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メールマガジン「法円坂」No.190(2017/3/15)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)



 東日本大震災から6年が経ちました。この時期はテレビや新聞で、なお震災で傷
ついている人たちがたくさんいること、震災のさなかに生まれた赤ちゃんが6歳に
なり、小学校にあがれる喜びを語っていることなど、たくさんの記事が流されます。
私たちはあの震災から学んだことを忘れてはいけないなと再度深く考えさせられる
時期です。
また、年度末は別れの月でもあり、さびしい季節ともなります。でも、春に向けて
門出の時期でもあります。人それぞれの転機の時期かもしれません。

それでは今回のメルマガをお楽しみください。
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   メールマガジン「法円坂」No.190(2017/3/15)
          (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
 ・院 長  是恒 之宏 です
 ・当院で働く女性医師 (9)
 ・メルマガご愛読の皆さま『NPO法人 キャンサーリボンズ』をご存知でした
か?
  では『大阪医療センター リボンズハウス』をご存知ですか?
 ・看 護 の こ こ ろ
 ・研 修 医 日 記

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      院 長  是恒 之宏(これつね ゆきひろ) です       
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  3月9日は何の日?

 さて、3月9日は何の日でしょうか。語呂合わせです。「みゃく」の日、漢字
で書くと「脈」の日です。「脈」の漢字は、にくづき、と分かれて連なる流れか
らなり、体を流れる動脈、静脈はまさにこの漢字がぴったりですね。
 さて、脈の日を初めて聞かれた方も多いと思いますので紹介します。私が専門
としている心房細動は、致死的な心室細動とは異なり突然死を生じることは特殊
な場合を除いてありませんが、その分一生付き合っていかなければならない不整
脈です。いま、日本には100万人を超える心房細動患者さんがおられると推定され、
今後もさらに増えていくことが予想されています。心臓の中で補助的ポンプの役
割をしている心房が細かく揺れるように動き(細動)、その部分に血流が滞り血
の塊ができやすいため、その血栓が脳に飛ぶと大きな脳梗塞を起こします。これ
を予防するために現在いろいろな抗凝固薬が使われています。心房細動は70歳以
上の高齢者になると急激にその頻度が増加してきますが、患者さんによっては全
く症状がない「無症候性」の場合も多くその頻度は40%にも及ぶと報告されてい
ます。我々のところにやってくる患者さんも、「風邪でクリニックに行ったら脈
が乱れていると言われて受診するように言われました」と、「今年の定期検診で
はじめて心房細動」の2つのパターンが多くを占めます。無症候であれば脳梗塞
のリスクは低いのでしょうか。そうではありません。症状のない脈の乱れをどう
やって一般の方々が見つけることができるのか。そこで、心電学会(現在は不整
脈心電学会)、脳卒中協会が啓発活動を考えていく中で「脈の日」を3月9日に
定めました。この記念日は日本記念日協会のホームページにも載っています。

 ちなみに3月8日は何の日でしょうか。このホームページを見てはじめて知り
ましたが「残薬をへらす日」だそうです。3月9日から1週間は心房細動週間。
病院にもポスターを貼ってお知らせしています。
ポスターには、「脈とってますか?心電図調べていますか?寝たきりの予防は脈
のチェックから」の記載がありますが、どうやって脈をとったらいいの?という
方もおられると思います。YouTubeで「脈とりで寝たきり予防」を検索してくださ
い。手首で脈をとる方法を詳しく説明しています。脈が不規則かなと感じされた
ら、いちど心電図をとってもらいましょう。


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      当院で働く女性医師 (9)          
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					 放射線診断科 部長
                       栗山 啓子

 私は2006年に放射線科の科長として、当院に転勤して来ました。途中で診断科
と治療科に別れ、今は放射線診断科の科長をしています。今年で11年となり、当
院の女性医師の長老の一人で、女性医師の会の代表をしています。

 毎年3月に、放射線科の近くにある西門の大きなミモザ(房アカシア、銀葉ア
カシア)の木が地味ですが黄色いかわいい花を咲かせます。女性に人気のオレン
ジ・ジュースで作るシャンパン・カクテルのミモザのミモザです。細かくしたゆ
で卵をトッピングにしたミモザ・サラダや、ミモザ・タルトというスィ―ツもあ
るようです。そのミモザの花にあやかって、数年前に“大阪医療センター女性医
師の会”を“ミモザ会”とネーミングし、情報発信の場としています。大阪医療
センターのホームページにも上の方で、右から左に流れるタイトルの中にありま
す。
 3月8日は国際女性デーです。働く女性を励まし。感謝する日だそうです。
イタリアではFESTA DELLA DONNA( フェスタ・デラ・ドンナ:女性の日)とされ、
男性が感謝を込めて女性にミモザを贈るそうです。このことから「ミモザの日」
とも呼ばれます。こんなイタリアのおしゃれな習慣が日本で紹介されるようにな
り、今年、大阪医療センター・女性医師の会(ミモザ会)に日本イタリア文化協
会からミモザの花束を頂くことになりました.
いくつになっても,花を贈られるのは喜ばしいもので、イタリアの濃いイケメン
男性に花束を贈られたと妄想して、今年の春をときめいて過ごそうと思います。


