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メールマガジン「法円坂」No.179(2016/4/15)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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本院一番とされる西門の満開を誇った桜もすでに散ってしましました。
それに合わせたように4月12日には当院の附属看護学校の入学式があり、82名
が看護師をめざして新たなメンバーとして加わりました。
ホームページをご覧の方は、すでにご存知かとお思いますが、長年にわたり
院長としてご貢献された楠岡先生をはじめ幹部職員の異動があり、それにとも
ないメルマガの編集担当のメンバーも少し変わりました。
平成28年度メルマガ第1号をお届けします。
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メールマガジン「法円坂」No.179(2016/4/15)
(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
・ご 挨 拶
・院 長 是恒 之宏 です
・新任のご挨拶
・大阪医療センターボランティアグループより
平成28年度ボランティア活動参加へのお誘い
・看 護 の こ こ ろ
・研 修 医 日 記
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ご 挨 拶
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楠岡 英雄
私儀、3月末をもって国立病院機構大阪医療センター院長を定年退職いたし
ました。
当院には、平成10年5月に臨床研究部長として赴任し、以後、平成15年4月
に副院長となり、平成19年4月からは院長を務めておりました。
院長に就任すると共に、毎月メールマガジンに寄稿させていただきました。
多くの方にお読みいただき、時には賛同やお褒めのメールをいただいたことも
あります。文章を書くのは苦手ですが、お読みいただけることを励みに9年間
続けてまいりました。心から感謝申し上げます。
つい最近まで、定年延長して院長を続ける予定でしたが、3月22日に急に
異動が決まりました。本来ならばもっと早くにお知らせし、ご挨拶申し上げな
ければならないところですが、急な異動でそれがかなわず、異動後にメールマ
ガジンにてのお知らせとなってしまい、申し訳ありません。
4月からは東京にある国立病院機構の本部で働いております。
http://www.hosp.go.jp/about/cnt1-0_000001.html
大阪医療センターでは名誉院長の称号をいただきました。これからも、地域
医療と大阪医療センターの発展に微力ながらも尽くすつもりです。
今後とも、大阪医療センターへのご支援をお願いいたします。
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院 長 是恒 之宏(これつね ゆきひろ) です
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平成28年4月1日より当院院長を拝命しました。私は、昭和54年大阪大学
医学部卒業で旧第一内科(現在は循環器内科)出身です。かなり珍しい苗字で、
ルーツは大分県の宇佐ですが生まれも育ちも大阪です。
平成9年に国立大阪病院に循環器内科医として赴任し、循環器医長、平成15
年から臨床研究部長、平成20年から臨床研究センター長を勤めておりました。
我々はこれまでも政策医療を含む高度総合診療・医師をはじめ多くの医療職
の育成・臨床研究センターを中心とする基礎的、臨床的研究いずれにも力を注
いでまいりました。
今後の地域包括ケアシステムにおいては、地域における高度急性期・急性期
医療を提供すると共に、地域の方々との繋がりをますます深めて参りたいと考
えています。
医師・医療者向けの「法円坂地域医療フォーラム」や「緩和ケアセミナー」、
市民向けの「大阪健康セミナー」、また、未来の医療人を育てるため中学生・
高校生向けの「アドベンチャーHospital in 大阪医療センター」等、今後とも
続けてまいります。多くの方々のご参加をお待ちしております。
当院の喫緊の課題は、病院の更新築です。病院のスペースがゆったりしてい
るのはいいことですがかなり古くなり、本年4月よりようやく遺跡発掘調査に
入りました。新病院はこれまで来客駐車場としていた土地に建てる予定ですが、
これまでの認識を変えるような重要な文化財が発掘された場合建設の遅れが予
想されます。どうか順調に更新築が進むように祈るばかりです。
