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メールマガジン「法円坂」No.228 (2020/4/15)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)



 皆様いかがお過ごしでしょうか。
 新型コロナウイルス感染症騒ぎの間に桜の花も散ってしまいましたが、桜の花
も例年のように皆様にみてもらえなくてさぞかし残念だったことでしょう。
新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになった方に心からお悔やみ申し上げる
とともに、現在闘病中の方には一日も早いご回復をお祈り申し上げます。最前線
で戦っておられる現場の医療従事者の方には本当に頭が下がります。どうか感染
されませんように。人類はいままで多くの感染症と闘ってきました。残念ながら
多くの人々が亡くなりましたが、その都度人類は生き延び、時間はかかりますが
その後繁栄を謳歌しています。我々はいくつもの戦いに勝った人々の子孫です。
見えない敵であることには変わりありませんが、昔と違って今では病原体も同定
され、積極的疫学調査も行われ、体制に限界があるとはいえ、医療技術も発達し
ています。皆で力を合わせ、できることをしっかりやって、この難関を乗り越え
ましょう。
今はまだトンネルの中ですが、きっと明るい未来が見えてくるはずです。
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   メールマガジン「法円坂」No.228 (2020/4/15)
          (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
 ・院 長  是恒 之宏 です
 ・就任のご挨拶 入院診療部長・整形外科科長
 ・外来こぼれ話
 ・看 護 の こ こ ろ
 ・研 修 医 日 記

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      院 長  是恒 之宏(これつね ゆきひろ) です       
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 皆さん、お元気にされていますか。
4月7日、大阪府にも緊急事態宣言が発令され、急激なCOVID-19陽性患者の増加が
予想されています。このような状況の中、府や行政からの要請で重症患者の受け
入れ体制を整備することが緊急課題となっています。当院でも4月14日より救命救
急センターで重症患者を受け入れることとなりました。病院全体としてこの未曾
有の感染に対応しながら、可能な限り通常診療も継続をしていきます。ただ、日
々状況は変化しており場合によっては一部通常診療を縮小する必要も出てきます。
3月にも書きましたが、不要不急の外出は控えること、外出時にはマスク、帰った
ら手洗い、うがいを励行し、ご自身、身の回りの大切な方々を守っていただくよ
うお願いします。ニューヨークのように2週間で患者が激増し、医療崩壊に繋がる
ようなことだけは避けなければなりません。

 昨年4月のメルマガは何を書いていたのか見てみると、平成最後のメルマガ、と
ありました。確かに令和になって丸1年が経過しようとしています。この1年は、
当初来るオリンピックの話題、令和元年の皇室行事など明るい話題で始まりまし
たが、最後の3ヶ月はオリンピックの延期、新型コロナウイルス対応に追われ、世
界的なパンデミックと経済危機など大波乱の1年目となりました。まだまだ終息す
る予定が見えない中、移動制限、感染に対する不安が続きます。ただ、ゴール地
点が見えないマラソンでもゴールはあります。それに向かって1日1日自分が出来
ることを自覚して頑張っていきましょう。
 昨年4月にもうひとつ書いていたのは不整脈ガイドライン作成に向け東京品川で
缶詰になって会議をしていたことです。今年であればまず出来なかったことです
が、お陰様で3月13日に循環器学会ホームページに改訂版が掲載されました。医療
関係の方々は是非一度ごらん頂ければと思います。


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    入院診療部長・整形外科科長 就任のご挨拶    
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                       院診療部長・整形外科科長
                       三木 秀宣

 令和2年4月から、当院入院診療部長、整形外科科長を拝命しました三木と申し
ます。私にとってとても縁の深い病院で、このような立場となったことで気が引
き締まる思いです。私は平成3年大阪大学卒業後、平成6年から8年の間、当院(当
時は国立大阪病院)でレジデントとして研修させていただきました。当時整形外
科部長は小児整形外科の巨頭:廣島先生で整形外科のイロハを叩き込まれ、よく
お叱りをうけました。その際まだ、ペーペーだった私によく患者さんから「がん
ばりや!」と元気づけていただいたのをとても懐かしく思います。また、そのこ
ろ股関節外科のチーフであられた大園先生(のちに整形外科部長)に勧誘してい
ただき、股関節外科を専門とするようになりました。思えば私の人生のターニン
グポイントになった時代でした。その後、大阪厚生年金病院を経て、大阪大学の
助手として平成13年か修行させていただき、H18から当院の股関節担当スタッフと
して帰ってまいりました。実に、医者人生29年のうち16年というほとんど半
分以上当院で勤務させて頂いているという恐ろしいことになります。この機会に
患者の皆様、病院関係の皆様に長きにわたり育てていただいた恩返しができるよ
うに、気を引き締めて職務にあたりたいと思います。どうぞよろしくお願いいた
します。





