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メールマガジン「法円坂」No.188(2017/1/16)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)



 新年明けましておめでとうございます。
今回の年末年始は昨年までと違って最短の6日間と短かったですが、正月気分
は味わえましたでしょうか?
 関西では松の内は1月15日までと言われていますが、松の内の間に恒例の災
害訓練も無事終了、病院は全く通常モードに入っています。
今年初めてのメルマガをお届けします。
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   メールマガジン「法円坂」No.188(2017/1/16)
          (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
 ・院 長  是恒 之宏 です
 ・就任のご挨拶
 ・当院で働く女性医師 (7)
 ・第43回“愛の夢コンサート”クリスマスコンサートを終えて  
 ・看 護 の こ こ ろ
 ・研 修 医 日 記

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      院 長  是恒 之宏(これつね ゆきひろ) です       
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 あけましておめでとうございます。
今年の年末年始大阪は、いい天気に恵まれましたが皆さんはどのようなお正月
を過ごされたでしょうか。

 さて、前院長は恒例新年の挨拶で十干十二支の話をされていましたが、今年
はどうなのかなと期待しておられるかたもいると思います。まずはその話を少
ししましょう。
 今年の十干十二支は、丁酉(ひのととり)です。ひのとは漢字で丁と書きま
す。1ちょう、2ちょう、3ちょうってお豆腐じゃあるまいし、と小池都知事
が言っていたお豆腐の1丁、2丁の丁です。丁(ひのと)は充実している伸び
盛り、ところが酉(とり)は実が熟した状態、この組み合わせが何を意味する
のでしょうか。そこで、60年前のひのととりを振り返ってみましょう。
 60年前の同じ丁酉は、神武景気と岩戸景気のちょうど間の時期で経済的には
微妙な年でした。一方トヨタがアメリカへの自動車輸出を開始、日産はスポー
ツカーを発売、大阪のそごうが東京に進出。スーパーのダイエーが大阪千林で
開店した年です。ダイエーといえば、博多、と思っている人も多いでしょうが、
元々は大阪が発祥なんです。スポーツ界では、長嶋茂雄さんが巨人に入団、プ
ロレスラーの力道山が後楽園で日本初の世界選手権を行い、鉄人ルーテーズと
対戦した年でもありました。60年前を振り返るといずれも1つの時代を作った
スタートでありました。今年のひのととりは、熟した状態に外の伸び盛りの力
を統合してさらに新しい世界をつくる、そんな1年にしていきたいと思います。
 昨年は、発掘調査で一部後期難波宮跡の遺跡が発見され当初の予定より病院
更新築も遅れる予定ですが、申年は去り、酉年を迎えて鳥のように前を向いて
進んでいきたいと思います。

 さて、昨年末にSMAPが28年の活動を終え解散しましたが、代表的な曲といえ
ば、世界にひとつだけの花、ですね。みなさんもよくご存知の曲ですが、私は
あの曲のキーワード、No.1にならなくてもいい、もともと特別なonly one。と
いう歌詞が好きではありません。大阪医療センターに働く職員のみなさんは、
職種によって個人によって具体的な目標は違いますが、only one and No.1を
目指していただきたい。まずは部門、科の中のNo.1、大阪医療でNo1、近畿グ
ループでNo.1、地域でNo.1、国立病院機構でNo1、日本でNo.1、さらには世界
で有数、目標にしてくださいと年頭の挨拶で言いました。その思いが、病院全
体の前進力となり、職員全員が誇りを持って働ける病院に繋がると思います。

 益々地域に愛される病院を目指して1月16日からは、段階的に外来のインタ
ーネット予約も始まります。

 どうか今年も1年よろしくお願いいたします。


 
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             就任のご挨拶
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                     臨床研究センター長
                     上松 正朗

 本年1月1日付けで臨床研究センターに着任いたしました。私の専門は循環器
内科ですが、なかでも心不全や心エコーを専門にしています。昭和55年に大阪
大学を卒業し、超音波ドプラ法を用いて患者さんの心臓や血管内の血流を計測
する研究室に所属しました。大阪警察病院、大阪大学、米国エモリー大学、ジ
ョージア工科大学、国立循環器病センター研究所、船員保険病院(現みなと中央
病院)などを経て、前任地である関西労災病院に赴任し、循環器内科領域の臨床
に携わって37年目になります。このたび縁あって伝統ある大阪医療センターに
勤務することができ嬉しく思います。

