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メールマガジン「法円坂」No.201(2018/2/15)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)



 平昌オリンピックが始まりました。朝鮮の南北問題やロシアのドーピングな
ど話題の多い大会となりましたが、日本人選手には騒ぎに振り回されず頑張っ
てほしいと思います。
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   メールマガジン「法円坂」No.201(2018/2/15)
          (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
 ・院 長  是恒 之宏 です
 ・病院機能評価を受審しました
 ・【 法円坂よもやま話 】
 ・『患者情報室 創設15周年を迎えて』
 ・看 護 の こ こ ろ
 ・研 修 医 日 記

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      院 長  是恒 之宏(これつね ゆきひろ) です       
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富士山に思う

  2月13日、少し寒さも和らいだ感じですが東京で院長会議がありANAで行って
きました。
天気は快晴で窓から富士山が綺麗に見えました。冠雪を見て改めて富士山の優雅
で非の打ち所のない姿に見入っておりました。新幹線からですと、富士山は見え
ても短時間ですが、飛行機からは天気がいいとかなり長い間楽しむことができま
すね。静岡側から見ると山の上1/3ぐらいが雪でしたが、東京側から見るとほ
ぼ全面が雪で覆われていました。同じ富士山でも見る方向によりこんなに景色が
変わるんですね。前からみても横から見ても富士山は富士山、素晴らしいです。
ただ、実際に登山をしてみると(私は中学以来登ったことはありませんが)、不
法投棄のゴミなど問題もあるようですね。芸能人の中には、ある方向でしか写真
撮影を許さないという人もいますが、大阪医療センターは前からみても横からみ
ても後ろから見ても中から見ても素晴らしい、と言われるように常に意識して参
りたいです。病院の中にいると、なかなか全体像が見えないこともあり少し離れ
たところから見る、外部から評価頂くことも大事です。先日、5年に1回の病院
機能評価を受審しました。前回より1日短縮され2日間の評価でしたが、特に診
療プロセスに重点をおいた評価でした。2日目最終の講評では概ねいい評価を頂
いたようですが、詳細は最終の審査結果を頂いた上でまたご報告したいと思いま
す。


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        病院機能評価を受審しました
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                       企画課 業務班長 
                       倉貫 弘務

 平成30年2月7日・8日の2日間、第三者評価機関である医療機能評価機構
による病院機能評価を受審しました。
 総合入院体制加算における要件としての第三者評価には、JCIの病院プログ
ラムやISO9001の認証も含まれるため、近年では医療機能評価機構による
病院機能評価を選択しない病院も増えつつありますが、病院機能評価制度の発足
時より受審し続けている当院では、今回が5回目の受審となり、やはり受審する
ことが自然な流れだったように思います。
 病院機能評価受審の意義は、施設基準の他にも「定期的な組織運営の見直しに
よる質改善」や「医療チームにおける一体感の醸成」などが言われますが、私自
身、病院機能評価受審を今回初めて経験し、その意義を十分に味わうことができ
たと考えます。
 事務職員である私にとって、病院機能評価受審に向けた役割は、全体的なスケ
ジュール管理や連絡調整、自己評価及び事前資料の取り纏め等が中心であったも
のの、業務班長という職務柄、この機会を好機として、院内環境の整備にも取り
組むことができました。
 今回、講評において、サーベイヤーの方から「古い病院ではあるが、大変綺麗
に使っておられる」とのお言葉を頂戴し、(これはもちろん現場スタッフの方々
が常日頃より整理整頓を心掛けている賜でありますが)、着任間もない頃に是恒
院長より「古いと汚いは違うので・・・」と環境整備についてご指示いただいて
いた私自身としては、非常に喜ばしいことでありました。
 また、この他にもサーベイヤーの方からはお褒めの言葉を沢山頂戴し、当院の
スタッフの方々が、まさに当院の理念どおり、質の高い医療を情熱を持って提供
すべく、日々ご尽力していることを再認識するとともに、当院の一員であること
を非常に誇らしく感じました。
 最終的な結果は2ヶ月ほど先になりますが、必ず良い結果が出るものと信じて
います。
 最後になりましたが、長期間にわたり受審準備にご尽力いただきました現場ス
タッフの皆様、常に強力なサポートをいただきましたコアメンバーの皆様、本当
にありがとうございました。


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       【 法円坂よもやま話 】       
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                          中島 伸