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        外来こぼれ話 
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                        糖尿病内科科長 
                        加藤 研

 現在糖尿病内科へ通院中の患者さんも、新型コロナウィルスを非常に不安がっ
ておられます。そのような状況下の外来診療において以下のようなことがありま
した。
 1型糖尿病センターの患者さんですが、いつも多くを語られる印象はない方です
が、この日は多弁であり、ご自身の症状やコロナ関連の話題などをたくさんお話
になられました。その会話の最後に「病院に来るのは怖かったけど、先生と話し
をする方が家でワイドショーなどをみてじっとしているより安心できました」と
話されました。その時に普段と違い多弁になっていたのは、おそらく不安からく
るものだったのだと理解できました。
また、家で余っていたマスクを持ってきて、私の感染や体調を心配してくださる
患者さんなどもおられました。医師である私が患者さんを気遣うのがあたり前な
のに、逆に気を遣われてしまう事態に感謝とともに、とまどいも感じてしまいま
した。このような普段と異なる状況下ではじめて、普段では気が付きにくい患者
さんの思いに触れることもあるのだと感じました。

 話は変わりますが、当院1型糖尿病センター通院中の2名の患者さんが今年より
医学部に入学しました。小児期や10代で1型糖尿病を発症された患者さんは、小さ
な頃から医療に触れていることもあってか、将来医療の道を志す人が多い印象で
す。かつて私も13歳で1型糖尿病と診断され、現在糖尿病内科の医師となっていま
す。今回医学部に入学された2名の患者さんは、自分の体験をもとに良い医師とな
ってくれると思います。このような時に思い出すのは、かつて私が国立大阪病院
研修医時代に上司の先生に言われた言葉です。「自分が1型をもった医師だとして
も、今までは自分自身しか1型糖尿病患者を知らず、自分自身のみの体験でものを
いっている」と。そのお言葉をいただいた後から、私は自分の経験に固執するこ
となく、他の多くの1型糖尿病患者さんを診察し、たくさんの1型患者さんの経験
と考えを知ったうえで、患者さんを導ける糖尿病医になろうと思いました。 
 今年医学部に入学した患者さんが、医師になるまでの6年間に1型糖尿病が根治
できる時代がくるでしょうか?または、私とともに1型糖尿病患者さんの診療に汗
をかくことになるのでしょうか?この2名の患者さんの将来を楽しみにしています。


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           看 護 の こ こ ろ        
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                         SCU 副看護師長
                         北代 美由紀

 春の日差しが暖かく感じられるようになってきましたが、世界各国ならびに日
本国内でも新型コロナウイルスの感染拡大が続いており、皆様におかれましても
不安な日々となっているのではないでしょうか。一刻も早く事態が収束すること
を願うばかりです。

