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メールマガジン「法円坂」No.182(2016/7/15)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)



 生國魂神社の夏祭がこの11日と12日にありました。毎年お神輿が敷地内に
巡行して院内の皆さんを元気付けていただいていたのですが、今年は病院更新
築に向けての遺跡調査のため残念ながら敷地内へは立ち入れなかったようです。
まだ、梅雨明け宣言は出ませんが、鬱陶しい暑い日が続いています。今年の夏
は例年にない猛暑とのこと、くれぐれも体調管理にお気をつけ下さい。今月号
のメルマガをお届けします。
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   メールマガジン「法円坂」No.182(2016/7/15)
          (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
 ・院 長  是恒 之宏 です
 ・診療看護師って?  ?診療看護師の活動?  
 ・当院で働く女性医師 (1)
 ・小児科病棟の子ども達に素敵な絵本を届けませんか!
  ボランティアグループ「綿の花 えほんの会」のご紹介 
 ・看 護 の こ こ ろ
 ・研 修 医 日 記

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      院 長  是恒 之宏(これつね ゆきひろ) です       
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 私の専門領域について(3)

 7月になりました。今年の梅雨は、男性的といいましょうか、激しい雨と合
間の暑い日々で体調管理に苦労された方も多いと思います。ここ数日はまた猛
暑で、しかも蒸し暑い。めっきりスーツを着る機会が多くなった自分にとって
この夏は汗だくの日が続いています。

 さて、今回は、国立病院にきて本格的に取り組んだライフワークとも言える
心房細動患者さんにおける脳梗塞予防についてお話します。
 赴任した1997年頃、心房細動が原因で生じる脳梗塞については脳卒中内科で
は知られてはいたものの、心房細動を見る循環器内科の医師たちの認識はまだ
甚だ不十分な状況にありました。大阪大学循環器内科の調査でも当時大阪府下
関連病院で見ている心房細動患者さんのワルファリン使用率はわずか9%に留
まっていました。それまで、ワルファリン使用は主として機械弁術後、あるい
はリウマチ性僧帽弁狭窄症をともなう心房細動に限られていました。非弁膜症
性心房細動(NVAF)についても抗血栓療法の有用性が大規模試験で報告されて
いるにも関わらず、抗凝固療法の実践が進んでいない、まさしくunmet medical
 needs(必要であるにもかかわらず十分なされていない医学的必要性)である
と思いました。
まず、当院において共通した基準でNVAFに積極的な抗凝固療法を実践するには
専門外来を作ってしまおうと考え、1998年4月にAF専門外来を開設しました。
通常、AF外来というとアブレーションなどの不整脈治療を思い浮かべるかもし
れませんがこの外来は積極的な脳梗塞予防が主眼となるユニークな外来でした。
まだ、ガイドラインもない時代でしたから過去の報告をもとにリスク評価とワ
ルファリンコントロールを始めました。高齢者におけるワルファリン療法は当
時ほとんど行われていない状態でしたし、海外で言われているPT-INR2.0-3.0の
コントロールには抵抗がありました。ちょうど、SPAFIII試験という試験のサブ
解析で、PT-INRが1.5を下回ると急激に脳梗塞のリスクが高まることが報告され
ていたので、我々は1.5−2.5の範囲でコントロールをしていくことを決めまし
た。その後いくつかの報告により日本では70歳以上で1.6−2.6が至適コントロ
ール範囲とされガイドラインにも記載されるようになりました。21世紀に入っ
て早々に新規経口抗凝固薬の試験が始まり、現在は4種類のワルファリンに替
わるお薬が使用できるようになりました。この約20年間この疾患領域に関わっ
て、経過を改めて振り返ると当初のunmet medical needsは部分的には解消され
てきたと実感できます。ワルファリン単独時代は、抗凝固療法は病院の循環器
専門医が主として担うものでしたが、いまや多くの先生方が使える時代が訪れ
ました。今後はさらに、超高齢者、腎機能低下例、低体重などの出血ハイリス
ク患者さんにどのように抗血栓療法を行っていくかについてエビデンスに基づ
く医療を確立してまいりたいと思います。


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            診療看護師って?
               ?診療看護師の活動?          
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                     チーム医療推進室
                     診療看護師 山口 壽美枝