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メルマガご愛読の皆さま『NPO法人 キャンサーリボンズ』をご存知でしたか?
では『大阪医療センター リボンズハウス』をご存知ですか?
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                    ボランティアコーディネーター
                    藤本 和彰

 2017年3月12日、日本精神科看護技術協会(東京・港区品川)にて、
「リボンズハウス・ネットワーク会議」が開催されました。リボンズハウス間の
情報共有と、NPO法人キャンサーリボンズ事務局と各リボンズハウス、そして
パートナー企業の皆様との連携強化のための「リボンズハウス・ネットワーク会
議」も今回で第7回を迎えました。
 NPO法人キャンサーリボンズはいち早く「がん治療やがん患者さんを支える
生活支援」を掲げ、2008年6月に発足しました。リボンズハウスは、201
7年2月末現在、全国21ヵ所に設置されています。


「NPO法人 キャンサーリボンズ」のご案内

*治療と生活をつなぎます。

 わが国では、2人に1人が、一生涯にがんに罹患すると言われています。がん
は全ての人にとって他人事ではなく、生活の営みの中で、ひとりひとりが支える
側になったり、支えられる側になったりします。多くのがん患者さんは治療だけ
ではなく、治療中および治療後の“生活”に不安や悩みを抱えています。症状や
副作用のケアなど治療にかかわるケアにとどまらず、精神面でのケア、美容面で
のケア、さまざまなリラクゼーションなど、がん患者さんが「少しでも心地よい
自分らしい生活」を送れるような「治療と生活」をつなぐ情報の提供や具体的な
サポートが求められています。

*社会全体で支えあうがんケアのネットワークを提案します。

“キャンサーリボンズ”という名前には、患者さん、自分らしい生活を送りたい
と願うすべての人々、がん医療やヘルスケアに携わる多くの専門家、がんの早期
発見や予防に関する啓発活動に従事する方など全ての人が活動を通してリボンで
結ばれ、つながっていけたら、という想いが込められています。さまざまな立場
の人々がお互いに自分のできることを生かしながら、患者さんも、家族も、医療
者も、すべての人が誰かを支え、誰かに支えられる、そんな、特定の誰かに負担
のかかることのない新しい関係が、よりよい「治療と生活」を実現すると考えて
います。

*リボンズハウスの展開

 がん患者さんの「治療と生活」をつなぐ、具体的な情報とケア体験を提供する
場所です。医療者やヘルスケアに携わる多くの専門家の手によるプログラムを通
して、患者さんがより自分らしく少しでも快適な生活を送れるよう、サポートし
ていきます。また、広く地域に開かれたスペースとして多くの人々が情報を共有
し、支えあいを実践できる場になることを目的としています。医療施設、ショッ
ピングモールなど国内外のさまざまな場所に開設し、各地域の特性を生かしなが
ら、立地に合ったソフトを展開していきます。

 キャンサーリボンズでは「がん治療と生活」をつなぐ、様々なプロジェクトを
おこなっています。人々が集う「RIBBONS HOUSE」(リボンズハウス)
を実践の拠点とし、テーマに沿って以下のようなプロジェクトがスタートしてい
ます。

【キャンサーリボンズのテーマ別プロジェクト】
R:Release      緩:ストレスや苦痛(症状や副作用)を取り除く
I:Information    知:情報を活用する
B:Beauty      美:ビューティ・ケアで自分らしさをサポートする
B:Body       動:身体をほぐす動かす
O:Orientation    向:気持ちを整え、方向性を定める
N:Nutrition     食:食を愉しみ栄養で身体を養う
S:Sexuality     性:性を大事にする
  ・
H:Home Town    域:地域の健康や美に貢献する
O:Occupation    働:働く、役割を担う
U:Unity       共:気持ちを共有し支えあう
S:Self-realization 己:自分を大切にし、自己実現する
E:Enjoy       楽:楽しむ、表現する
(キャンサーリボンズ ホームページより抜粋)

