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メールマガジン「法円坂」No.220(2019/8/16)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)



  高校野球も始まりましたし、夏本番ですね。そして、気づけば東京オリンピック
の開幕まで1年を切りました。各地で花火が真っ盛りですが、夜も気温が高いまま
ですので、しっかり水分補給をして鑑賞してくださいね。猛暑を乗り切るため、西
瓜で水分補給をするのも妙案だと思います。
では、今月のメルマガをお楽しみください。
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   メールマガジン「法円坂」No.220(2019/8/16)
          (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
 ・院 長  是恒 之宏 です
 ・ごあいさつ 
 ・最近の話題 「治験・臨床試験」 
 ・看 護 の こ こ ろ
 ・研 修 医 日 記

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      院 長  是恒 之宏(これつね ゆきひろ) です       
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夏は冷っこいもん食べたいですね

 うだるような暑さが続いていますが、皆さんはお元気にお過ごしでしょうか。
暑さをしのぐのに、冷茶、スポーツドリンク、強炭酸水、かき氷、アイスクリーム、
タピオカドリンク(流行ってますね)、いろいろご贔屓の夏の飲み物、食べ物がお
ありかと思います。タピオカと言えば、昔はタピオカミルクでしたよね。もっと粒
が小さくスプーンで食後デザートとして食べていましたが、今は大粒黒糖タピオカ
をストローで吸い込んで食べるようで驚きました。アイスは、やはり大阪市中央区
のゼー六アイスもなかでしょう。大正2年創業の老舗で、アイスは昔ながらのアイ
スクリン、夏にぴったりです。
 さて、私は今年、大変嬉しいものを見つけました。阪神大震災で閉店したと思っ
ていたお店が復活していたのです。それも震災後1年以内に復活していたのを気づ
かず、今年の7月になって初めて知りました。中学生の時からずっと夏には行って
いたこのお店は、阪神西宮にあります。阪神と聞くと甲子園を思い浮かべる人も多
いでしょうが、その3つほど(昔は西宮東口駅もあったので4つ)神戸側の駅です。
エビスヤ小松商店(通称エビスヤ)といい、地元では特にえびす焼き(回転焼き)
で有名ですが、姉が市立西宮高校にいたときに教えてもらって以来、私ども家族は
そこのクリームあんみつ(白玉入り)が大のお気に入りでした。私が中学生の頃か
ら震災前まで毎年夏に2回以上は行っていたのですが、先日25年ぶりに近くに移転
していたお店に伺いました。再会したあんみつに大感激、一緒にエビス焼きも。お
店で食べている間に、エビス焼きを5個、10個まとめ買いしていく人も多く、お店
は大忙しでした。いつまでも、続けてほしいお店の1つです。この夏の間にもう1
度行きたいですね。
皆さん、外に出るときはこまめに水分補給して暑い夏を乗り切ってください。


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         ご 挨 拶       
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                        脳卒中内科 科長 
                        山上 宏

 本年6月1日付けで、脳卒中内科科長として赴任いたしました山上 宏と申します。
1993年に浜松医大を卒業し、大阪大学旧第一内科に入局しました。星ヶ丘厚生年金
病院(現星ヶ丘医療センター)内科医員、国立循環器病センター内科脳血管部門レ
ジデントとして研修し、大阪大学大学院病態情報内科学で博士号を取得後、神戸市
立医療センター中央市民病院 脳卒中センター医長を経て、2012年より国立循環器
病研究センターに赴任し、2016年より同センター 脳卒中集中治療科医長として勤
務して参りました。今回、大阪大学神経内科 望月秀樹教授のご推挙を賜り、伝統
ある国立病院機構大阪医療センターで診療科長としての大役を仰せつかりました。
専門は脳卒中全般ですが、特に急性期治療と脳血管内治療を中心とした診療と研究
を行ってまいりました。
脳卒中は日本人の死因の第4位であり、さらに命が助かっても後遺症のために日常
生活に支障を来し、寝たきりになってしまうことも少なくありません。超高齢社会
を迎えたわが国において、高齢の脳卒中患者さんはまだまだ増加することが予想さ
れています。このような状況にあって、脳卒中医療で重要なのは「予防」と「急性
期治療」です。
予防においては、高血圧や糖尿病、脂質異常症など動脈硬化危険因子の管理、心房
細動に対する抗凝固療法などが充分に行われれば、脳卒中の発症率は半減するとい
われています。また、急性期治療ではtPA静注療法に加えて、近年脳梗塞に対するカ
テーテル治療が目覚ましい進歩を遂げており、これまでは寝たきりになっていた重
症脳梗塞の患者さんが、後遺症なく退院されることも珍しくなくなりました。
 国立病院機構大阪医療センターでは、これまでも脳卒中内科と脳神経外科が協力
して脳卒中診療にあたってましたが、今後はさらに積極的に取り組んでまいります。
その一環として、本年10月27日には当院の災害医療棟にて、市民啓発イベント「知
ってはる?脳卒中!」を開催いたします。予防・救急治療・リハビリに関する講演
や、相談コーナー、体験コーナーとともに、オール阪神さんをお迎えして脳卒中の
体験談をお話しいただく予定です。入場は無料ですが事前予約制ですので、当院の
地域医療連携室までお問い合わせください。受付は9月初めから開始いたします。
大阪を、脳卒中にならない街、脳卒中になっても困らない街にするため、全身全霊
を傾けて努力して参ります。どうぞよろしくお願いします。