総合診療部/脳神経外科の 中島 伸 です。今回は私が病院でよく使う格言につい

て述べたいと思います。

「働かざるもの食うべからず」という有名な言葉があります。もとはソ連の指導

者であるウラジーミル・レーニンが言ったものとされていますが、もっと遡ると

聖書にまで辿り着くそうです。現代日本では「働かないものは食べてはならない」

「食べたければ働け」と部屋にこもってネットやゲームばかりしている引き籠り

への批判に使われています。

ところで、病院ではこれを自虐的にひねって「働くもの食うべからず」と使われ

ています。働くものは食べる時間すらない、という話です。

よくあるのは歓送迎会。午後6時45分にロビーで集合したとしても、「●●先生

とXX先生が来ていないなあ。きっと患者さんにかかりっきりになって手を離せ

ないんだろう」というときに、誰も同情したり待ったりしません。「仕方ない奴

だなあ、『働くもの食うべからず』と言うし、置いていこう」となるのが常です。

1時間ばかり遅れて宴会に登場した●●先生が、「入院患者さんの血圧が急に下

がって、慌ててエコーしたり輸血したり」といかに大変だったかを力説しても、

誰も興味を持ってくれません。悲しい現実ですね。

もっとひどいのは「働くもの休むべからず」です。「今日の夕方にはリハビリカ

ンファがあるから、看護師さんだけやなくてドクターも誰か出てください」と連

絡があっても、皆忙しくて手を空けるのが大変。仕方ないので「1番沢山リハビ

リの患者さんを抱えているのは誰や?」ということになり、レジデントの△△先

生が虚ろな目で「ぼ、僕かもしれません。今日も入院があって手一杯なんです」

と名乗りを上げると、「なら△△先生、行ったってくれるか。大変とは思うけど」

と忙しい人間にますます用事が集まってしまいます。

また、病棟に遅くまで残って仕事をしていると、看護師さんたちの「ちょっとお

願い」攻撃にさらされて、早く帰った他の医師の抜けている指示や処方まで書く

羽目になってしまいます。理不尽ではありますが、これも医療現場の現実です。

「そのうち苦しみが喜びに感じられてくるに違いない」と自らを励ましつつ、今

日も頑張っております。トホホ。


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   『患者情報室 創設15周年を迎えて』 
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                    ボランティアコーディネーター 
                    藤本 和彰

 2003年(平成15年)10月23日、「患者情報室」が誕生しました。そして今年
10月、創設15周年を迎えます。多くのボランティア・病院職員の皆さまをはじ
め、関係者皆さまのご支援ご協力に感謝いたします。
15年、その間には、患者情報室の2度の移転がありました。又、ボランティアス
タッフの目まぐるしい交代があり、そして「大阪医療センター リボンズハウス」
の併設や、「女性がん患者の会 ハーブ」の参加などもありました。長くも感じ、
“あっ”という間に過ぎてしまったような、そんな気もする15年でした。
そんな歩みと共に、患者情報室のボランティアとして、いまも積極的な活動で、
ご尽力されている、西尾 典子さんの「患者情報室10周年」の寄稿をご紹介しな
がら、今一度振り返ってみたいと思います。

「患者情報室10周年」

 患者情報室は、当院で亡くなられた患者さんのご遺志を引継ぎ、ご遺族のご寄
付で実現しました。病院が場所を提供し、故人が理事をされていた、NPO法人
が企画・運営責任を担うという形で、2003年10月23日に開室しました。
開室当日には、後に「患者大集会」の発起人になられた三浦医師や、「先生・・
すまんけどなぁ・・・」の著者の桜井医師もいらっしゃいました。木を主とした
調度品、緊急災害医療棟の窓越しに注ぐ日差しや、その日差しの如く穏やかな人
柄の常駐スタッフ(NPO法人の職員)が心地よい空間を作り出していました。
 集まったボランティアも多士済々で、若い大学生が先にオープンしていた東京
女子医大病院の「からだ情報館」や、国立病院機構長野病院(現・国立病院機構
信州上田医療センター)「ホっとらいぶらり・長野」に足を運び、司書の資格を
持った方と共に、書籍の配架や登録を迅速に進めました。当院の医療者による講
演会やミニ映画会も好評でしたが、その後、NPO法人が運営から撤退し、常駐
スタッフが不在になった時は、船長を失った船のようで、私たちボランティアに
とっては試練の時でした。
幸いにも病院のご理解とご協力で運営も引き継がれ、場所も本館に移転しました。
移転後は、「リボンズハウス」との提携やがん患者さんの患者会が立ち上がり、
薬の副作用や痛みの緩和、リンパ浮腫や食事(栄養)、頭皮ケア、ウィッグなど、
多岐にわたって患者さんや医療者からの情報が得られる場所として、患者情報室
も一役を担っています。近々では、タオル帽子を提供して下さるグループも参画
され、少しずつですが、情報室が認知されてきているのではと思います。
 研修に来られて、ご自分が勤務されている病院で積極的に活動されている情報
室もあります。大学院生が論文のテーマにということで、暫し活動されることも
あります。こういった外からの風は、私たちボランティアにとっても、啓発の機
会になります。私自身、幾つかの情報室を見学しましたが、それぞれ形態などは
異なっていますが、患者さんにとっては病室以外のもう一つの居場所にもなって
いるのではと思います。
 患者さんと、医療者とスタッフのコラボレーションで、居心地のよい場所作り
をしていきたいと思います。

