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メールマガジン「法円坂」No.194(2017/7/18)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)



 この12日に、昨年は遺跡調査のためにできなかった生國魂(いくたま)神社
夏祭の子供神輿の敷地内巡行が復活しました。昨年の分を取り返すように100人
近い子供さんと3台の枕太鼓と1台の神輿の巡行、病院南玄関前での3度の手打
で、院内の皆さんを元気付けていただきました。
 生國魂さんが終わり、大阪も本格的な夏になっていきます。くれぐれも体調
管理にお気をつけ下さい。今月号のメルマガをお届けします。
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   メールマガジン「法円坂」No.194(2017/7/18)
          (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
 ・院 長  是恒 之宏 です
 ・新任のご挨拶 
 ・【 法円坂よもやま話 】
 ・『第44回“愛の夢コンサート”サマーコンサート』開催する
 ・看 護 の こ こ ろ
 ・研 修 医 日 記

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      院 長  是恒 之宏(これつね ゆきひろ) です       
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「高齢者診療とEBM」

 日本における高齢化は地方ですでに大きな問題となっており大阪市内において
も2025年まで75歳以上人口は増加の一途をたどることが予想されています。私が
専門とする心房細動はまさにこの高齢者の不整脈と言っても過言ではありません。
かつては、リウマチ性僧帽弁狭窄症がこの不整脈の大きな原因でしたが近年は70
歳以上で急激に増加する非弁膜症性心房細動がその主体となっています。
 心房細動は脳卒中のなかでも予後不良な心原性脳塞栓症の原因となることから、
抗凝固療法による発症抑制が大変重要です。5年ほど前までは、主としてワルファ
リンが用いられてきましたが近年直接経口抗凝固薬(DOAC)が登場し、新規発症
の心房細動の多くがDOAC処方に移行しています。ここで留意しなければならない
のが根拠となっているEBMです。
 薬剤承認を得るための大規模臨床試験(治験)は、無作為割り付け二重盲検と
いった極めてエビデンスレベルの高い試験であり、エビデンスピラミッドの頂点
と認識されています。ただ、研究参加被験者候補を選ぶ時点において大きな選択
バイアスが存在します。治験に参加されるのは、開発されている薬剤の必要性や
研究の内容をよく理解でき、通常よりも多い来院回数、検査にも同意された方で
す。服薬アドヒアランスも良好である方をおのずと選択することになります。い
くら高齢者に多い心房細動といっても、参加患者さんの年齢はやや若めになりま
す。治験の1例としてENGAGE AF試験の年齢分布を見ると75歳以上40%、80歳以上
17%、85歳4%でした。85歳以上で治験に参加できる患者さんって想像できます
か。ご高齢になればなるほど生活能力、認知度、フレイルなどの個人差は大きく
なりますから治験に参加できる方々はかなり限られてくるというのは想像に難く
ないですね。また、試験の多くが国際共同試験になっていますが、人種差、治療
域の違いなども気になるところです。高齢者のサブ解析なども各試験でされてい
るところですが、試験に参加した患者さんはかなりの選抜メンバーであることに
留意しておく必要があります。
 一方、DOACも発売されて5年以上が経過し、実臨床での報告が次々と発表されて
います。企業主導の単一薬剤の市販後調査がその多くを占めますが、3月の日本循
環器学会総会で話題になった報告に、伏見AFレジストリーのサブ解析がありま
す。京都伏見地区での開業医の先生方を中心としたAFのレジストリーでは、
DOAC使用例と非使用例で脳卒中、大出血とも大きな差を認めなかったというので
す。もちろん両群の背景因子に違いがありますが一見なんの効果も副作用もない
ように見えます。以前、ワルファリンでやはり同様の結果が報告されましたが、
このときはコントロールが軽いために2階から目薬的な状態になっているのではと
推測されました。今回もEBMと大きくかけ離れた結果に驚きましたが、一方で
高齢者におけるアドヒアランスの問題、不適切な低用量使用の問題など実臨床で
は治験ではなかったことが生じています。抗凝固薬服用においてアドヒアランス
が10%低下すると、脳卒中のリスクが10%上昇するという報告もあり、ご高齢の
患者さんに如何にきっちり服用していただくかは今後益々重要なテーマと考えま
す。また、ワルファリンに比べるとリスクベネフィットのバランスが良く使いや
すくなったとは言え、DOACが諸刃の剣であることに変わりはありません。現在、
投薬の有無、種類を問わず75歳以上の非弁膜症性心房細動30000例を目標としたレ
ジストリーが進行中であり、EBMを補完するエビデンスが得られるものと期待
しているところです。