 さて、私の職場は臨床研究センターです。病院になぜ臨床研究センターがあ
るのでしょうか。患者さんにとっては耳慣れない部門かもしれません。患者さ
んを「モルモット」にして研究するところなのでしょうか。決してそうではあ
りません。医学は日進月歩です。日々進歩しているということは、裏を返せば
いまはまだ不完全だということです。医療に携わる人たちは皆プロ意識をもっ
て頑張っているのですが、今一生懸命やっていることも、そのうち古くなりま
す。極端な例をあげてみましょう。19世紀のはじめごろまでは、よく瀉血(し
ゃけつ)療法が行われました。瀉血とは「悪い血」を出すことにより病気を治
療するというものです。もちろん現代医学では否定されていますが、当時は大
まじめで行われたのです。合衆国初代大統領ジョージ・ワシントンをはじめ、
瀉血で命を落とした患者さんも多かったといわれています。また米国の名門マ
サチューセッツ総合病院の古い講堂を訪れると、ワイシャツにネクタイ姿のド
クターたちが腕まくりして手術を行っている絵が掲げてあります。感染を考え
ると、とんでもないことですね。この二つはかなり昔の例ですが、今の医学だ
って200年先にはどのように評価されているかわかりません。このように考える
と、不完全な医療を少しでも完全なものに近付ける努力をすることは、大学の
先生方に丸投げしてすむものではなく、現場の医療者ひとりひとりに課せられ
た義務でもあるのです。先輩やガイドラインの言うことを鵜呑みにするのでは
なく、現場の医療者自らが科学的に検証しつつ、よりよい医療を模索すべきな
のです。そのために臨床研究があります。

 医学研究にはいろいろな種類があります。試験管に始まり、動物を使った研
究、症例報告、ケース・コントロール研究、コホート研究、非ランダム化比較
試験、RCTなど、患者さんはもちろん一般の医療者にもなじみのないものも多い
のですが、医療者が身近に取り組むことのできる研究もあります。希な症例や、
貴重な経験をしたら、それを他の医療者に正確に伝えることにより、多くの人
の役に立ちます。不幸にして病気に見舞われた患者さんも、臨床研究にご協力
いただくことによって、世界中の患者さんやまだ見ぬ子孫を救うことができる
のです。

 医療者側も忙しい診療の中で臨床研究を行うことは大変ではありますが、医
療者のキャリアアップにつながるばかりではなく、私の経験では忙しくなるの
に第一線の医療者にも元気を与えてくれます。まだ赴任させていただいたばか
りですが、大阪医療センターは職員や設備など、素晴らしいリソースに恵まれ
ています。この素晴らしい伝統とポテンシャルを生かし、目の前の患者さんの
ため、まだ見ぬ患者さんのため、そして我々医療者自身のためにも微力ながら
頑張っていきたいと思います。何卒よろしくお願いいたします。


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      当院で働く女性医師 (7)          
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					 消化器内科 専修医
                     庄司 絢香

 消化器内科専修医 庄司絢香と申します。私自身は結婚も出産もしていない
ので、単に一消化器内科専修医としてのお話にはなってしまいますが、日常に
ついて書かせて頂きます。

