細小)、排便後も便の残った感じがある(残便感)、便秘と下痢を繰り返す(交代性便通異常)、腹痛が続くといった症状が現れます。
しかし、かなり進行したものであっても、自覚症状のまったくない場合も、珍しくありません。
また、上に述べたような症状があるからといって、必ずしも大腸がんであるとは限りません。



上に述べたような自覚症状があったら、それが、大腸がんによる症状なのかどうかを調べるために、検査をしなければなりません。
このための検査には、注腸造影と、大腸内視鏡検査があります。
どちらの検査をまず行うかは、症状の現れ方や強さにもよりますが、当院ではまず注腸検査を行う場合のほうが多いです。
また、そのような自覚症状がある患者さんに対して行うべき検査のほかに、健康診断として、便潜血検査と、腫瘍マーカーの測定行われます。

i) 注腸検査
肛門から、ビニールのチューブを挿入し、それを通して、バリウムと空気を入れて、レントゲンで大腸を写し、病変を調べる検査です。前日から、強い下剤を飲んで、腸を空っぽにしておかないと、十分な検査ができません。

ii) 大腸内視鏡検査
肛門から、ファーバースコープ(胃カメラと同じものですが、一回り太いものを使用します)を挿入して、大腸を粘膜側(腸の内側)から観察する検査です。曲がった腸管の中に相当の長さにわたってファイバースコープを挿入するため、多くの場合痛みを伴います。観察と同時に、必用に応じて、ポリープ切除や、止血などの、内視鏡下での処置が可能です。

iii) 便潜血
市民検診や、人間ドックにおける、大腸がんの検診に、最も頻繁に用いられる方法です。便を取ってその中に、血液の反応が混じっていないかどうかを調べる検査です。簡単で、苦痛がないことが長所です。しかし、便潜血が陽性に表れたからといって、必ずしもがんやポリープがあるわけではありません。逆に、進行がんのある場合でも、便潜血反応が陰性になる場合もあります。便潜血で、陽性になった場合は、注腸や、大腸ファイバーで、潜血の原因が、がんではないかどうか、二次検診を受けなくてはいけません。

iv) 腫瘍マーカー
血液をとるだけでできる検査なので、これも、人間ドックではしばしば行われます。この検査も、便潜血と同様、体の中にがんがあっても、陰性になる場合があります。また、がん以外の理由でも、陽性になることが珍しくなく、陽性だからといって、ただちにがんであるということにはなりません。大腸がんでは、腫瘍マーカーのうち、CEAの上昇が多く見られますが、これは、他の消化器系のがんをはじめ、乳がん、肺がん、婦人科のがんなどでも、しばしば異常値を示します。



大腸がんは、早期のものは、切除すれば完全に治る病気です。
ある程度進行したものでも、手術によって完治が望める場合もあります。(手術については、当院ホームページの外科の大腸がんの項をご覧ください。)
転移があったり、重い心臓病や、呼吸器疾患があるために、手術によってがんを取りきることができない場合は、他の方法でがんを治しきる可能性は、通常はありません。
その場合は、進行を遅らせるための抗がん剤による治療や(化学療法)、腸閉塞を予防すること、あるいは痛みに対する治療といった、症状を取るための治療を行っていくことになります。

i) 化学療法
抗がん剤による治療です。残念ながら、現状では、抗がん剤のみで、大腸がんを完全に消してしまうだけの効果を期待することはできません。抗がん剤は、腫瘍の縮小効果や、延命し自宅で暮らす期間を延長する効果を期待して行われます。肝臓に転移がある場合は、有効性を高めることと、副作用を軽くすることを目的とし、肝動脈に先端を置いた細い管(カテーテル)を通して抗がん剤を注入する、肝動脈動注化学療法が行われます。

ii) バイパス術、ステント挿入
原発巣で大きくなった腫瘍は、腸管を閉塞させて、腸閉塞の状態を起こします。腸閉塞は、放置すると生命に直接関わる危険な状態であり、また、食事が取れず嘔吐が続くために、非常に苦痛の強い症状でもあります。手術不能ながんによって腸閉塞が出現した場合は、閉塞した部分をバイパスして食事が通る道筋を作るバイパス手術が行われることがあります。
 また、閉塞した部位を押し広げておいて、針金をパイプ状に編んだもの(ステント)を入れると、食事の通り道を、再び確保することができます。まだ一般的な方法ではありませんが、治療が成功したときは、患者さんの生活の質を大きく向上させることができるため、当科では、積極的に取り組んでいきつつあります。

iii) ポリープに対する治療

大腸がんの多くは、良性の大腸ポリープである腺腫ががん化してできてきます。大腸ポリープには、腺腫以外にも、過形成性や炎症性のがん化しないものもあります。内視鏡検査では、ポリープの外観によって、がんに変わる可能性のあるポリープと、可能性のないポリープを区別することができます。過形成性ポリープや炎症性ポリープは、取る必要はありません。また、腺腫であっても、小さなものは、一生の間良性のままで、大きくならない場合もあります。そこで、5mmを超える腺腫が、内視鏡によるポリペクトミーの適応となります。内視鏡的に切除したポリープは、病理検査(顕微鏡で詳しく見る検査)で、良性か、悪性かを調べます。ポリープの一部ががんに変わっていても、多くの場合は、内視鏡的な切除だけでがんの全体が取りきれていると判定され、治療完了と判断されます。がんの一部が組織の深いところまでおよんでいるときは、完全な治療とするために、外科的手術を追加する必要がある場合もあります。
ポリープ切除は、内視鏡を使っての手術です。そのため、開腹手術に比べればはるかに安全なものの、若干の合併症の危険性があります。合併症のうち主なものは、出血と穿孔(腸の壁に穴があくこと)です。出血は、ほとんどの場合経過観察のみか、内視鏡下の止血処置によって、止血します。まれに穿孔を起こした場合は、開腹手術による治療が必要となる場合があります。


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