 みなさん、こんにちは。暑い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか。診
療看護師の山口壽美枝です。
 「しんりょうかんごし」とご挨拶させていただくと、「心療」をイメージさ
れ、「心のケアを得意とされている看護師さんですか?」と聞き返されること
もしばしばあります。診療看護師とは、国立病院機構で使用している呼称で、
「特定の医行為を実施することができる看護職」です。診療看護師になるには、
看護師経験が最低5年は必要で、その後、大学院で2年間かけて医学知識と技
術を修得し、国家資格ではありませんが診療看護師資格認定試験などクリアす
る必要があります。試験をクリアすると、病院で2年間、医学知識や技術の修
得に重きをおいた研修(研修医に近い研修)を行います。しかし、我々は看護
師ですから、看護の視点や思考をもち、チーム医療の中で多職種に働きかける
ことのできる存在になるべく研修に勤しみます。
 研修を修了した診療看護師は、現在、大阪医療センターでは、診察時間内の
救急搬送を受け入れています。お話ができたり、血圧が安定していたり比較的
軽症だけれども救急車でこなければならないような患者さんの初期対応を主に
行っています。救急車でこられた患者さんには、どのような状態なのか伺いま
す。血圧や脈拍などを測定し、医師と連絡をとりながら医師が到着するまでに、
必要な検査や点滴を行います。診察をさせていただいてそれをもとに、医師と
さらに必要な検査・処置について検討します。その結果をもとに、適切な科へ
ご紹介したり、帰宅が可能かを判断します。帰宅が決まった場合は、帰宅後の
日常生活で、気をつけることなどをお話させていただいております。
 日本では、まだ、聞きなれない診療看護師です。2015年10月に「特定行為に
係る看護師の研修制度」という形で創設されました。が、その地位や業務範囲
はまだまだ不透明な状態です。我々は試行錯誤しながら、病気の治療を何より
も優先する医師と日常生活や心理面を重視しながら病気の管理をする看護師の
二つの視点を持ち合わせた看護職として、みなさんのそばに寄り添い、適切な
医療をタイムリーに提供できるよう日々努力しております。


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      当院で働く女性医師 (1)          
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					 腎臓内科 専修医
                       高折 佳央梨

 こんにちは。腎臓内科専修医3年目の高折佳央梨です。研修医の時に研修医
日記を書いたのがつい最近のことのようで、時の経つ早さに驚くばかりです。
専修医生活も残り9ヶ月となってしまいましたが、普段の生活について少し書
いてみようと思います。
 初期研修2年を終えて、腎臓内科を専攻しました。仕事に関しては腎臓内科
の入院・外来だけでなく、維持透析共観や急性/慢性腎不全共観、急性血液浄
化共観など、他科との関わりが多いのが腎臓内科の特徴ではないかと思います。
特に当院では急性血液浄化の症例は多く、専修医の間にこういった共観をたく
さん経験できるのは非常に有意義であると感じています。もちろん、腎炎、ネ
フローゼ症候群や電解質異常、慢性腎不全の食事療法など、腎臓内科特有の疾
患についても多くの症例を経験することができます。私の学年は、初期研修か
らそのまま専修医にあがる人が多く、各科に同期がいるような状況でした。な
ので専門分野で困ったことがあるといつでも気軽に相談することができました。
また初期研修医の頃と同様、時々開催される同期会では、みんながんばってい
るんだなと刺激をもらっています。
 プライベートでは、専修医の間に結婚する人が多く、私の周りでは専修医1
年目が結婚ラッシュでした。当院は女性医師に対する支援が厚いことが特徴と
してあり、子育てをしながら働くことも可能です。専修医は忙しいことが多い
ですが、女性医師でも無理なくキャリアアップできると思います。
 初期研修医に比べると、専修医は日常業務が増え、責任も増え、仕事は忙し
くなる一方で、結婚・出産など人生の一大イベントを迎える時期でもあります。
当院で専修医をすることは、仕事・プライベート共に有意義な生活を送れます
ので、当院での研修を考えている方にはぜひおすすめいたします。
 最後になりますが、医者になって最初の5年間を大阪医療センターで過ごす
ことができ、科を超えて熱いご指導をいただいたスタッフの先生方、苦楽を共
にし、お互い成長し合うことができた同期・後輩、その他いろいろな面で支え
てくださったコメディカル、事務の方々に、この場を借りてお礼申し上げます。