 現在、全国21ヵ所に設置のリボンズハウス、近畿圏では8ヵ所に設置されてい
ます。大阪府下では、国立病院機構 大阪医療センター、大阪警察病院、公益財団
法人田附興風会 北野病院が開設しています。
「大阪医療センター リボンズハウス」は、2009年12月、外来診療棟1階の
「患者情報室」に併設されました。患者情報室は、同じ病気の先輩患者さんの体験
談や、医療図書、インターネットなどを情報源として、患者ご自身やご家族たちで
情報を共有したり、その病気について「生きた情報」を知る・読む・見る・学ぶ広
場です。ボランティアスタッフがお手伝いしています。
 このリボンズハウスは、従来からがん治療や生活支援にも取り組んでいますが、
更に「がんに特化したリボンズハウス」という機能を加えて、より一層いろんな方
々に「治療と生活をつなぐ」情報の提供や、具体的なサポートができるようにと開
設しています。詳しくは各ホームページをご覧ください。

・「キャンサーリボンズ」ホームページ → http://www.ribbonz.jp/index.htm
・「患者情報室・リボンズハウス」ホームページ
  → http://www.onh.go.jp/jouho/jyohousitu.html

 6月21日は『がん支えあいの日』です。キャンサーリボンズでは、6月21日
を“社会全体でがんのことを考え、お互いに支えあう日”として、『がん支えあい
の日』としています。がん支えあいの日は、がん患者さんが自分らしい生活を送る
ための支援を実行に移す日です。がんに関わる情報を共有し、ひとりひとりが自分
にできることを考え、行動に結びつけていけるよう、呼びかけていきます。
人々が集う「RIBBONS HOUSE」、この12文字の一文字1文字にキャン
サーリボンズのテーマ別プロジェクトの活動の意義が刻まれています。よりよい「
治療と生活」の実現、その実現に向かって、このネットワーク会議で得た貴重な情
報を軸に、各地域のリボンズハウスが担う「利用者ニーズ」を充分に理解し、今後
の活動の拡大・拡充につながるヒントを模索し、そしてその活動が、リボンズハウ
スの認知度の向上にも結び付くようにと考えています。
当院リボンズハウスの2017年度の活動は、これまで培った活動実績を足掛かり
に、この活動が近隣地域をはじめ、広くは地域社会全体につながるよう、イベント、
セミナー等の充実を継続します。その一環として「がん支えあいの日」記念イベン
ト、第6回「支えあいの輪 〜がんとお金と仕事と私〜」を、3月18日(土)午後
1時より開演いたします。
 詳しくは、講演・行事のご案内ホームページ
:http://www.onh.go.jp/event/index.html
をご覧ください。ご興味のある方は是非ご参加ください、お待ちしています。

 また、患者サロン、タオル帽子・布ぞうり体験教室などにみる、患者さん・ご家
族の皆さまが、おしゃべりしながら楽しさを共有できる交流の場の拡充を目指しま
す。
是非、「大阪医療センター リボンズハウス」にお気軽にお立ち寄りください!
ボランティアスタッフ一同、心よりお待ちしています。

 「患者情報室・リボンズハウス」では、人と情報をつなぐボランティアを募集し
ています!
情報室の受付や対応、病気について本やインターネットを使って、利用者お一人お
ひとりに必要な情報探しのお手伝いをお願いしています。患者さんのお話しを聞い
ていただくだけでもかまいません。
利用者の方が利用しやすく、“ホッとできる空間”を一緒に作ってくださる方、ボ
ランティアを希望される方、お待ちしています

 お問合せは、国立病院機構 大阪医療センター
 ・管理課ボランティア担当    TEL:06−6942−1331(代表)
 ・ボランティアホームページ →http://www.onh.go.jp/volunteer/


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      看 護 の こ こ ろ        
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			              東11病棟 副看護師長
                      中野 真季