患者情報室ボランティア 西尾典子


 そして5年の月日が経ちました。15年間に、2度の移転を経験した患者者情報
室。最初の移転は、2008年(平成20年)12月1日。創設時の患者情報室は、緊
急災害医療棟の1階にあり、そこから外来診療棟1階(総合案内の隣り)に移転
されました。
 それまで空調機の無かった患者情報室では、夏場はいつもブラインドが下ろさ
れ、大型扇風機2台が、熱気のこもりがちな室内でフル回転していました。「こ
の暑さを如何にして、快適な環境に導くか」と言う「暑さ対策」こそが、患者情
報室が抱える最大の課題でした。空調設備のある外来診療棟への移転は、窓辺の
木々の緑や、空の青さを眺められなくなることより、「これで暑さが解消された
!」という、喜びの方が勝っていたのです。
 2度目の移転は、2017年(平成29年)4月27日。外来診療棟1階より、古巣
の緊急災害医療棟1階に移転し、サービスを再開しました。部屋が広くなり、創
設当時(2003年10月)のように、木目を基調としたデザインの素敵な内装に戻
りました。本棚の本を見やすく並べ、パンフレット、チラシ、ビデオなども探し
やすく、それぞれに使い勝手が良くなりました。
又、昔さながらの全体にゆったりと落ち着いた雰囲気と、心温まるスペースでゆ
っくりくつろげる、心地よい部屋づくりができました。
しかし、良いことばかりではありません。古巣に戻った患者情報室には、空調設
備が無く、夏季に近づくにつれ、再び「暑さ対策」が大きな課題として浮上して
きました。暑さは利用者の身体的負担になり、居心地のよい場所とは程遠い状態
におちいりました。そして、移転場所が遠くなった分だけ、歩く道のりも長くな
り、特に入院患者さんには、二重の負担となっています。今年は特に天候の寒暖
も厳しく、患者情報室の1日当たりの利用者も半減(これまでの22〜23名が、
10名程度に激減)しています。
しかしながら、患者情報室が抱える大きな課題「夏場の暑さ」を解決しない限り、
前には進めません。万全の対策で解決し、「居心地のよい場所つくり、環境つく
り」にご支援ご協力をお願いします。
 今も患者情報室の一角に、故井上 平蔵さんの写真を飾っています。創設者「井
上 平三さんの思い描かれていた患者情報室」に近づくための努力と、故山本 ゆ
かりさんが成されてきた「患者情報室への熱い想い」を継承しながら、次に来る
創設20周年を目指して、「生きた情報を提供する」ことへの、更なる改善に尽く
したいと考えています。

「ボランティア・患者さん・病院」三者共同による、皆さまのお力を得て、「環
境・居心地のよい場所」である患者情報室で、創設15周年を迎えたいと思いま
す。

◇メルマガご愛読の皆さま「患者情報室・リボンズハウス」では、人と情報をつ
なぐボランティアを募集しています!
情報室の受付や対応、病気について本やインターネットを使って、利用者お一人
おひとりに必要な情報探しのお手伝いをお願いしています。患者さんのお話しを
聞いていただくだけでもかまいません。
来室者の方が利用しやすく、“ホッとできる空間”を一緒に作ってくださる方、
ボランティアを希望される方、お待ちしています。

お問合せは、国立病院機構 大阪医療センター
・管理課ボランティア担当  →TEL:06−6942−1331(代表)
・ボランティアホームページ →http://www.onh.go.jp/volunteer/
・患者情報室ホームページ  →http://www.onh.go.jp/jouho/jyohousitu.html


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      看 護 の こ こ ろ        
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					 東5病棟 副看護師長
                     上田 純子

 みなさん、寒い日が続きますが、体調など崩さずお過ごしでしょうか?