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         新任のご挨拶         
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                        事務部長  高橋 良和
                   
 7月1日付けで、京都医療センターから赴任いたしました。どうぞ宜しくお願
い申し上げます。
 大阪医療センターには、18年余り前、まだ国立病院の時代に4年間勤務して
いました。その後も、近畿地方医務局、近畿厚生局、国立病院機構本部近畿ブロ
ック事務所と、谷町四丁目周辺には12年程勤務しておりますが、大阪医療セン
ターは久しぶりということで、懐かしさも一入です。ただ、18年も経つと、さ
すがに職員はほとんど入れ替わっており、以前の勤務した時に一緒だった方は、
院長以下数名になっていますので、過去の勤務経験に拘らず、心機一転、初めて
の勤務先と思って頑張りたいと思います。

 大阪医療センターが、今後も高度急性期の総合機能病院として地域に貢献し続
けるために当面取り組むべき最大の課題は、何と言っても病院建物の更新築です
が、埋蔵文化財の発見、国の医療政策の方向が大きく変化していること、そして
それに伴い国立病院機構全体や大阪医療センター自体の経営が困難化しているこ
と等、乗り越えねばならない障害が少なくないのが現状です。
 中でも、経営の改善については、医療の質や量の確保、コンプライアンスの徹
底と、コスト削減や合理化との間で、往々にしてトレードオフに陥りやすく、障
害の克服は簡単なことではないと思われますが、今までの勤務経験や知識を活用
し、少しでも前に進むことを考えていきたいと思っております。
 そして、その障害の克服による前進が、単に大阪医療センターのためだけでな
く、大阪医療センターを利用いただく患者さんや地域の皆様にとっても、望まし
いこと改善に資することとなるよう、国の独立行政法人の組織の一部であること
を踏まえて、公平公正、不偏不党を心がけ、俯瞰的な視野で建設的に、取り組ん
でいきたいと考える次第です。
 出来ることは限られていて、結果として改善も僅かということになるかもしれ
ませんが、結果論にとらわれず、精一杯、改善や前進に努めていく所存でござい
ますので、どうぞ宜しくお願いいたします。


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       【 法円坂よもやま話 】       
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                          中島 伸

  総合診療部/脳神経外科の 中島 伸 です。今回は寺子屋の話をしたいと思いま
す。

 寺子屋というのは通称で、正式名称は研修医症例検討会です。夜間・休日など
時間外の外来を担当している研修医たちの診療内容を振り返る目的で2006年に開
始し、通算700回をこえました。
 「この診断で正しかったのか?」「治療はこれで良かったのか?」と思うもの
を持ち寄り、皆で検討しています。毎週金曜日の夕方から、自由参加で2時間ほど
行っています。
 もともとは研修医を対象に始めたのですが、長い歳月の間に参加者の変化があ
り、現在は数名の診療看護師と他院の医師がメインです。肝心の研修医は、残念
ながら、来たりこなかったりになってしまいました。少ないときには出席者が僅
か2人ということもありますが、構わず続けています。
 内容は、教育的な症例や落とし穴的な症例などです。これまでの症例の中で典
型的なものを1例紹介しましょう。
 この患者さんは60代の女性です。職場で転倒して頭を打ち、左耳から出血して
いるとのことで救急搬入されました。転倒の際、1〜2分間の意識消失があったと
のことです。頭部CTでは左側頭骨骨折、乳突蜂巣出血、右硬膜下血腫、右前頭葉
脳挫傷を認めました。と言うと大変な頭部外傷のように思えますが、いずれもご
く軽いもので、本人は意識清明。しかし、なぜ転倒したのかが問題です。よくよ
く聞いてみると、1週間ほど前からふらつきがあり、黒色便が続いていたそうです。
眼瞼結膜は蒼白で、血液検査ではヘモグロビンが 5.2m/dL! 急いで消化器内科
医が上部消化管内視鏡をすると胃の中には凝血塊が一杯でした。おそらくは消化
管潰瘍からの出血によって貧血となったために失神して頭部外傷を引き起こした
ものと思われます。頭部外傷だけに目を奪われていたら消化管出血が命取りにな
るところでしたが、担当医が適切に対応したので事なきを得ました。
 毎回、このような症例の検討の後に「寺子屋便り」というタイトルの簡単なサ
マリーを作成して院内メールで全職員に発信しています。廊下ですれ違った職員
に「中島先生。この前の寺子屋便りは勉強になりました」と声をかけてもらうこ
ともあり、励みになっています。
 これからも気力の続くかぎり出席者のいるかぎり寺子屋を継続していきたいと
思っています。