この発掘調査にあたって駐車場を変更しなければならずご迷惑をおかけしてお
りますが、新病院建設までの間、ご容赦をお願いいたします。
当院の掲げる理念に従い、「正しく、品よく、心をこめて」をモットーに、
よりよい医療サービスを提供し、今後も皆様に愛される大阪医療センターをめ
ざしてまいります。引き続きご支援賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
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新 任 の ご 挨 拶
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看護部長 伊藤 文代
平成28年4月1日付の人事異動にて、国立循環器病研究センターから看護部長
として着任いたしました。
国立病院機構大阪医療センターは10年ぶりになります。前病院は、がんに次ぐ
死因である循環器疾患に関して、広く国内外における、調査・研究、診断・治
療と専門医療従事者の育成を推進し、循環器疾患の究明と制圧を目指しており
ました。現大阪医療センターは、国民の皆様の目線を大切にし、地域医療との
関係性・信頼性を重要視している高度総合医療を実施している長い歴史をもっ
た医療センターです。
着任して見えていることが2つあります。ひとつは、医師をはじめとした看
護職員、事務、コメディカルのみなさんの風通しがよいことです。いろんな情
報を共有し、大阪医療センターの医療の質を保つ努力、よい医療を実践する基
盤である経営改善をみんなで取り組んでいることです。
もうひとつは、私の部下となる看護職員たちの明るさ、すなおさです。高度専
門医療、救急医療、高齢者医療、がん・災害医療等を集約的に取り扱う時にチ
ーム医療の高さが重要であり、ナースたちの活躍はその核となると思っていま
す。チームの雰囲気をつくるのがナースであり、明るく率直なナースたちがチ
ームのムードメーカーになっていることを感じています。
看護は、病む人々の生命、その家族も含めた生活、人生に深く関わります。
一人ひとりの個性がちがうように患者さんが病気に罹り、そのことがどのよう
にその人の生活や人生に影響していくか、理由も背景も違っていきます。ナー
スたちはこのような患者さんの24時間365日において看護を実践していきます。
専門職業人としてのケアの提供が求められます。大切な使命と役割があります。
看護部長として、この使命と役割が実践できる看護職員の確保と育成が重要な
仕事であると認識しております。さらに、大阪医療センターに求められる医療
を達成すべく変革も求められていることも理解し、がんばりたいと存じます。
私は平成23年 3月11日14時46分、東北地方太平洋沖大地震、津波による
途轍もない被害が起きた時、東京で仕事をしておりました。言葉を失い、改め
て人の命の尊さを思いました。さらに福島の原発の被災事故が状況を複雑にし、
危機管理能力、司令塔の重要性など学びました。変革の時、大きな課題を達成
しようとする時こそ、一人一人を大切にして団結していかなければならないと
痛感しています。看護部のトップとして、現場の声に耳を傾け、真摯に実行に
移していきたいと思っておりますので、皆様のお力添えをよろしくお願い申し
上げます。
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大阪医療センターボランティアグループより
平成28年度ボランティア活動参加へのお誘い
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ボランティアコーディネーター
藤本 和彰
私たちのボランティアは平成9年(1997年)1月に導入され、20年目を迎
えました。導入後「法円坂」「患者情報室」「園芸」を初めとする多くのボラ
ンティアグループに参加していただいています。
各ボランティアグループの名称と主な活動内容は、次のとおりです。
(1)「法円坂」:初診・再診手続きの補助、外来・入院患者さんへの院内案
内、車椅子移送介助、リネン類の縫製および補修、玄関用車椅子・台
車(カート)の維持整理、音楽コンサートの共催、医療通訳(英語・
中国語等言語通訳および手話通訳)
(2)「患者情報室・リボンズハウス」:図書・体験談・インターネット等で
の医療情報提供、患者サロン、タオル帽子・布ぞうり作成教室
(3)「園芸」:院内外での環境緑化、合い言葉は“花と緑いっぱいの病院を”
(4)「音楽」:年3回、コンサートを開催(サマーコンサート・オータムコ
ンサート・クリスマスコンサート)
(5)「綿の花 えほんの会」:絵本読み、人形劇、パネルシアター、エプロン
シアター、ペープサート、貸し出し文庫、小児科クリスマス会参加