 毎朝担当患者さんを訪室して、お変わりがないことを確認することから一日
が始まります。その後、カンファレンスをしてから、内視鏡検査・エコー検査
・外来などの業務に入ります。女性の患者さんの中には女性医師による検査施
行を希望する方もいらっしゃるので、少しでも役立てればと思っています。検
査の合間に病棟の患者さんの採血結果や画像所見を確認し、指示を出すのです
が、検査の多い日にはなかなか仕事をうまくまわすことができず、周りの先生
方にたくさん助けて頂いています。また、日中は頻繁に病棟にあがる時間を作
ることが難しい時も多いのですが、看護師の方々や研修医の先生方はいつも気
を利かせて対応して下さり、助かっています。午後からは人手を要する処置も
行い、専修医同士で手伝いあって対応しています。検査・処置が全て終わると、
また患者さんを訪室し、検査結果を説明したり、診察したりして、病棟を去り
ます。そこからカルテ業務を行い、おなかがすけば同期や先輩と出前をとり、
仕事が終われば帰ってすぐに寝る、というのが日常です。
私の現在の生活は仕事で充実しており、女性だからどうといったこととは無関
係な生活パターンですが、出産・育児がなければ基本的には仕事において性別
がどうこうという時代でもないので、下積み時代はみんなこんなものなのかな
と思います。ただ、女性医師としての先輩である先生方が職場で身近にいらっ
しゃることは、働き始めた当初に思っていたよりも精神的に心強くありがたい
ものだと、専修医になって責任・業務が増えてから気付きました。
また、保育園も併設している当院で、出産・育児をしながらも第一線で仕事を
なさっているたくさんの女性の先生方や他職種の方々と一緒に働かせて頂くこ
とで、ライフイベントを言い訳にしないしなやかさ、たくましさを学ばせて頂
いており、自分が将来そういう立場になった時にはお手本とさせて頂きたいと
思っています。


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 第43回“愛の夢コンサート”クリスマスコンサートを終えて
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                    ボランティアコーディネーター
                    藤本 和彰

 2016年12月13日、当院・講堂にて音楽ボランティアの皆さまによる、
第43回“愛の夢コンサート”クリスマスコンサートを開催しました。
 会場の講堂には大小2体のクリスマスツリーが、ボランティア「法円坂」の
皆さまにより、とても綺麗に飾り付けられました。そして会場は楽しみにされ
ている患者さん・ご家族で一杯に! “皆さまこんばんは〜・・・”いつも進
行のお手伝いをして下さっている、八田 叔子さんの挨拶でコンサートが始ま
りました。

 最初の奏者は、ピアノソロの佐竹 史子さん。今回で43回を迎えた“愛の夢
コンサート”ですが、第1回よりレギュラー出演していただいています。オー
プニング曲は映画「旅情」の主題歌、「♪サマータイム・イン・ベニス(ベニ
スの夏の日)」。旅情は1955年に制作・公開されたイギリスとアメリカ合
衆国の合作映画です。主演はキャサリン・ヘプバーンとロッサノ・ブラッツィ。
ロッサノ・ブラッツィが歌った主題歌「サマータイム・イン・ベニス」は大ヒ
ットしました。銀幕スターの面影や、映画の1シーンなど想い出されましたで
しょうか?!
 続いての曲は「♪エーデルワイス」「♪タラのテーマ」。きょうは映画音楽、
3曲を聴かせて下さいました。それぞれに情景を思い浮かべながら、懐かしく
聴いておられたのではないでしょうか。
 そして最後は、オリジナル曲「♪ハーブの丘」。神戸布引ハーブ園を訪れた
時に作られた曲だそうです。ハーブの丘に着いて、自分の乗って来たロープウ
ェイが「ふわふわした風船」のように見えて、その情景やハーブの丘の風景を
曲にされました。
 ピアニスト・作曲家として活躍中の佐竹 史子さん。その華奢な体からは想像
できない華麗なテクニックと、作曲家ならではの情感豊かで、美しいアレンジ
の旋律に思わず引き込まれてしまいます。生のピアノ演奏をさぞやお楽しみい
ただけたことを感じています。

 続いての奏者はピアーチェの皆さん。ピアーチェはイタリア語で「楽しい」
「愉快な」という意味です。皆さまの身近な場所を訪問し、ピアノ・ヴァイオ
リン・フルート・歌のアンサンブルで生演奏を届けて下さいます。これまで、
ピアノ(山口 美樹子さん)・ヴァイオリン(浜田 里香さん)・フルート(川
瀬 千佳江さん)・歌(ソプラノ・平田 雅代さん)女性4人のアンサンブルに、
黒一点クラリネット奏者・森 健太郎さんが参加して下さいました。
 クリスマス曲や讃美歌、フィギュアスケート・浅田真央選手のプログラム曲
「リチュアル・ダンス(火祭りの踊り)」など、今回も、とってもバラエティ
に富んだ素敵なプログラムを作って下さり、ソプラノの美しい歌声と素晴らし
い演奏で、「ビアーチェ」ならではの、文字通りの楽しい・愉快な思い出に残
るステージを、多くの患者さんに届けて下さいました。そして何よりも「元気」
をいただきました。