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   『第44回“愛の夢コンサート”サマーコンサート』開催する
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                    ボランティアコーディネーター
                    藤本 和彰

 平成29年6月20日、当院講堂にて“愛の夢コンサート”サマーコンサート
を開催しました。平成9年1月ボランティア導入時より始められた「愛の夢コン
サート」は、回を重ね44回を迎えました。

“皆さまこんにちは〜・・・”いつもプログラムの進行のお手伝いをして下さる、
八田 叔子さんの挨拶でコンサートは始まりました。今回も出演して下さった音楽
ボランティアの皆さまより、素敵な音楽と楽しい時間を多くの患者さん達に届け
ていただくことが出来ました。
 このコンサート、前回(昨年)までは夜7時の開演でしたが、今回はお昼4時
に始めることになりました。夕食までのゆったりとした時間を、生の演奏でお楽
しみいただければと思っています。

 プログラム一つ目は、佐竹 史子さんのピアノ演奏。佐竹さんは、日ごろはピア
ノを教えたり演奏活動をしていらっしゃいます。毎回のご出演で、映画音楽を中
心に演奏して下さいます。
オープニング曲は「♪ある愛の詩」。この曲は環境の全く異なった世界に育った
男と女の切ないロマンスを描いた不朽の恋愛映画、ある愛の詩(1970年アメ
リカ映画)の主題曲。音楽は巨匠フランシス・レイ、アカデミー作曲賞に輝きま
した。会場に映画をご覧になった方がいらっしゃいましたが、銀幕スターの面影
や映画の1シーンなど懐かしく想い出していただけたのではないでしょうか・・
・。とても美しいメロディでした。そして“愛とは決して後悔しないこと”とい
う名セリフ・・・。とても印象的でした。
 続いて「♪愛の讃歌」「♪慕情」の2曲を聴かせて下さいました。そして最後
の曲はオリジナル「♪蓮の池」。佐竹さんは、いろんな場所で印象に残ったもの
をイメージし、曲にされるそうです。この曲はハイキングに行かれた時、下へ下
へと歩いていると、池いっぱいに綺麗に咲いていた蓮の花を見つけて、あまりの
綺麗さにその情景を曲にされたそうです。会場の皆さまも、情景を思い浮かべな
がら聴いておられたのではないでしょうか。
ピアニスト・作曲家としても活躍中の佐竹 史子さん。いつもながらの暗譜演奏と
華麗なテクニック。そして作曲家ならではの情感豊かで、美しいアレンジの旋律
に思わず引き込まれてしまいます。生のピアノ演奏を、さぞやお楽しみいただけ
たことを感じています。いつも素敵な演奏をありがとうございます。