 私は昨年までの約7年間、緩和ケアチームに所属していました。
緩和ケアチームとはがん患者さんやそのご家族、主治医や病棟の看護師などから
がん患者さんやそのご家族の苦痛を少しでも緩和するお手伝いをするチームです。
そこには身体の症状を専門にみる医師や、気持ちなど精神を専門にみる医師、薬
剤師、栄養士、臨床心理士、医療相談員と看護師のようにいろんな専門職者が集
まっています。
 緩和ケアチームに所属していたころは、患者さんやご家族に会うため病室まで
伺い、話を聞いたり、患者さんやご家族にとって何がどのようにしんどいのか、
時には患者さんやご家族の今まで過ごしてきた様子や希望や思いを聴いたり、ま
た使用している薬や私たちや病棟の医師や看護師が行うケアの効果やその副作用
はどうかなどの評価を行っていました。直接患者さんへケアをする病棟の主治医
や看護師から患者さんやご家族の様子を聴いたり、時には主治医や看護師の困っ
ていることを聴いたり、それぞれの患者さんや家族の苦痛に向き合いながら、た
くさんの専門職者で何が最善であるかを検討し、支援をしていました。

 昨年4月より病棟勤務となり、今度は昼や夜問わず、直接患者さんやご家族と
長い時間また繰り返し接するようになり、今までとはまた違った関わりや自分で
直接患者さんやご家族にケアを行い、その患者さんの表情や思いから患者さんや
ご家族にとって何が最善かを考え支援しています。
 病棟勤務となり、ある患者さんとご家族に出会いました。患者さんはがんを患
い、持続するいくつもの痛みや身体のしんどさを抱えながら、治療や療養を行っ
ていました。その患者さんはそんな苦痛を抱えながらもご家族と過ごす時間をと
ても大事にされていました。しかし病状や症状が増強する中、その大切な時間も、
苦痛が続く中でご家族と一緒に過ごすこととなっていきました。私はこの時間を
少しでも安楽に過ごすことが患者さんにとって生きる意味の一つであると考え、
家族の面会時間に合わせ、鎮痛剤などの薬剤を使用する時間を合わせたり、安楽
な体位や方法を患者さんと考え実施したり、ケア時間の調整などを行いました。
これらは一人ではできず、患者さんやご家族をはじめ、主治医や薬剤師と24時間
常にそばにいる看護師だから患者さんの思いを感じ実施することができることを
経験することで改めて看護師の役割の重要性と直接ケアできることの看護の楽し
さを感じることができました。
 緩和ケアチームの看護師でも病棟の看護師となってもまずは患者さんやご家族
がどうしたいのか、何が大切なのかを知り最善を尽くすこと、そして、チームや
他の人との協働も必要です。これらをこれからも行い、その患者さんらしい療養
が送れるよう支援していきたいと思います。


ホームページ→http://www.onh.go.jp/kango/kokuritu.html


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          研 修 医 日 記
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                     研修医2年目 西 貴久

 研修医2年目の西 貴久と申します。当院で初期研修を考えている方の参考に
なればと思います。学生の時に当院を見学させてもらったとき、どことなく穏や
かな印象があり、良い雰囲気に惹かれ当院を受験しました。無事マッチングし今
まで過ごしてきましたが、はじめの印象通りで、先生方には優しく教えていただ
きました。
 ローテーションは内科系8か月、外科系3か月、麻酔2か月、救命2か月、
産科1か月、小児1か月、精神科1か月、地域1か月、選択4か月と選択期間が
短いです。自分はマイナー科志望であり他科を経験することは大事だと思い、ロ
ーテートする中で先生方から多くのことを教わりました。
 当直は月4回ほどで1年目5月から11月までは2年目が基本的に指示を出し
採血や点滴をとる、身体診察を行う、患者さんをレントゲン室やCT室に運ぶと
いった体を使うのが多いです。12月以降は1年目が救急外来に来た患者さんに対
してどのような疾患を疑い、どんな検査を行っていくのか主に頭を使うこととな
ります。
何事にも積極的でなく、どちらかと言えば受け身の自分にとっては方針を決めて
指示を出すことは慣れないもので2年目の方にずいぶん助けられました。1年やり
ましたが、今でも難しいと感じます。ただある程度、強制的に苦労することで身
につくこともあるかと思います。また困ったときは時間外当直のレジデントの先
生や脳や心臓の専門の先生もおられるため安心です。
 学生から社会人になり、慣れない環境の中で過ごすことは大変なことだと思い
ますが、できる限り自分のペースで研修医生活をお過ごしください。


臨床研修のホームページ→http://www.onh.go.jp/kensyu/index.html


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総編集長:病院長 是恒之宏
編 集 長:副院長 中森正二、関本貢嗣
     看護部長 伊藤文代 
編   集:百崎実花
発  行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
         (〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
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 暦の上ではもう立春を過ぎましたが、今年は寒いですね。記録的な寒さや降雪
も報道されています。そのためか、インフルエンザが大流行しているようです。
皆様くれぐれも体調管理にご注意下さい。


メールマガジンのご感想をお聞かせ下さい。
www-adm@onh.go.jp

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