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       最近の話題  「治験・臨床試験」     
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                         臨床研究推進室

 みなさんは、治験という言葉を耳にされたことがあるでしょうか。
 患者さんや健康な人を対象として行う医学系研究のことを「臨床研究」といい、
臨床研究のうち、治療や指導などを行ってその結果を評価するものを「臨床試験」
といいます。その臨床試験の中で、新しい薬や医療機器が国の承認を得て一般の診
療で使えるように、客観的なデータを集めることを目的として行うものを「治験」
といいます。
治験なくしては、より良い薬は誕生しません。新しい薬が発売されるのは、これま
で治験に参加してくださった方々がいるからこそなのです。
当院は治験を多く実施している病院の一つですが、今回は治験の分野からのお話で
す。
さて、同じ薬を使っても、よく効く方、あまり効かない方、副作用がたくさん出る
方、出ない方がいらっしゃることをご存知ですか。もしかしたら、このメルマガを
読んで下さっている方の中にはそのような経験をしたことがあるという方がおられ
るかもしれません。そこで、「どうして人によって差が出るのか?」という疑問に
着目し、その原因の一つである遺伝子に焦点を当てた治験や臨床研究があります。
最近では、特にがん患者さんを対象として、遺伝子の違いが治験薬に対する反応の
仕方にどのように影響をしているのかを調べるため、治験薬の投与前後や投与中に、
血液や腫瘍組織を採取し、血液中にあるがん細胞由来の遺伝子や腫瘍組織の遺伝子
を解析し、治験薬の効き方や副作用との関連性を調べる治験が増えています。もし、
遺伝子の違いにより薬の効き方や副作用の出方が予測できる場合、そのデータを活
用することで、将来的に個々の患者さんにとって最適な治療を提供できる可能性が
あります。実際に、大量の遺伝情報を高速で読み取る次世代シークエンサーという
機械を使った検査(遺伝子パネル検査)が今年の6月に保険収載され、その検査結
果に基づいた診断や治療が少しずつ開始されています。よく効いて、副作用の少な
い薬がより早くみなさまのもとにお届けできるよう、今日も職員一丸となって頑張
っています。             


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           看 護 の こ こ ろ        
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                        西6階 副看護師長
                        三島 真衣