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      小児科病棟の子ども達に素敵な絵本を届けませんか!
     ボランティアグループ「綿の花 えほんの会」のご紹介  
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                    ボランティアコーディネーター
                    藤本 和彰

 大阪医療センターボランティアは、1997年1月に導入され、今年20年
目を迎えました。導入後「法円坂」「患者情報室」「園芸」を初めとする多く
のボランティアグループに参加していただいています。外来・入院患者さんの
院内案内や、医療情報の提供、院内外の環境緑化、音楽コンサートの開催など、
患者さん・ご家族が病院で快適に過ごせるよう日々活動しています。その活動
は職員、患者さん、そしてボランティア皆さまのご支援ご協力により、継承さ
れています。
現在、小児科病棟では「綿の花 えほんの会」と「絵本サークル どんぐり」の
二つのグループに、絵本の読み聞かせを中心に、入院中の子どもたちに素敵な
絵本を届けていただいています。今回は、ボランティアグループ「綿の花 え
ほんの会」(代表・小西 萬知子さん)会員皆さまより寄せられました活動手
記をご紹介します。

「綿の花 えほんの会・活動手記」
【N・Mさん】
 私は昨年から「綿の花」の絵本の講座を受講し、小児病棟の読みきかせ活動
に見学から参加させていただいています。
 それぞれ患児さんに一対一で読みきかせをさせて頂いています。入院生活を
されている中での時間ですので、対象の子どもさんや、希望の子どもさんがお
られないときもあったりと、予測のつかない状況での活動です。他の保育園等
での活動とは違う、難しさも喜びもある活動だと思っています。
 初心者の私には、その日に行ってはじめて年齢等が分かるので、瞬時にその
子どもさんに合った本を選書する難しさがあります。本の題材など、病院なら
ではの配慮も必要です。
 一対一なので、読み手と子どもさんの相性も大きな要因になります。なぜか
うまくいかない子どもさんもおられて、悩むこともあります。
 一方でとても楽しんで聴いてくれて、「もっと読んで!」と言ってもらった
り、心が通じたような表情をしてもらった時、とても嬉しく思います。
 先日は、小さな処置でしたが、子どもさんにとっては嫌な治療で、看護師さ
んから「読んでもらっている間に手の処置をしよう!」と言われ、お母さんか
らも「そうしてもらおう!」と言われたので、読み続けたこともありました。
子どもさんは手と絵本とかわるがわる見ていて・・・。少しでも治療の辛さを
和らげるお手伝いができたのでしたら、嬉しく思います。
 いつか「グリムおばさんとよばれて・・・」を書かれた著者のような、不眠
や痛みを和らげる読みきかせをできれば・・・と思っています。
 難しさを感じることもありますが、いろんな学びと子どもさんたちと楽しい
時間を共有できるこの活動を大切に思っています。

【T・Kさん】
 ベッドサイドでの読み聞かせの活動に参加させていただき1年になりますが、
毎月たった一日、まだ10数回の経験を通して、自分が大きく変わったような
気がしています。
 最初の頃は上手に読めない、いい声が出ない、ペースがつかめないなど、自
分のことばかりに意識が偏っていましたが、この頃はだんだん目の前の子ども
さんの表情や、しぐさの方に気持ちが向くようになってきました。
 先生や先輩方の読み聞かせは、聞く子たちさんの心をひきつけ、私が読むと
子どもさんはよそ見をしてしまいます。それは上手下手の原因だけでなく、結
局、人に向けて本を読むということは「心を渡す」ということで、子どもさん
たちは自分の方に心が向いていない人の声を聞いても、安心もしないし、興味
も持てないし、すぐに飽きてしまうのはもっともだと思います。私は「読み聞
かせ」をなぜするか、という根っこのことにさえ気がついていなかったのだと、
一年続けて、今やっと分かったような気がします。
 院内を見回すと、他にも様々な活動をされているボランティアさんがいらっ
しゃいます。皆、手段が違うだけで、「力になりたい」気持ちの受け渡しをす
るために参加されておられるのだと思います。患者さんにとって、一番大切な
ことはもちろん、「治療して、一日も早く元気になること」ですが、たいへん
な入院生活の間、それだけでは心がしぼんでしまうことがあるでしょう。手入
れされた花壇にきれいな花が咲いていたり、通路で元気な挨拶や優しい笑顔に
出会ったり、そして楽しい絵本やお話を聞かせる人がベッドサイドに来てくれ
たり・・・。そういったことが、たとえ些細な力であっても、入院されておら
れる方々にとって「あってよかったな」と感じていただける存在であればと願
っています。
 拙い私の活動を温かく見守ってくださる先生、先輩方、そして病院スタッフ
の方々に感謝しつつ、これからも活動に励みたいと思います。