 私は看護師と看護教員を経て5年前に大阪医療センターに就職しました。昨年
4月から副看護師長に昇任し、現在はSCU(脳卒中集中治療室)で勤務しておりま
す。副看護師長に昇任した当初は新たな病棟での業務になれることで精一杯であ
り、副看護師長として役割が果たせているとは言えず、自分が今までやってきた
看護や教育は何だったのだろうと自信がなくなっていた時期もありました。しか
し脳卒中を患い、意識障害や失語から自ら訴えることができない患者さんに対し
てこそ、看護として何が必要かを問われる分野であると改めて感じ、看護の原点
に戻ることができたように今は思っています。脳外科・脳内科病棟で出会った患
者さんで印象に残っているAさんとのエピソードを紹介させていただきます。
 Aさんは40代女性、左被殻出血のため右上下肢の麻痺と失語がありました。発症
して間もない頃は、言語での意思疎通が困難であり、何か訴えようとしても看護
師側が理解できないことも多くありました。そこでベッドから頻回に起き上がろ
うとする行動を危険行動として捉えるのではなく、行動の裏にあるAさんの思いを
考えていこうとスタッフで関わっていきました。コミュニケーションの中でAさん
がよく口にする言葉の裏にあるものは何か、そのときの行動と対応を記録に残し、
スタッフで共有していきました。またリハビリテーション科と連携し、病棟でで
きるリハビリテーションを継続したり、積極的に会話をしたりしました。最終的
にはリハビリテーションのために転院をされましたが、転院時には食事も自己で
摂取できるようになり、トイレでの排泄もできるようになり、簡単な日常会話も
できるようになりました。転院の日に「足が動くの、よかった、みなさん、あり
がとう」と涙ぐんで話してくれた笑顔を見て本当に嬉しく思いました。私は今ま
でその人らしさを尊重し、対象の持てる力を引き出していくことを大切にしてき
ましたが、そのことを感じることができた出会いになりました。
 脳卒中は日本人の死因第4位であり、命が助かっても後遺症のために生活に支障
をきたし寝たきりになってしまうことも少なくありません。突然の発症が多く、
今まで当たり前にできていたことが急にできなくなる、仕事を含め生活全般が変
わってしまう患者さんも多くいらっしゃいます。そのような患者さんの人生に関
わる看護師として何ができるか、これからもスタッフとともに語り合い、よりよ
い看護ができる病棟を築いていこうと思います。


ホームページ→https://osaka.hosp.go.jp/kango/index.html


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          研 修 医 日 記
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                        研修医2年目 瀧 毅伊

 はじめまして、初期研修医2年目の瀧です。この研修医日記は、普通であれば病
院見学に来ない限り知ることのない研修医のリアルな日常を、主に初期研修病院
選びに迷っている医学生に向けてお伝えする、という目的のもと全研修医が連載
させられている、もとい連載している、学生には何ともお得なコラムだと伺った
ので、今回は病院見学にやって来た学生さんと会話している気持ちでお伝えしよ
うと思います。なお、今まで蓄積されてきた膨大な量の研修医日記とは内容的に
重複する部分が多いと思いますがご容赦ください。
 まず、研修医の日常は病棟業務、種々の手技、手術での下っ端助手、当直業務
で構成されています。もちろんその時ローテートしている診療科によって病棟業
務がなかったり、手術が無かったりと変更点はありますが、大まかに列挙すると
上記のようになります。これらの中で、病棟業務と手術助手に関してはどの病院
で研修をしても、おそらく大差無いと思います。となると、経験できる手技と当
直業務にこそ病院ごとのカラーが出てくるということです。少し話は逸れますが、
当院は初期研修の修了後も引き続き残って後期研修を希望する研修医が比較的多
いです。つまり、2年間働いたうえで自分にとって良い環境だと判断する研修医が
それだけ多いとも言い換えられるかもしれませんね、というのは言い過ぎかもし
れませんが、一つ確かなことは研修医に寄り添って下さる面倒見の良い先生方が
後期レジデントに多いということです。やはり、院内で初期研修をし、勝手を知
っている年の近いレジデントが各診療科にいると質問し易いだけでなく、各種手
技を行う場面において研修医がトライ出来る機会も増えます。これは次のテーマ
である当直業務についても同様です、というかこちらの方が有益性は大きいかも
しれません。
 と、いうことで次は当直業務についてです。当院では時間外外来(当直業務)
のファーストタッチを研修医2名で行っており、内訳は1年目研修医および2年目研
修医各1名です。そのほかにレジデント当直が1名ついて下さります。ここで、先
ほどの院内上がりのレジデントが多いと非常に業務がスムーズになり、かつ適宜
自分の失敗談など体験を交えて指導してくださることが多いです。当直業務の具
体的な内容としては、救急車からの搬送連絡への対応、walk inの患者への対応、
転院搬送や3次救急の手伝いをすることになります。1年目研修医は4月の当直が免
除されており、この期間に1,2回程度軽く当直見学をすることで5月からスムーズ
にスタートすることができるようなっています。2年目研修医は主に電話対応や初
療室での方針決定、ICやカルテ業務などブレーンとなり、1年目研修医が移乗やベ
ッド搬送の手伝い、採血およびルート確保や身体診察など手足となって動き回る
という分業性をとっています。初めは恐る恐る業務にあたっていた1年目研修医も、
半年も経つ頃には皆堂々と当直業務をこなせるようになるので、12月からは役割
を入れ替えて今度は1年目研修医がブレーンとして初療室を仕切っていくことにな
ります。ということで、当院の当直業務は研修医の裁量に任されている割合が非
常に大きく、良くも悪くも自分のやりたいように出来る環境となっています。初
めは困惑する場面に出会うことも多く失敗も多々経験しますが、やはり自分の判
断が伴う経験は、指示通りに動くだけの経験とは比較できないほど糧になります
し、当院はそれを支えてくださる先輩医師にも恵まれた素晴らしい環境だと思い
ます。以上、手短ではありますが当院での研修医生活をお伝えしました。このほ
か紙面の都合上書ききれない内容も多々ありますので、少しでも興味を持った方
は、ぜひ実際に見学にいらして研修医に尋ねてみて下さい。