 立秋とは名ばかりの暑さが続いておりますが、皆様におかれましてはいかがお過
ごしでしょうか。夏の疲れが出てくる頃かと思いますので、適度な運動とバランス
のよい食事、そしてしっかり休息を取りながら、残り少ない夏を元気に過ごしてい
きましょう。
 私は手術室、救急救命センターを経験し、現在は整形外科・小児科の混合病棟に
勤務しています。手術室や救急救命センターでは超急性期医療が展開されており、
患者さん一人ひとりから疾患に対する思いや、ご家族への思いをじっくり伺う機会
が少なかったのですが、現在の病棟で様々な患者さんと関わらせていただく中で得
た、印象的だったエピソードをお話ししたいと思います。
 A氏は50代男性、脳性麻痺による左半身の不全麻痺があり、今回は両側性形成不
全性股関節症に対して、人工股関節全置換術の手術目的で入院されていました。術
後2日目からリハビリを開始し歩行練習を実施したのですが、下肢の動揺が強く自
身で支持できず中止となり、入院中は車椅子中心の生活を送っておられました。ま
た、入院前から要介護認定を受けられており、術後3週間ほどでリハビリ転院を予
定し、転院先をキーパーソンであった母親(80代)とも相談し、母親が病院見学に
行く予定が決まったという時でした。夜勤で担当した私が挨拶にうかがうと「転院
先の病院の見学が必要だなんて自分は一言も聞いてない!!80代の母親に病院見学に
行かせるのはかわいそうだ。自分は身体が不自由だから何もできないと思うかもし
れないけど、自分にもちゃんと話をしてほしい。高齢の母親にはできるだけ負担を
かけたくない。もっとリハビリ頑張るから!!」と強い口調で訴えてこられました。
その言葉を聞いて、A氏にとって手術を受けるということは自身の身体を治療する
というだけでなく、家族の負担を少しでも軽減したいという思いから決断されたこ
となのだと感じました。そして、それはA氏だけではなく、全ての患者さんに通じ
ることと改めて気付かされました。
 私たち看護師は、疾患を抱えた患者さんが病院で安全・安楽に治療を受け、入院
前の生活に戻れることを目標に関わっていますが、患者さんには家族があり入院す
ることで家族の中での役割が少なからず変化していることを理解しなければなりま
せん。A氏の言葉を受け、これまで自分が、患者さん自身がどのような葛藤を経て
手術を受けることを決断されたのかを考える機会が少なかったことに気付くことが
できました。そしてA氏のように言葉にして伝えていただけることが全てでないた
め、入院時から家庭環境や周囲のサポート状況にも目を向け、常に今自分たちが行
っている看護が患者さんや家族が望んでいることなのかを考えながら、医療者・患
者・家族、皆が同じ目標に向かって進んで行けるよう、看護師として寄り添ってい
きたいと思います。


ホームページ→https://osaka.hosp.go.jp/kango/index.html


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          研 修 医 日 記
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                        研修医2年目 窪田 卓也
                     
 初めまして。大阪医療センター初期臨床研修医2年目の窪田です。ついこの前ま
で桜が咲いていたと思いきや、気づけば蝉の声が聞こえてくるようになっていまし
た。日々時間が早く過ぎていくのに驚くばかりです。この研修医日記では、今まで
感じてきたことを書き連ねていこうと思います。
 研修について、最初の1か月はオリエンテーションです。同期との仲を深めるチ
ャンスですね。5月から、必修でローテートする診療科は多いです。自由選択は少
ないですが、各診療科の先生は優しく、手厚くご指導くださります。診療科同士の
垣根も低く、些細なことでも気軽に質問しやすいため、「初期臨床研修」という、
総合力を養うにあたっては素晴らしい環境だと感じております。当直ではファース
トコールを受けることができ、自らを非常に成長させることができる場所であると
体感しています。
 立地も悪くないと思います。大阪市の谷町四丁目という場所にあってはご飯処や
居酒屋の類も数多あり、食に事欠くことはないといっても過言ではありません。
 コメディカルの方々との風通しもよいです。病院に多職種勤務されている中、
「研修医」という立場で仕事をさせていただけることに対して、日々その意義やあ
りがたさをよく感じさせられます。どの職種も欠かすことはできない、そうよく思
わされます。
ここまでいろいろ書いてきましたが、過去の先生方がお書きくださった内容含め、
全てをこのスペースには書ききることは難しいです。少しでも興味がありましたら、
是非一回見学にお越しください。
 拙い文章ですが、最後まで読んでくださりありがとうございました。


臨床研修のホームページ→
https://osaka.hosp.go.jp/html/kensyu/shoki/nikki.html


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総編集長:病院長 是恒之宏
編 集 長:副院長 上松正朗 三田英治
     看護部長 西本京子 
編   集:百崎実花
発  行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
         (〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
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 お盆で帰省されていた方も多いのではないでしょうか。普段会えない親戚の方と
の語らいは楽しいひと時と思います。最近やたら大型台風が日本にやってきますね。
接近してきたら、戸外に放置した自転車、窓の閉め忘れなどにご注意ください。
では、また次回のメルマガをご期待ください。


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408-osaka@mail.hosp.go.jp

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