(6)「絵本サークル どんぐり」:絵本読み、パネルシアター、エプロンシア
ター、紙芝居、ペープサート、手遊び、貸し出し文庫、小児科クリス
マス会参加
(7)「栄養管理室」:栄養事務補助
(8)「生花」:玄関フラワースペースの飾り付け
など、多種多様の活動が多くのボランティア・職員・関係者の皆さまのご支援
ご協力により、継承されています。
※詳しくは大阪医療センターボランティアホームページをご覧ください。
・ボランティアホームページ → http://www.onh.go.jp/volunteer/
当院のボランティア活動をサポートする組織には、「ボランティア運営委員
会」と「ボランティア支援室」の2本の柱があります。また、日々の諸問題が
タイムリーに処理できるようにと、ボランティア支援室の中に「支援室連絡会」
が設けられています。これらの組織により、患者さん・ボランティア・病院と
の三者協働での活動が円滑に運営されています。
また、ボランティア皆さんの懇親の場として、年1回ボランティア総会が開
かれています。職員皆さんからの労いや、「表彰式」が執り行われます。
このほか、ボランティア活動保険の加入や、定期健康診断・インフルエンザ
予防接種を受診していただくなど、ボランティア活動がより安全で、安心して
できるよう取り組んでいます。
ボランティアのさりげない表情や、やさしいまなざし、言葉かけが、心に不
安を抱きながら病院を訪れる、患者さんやご家族の気持ちを和らげ、心地よく
受診していただくための癒しの時間になっています。
時には患者さんの対応に苦慮することもありますが、「ありがとう」「助かり
ました」「ご苦労さま」など、患者さん・ご家族・職員皆さまからの、こころ
温かいお声掛けに元気をいただいています。「今日も、明日も、明後日も、こ
の私たちを待っていてくださる人たちがいる」ことが嬉しいのです。
また、社会の一員として、ボランティア自身が活動を通じ、人間的に成長で
きることを願っています。近未来の超高齢化社会を人間らしく生きるために、
ボランティア活動に参加することで得るものはとても多く有り、大切なことと
考えています。
平成27年度大阪医療センターボランティアグループ全体の活動実績は、活
動延べ人員:1298人、活動延べ日数:2325日、活動延べ時間:711
9時間でした。
また、お二人がボランティア活動1000時間を達成され、日本病院ボラン
ティア協会・2015年度・ボランティアの集い(平成27年10月22日開
催)にて表彰されました。当院ボランティア34名(累計)が達成しています。
平成28年度、大阪医療センターボランティア活動は、8グループ・95名
(但し、単発活動の音楽ボランティアの人数を除く)で始まりました。新年度
を迎え、「心機一転」新たなメンバーを迎えながら、歩み続けられるよう頑張
って参ります。
「ボランティア活動をしてみたい!」「なにかお手伝いしたい!」「何か私
にも出来ることがあるのでは!」と思っていらっしゃる方は、どうぞお問い合
わせください。
・管理課ボランティア担当 TEL:06−6942−1331(代表)
・ボランティアホームページ → http://www.onh.go.jp/volunteer/
また、外来診療棟1階 ボランティア室に、ボランティアコーディネーター
がいますので、是非、お訪ねください。
「私たちと一緒に活動してみませんか!」心よりお待ちしています。
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看 護 の こ こ ろ
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SCU 脳卒中リハビリテーション看護認定看護師
岩瀬 司
春の日差しが心地よくなりましたが、皆様お変わりなくご壮健にてお暮らし
のこと何よりに存じます。入学シーズンとなり、そこ此処に初々しい新入生の
姿をみかけるこの頃ですが、私も入職した時のことを思い出し、自身の看護を
振り返りたいと思います。
平成16年の春、マツケンサンバが大ヒットしヨン様フィーバーに沸いていた
頃、私は同機構である神戸医療センターに入職し、ICUの併設された急性期病
棟に配属されました。そちらで3年間働いた後、大阪医療センターに異動とな
り、現在はStroke Care Unit:SCUに勤務しております。SCUは脳卒中を発症さ
れて間もない患者さんを対象とする集中治療ケアユニットで、脳卒中について
の専門的な知識をもつ多職種で構成される脳卒中専門チームが、急性期からリ
ハビリテーションを含めた治療を一貫して行う病棟として稼働しています。
私は重篤化を回避すべく急性期治療を行う傍ら、生活を再構築するためのリ
ハビリテーションを並行して行う脳卒中看護に魅力を感じ、脳卒中リハビリテ
