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メールマガジン「法円坂」No.206(2018/7/17)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今年は早い梅雨明けと言っていたら、記録的な豪雨に襲われ各地で深刻な被害
が出てしまいました。先月には大阪北部が直下型地震に襲われ、未だに影響が残
っている地域があります。災害は忘れた頃にやってくると言いますが、最近は頻
度が高いように思います。病院の安全確保を怠らないよう気を引き締めたいと思
います。
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メールマガジン「法円坂」No.206(2018/7/17)
(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
・院 長 是恒 之宏 です
・アドベンチャーホスピタル」を開催しました!
・最新の診断治療 「最新の肝臓病診療」
・最新の診断治療 「最近の消化器外科における診断治療の特徴」
・看 護 の こ こ ろ
・研 修 医 日 記
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院 長 是恒 之宏(これつね ゆきひろ) です
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酷暑
まずは大雨で被災にあわれた方々に心よりお見舞い申し上げます。こんなに長
く強い雨が続くのも記憶にないほどで、それも非常に広範囲に亘って続きました。
また、交通にもいろいろ支障が出ており出勤、帰宅にも困られた方々も多かった
かと思います。
この大雨が去った後、大阪ではすぐに梅雨明け宣言が出て、打って変わって非
常に暑い日が続いています。
昨年は8月に「猛暑」というタイトルでメルマガを書きましたが、今年は8月まで
待っていられません。猛暑日は、気象庁が2007年 4月以降最高気温35度以上の正
式な予報用語として認め使用されているのに対し、酷暑はマスコミが1990年以降
使い始めた俗語だそうです。どちらが「ほんまにあつい」「外に出たくない」
「汗がぼとぼと」という感じを表すでしょうか。私は「酷暑」に軍配。このとこ
ろ連日、酷暑が続いていますね。
この暑い中、東京で不整脈心電学会が行われました。流石にネクタイはしませ
んでしたが、半袖のシャツにジャケット、少し歩くだけでも汗がジワジワ、歩き
続けると背中がベットリ、ズボンの後ろが湿ってくるような状態でした。夕方ホ
テルに戻ってシャワーを浴び、やっと落ち着きましたが、もう外へ出る気がしな
い。それでも夜には以前から行きたかった「もんじゃ焼き」を食べに出かけまし
た。食わずもの嫌いで、あんなドロドロした粉もんなんてなんぼのもんじゃ(こ
こ笑うとこですよ)、と思っていたのですが、なんでも挑戦、というわけでこの
年になって初体験。月島の有名なお店で、3人で6人分ぐらい食べましたが、意外
と美味しかった。思っていたほど粉っぽくなく、いろいろな段階の焼き加減、す
なわち、ねっとり、かっちり、カリカリを1枚で楽しむことができました。とく
に人気No.1の明太チーズもんじゃは秀逸でした。その他、むかしなつかし(これ
は原点なんでしょうね)、カレー、海鮮たっぷり、漢もんじゃ(これは辛い)な
ど、どれもなかなかのもの。関西人にはあまりなじみのないもんじゃですが、な
かなかやるもんじゃ、でした。
皆様、暑さ対策しっかりと、水分塩分補給をして熱中症、脱水にならないよう
にお気をつけください。暑いのに汗が出ない、頭がぼーっとする、は要注意です
よ。そうなる前にこまめに水分取りましょう。
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アドベンチャーホスピタル」を開催しました!
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管理課庶務班長 小林 良平
平成30年6月24日(日)、大阪医療センターにおいてアドベンチャーホス
ピタルを開催しました。アドベンチャーホスピタルは、当院の教育研修活動の一
環として「医療体験」「職業紹介」などを内容としており、参加した学生の医療
への関心を高め、将来の医療を担う医療人の発掘、育成に繋げることを目的とす
るとともに、地域住民の皆様にもご参加いただけるイベントで、平成21年度か
ら毎年開催しているものです。当日は快晴の空の下、400人以上の方にご来場いた
だきました。
アドベンチャーホスピタルの主な内容としては、「外科手術体験」「カテーテ
ル体験」「臨床心理士体験」などの各種体験、調剤室や放射線撮影室などの見学、
健康チェック、AEDや心臓マッサージの実演、白衣での記念撮影、防災グッズ
の展示など、幅広い年齢層の方々に楽しんでいただける多数のプログラムを企画
しました。さらに今年は、がん治療中の患者さんやご家族を対象にしたリボンズ
ハウスイベントを同時開催し、がん患者さんに向けたメイクやスキンケアなどの
テクニックに関する講習を実施しました。
アドベンチャーホスピタルの実施にあたっては、十分な準備期間がありません
でしたが、医師・看護師・コメディカル・事務部門等の各部門のスタッフが一丸
となって取り組んだ結果、来場者のアンケートでは「すごく勉強になる情報がた
くさんありました。」「どのような仕事であるかがわかりやすく展示され、将来
の進路として考えられる素晴らしいイベントだと思いました。」「実際に参加で
き体験できるものが多かったので、より医療を身近に感じることができました。」
など、ご好評をいただくことができ大成功をおさめることができました。
アドベンチャーホスピタルは来年以降も継続して開催する予定ですので、メー
ルマガジン読者の皆様も、次回ぜひお立ち寄りください!