 プログラム2番目は「ピアノフォルテ」の皆さまです。今回初めて“愛の夢コ
ンサート”に参加して下さいました。声楽(ソプラノ)・中村 かおりさん、ピア
ノ・中筋 知子さん、ヴァイオリン・林 聡子さんのユニットです。
ピアノフォルテは、音大を卒業した指導者や演奏者で2000年に結成されまし
た。現在は音楽ホールや教会、幼稚園などでクラッシックを中心に“癒し”を演
奏テーマに掲げられ、活動していらっしゃいます。
「♪主よ人の望みの喜びよ」、オペレッタ『メリーウィドウ』より「♪ヴィリア
の歌」。歌はソプラノ・中村 かおりさん。とても清澄感に富んだ美しいソプラノ
が会場一杯に響き渡りました。「ブラヴォー」と喝采の声・・・。その歌声は力
強く元気を与えてくれました。きっと、会場すべての人たちをも魅了したことで
しょう。
 続いて日本の唱歌「♪浜辺の歌」。ピアノフォルテの皆さまがメッセージを届
けて下さいました。「どうか皆さんもどこか昔いったことのある海を思い浮かべ
ながら、聴いていただけると嬉しいです。」と。会場からは口ずさみの声が・・・。
何処か昔いったことのある海を思い浮かべながら・・・。
 恒例の「みんなで歌いましょう!」のコーナーでは、坂本九さんのヒット曲、
「♪上を向いて歩こう」「♪見上げてごらん夜の星を」の2曲を歌いました。元
気に、大きな声で、会場からの手拍子に心の温かさを感じながら・・・。
そしてプログラム最後の曲は、ミュージカル『アニー』より「♪トゥモロー」。
主役のアニーが「明日はきっといいことがあるよ」と歌います。美しいソプラノ
の余韻を残しながら、“愛の夢コンサート”は幕を閉じました。

 今回も、とてもバラエティに富んだプログラムで、素敵な音楽と楽しい時間・
・・、そして思い出に残るステージを多くの患者さん・ご家族に届けて下さいま
した。ソプラノの美しく力強い歌声に耳を傾けながら、素晴らしい演奏に、ここ
ろの癒しと何よりも「元気」をいただきました。しばしの時間なれど、おおいに
「癒されちゃいました」・・・ね。皆さま「イメージ通りの夏を感じていただけ
ましたでしょうか」。きっと、感じていただけたことと思っています。 
 ボランティアの皆さん、そして病院職員皆さんの会場を見守る温かい眼差しが
とても印象に残っています。患者さんの一日も早いご回復と、ご退院をみんなが
願っております。音楽を通じ少しでも心を和らげ、明日からの療養のお力になれ
れば幸いに思います。そして、この“愛の夢コンサート”が患者さんの心に響き
ながら、末永く続くことを願っております。「楽しい時間をありがとうございま
した。」
 皆さま「明日はきっといいことがありますよ!」

 今回参加して下さった50代・60代以上の男女29名の方々より、「コンサ
ート感想アンケート」を届けていただくことが出来ました。設問「全体的にいか
がでしたか?」では、「よい」「ふつう」で100%(「よい」22名・76%)
の評価をいただきました。
 皆さまからお届けいただきました貴重なご意見・ご感想は、今後開催するコン
サートの企画の参考にさせていただきます。ご協力ありがとうございました。
 次回の“愛の夢コンサート”をどうぞお楽しみに!

「大阪医療センターメールマガジン」ご愛読の皆さまへ、音楽ボランティア募集
のお知らせ:当院では「音楽ボランティア」のご協力で、年3回コンサートを行
っています。
 初夏に“愛の夢コンサート”サマーコンサートを、冬12月に“愛の夢コンサ
ート”クリスマスコンサートを行います。素敵なハーモニーやメロディを聴いた
り、大きな声で歌ったりしながら楽しい時間を過ごさせて下さいます。
また、秋のコンサートは「大阪府医師会フィルハーモニー」の皆さまが、フルオ
ーケストラの魅力を届けて下さいます。
“愛の夢コンサート”に出演を希望される方、また、MC(master of Ceremonies)
として楽しい時間をご一緒しませんか。
出演ご希望の方は、管理課ボランティア担当までご連絡下さい。

・管理課ボランティア担当   →TEL:06-6942-1331(代表)
・ボランティアホームページ →http://www.onh.go.jp/volunteer/