ーション看護認定看護師の資格を取得し、現在に至ります。
そのような中、脳梗塞を発症して左上肢が麻痺し、リハビリに励みながら社
会復帰を目指している方を担当したことがありました。左上肢は弛緩し、回復
には時間がかかるかもしれないと思いましたが、血圧を測定する度に左上肢を
マッサージしながら感覚刺激を与え、励ましていました。その方に関わった時
間やマッサージした時間は短いものではありましたが、SCUを退室して数日後、
その方に呼び止められ、不完全ながらも動くようになった左手で「あんたの手
を握り返したくてリハビリ頑張ったんや」と言いながら、私の手を握ってくれ
ました。脳卒中を発症すると、重症度は様々ですが、麻痺による運動障害が後
遺症として残ります。損傷した脳神経細胞が修復されることはありませんが、
脳の可塑性(かそせい)と呼ばれる、損傷した神経細胞の代わりの新たな神経
回路がリハビリテーションによって構築されていきます。我々看護師は、リハ
ビリテーションとして特別に取れる時間は多くはありませんが、患者さんの日
常生活動作に視点を置き日々リハビリテーションをサポートしています。麻痺
した手足を自身で動かすことが出来なくても、温冷刺激や動いているという錯
覚、そして患者自身の回復への強い意思が大事であると言われています。
この時担当した方の回復は奇跡ではなく、まさにそれらの要因によって引き起
こされた回復である事を確信したのと同時に、泣きたくなるほど感動した事例
でもあります。
認定資格を取得して以降、解剖・病態・リハビリテーションなどの理解が深
まり、より根拠に基づいた看護を提供することが出来るようになったと自負し
ながら、患者さんの回復には一喜一憂しております。しかしながら、中にはリ
ハビリテーションを効果的に進めることが難しい方もおられます。そのような
場合においても根気よく声を掛け、意識できるようサポートしています。今年
度認定看護師の称号を取得し活動は始まったばかりですが、リハビリテーショ
ン看護の可能性を見出し、今後とも患者さんの回復をサポートできるよう看護
していきたいと思っております。
ホームページ→http://www.onh.go.jp/kango/kokuritu.html
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研 修 医 日 記
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和田 愛子
学生の時はこの研修医日記を読んでマッチングの参考にしたりしましたが、
とうとう私に研修医日記の順番が回ってきてしまい、年月の経過を感じます。
当院での2年間の研修医生活は充実したものだったと思います。同期は16人で
多すぎず少なすぎずちょうどいい人数だと思います。ローテートする科は必修
20ヶ月、選択4ヶ月で、選択科のローテートが始まるのは2年目になってから
です。まだ将来の選択科が決まっていなくて色々な科を回りたいと考えている
方にとっては選択科が少ないのはデメリットかもしれませんが、必修科はどの科
も教育熱心な先生が多く勉強になるためローテートしてよかったと思います。
救急外来は1年目1人、2年目1人で初療を担当し、内科、外科、心、脳、産科、
救命の各当直の先生に相談できる体制になっています。28年度から若干当直
体制が変更になりますが、研修医が初療を担当するのは変わりません。
最後になりましたが、実際に病院の雰囲気を知るには見学に行くのが一番だ
と思うので、是非見学に来てください。
臨床研修のホームページ→http://www.onh.go.jp/kensyu/index.html
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総編集長:病院長 是恒之宏
編 集 長:副院長 中森正二、関本貢嗣
看護部長 伊藤文代
編 集:百崎実花
発 行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
(〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
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病院更新築に向けての遺跡調査が始まりました。重機で掘り起こして、それ
を篩にかけて探っているようです。部屋から見える現場の状況では、まだ、何
も出てきていないようですが・・・。それでは、次号をお楽しみに。
メールマガジンのご感想をお聞かせ下さい。
www-adm@onh.go.jp
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