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最新の診断治療 6
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最新の肝臓病診療
消化器内科科長 石田 永
消化器内科は、消化管(食道から胃、十二指腸、小腸、大腸)や胆嚢、膵臓、
そして肝臓といった多くの臓器を対象としております。それぞれに診断や治療に
おいて日々進歩しているのですが、今回は肝臓病の最新の話題を紹介させていた
だきたいと思います。
【C型慢性肝炎の薬物療法について】
C型肝炎の治療は2014年に初めて内服薬のみの治療法(インターフェロンフリ
ー治療)が登場して以来、大きく様変わりしました。それまでの治療は注射剤で
あるインターフェロンを用いたものでしたが、発熱や食欲低下など副作用も強烈
で、かつ治療成績も十分といえるものではありませんでした。初期のインターフ
ェロンフリー治療は副作用もしばしば見られたのですが、さらに薬剤の改良が進
み、今では副作用の出現も非常に少なく、さらにHCV消失の成功率も98%まで向上
しました。昨年11月に発売となったマヴィレットという薬剤ではそれまでの12週
間から8週間へと治療期間が短縮されています。こういった治療により将来的には
C型肝炎を撲滅することができるのでは?とまで期待されています。
【肝臓癌の薬物療法について】
慢性肝疾患の患者さんにしばしば発症する肝臓の癌は肝細胞癌と呼ばれるもの
です。治療法は主として、手術もしくはラジオ波焼灼術が選択され、腫瘍の個数
が多い場合は肝動脈塞栓術が行われます。一部の方には放射線治療も施されます。
一方で肝細胞癌に対する抗癌剤は、2009年に経口薬であるソラフェニブが保険適
用となって以来、ずっと新しい治療薬がなかったのですが、ようやく2017年6月に
ソラフェニブ後の二次治療としてレゴラフェニブが、2018年3月に一次治療として
レンバチニブが肝細胞癌に治療適用となりました。さらに現時点でも複数の薬剤
で臨床治験が行われており、今後も治療薬が追加されていくことと思われます。
今まで他の臓器の癌と比べて肝細胞癌は治療薬が限られており、抗癌剤治療を行
うのはごく一部の症例だけでした。これからはいろいろな薬剤から病態に応じて
薬剤を選択し、あるいは組み合わせて治療する時代に変わっていくでしょう。再
発が多く、決して予後がよいとはいえない肝細胞癌の生存率やQOLがどれくらい改
善していくのか、期待しつつ見ていきたいと思っています。
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最新の診断治療 7
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最近の消化器外科における診断治療の特徴
外科総括部長 平尾 素宏
・最新の外科技術
皆さんは腹腔鏡下手術や胸腔鏡下手術をご存知でしょうか?カメラや鉗子など
を用いて、お腹や胸を小さな傷だけで行う手術のことです。術後の傷の痛みが少
なく、回復が速い優れた手術法です。大阪医療センターでは、胆嚢結石症や胆嚢
炎、虫垂炎、そして、ほとんどの大腸がん、肺がん、早期胃がん・食道がん・肝
臓がんなどの根治術を腹腔鏡下手術や胸腔鏡下手術で行っています。特に最近で
は、単孔式という傷がほとんどわからない手術法も積極的に導入しています。ま
た、腹部の進行がんはお腹の中の空間(腹腔)にパラパラと転移することがあり、
これを「腹膜播種」と呼びます。この「腹膜播種」はCT検査などでは診断できま
せんので、腹腔鏡を用いて観察診断しています。
以上、大阪医療センターでは、治療や診断に腹腔鏡や胸腔鏡を駆使しています。
・集学的治療の一つとしての外科治療
皆さんは「集学的治療」という言葉をご存知でしょうか?現在のがん治療は、
単に病巣を切除するだけでなく、抗がん剤やホルモン治療、分子標的治療、放射
線治療、免疫チェックポイント阻害剤を使用した免疫治療など様々な技術を駆使
することで、がんの根治率を上げることができるようになっています。これを「
集学的治療」と呼びます。そのため、大阪医療センターでは、高度の知識と技術
をもった各種がん治療チームが手を組み合って、患者さんの診断治療に携わって
います。私たち外科も「集学的治療」の大きな部分を担っています。また、新規
薬剤を使用した治験(医薬品の製造販売に関して法上の承認を得るための臨床試
験)も積極的に行っています。
・併存症を持つ患者さんにも全力を尽くします
最近の社会の高齢化に伴い、心臓や脳血管や腎臓などに併存疾患を持つ患者さ
んも増えています。大阪医療センターは高度総合医療施設として内科をはじめ院
内各部署の協力を得て、様々な併存疾患を持つ患者さんにも最適な治療を行える
体制を整えています。
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看 護 の こ こ ろ
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西8階病棟 田中 剛弘
私は、慢性疾患患者の看護を、多く経験し、深く学びたいこともあり、感染症
内科、糖尿病内科の患者さんの入院が多い西8階病棟で勤務をしています。その
中で、患者さんからいただいた「嬉しくなる思い」について紹介したいと思いま
す。
私の看護師経験は、もうすぐ10年を迎えようとしています。看護師として必要