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      看 護 の こ こ ろ        
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					  西9階病棟 副看護師長 
                      神尾 久仁恵世		 
  

 夏本番、毎日暑い日が続きますね。水分補給と適度な室温・湿度管理を心がけ
て熱中症を予防してくださいね。
今回で2度目の「看護のこころ」担当になります。以前は救命救急センター時代の
事故の患者様との出会いについて書かせていただきましたが、今回はその後一般
病棟に異動してからの患者様との出会いについて書かせていただきます。

 私が一般病棟に異動して一番苦手だったことは「点滴注射」でした。すでに何
年も看護師を経験していたにも関わらず、いつになっても慣れずにいました。人
に針を刺すという、看護師という国家資格があるからこそできることなのですが、
やはり人の苦痛を緩和したいという理念のもとに看護師をしていく中で、苦痛を
伴うことをする「注射」に非常に抵抗を感じていました。
 ある日、度重なる点滴治療や病気の影響でとても腕が細く、血管の非常に弱い
患者A氏を受け持ちました。点滴の針を入れても、すぐに漏れてしまい、また入
れるのもとても難しい患者様でしたがその日も漏れてしまい、入れ替えることに
なりました。私は「点滴の苦手な私が入れることができるはずがない」と考え、
医師にお願いしようとしました。するとA氏が「一回やってみい」と私に実施す
るように声をかけてくださいました。私は恐る恐る実施したものの、やはり針は
血管には入りませんでした。A氏は以前から何度も針を刺されることにストレス
を感じていたことを知っていたので「すいません、やはり私の技術ではいれるこ
とができませんので、誰かにかわってもらいます」と伝えました。するとA氏は
「逃げてたらうまくならんで!点滴苦手なんやろ?俺の血管はめちゃくちゃ細い
からな、難しいよ。でも俺の血管に入れられたら一人前。俺の腕で練習したらい
い。何回刺してもいいから。」と答えて下さいました。私はA氏の優しさにうれ
しさと、点滴を入れられるかの不安な心の中、再挑戦させていただくことになり
ました。結局再挑戦も入らなかったのですが「入るまで頑張れ」とA氏に応援し
ていただく形となり、最終的に点滴の針を入れることができました。「俺に入れ
られたからもうベテランや。ちゃんと入った時は全然痛みもなく入ったで」とA
氏に言われ、点滴や注射は患者様にとって苦痛であるという考えから、点滴や注
射は患者様にとって必要不可欠なものであり、それをいかに苦痛を最小限に実施
することが看護師として大事という考えに変換することができました。それから
私は苦手だった点滴注射を自ら多く取り組み、得意な医師や看護師の技術を見学
したりコツを伝授していただき、また院内の「静脈注射プログラム」に参加し、
テストを受けて合格し「IVナース」となることができました。
 「IVナース」というのは当院で「点滴注射」の研修を行い、知識と技術のテ
ストを経て、得ることができる資格であり、「IVナース」が病棟を中心にスタ
ッフの「点滴注射」の教育に関与しています。一番苦手であった技術を今は教育
する側になるなんて、あの頃は想像もつかなかったことです。きっと看護師の経
験年数だけでは私の苦手な気持ちは変わらなかったと思いますが、A氏との出会
いが私を大きく変えてくれたと思っており、今でも点滴をするたびにA氏を思い
出します。苦痛を取り除くだけの看護しか考えられなかった私が苦痛を伴うもの
を最小限の苦痛で行う看護の大切さを教えて頂いたA氏との出会いに感謝し、こ
れからも自己の技術に磨きをかけると同時に後輩たちの技術向上に努めていきた
いと思います。


ホームページ→http://www.onh.go.jp/kango/kokuritu.html


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          研 修 医 日 記
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                     研修医2年目 佐藤 広陸

