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メールマガジン「法円坂」No.230 (2020/6/15)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)



 今年度は、年度当初より新型コロナウイルス感染拡大対応に追われ、気が付いた
らもう6月で、気候も夏になりました。『緊急事態宣言』は一先ず解除となりまし
たが、新しい生活様式が求められています。“おうち時間”の折には、「メールマ
ガジン」をご一読いただければと思います。
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   メールマガジン「法円坂」No.230 (2020/6/15)
          (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
 ・院 長  是恒 之宏 です
 ・唾液は身体を映す鏡 
 ・コロナ後のニューノーマルに想う
 ・看 護 の こ こ ろ
 ・研 修 医 日 記

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      院 長  是恒 之宏(これつね ゆきひろ) です       
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夏のきざし

 日中かなり暑くなってきました。皆様、お元気にお過ごしでしょうか。
大阪はこのところ新型コロナウイルス患者さんの新規発生も0−1名と落ち着いて
おり、6月より当院の診療も救急を含め通常の体制に戻りました。また、全身麻酔
での手術患者さんには術前にPCR検査を受けて頂き陰性であることを確認したうえ
で安心して施術に臨んで頂いております。クリニックの先生方におかれましては、
倍旧のご支援を頂きますようよろしくお願い致します。
 6月に入って30度を超える日もあり、かき氷の季節となってきました。先日、ス
ーパーマーケットに久々に行きましたが、スイカ、イチジク、夕張メロンなど果物
もすっかり夏の顔揃えでした。5月末の日曜日に看護学校採用試験があり、その代
休を平日に取って、堺のかん袋でくるみ餅+かき氷(以前私のメルマガで紹介した
甘い物10選の1つです)、やっぱり別格の旨さで元気を注入してもらいました。本
日はもうひとつ、お勧めの甘い物を紹介します。貝塚、二色浜にある「さとこの店
」甘納豆です。これもやみつきになりますよ。ここはお休みが水、土、日なので平
日しか行けませんし、ネットでの販売もありません。大阪市内からでもだいぶ遠い
ですが行く価値はあります。遠方でどうしてもという場合は、ふるさと納税の返礼
品でゲットできます。
 これまで、じっと家でお過ごしであまり出歩いておられない方も、こまめに水分
補給をしながら少しずつ外出して体を夏に慣れるようにしましょう。まだまだ暑い
夏は続きますから。


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         唾液は身体を映す鏡       
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                         口腔外科科長  
                         有家 巧

 これまで新型コロナウイルス感染症のPCR検査には、検体として鼻咽腔の粘液を
採取していました。適切に検体を採取しようとすると、鼻の奥に綿棒を深く挿入し
なければならず、被験者はかなり辛いです。また、医療従事者も検査する際に直接
咳やクシャミなどの飛沫を浴びることがあり、マスク、ゴーグル、手袋そしてガウ
ンを着用して感染対策を行う必要があります。
 2020年6月2日より「症状発症から9日以内の者」に限って、唾液を用いたPCR検査
が厚生労働省によって認可されました。唾液であれば被験者ご自身で苦痛なく検体
採取ができます。また医療従事者にとっては感染リスクが低下し、被験者ごとに新
たにされる個人防護具装着の煩わしさや暑さ対策からも解放され、また医療経済的
にも軽減されます。なおウイルス量に関しては唾液よりも鼻咽頭スワブの方が多い
という報告もありました。すなわち鼻咽頭スワブを用いてPCR検査を行えば陽性と
判定される人も、唾液を用いれば陰性と判定されることがあり得るということで、
これが唾液をPCR検査の検体に用いる最大の欠点かもしれません。
 ところで検査というと画像検査を除いては血液検査を思い浮かべるのではないで
しょうか? 血液検査では採血に伴う痛みは不可避で、また医療従事者側にも針刺
し事故や血液汚染などのリスクがあります。唾液には血液や尿と同じように健康状
態の指標となる多くの情報を含むと考えられ、以前より非侵襲的に採取できる唾液
を検体として検査ができるのではないかと多くの研究がありました。そのような中
で2010年、慶應義塾大学の研究グループが米国UCLA校との共同研究で、唾液の解析
により膵臓がん99%、乳がん95%そして口腔がん80%と高い検出感度でがんの診断
が可能との研究発表があり、ニュース等で大きく報道されました。また近年、唾液
の解析で生活習慣病などの病気発症リスクや体質の遺伝的傾向を知ることができる
ようにもなってきました。とは言え、肝心の唾液が十分に排泄されることが条件で
すが、唾液の排泄障害を訴える患者さんが時々おられます。糖尿病、腎機能障害、
シェーグレン症候群などの自己免疫疾患などの全身疾患に起因するものや、ストレ
ス、神経系薬剤の副作用でも唾液は減少します。全身疾患に対する治療は当然です
が、日ごろからストレスをため込まず、ご自身の歯でしっかりよく噛んで唾液の排
泄を促しましょう。