                        研修医2年目 張 英哲

 はじめまして、初期研修医の張英哲です。早いもので研修医生活も残り3ヵ月程
となり、研修医生活が終わってしまうことを名残惜しく思います。恐らくこの日
記を読んで下さっている方は当院での初期研修を考えて下さっている方だと思い
ますので、研修期間を通して感じたことについて書かせて頂こうと思います。
 まず、当院の研修の特色としては必修科が多く、選択期間が4カ月であるという
ことです。これにはメリット、デメリットあると思いますが、様々な診療科をロ
ーテーションすることができますので、初期研修医の時にしか経験することがで
きないようなことも経験できます。またコンサルテーションする際にも、どこま
では自分である程度みることができ、どこからは各診療科にコンサルテーション
すべきかとういう線引きができるようになるため、非常に有意義なものといえま
す。
 当直については研修医2人に加え、入院症例や帰宅させるかどうかの判断に迷っ
た症例、急変時など様々な相談をする上で最も関わることの多い時間外当直、病
棟当直、そして心当直、ICU当直、脳当直、産科当直、救命当直と研修医以外にも
たくさんの上級医の先生が当直を行います。救急隊からの電話や患者様からの電
話相談は研修医が受け、初期対応は基本的には研修医で行います。そして、入院
症例や相談症例があれば主に時間外当直の先生にコンサルテーションを行い、疾
患に応じて心当直や脳当直、救命当直の先生にコンサルテーションを行います。
困った際には上級医の先生にすぐに相談できるので、安心して当直業務を行うこ
とができます。三次救急をローテーションしている際には三次当直を行います。
高エネルギー外傷や広範囲熱傷、CPAなど二次救急では経験することのできない疾
患をみることができます。三次救急では初期対応からICU管理まで学ぶことができ、
人工呼吸器や体外循環の管理などについても学ぶことができます。
 また当院の特色としては研修医が多いことです。困ったことや悩んでいること
があればすぐに相談することができ、皆近くに住んでいるため仕事終わりに飲み
に行ったりしますし、研修医ルームという研修医だけの空間もあるため、仕事の
合間に息抜きをしたり、勉強したりすることもできます。
 以上、簡単ではございますが当院の特色について紹介させていただきました。
もし少しでも当院で初期研修をしてみたいと思った方がいましたら、是非一度見
学に来てください。

臨床研修のホームページ→
https://osaka.hosp.go.jp/html/kensyu/shoki/nikki.html


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総編集長:病院長 是恒之宏
編 集 長:副院長 上松正朗 三田英治
     看護部長 西本京子 
編   集:百崎実花
発  行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
         (〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
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 今月のメルマガ、お楽しみいただけましたでしょうか。新型コロナウイルス感
染症で、多くの人たちがストレスを受けています。周りの人たちも手一杯で、余
裕がないかもしれません。このような状況でこそ心のセルフケアが大切です。
厚生労働省等がWeb上に情報を載せています。ちょっと仕事の合間に覗いてみられ
てはいかがでしょうか。それではお元気で、次号をおたのしみに。
 
メールマガジンのご感想をお聞かせ下さい。
408-osaka@mail.hosp.go.jp

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