 研修医2年目の佐藤広陸です。この病院を将来の研修先として考えている方々
の参考に少しでもなれば、と思っております。
 私がこの病院を選んだ1つの理由としては、診療科がそろっていて、かつ各科
に様々なスペシャリティーをもった先生方が豊富にいることです。そのため日々
の診療の中で、自分の手に負えない症例にぶちあったっても、各科の垣根を越え、
専門の先生方に相談することができます。初期研修のローテーションでは、必修
科20カ月+選択科4カ月で構成されています。初期研修の2年間でたくさんの科を
回ることで、様々な分野の幅広い知識を身に着けることができます。その分、自
分で選択できる期間が短く自由度が少ないというデメリットはありますが、初期
研修は、自分の専門外の領域に関して腰を据えて勉強できる最後の期間だと思っ
ているので、決して無駄にはならないと考えています。また、わたしは2年間の
初期研修生活を終えた後、この病院で引き続き後期研修をしようかと考えている
ため、その前に気軽に相談できる各科の先生方を見つけておくことはとても重要
だと思います。
 この病院での研修生活は、忙しすぎず暇すぎず、ちょうどよい忙しさだと私自
身思っていますし、周りの研修医たちも同じように言っています。研修医の部屋
はしっかりと確保されていますし、1人1人に机は与えられています。病院は立地
にも優れているため、交通の便や、どこかに遊びに行きたいときはもってこいで
す。
 夜間救急外来は月に3〜4回程度です。患者さんの最初のコンタクトは研修医
であるため、初めての患者さんに対して問診や診察をとり、検査を考えていく力
は2年間のなかでつくと思います。もちろん上の先生方も当直しているため、自
分たちの力ではどうしようもないときはその先生方にコンサルトをして、手伝っ
ていただくことはできます。
 文章だけではわからないところも多いと思うので、一度見学に来てこの病院の
雰囲気を感じてみて下さい。そして、もし一緒に働くこととなれば、その時はよ
ろしくお願いします。


                     研修医2年目 宮崎  葉月

 研修医2年目の宮崎葉月と申します。初期研修半ばを過ぎ、現在1年目と一緒
に外科をローテートしています。手術症例も豊富ですし、先生方も優しく指導熱
心な方ばかりなので楽しく仕事ができています。外科のローテートが遅いのでは
と思われる方もいらっしゃるでしょうが、ローテート順は同期同士で話し合いの
上決めることになっているので志望科の兼ね合いでうまく調整できると思います。
同期は歯科をあわせて16人います。出身大学は様々で、仲良く研修しています。
1年目と2年目が同じ医局で、31人分の机がずらっと並んでいます。電子カルテや
パソコン、ソファー・冷蔵庫・電子レンジもありますし、勉強したり仕事終わり
に話をしたり、それぞれ色々な過ごし方をしています。お互いに相談しやすい環
境があるのも良い点だと思います。研修の忙しさとしてはその人のやる気次第で
変わってくると思いますので、忙しいとも楽とも言えません。この病院はほぼす
べての科が揃っており、外病院に研修に行くことは精神科と地域のみで院内で研
修が済むことも良い点ではないでしょうか。また立地も良く梅田・難波にすぐ出
ることができます。当直業務に関してはたくさん書かれていますので割愛します。
マッチング試験に関しては筆記がありますが、みなさん国家試験の勉強をしてい
れば大丈夫です。私は2年前に見学にきて、雰囲気にひかれてこの病院を選びま
した。ほかの病院で研修していないので比較はできませんが、この病院で働くこ
とができて良かったと思っています。研修病院を悩まれている学生さんはぜひ一
度見学にきてください。

 
臨床研修のホームページ→http://www.onh.go.jp/kensyu/index.html


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総編集長:病院長 是恒之宏
編 集 長:副院長 中森正二、関本貢嗣
     看護部長 伊藤文代 
編   集:百崎実花
発  行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
         (〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
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 生國魂さんの夏祭りに続き、もう来週は天神祭です。いよいよ夏も本格します。
今年の土用の丑の日は7月25日で天神祭本宮と同じ日に当たります。高値の花とな
った鱧と鰻ですが、夏バテ対策に少しでも口にできたらいいですね。
それでは、次号をお楽しみに。

メールマガジンのご感想をお聞かせ下さい。
www-adm@onh.go.jp

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