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        コロナ後のニューノーマルに想う 
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                        乳腺外科科長
                        増田 慎三

 乳がん診療の詳細は、当院HPや2018-11と2019-10のメルマガを参照ください。
今回は、徒然なる思いを記事にしますので、かなり私見が含まれますことご了解く
ださい。
 2020年私たちはCOVID-19という新型コロナウイルスの世界的な感染という未曾有
のイベントに直面しました。未知の見えない敵に対し、如何に自身の健康を守り、
そして社会として感染終息への方策を一人一人が考え、対応してきました。私たち
乳腺外科スタッフも、乳癌治療中の方を感染から守るか、もちろん、自己や家族と
のバランス感覚も大事にしながら、自問自答を繰り返し、日々の状況に応じて対応
してきました。術後の経過中の方や長期のホルモン治療中で病状の安定している方
には、健康状態をお伺いするお手紙を送り、受診延期の勧めや処方箋郵送発行を提
案し、多くの方から温かい賛同と理解をいただきました。おかげ様で、今、まさに
治療を要している方に、大きな影響なく診療を継続できています。感染の波は幸い
終息に向かい、様々な自粛も解除され、社会生活は元の活気を取り戻そうと舵がき
られました。
一方、この数か月の間に、私たちは多くの変化を生み出し、そしてその変化を受け
入れ、新たな生活様式の拡充に向かう大きな波を感じています。常に最新の情報を
収集し、それらを正しく皆さんの診療に届けることができるように、これまでは様
々な場所で、学会や講演会、会議が開催され、Face to faceで議論を交わしてきた
場は、web会議にシフトしました。100%の移行は難しいとは感じつつも、その効率
性にはメリットを感じ、今後はハイブリッド型が主流になるのではと想像していま
す。これまでなかなか難しかった、多(他)施設の先生方との症例カンファレンス
も、web形式を導入する私の提案を基に、5月からスタートしました。大阪医療セン
ターのノウハウを、そして治験や臨床試験による新しいよりよい治療へのアクセス
を、大阪大学の関連病院の先生方、つまり当院以外に通院される患者さんにも広く
役立てていただく機会になればと願っています。
 今後、「衛生環境」「ソーシャルディスタンス」「タッチレス」の3本柱を基本
に、「ニューノーマル」な社会が追及されるといわれています。乳腺診療における
、コロナ後の「ニューノーマル」とは何か?それに対応するために、私たちができ
ることは何か、医療者の立場と患者さんの立場の両面から考えておくことが大切と
思っています。たとえば、皆さんはご自身で日々の健康管理とその記録の保持はさ
れていますか?オンライン診療も今後広がると予想します。現在、皆さんの医療情
報はカルテに記載され、通院するそれぞれの病院に保管さえていますが、カルテは
あなたのスマホの中にあるような逆転の発想は、セカンドオピニオンなどの医療相
談や2つ以上通院されるなどの時に有用かもしれません。社会との協調、お互いの
支援の心も大切にはしたいですが、完全に他力本願であれば、有事の際に非常に困
ることは、今回、必要な生活物資が十分に国内で賄えない事案からも学びました。
ある程度の自立性は社会としても個人としても求められているのでしょうね。
 IT-デジタル活用は急速に加速するようです。私も遅ればせながら、手書きの手
帳からGoogleカレンダーにこの機会に変えました。皆さんと一緒に新しい医療シス
テムの創生を期待しています。


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           看 護 の こ こ ろ        
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                         副看護師長
                         中ノ 亜沙美
 