【M・Oさん】
 月曜日の午前中、お風呂やお勉強、お食事や回診の合間のほんのひと時、一
人でいる子、ご家族がいらしている子など、それぞれの時間を過ごされている
子どもさんたちに、声をかけ、ご了承をいただき、お一人に数冊ずつ絵本の読
み聞かせをしています。
「どんなんが好きかな・・・」と会話しながら絵本を読みすすめていくと、私
も子どもさんも少しずつ緊張が解けてきます。そのうち、絵本や私の顔をじっ
と見てくれたり、ちょっとでも笑ってもらえれば、それだけでとってもうれし
くなって私も笑顔になってしまいます。その喜びを得るために、日ごろから絵
本をたくさん読んだり、一緒に活動している仲間たちに「こんな絵本もあるよ」
と教えてもらったりしています。
 今後も、子どもさんたちと絵本を一緒に楽しみ、一緒に過ごす時間を大切に
していきたいと思います。

【K・Iさん】
 2016年5月の第5月曜日、久々に医療センターに伺いました。「活動記
録ノート」を見て前回の様子を確認、ブックトラックを引いて6階の小児病棟
へ向かいます。
 ナースステーションで患児さんの名簿をいただき、声掛けに行きます。「今
日は・・・、1人は熟睡中」、もう一人は突然の声掛けにビックリ、目から涙
が溢れます。「無理は禁物・・・!」と、親御さんに絵本を貸し出して、残念
ですが退散です。
 こんな日も有りますが、子どもさんたちの笑顔に出会える日も沢山あります。
病気と懸命に闘う子どもたちが、ほんの一瞬でも絵本で笑顔になるのは嬉しい
ことです。それでも、「辛い時に声をかけられたら、うっとうしいかな?」と
か、「看護師さんの邪魔になっていないかな?」と、ためらう時もあります。
 こんな私が、“ボチボチ”ですが続いているのは、コーディネーターさん・
看護師・小西代表はじめ、綿の花の良き仲間に恵まれたお蔭かと、感謝しつつ
楽しんでボランティアさせていただいております。

 ここまで、「綿の花 えほんの会」ボランティア皆さまの活動手記をご紹介し
ました。
 最後に、代表・小西 萬知子さんは、2005年5月以来、小児病棟で患児に
一人ずつ絵本を読む活動を続けています。ベッドの上でも絵本を通して、楽し
いひと時を過ごせるようにと訪れています。異年齢、入院期間の長短、さまざ
まな条件にある子どもたちに楽しんでいただけるように、絵本の他に、わらべ
歌や手遊びなどを交え、15分くらいのプログラムを用意しています。
 また、好きな時に読んでいただけるように、絵本を借りていただいています。
病院で用意していただいている絵本も活躍しています。子どもたちや親御さん
の笑顔をいただき、私の方も喜びと元気をもらっています。もっともっと楽し
く、ふさわしい絵本に出会ってもらえるように勉強し、仲間を増やしていきた
いと思っています。
と述べられています。
「綿の花 えほんの会」のボランティア活動は、小西 萬知子さんを代表とし、
小児科病棟に入院中の子どもたちを中心に、絵本の読み聞かせが始められ、今
年12年目を迎えました。2016年4月、スタートラインでのボランティア
メンバーは14名です。当院は、綿の花 えほんの会の活動を支援してまいり
ます。
 「絵本の読み聞かせ」ボランティアにご興味をお持ちの方は、是非ご参加く
ださい。一緒に活動してみませんか。
管理課ボランティア担当までご連絡ください。
お待ちしています。

・電話番号 → 06−6294−1331(代表)
・ボランティアホームページ → http://www.onh.go.jp/volunteer/


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      看 護 の こ こ ろ        
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			                訪問看護等支援室
                        木村 加緒里