 「みんなで歌いましょう!」では、会場の皆さんと、ステージに副院長先生
をはじめ、副看護部長、看護師さんなど9名のスペシャルゲスト(?)をお迎
えし、手話をまじえて歌った「♪赤鼻のトナカイ」。その熱演に先生方のいつ
もと違った、こころ穏やかな表情を垣間見せていただいた気がします。
そしてプログラム最後は、ベートーベン作曲・『交響曲第9番』より「♪喜び
の歌」。ソプラノ歌手・平田雅代さんは、「テレビのニュースなどで、オーケ
ストラで演奏して、“第九”を歌っているシーンとかが、よく流れたりしてい
ます。今は病気や怪我で大変な思いをされていると思いますが、来たる201
7年が明るい未来、希望いっぱいの年になるよう願って、ピアーチェが演奏で
のお手伝いをし、この曲を皆さんと一緒に歌い、第九の気分を味わっていただ
こうと思っています。」と述べられました。
 前奏に合わせ、会場皆さまの元気な「歓びの声・・・」と、ちから強い「喜
びの歌・・・」が聴こえ、「今日、音楽を通じて“一つになれた”」、「たく
さんの笑顔と友情に溢れた人々に歓迎してもらった・・・」という、そんな気
持ちになっていました。とっても素敵な第九になりました。十分に「第九」の
気分を味わっていただけたのではないでしょうか。
 音楽を身近に感じ、心豊かな時間を過ごしていただけたことと思っておりま
す。音楽はどんな時でも、どんな所でも、みんなで一緒に心で楽しめる大きな
パワーを持っていると信じています。一期一会、音楽を通じ少しでも心を和ら
げ、これからの療養のお役に立てれば幸いに思います。患者さんの一日も早い
ご回復と、ご退院をボランティア・職員一同願っております。
少しばかり早い「Xmasコンサート」に、皆さまがハッピー(Happy)
な気持ちになって、クリスマス気分を満喫していただけたならば、幸いに存じ
ます。
 音楽ボランティア皆さまからの心の贈り物「“愛の夢”クリスマスコンサー
ト」、会場いっぱいのお客さまに聴いていただくことが出来ました。
そして何よりも、この病院コンサートが末永く続くことを願っております。
「楽しい時間をありがとうございました。」皆さまのご支援・ご協力を感謝い
たします。

 今回参加して下さった10代〜50代・60代以上の男女34名の方々から、
「コンサート感想アンケート」を届けていただきました。「全体的にいかがで
したか?」について、「よい:34名、94%」+「ふつう2名、6%」の評
価をいただきました。
皆さまからいただきました貴重なご意見・ご感想は、今後開催するコンサート
の企画の参考にさせていただきます。ご協力有難うございました。

「大阪医療センターメールマガジン」ご愛読の皆さまへ・・・
 音楽ボランティア募集のお知らせ:当院では「音楽ボランティア」のご協力
で、年3回(初夏・秋・冬の季節)コンサートを行っています。
初夏に“愛の夢”サマーコンサートを、冬12月に“愛の夢”クリスマスコン
サートを行います。素敵なハーモニーやメロディを聴いたり、大きな声で歌っ
たりしながら楽しい時間を過ごさせて下さいます。
また、秋のコンサートは「大阪府医師会フィルハーモニー」の皆さまが、フル
オーケストラの魅力を届けて下さいます。
“愛の夢コンサート”に出演を希望される方、また、MC(master of
 Ceremonies)として楽しい時間をご一緒しませんか。
出演ご希望の方は、管理課ボランティア担当までご連絡下さい。

・管理課ボランティア担当   →TEL:06-6942-1331(代表)
・ボランティアホームページ →http://www.onh.go.jp/volunteer/


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      看 護 の こ こ ろ        
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			              皮膚・排泄ケア認定看護師
                                             副看護師長 大澤 真琴