  冬の寒さも日に日に和らぎ、春の風が快い季節となりました。季節の変わり目は
体調を崩しやすい時期でもありますので、皆様体調には十分にお気をつけください。
 私は、昨年4月に脳卒中内科・脳神経外科に異動となりました。看護師として働
きはじめ8年目になります。病棟異動と同時に副師長に昇任し、自分の言動が病棟
スタッフに影響を与える立場になるという責任感を感じながら、日々忙しくも楽し
くスタッフと協力して仕事に励んでいます。8年というまだまだ未熟な看護師です
が、看護をする上で大切なことは、患者さんが何を思い何をしたいのか、これから
どのように生活していけるのか一緒に考えていくことだと考えています。
 以前、消化器外科の終末期患者さんを受け持たせて頂いたときのことです。患者
さんは自宅療養されていましたが、食事が摂れず、徐々に痛みも出現し、疼痛緩和
・栄養管理のための輸液療法のために入院されました。麻薬性鎮痛貼付剤を開始し、
鎮痛剤の頓服の使用にて徐々に疼痛緩和が図れてきたとき、患者さんが「家には帰
りたくない。」といわれました。家族が来られた時にはいつも「早く家に帰ろう」
と声を掛けられていたため、ご本人も自宅退院を希望していると思っていました。
しかし、患者さんとの関わりを重ねるうちに本当の思いを話してくださり「今まで
好き放題やってきたからこれからは迷惑かけたくない。家に帰ると家族の負担にな
るから帰りたくない。」と言われました。この患者さんの思いを聞き、患者さんの
ご家族に対する心配を軽減することができれば、自宅退院が可能ではないかと考え
ました。チームカンファレンスを実施し、疼痛緩和や食事管理以外にも、ご家族の
思いや、患者さんのこれからの生活についてできることが沢山あるのではないかと
話合いました。まず、全員が同じ目標に向かうことが必要だと考え、ご本人の思い
をご家族に話す機会を作りました。患者さんの思いを聞きご家族は、涙しながら自
宅に連れて帰りたい、協力すれば大丈夫と言われ、患者さんも涙されていました。
そのときには、患者さん本人から自宅退院に「うん」とは言っていただけませんで
したが、ご家族・患者さんの信頼感や家族関係を見て自宅退院が可能であると感じ、
他職種との調整を開始しました。麻薬のこと、食事の代わりの点滴を自宅でする方
法、ポート造設・抜針方法、入浴時の麻薬の処理、張り替えなど訪問看護が入れな
い時間帯のご家族のサポートが必要な内容をまとめ、患者さん・ご家族に指導を行
いました。初めはできないと言われていた患者さんも、徐々に自信がつき患者さん
から「家に帰れそうやな、これやったらできそう」と言って頂くことができ、無事
自宅に退院されました。
 入院中の患者さんには、普段表現されている言葉にも色々な思いがあり、その本
心を聞けるように寄り添えたとき初めて患者さんと向き合えたと感じます。患者さ
ん・ご家族の思いをくみ取りこれからどのように生活していきたいのかをチームで
考え、目標を患者と考え実践してくことを大切にしています。
 看護師としても、副師長としてもまだまだ未熟ですが、これからも患者看護を通
し考え・学んでいくことで少しでも患者さんに寄り添った看護ができるように、日
々病棟スタッフと看護を語り合い、日々を振り返える時間を作っていきたいと思い
ます。


ホームページ→http://www.onh.go.jp/kango/kokuritu.html


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          研 修 医 日 記
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                     研修医2年目 渡辺 怜美

 研修医2年目の渡辺怜美と申します。
 もう初期研修が終わってしまうのか、と少し寂しく感じています。
 様々な診療科の臨床に関わることができ、貴重な経験をさせていただきました。
各診療科によって特色がありますが、数ヶ月ごとに各科の一員となり、実際の臨
床現場における仕事の様子や指導医の先生の考え方などを知ることができました。
救急外来では自分が司令塔となって二次救急に対応する時期もあり、大変勉強に
なりました。
 相談に対応してくださる上の先生方には大変お世話になりました。
先輩、同期、後輩に恵まれ、楽しく、助け合いながら研修できました。
学生の頃はどんな病院で初期研修するのが良いのか、具体的には分かっていません
でした。
しかし、2年間を終える今、私はこの病院で研修させていただけて良かった、と心か
ら感謝しております。医師としてまだ2年しか経っておらず、未熟ですが、この2年
間の経験を活かしてこれからも精進したいと思います。


臨床研修のホームページ→http://www.onh.go.jp/kensyu/index.html


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総編集長:病院長 是恒之宏
編 集 長:副院長 中森正二、関本貢嗣
     看護部長 伊藤文代 
編   集:百崎実花
発  行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
         (〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
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 先日、USJに行きました。初めての訪問です。私のお連れは「18000歩いた!」と感
嘆の声を上げていました。ジョーズに乗り、ハリーポッターのお城に入り、それはそ
れは楽しかったのですが、一番よかったのは、ロックンロールショーでした。若い日
を思いだすようなロックを歌を聞き年齢を考えさせられました。「40歳になっら理
論を語り、50歳になったら経験を語り、60歳になったら人生を語る」こんなふう
に歳を重ねただろうかと。


メールマガジンのご感想をお聞かせ下さい。
www-adm@onh.go.jp

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