 今年も早いもので半年を過ぎようとしていますが、みなさまいかがお過ごしでし
ょうか。又、新型コロナウィルスの影響を受けて半年になりましたね。蒸し暑い季
節となりましたが、感染対策を含めた体調管理をして、お身体を崩されませぬよう
ご自愛ください。
 私は看護師になって11年目を迎え、8年間がん看護に携わってきました。大阪医
療センターががん治療に力を入れていることは、私が入職を決めた理由のひとつで
す。がん性疼痛、がん化学療法、がん放射線療法などの認定看護師が多く存在し、
緩和ケアチーム(苦痛緩和に特化した医療チーム)やNSTチーム(栄養面に特化し
た医療チーム)などのサポートチームと一緒に患者さんやその家族にとって何が最
善か、多職種で検討します。がん治療に伴う経済面でお困りの患者さんや在宅療養
を望まれる患者さんにはMSW(社会福祉面でサポートをする社会福祉士)と連携し
てサポートします。数々の患者さんとの治療経過を振り返ってみても、このような
専門職者と協働してきたことを思い出します。その中でも病棟勤務の看護師は24
時間体制で患者さんに寄り添うことができるため、これまでどのような人生を歩ん
でこられたのか、何を大切にしているのか、どのような気持ちで治療に向き合って
いるのか、など話していただく機会が多いです。様々な経験や思いに触れさせてい
ただける職業だなと実感しています。
 直腸がん術後再発で、化学療法を受けていた50歳代の患者さんを紹介します。手
術の時も担当しましたが、明るく活発な女性という印象でした。また、「いつまで
もきれいで若々しくいたい。弱い姿は見せたくない、明るくいないと気で負けちゃ
いそうだからねー。」と、周囲に弱音を吐かない人でした。抗がん剤投与やその副
作用などで入院を繰り返していたある日、副作用の脱毛が出現しました。覚悟はし
ていたけど、がん患者という現実を突きつけられたようで辛いと話されました。こ
れまで何度も担当したことはありましたが悲しんでいる姿は初めてでした。私は認
定看護師に助言をもらい、脱毛時のケア方法を伝え、当院の美容院を案内しました
。しかし、トレードマークの茶髪のロングヘアーを切ることに大きな決断が必要で
した。数日経過し、「どう?後ろ姿だけ女子高生に見えない?」といつもの明るい
笑顔で呼び止めてくれました。茶色のロングヘアーのウィッグを着用されていまし
た。行きつけの美容院に行って脱毛に備えてから入院するつもりが、なかなか決断
ができないまま入院に至ったことを話してくださいました。治療経過の中でもたく
さんの決断を迫られ、ひとつひとつ乗り越えられていく姿を目の当たりにした瞬間
でした。病棟看護師は、外来で診断されてから治療に前向きな気持ちの状態の患者
さんと接することが多いです。患者さんの気持ちや思いはご本人から聞かなければ
わからないことであり、いろんな気持ちを話していただけるような看護師でありた
いと思います。副看護師長となりスタッフを教育する立場となった今、同じように
患者さんから学び感じたことを大事にし、看護としてフィードバックできるような
看護師を育成したいと奮闘しています。


ホームページ→https://osaka.hosp.go.jp/kango/index.html


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          研 修 医 日 記
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                        研修医2年目 大里 和樹

 初めまして、大阪医療センター 初期研修医2年目の大里です。
 新型コロナウィルス感染対策のため自粛生活中にこの研修医日記を書いておりま
す。こういった折角の機会をいただきましたので、私の研修医生活とこの病院のマ
ッチングについて書かせていただきます。
 まず私がこの病院を選択した経緯ですが、私は循環器内科志望でしたので大阪大
学の循環器内科医局で症例数の多い病院の中で探しました。他に、3次救急も体験
しておきたいと考えたため、この病院を選びました。学生の方々は数ある病院の中
で研修病院を探すことは非常に困難かとは思いますので、個人的な意見ですが少し
アドバイスさせていただきます。まず、3次救急を初期研修中に体験しておきたい
かそうでないかです。3次救急を体験しておきたい場合は、病院は限られるため病
院選びは簡単になります。あと、見学で研修医の雰囲気を見てみて自分に合うかど
うかです。私としてはこの病院の研修医の雰囲気は合っていたことも選んだ理由の
一つです。
 この病院の研修医として1年間働いた身としてこの病院の良い点と不満な点につ
いても書きたいと思います。良い点としては、大病院であるため科・症例が充実し
ておりまたレジデントの先生方も多くいらっしゃいます。先生方も優しく非常に
教育的であり自分一人で危機的な状況に対応しなければいけないということはあま
りないです。逆に言うと、そういった状況に晒されたいという人には合わないかも
しれないです。
 また、谷町四丁目駅の駅前であり立地としては最高ですが、建物は少し古めかし
いです。ただこの病院にも無い診療科が存在し、膠原病内科はありません。HIV感
染症の基幹病院ということもあり感染症内科は主にHIV感染症を診療しております
ので日和見感染症等を診察する機会もあると思います。どの病院にも表裏一体でい
い面もあれば良くない面もあると思います。
 もしこの病院に興味を持てば是非一度見学に来てみてください。


臨床研修のホームページ→
https://osaka.hosp.go.jp/kyujin/syokikensyu/nikki/index.html


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総編集長:病院長 是恒之宏
編 集 長:副院長 上松正朗 三田英治
     看護部長 西本京子 
編   集:百崎実花
発  行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
         (〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
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 これから本格的な夏が到来すると、マスクの着用が苦しくなるかもしれません。
しっかり水分補給し、冷風にあたって下さい。ただ、適宜の換気もお忘れなく!
現状への不満ばかりではなく“Withコロナ”で、新しい生活様式に楽しく取り組み
ましょう! 
 
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408-osaka@mail.hosp.go.jp

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