 明けましておめでとうございます。新年を迎え、新たな目標に向かって邁進
していかなければと心を新たにする次第です。
インフルエンザも流行しておりますので、うがい・手洗いを心がけて体調管理
をしてください。
 私は昨年4月に大阪南医療センターより異動となりました。皮膚・排泄ケア認
定看護師となって8年目になります。このような機会を頂き、自分が何故、皮膚
・排泄ケア認定看護師になろうと思ったのか振り返ってみると、人工肛門や人工
膀胱(以下、ストーマ)を造設した患者さんと関わる中で、ストーマと共にでき
るだけ今までと変わらない生活を送られている方を多く見てきました。「ストー
マがない方が良いけど、しょうがないことだった。でも、ストーマがあるから生
きてこられた」という言葉もすべての方ではないですが聞かれます。ストーマを
造設された患者さんがストーマと共にどのように過ごしたいか(生きたいか)や
今までと変わらない生活ができるように継続して関わっていきたいと思い、皮膚
・排泄ケア認定看護師となりました。患者さんとの関わりの中で印象深いエピソ
ードをお話ししようと思います。
 その方は60代の方で直腸癌、膀胱・前立腺浸潤、腸閉塞も併発し緊急入院とな
りました。腸管穿孔となる可能性も非常に高く、ストーマの造設膀胱に対する手
術が準緊急的に行われました。準緊急手術でしたが、ストーマに対する受け入れ
やストーマケアも順調に進みました。ご本人の、早く化学療法を開始して直腸癌
の手術をしたいという思いが強かったことも後押しされたのだと思います。化学
療法が開始され3ヶ月経過した頃、普段と変わらない生活をしている中でストーマ
が脱出してしまい、緊急入院となりました。起きている間は常にストーマが脱出
している状況で元にも戻りにくくなってしまい、ストーマ装具の交換がご自身で
も困難、ご家族でも難しい状況となりました。再度ストーマを造設する話も出て
いましたが、身体状況と化学療法を中断することでの腫瘍への影響を考えると難
しいのではないかと判断されました。化学療法は副作用が出現しながらも継続で
きていましたが、ストーマ脱出が悪化し、日常生活自体にも支障が出てくるよう
になってきたため、ご本人の再手術への希望が強くなってきました。
 身体的状況やQOLを考えるとストーマ再形成術はできる状態でした。しかし、
手術により化学療法は一時的に中断するため、腫瘍拡大のリスクが十分あること
を医師より本人・家族に説明した上で本人が選択し手術が行われました。再手術
が無事に終了し会いに行くと、自分の小さくなったストーマを触わられ、「本当
によかった。ありがとう。」と涙を流しながら私の手を強く握られました。私は
その時に初めてこんなに再形成を強く望んでいたのだと知りました。その後、ス
トーマケアは本人でできるようになり、笑顔で退院されました。
 その患者さんとの関わりを通じて、改めてストーマを造設された患者さんがス
トーマと共にどのように過ごしたいかを共に考え、支援することの必要性を再認
識しました。現在、私は皮膚・排泄ケア認定看護師として、患者看護だけではな
く、患者さんへの看護を通して若い看護師への教育をおこなっています。私自身
が経験してきたことや感じたことを伝え、患者さんがご自身の病気やストーマと
ともに過ごすことについてどのように思い、受け止めているのか、看護師が支援
しなければならないことは何かを患者とともに考えられる看護師を育成できるよ
う取り組んでいきたいと考えます。


ホームページ→http://www.onh.go.jp/kango/kokuritu.html


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          研 修 医 日 記
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                     研修医2年目 山名 史男