 暑さの厳しい中ではありますが、強い日日射しを浴びながら伸びるひまわり
や青々と茂る木々の葉っぱに自然の強さを感じるこの頃です。茂った葉っぱが
日陰を作り、私たちを癒してくれているようにも感じます。
 私は現在、昨年度に新設された訪問看護等支援室で勤務しています。地域包
括ケアシステムが進められている現在、病院は今までより一層、地域との連携
が重要になっています。また、在院日数が短くなった現在、医療処置を実施し
ながら在宅療養に移行する患者さんも多くおられます。患者さんにとって、病
院という環境の中で過ごす入院生活と、自宅で過ごす環境は大きく違い、自宅
で生活するイメージが持てなかったり、不安が大きくなってしまうこともあり
ます。そのような患者さんに、入院中から退院に向けた支援や指導を行い、退
院前や退院後に自宅訪問を行い、自宅での生活を一緒に考えています。また、
地域の訪問看護師やケアマネージャーさんと話し合いや引継ぎを行い、切れ目
なく患者さんにケアが提供できるようにし、患者さんや家族の不安が軽減でき
るようにしたいと考えています。
 そのような中で、私がいつも「看護のこころ」として、患者さんから教えら
れ、感じることは人間の強さです。病気の治癒は望めず、食事がとれず痛みや
倦怠感でベッド上生活が余儀なくされた患者さんが、在宅医療を調整し自宅で
も点滴を受けながら生活できることを喜ばれ、「家に帰れることが本当にうれ
しい。わくわくする」と笑顔で話されました。医療度の高い状況での退院であ
り、心配や不安もありましたが、患者さんにとって、住み慣れた自宅に帰ると
いうことがどれほど大きいものかを感じました。別の方は、病気の進行により
積極的な治療ではなく、緩和ケアでの治療を行いながら在宅療養に移行するこ
とになりました。患者さんは「こんな状態で退院することが悲しい」と退院の
前日、涙されました。本人が強く望んだ自宅退院でしたが、病気の進行に対す
る悔しさ、家族への心配、今までの経過の中での思いを語られました。「話を
聞いてもらって今日は眠れそう」と話され、翌日、少し晴れやかな表情で退院
していかれました。後日外来でお話しを伺うと、自宅で訪問看護を受けながら
家族とともに生活できている様子を明るく話してくださいました。後日、訪問
看護師より亡くなった知らせと、最期の時間は本人と家族が心を通い合わせた
良い時間であったことを聞きました。
 退院支援において意思決定支援は重要です。患者さん、家族がどこで、どの
ように生活したいのか。患者さん、家族とともに考え、患者さん、家族のもつ
強さを支えていきたいと思います。

ホームページ→http://www.onh.go.jp/kango/kokuritu.html


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          研 修 医 日 記
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                     研修医2年目 田尻 昌士

 研修医2年目の田尻です。ついこの間、マッチング前にこの研修医日記を見
ていた気がしていましたが、もう書く立場になっていて時間の速さに驚いてい
ます。
 大阪医療センターには研修医2年目15人、1年目16人(歯科1人)の合計31
人の研修医が在籍しています。それだけいると、研修医室に戻れば誰かしらい
るので、業務上で困ったときの相談相手に欠くことありませんし、仕事終わり
や、休みの日の遊び相手も誰かしら見つかります。研修医の出身大学、出身地、
志望診療科も割りとバラバラですが、一緒にバーベーキュー、旅行に行くなど
楽しく過ごしています。
 熱心に教えてくださる指導医やレジデントの先生に出会えるのもこの病院の
売りの一つだと思います。
 マッチング先の病院で悩んでいる医学生の皆様。
 先輩方の書いた研修医日記に嘘はないので、安心して見学に来て下さい。


臨床研修のホームページ→http://www.onh.go.jp/kensyu/index.html


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総編集長:病院長 是恒之宏
編 集 長:副院長 中森正二、関本貢嗣
     看護部長 伊藤文代 
編   集:百崎実花
発  行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
         (〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
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 生國魂神社の夏祭に続き、もうすぐしたら天神祭で、鱧の季節です。また、
今年の土用の丑の日は7月30日のようです。鱧も鰻も夏負け対策には持ってこい
とか、昔の人はよく考えたものです。それでは、次号をお楽しみに。

メールマガジンのご感想をお聞かせ下さい。
www-adm@onh.go.jp

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