な技術も多く経験し、採血や点滴のルート確保について、自信を持ち後輩へ指導
を行っています。しかし、患者さんとのコミュニケーションは経験だけはなく、
お互いの個性や性格も時には重要となると感じています。
私がプライマリーナースとして関わった感染症内科で入院されていたAさんは、
内服中断歴がありました。Aさんが、退院後の受診行動を継続できるのか、自己
のセルフケア能力をどのように説明していくことで、向上できるのか考えました。
私は、Aさんの思いや性格、個性を知るために、まずはプライマリーナースであ
る私を知ってもらおうと思い、訪室するたびに、自身の趣味や、昨日の様子につ
いて語ることを始めました。数日、経過するとAさんの表情には笑顔が見られる
ことも増え、Aさん自身の今までの生活習慣や心の弱さについて話される機会が
増えました。また私が、スタッフステーションでパソコンに向かい記録をしてい
る際には、「田中さん、コンビニへ行ってきます。」と所在を伝えてくれるよう
になりました。この日も、日勤が終わる前に担当していた患者さんのもとへ伺い、
挨拶を行いました。Aさんのもとへ伺い挨拶を行うと「次の勤務はいつですか?」
と尋ねられました。私は、次の勤務日を伝え、困っている事があるのかなと思い、
「何かありましたか?」と尋ね返しました。Aさんから「田中さんが、いてると
安心するんです。地震の時も扉を開けて確認してくれたし。」と嬉しくなる、あ
りがたい言葉をいただきました。技術は知識を身につけて、経験を重ねることで
上達することはできます。患者さんの思いに寄り添うことができるのは、技術や
知識だけではなく、患者の思いを受け止めて、患者さんの目指す目標に沿って、
向かい合うことができた時に生じると思います。私はAさんとの信頼関係が築け
たことをスタートに、Aさんのセルフケア能力の向上につながるような内服方法
や、受診方法について、説明を行いました。Aさんは、真剣な眼差しで、メモ帳
に内容を残していくようになってくれました。退院の際には、「頼りになる人が
いて、良かったです。外来は、○日です。またお世話になります。外来に来てく
れますか?」と受診行動に繋がる言葉も聞く事が出来ました。
慢性疾患患者との関わりは、長期化していくこともありますが、患者の内側に
入り込み、医療者の支え続けていくといった思いを理解してもらうことで強い信
頼関係の構築に繋がるのだと改めて感じることが出来ました。
これからも、さまざまな患者さんと語り合い、今までの生活習慣やこれからの
過ごし方を充分に理解をし、慢性疾患と共に笑って過ごせる生活の質を考えた看
護を実践していきたいと思います。
ホームページ→http://www.onh.go.jp/kango/kokuritu.html
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研 修 医 日 記
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研修医2年目 隠岐 雄太
初めまして。国立大阪医療センター2年目研修医、隠岐雄太と申します。
このページを通して、当院の研修の魅力を知っていただけたら幸いです。
・当直
月4回ほど当直業務があります。初療は研修医で行い、各科の研修では経験し
ない症例を数多く経験でき、医師としての実力、度胸がつきます。研修には必須
だと感じました。
・上級医
科によって研修の仕方は異なりますが、オーベン制と言って卒後3〜7年の上級
医1人とマンツーマンで研修することが多いです。上級医の先生方は指導熱心で
したし、その科の研修が終わった今でも、仕事の相談に乗って頂いたり仕事後も
飲みに行くなど親しくしていただき、充実した研修を送れたと思います。
・科が多い
まだ自分の将来があまりわからない、志望する診療科も迷っている方も多いと
思います。当院は多くの科があり希望すれば研修中に回れるので、そのような学
生の方にもおすすめです。
・同期
学年に15人と同期の数は関西圏内でも大規模です。研修医ルームでは和気あ
いあいとした雰囲気があります。
最後になりますが、結局は実際に見学しないと当院の研修の雰囲気は分からな
いと思います(実際は働いてみないと分からないですが・・・)。興味があれば
見学に来てみたらどうでしょう。その際は是非研修医ルームも覗いてみてくださ
い。
臨床研修のホームページ→http://www.onh.go.jp/kensyu/index.html
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総編集長:病院長 是恒之宏
編 集 長:副院長 関本貢嗣、上松正朗
看護部長 伊藤文代
編 集:百崎実花
発 行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
(〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
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日本選手がサッカーワールドカップで善戦したことは、多くの日本人を熱狂さ
せました。やはりスポーツは良いですね。
ではまた来月よろしくお願いします。
メールマガジンのご感想をお聞かせ下さい。
www-adm@onh.go.jp
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