 このページを読んでいる皆さまと同様、研修先を選ぶ大学6年の夏や、国立大
阪医療センターでの研修が決まり国家試験を控えた大学6年の冬にこの研修医日
記を読んでいたことがつい数日前のように感じられます。あれから2年もの月日
が経過したと思うと時の流れの速さに驚いています。
 2年間、当院での研修を通して感じたことを3点書かせていただこうと思いま
す。
まずは、真面目なところから。1点目、少し自由選択の期間が短いのではと感じ
る点についてです。当院では必修としてローテートする診療科が多く、自由選
択できる期間が4か月しかなく、はじめは私のように進路が決まっている者にと
っては、無駄な期間が多いのではと考えていました。それはとんでもない勘違
いです。無駄なことなの一つもありません。すべての診療科を少しでもローテ
ートすることで知識・日々の診療における視野の広がりにつながると感じてい
ます。学生時代に勝手に感じている先入観や今後の進路等について再度考える
機会を得ることができて、様々な診療科をローテートでき、良かったと感じて
います。
 次に、2点目。同期が多いことです。私自身も研修先を選ぶ際に、条件として
考えていました。当院は1学年に15人もの研修医がおり、様々な人がいます。
さらには研修医のみの医局もあり、毎日研修医同士で日々の業務の悩みやわから
ないこと、楽しかったこと、辛かったことをわいわい話せる仲間が常におり、
当院に来れてよかったなと感じています。とてもキャラクターのバラエティに
とんだ素晴らしき同期、先輩、後輩です。

 最後に、3点目。場所です。
当院が建っている場所が良すぎます。
 仕事に疲れたとき・遅くなってしまった時、みんなとごはん食べに行こうか
となりますよね。そんな時、お店に困らないのが、そう!、国立大阪医療セン
ターです。とにかく何でもあって、とにかく美味しいんです。
 病院ばかりで少し外に出たいとき、大阪といえば梅田・心斎橋等に行きたく
なりますよね。そんな時移動手段に困らないのが、そう!、国立大阪医療セン
ターです。病院の目の前に地下鉄の駅、バス停があり、すぐにどこへでも行け
てしまいます。
 すこし体を動かしたいとき、走る場所に困らないのが、そう!、国立大阪医
療センターです。とにかく大阪城が近い。いつでも走りに行けます。最高の環
境です。
 以上3点、少し長くなってしまいました。

 当院での研修の日々は自分を成長させてくれます。何かのご縁があって当院
で研修をされる皆さまはぜひ二年間をしっかり楽しんでください。



                     研修医2年目 益田 貴史

 研修医2年目の益田貴史です。研修期間も残すところわずかとなりましたが、
これまでを振り返って当院の研修内容についてお伝えします。
 私が当院を志望した理由はいくつかありますが、まず多くの方がここで書い
ていることとして、同期の人数が多いことがあります。見学でご覧になった方
はご存知かと思いますが、研修医ルームは1年目と2年目合わせて1つの部屋で、
困ったことがあればいつでも気軽に相談することができます。同じ科を何人か
で一緒にローテートすることも多く、心強いです。将来目指す科も様々で、勉
強会を開催したり、わからないことをお互い教えあったりすることで知識を深
めあっています。ほとんど全ての科がそろっていることも魅力的で、様々な症
例を経験することができます。
初めは各科の仕事に慣れるので精一杯だと思いますが、徐々に自分で病態を考
え治療方針を考えていく楽しみが出てくると思います。どの科の先生も親切丁
寧に指導して下さるのでとても勉強になります。そして、皆さん気になってい
るかと思う当直は月に3、4回程度で1年目と2年目がペアで当直業務にあたりま
す。まずは自分たちで診察にあたることが多いので大変な分だけ考える力もつ
くと思います。他にも、病院の立地がよいので日々の生活には困らないと思い
ます。

 以上簡潔にまとめてみましたが、まずは一度見学に来てみて下さい。皆さん
と共に働ける日を楽しみにしています。


臨床研修のホームページ→http://www.onh.go.jp/kensyu/index.html


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総編集長:病院長 是恒之宏
編 集 長:副院長 中森正二、関本貢嗣
     看護部長 伊藤文代 
編   集:百崎実花
発  行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
         (〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
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 年末年始から結構暖かい日が続いていましたが、昨日からこの冬1番の寒波が
登場。各地では大雪警報が出ています。幸い大阪市内は寒さだけで雪はなさそう
です。今年はまだインフルエンザの流行は院内では危険域に達していませんが、
例年、災害訓練や新年会後に大流行することがあります。手洗い励行して、くれ
ぐれもご注意を。ではまた来月に。
    
メールマガジンのご感想をお聞かせ下さい。
www-adm@onh.go.jp

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