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メールマガジン「法円坂」No.231 (2020/7/15)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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梅雨の候、所によっては大雨が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
大雨洪水の被害に遭われた方々には心からお見舞い申し上げます。新型コロナウイ
ルスにも注意が必要です。色々とストレスの多いことと思いますが、あともう少し
で梅雨明けです。頑張りましょう。それでは今月のメルマガをお届け致します。
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メールマガジン「法円坂」No.231 (2020/7/15)
(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
・院 長 是恒 之宏 です
・心臓血管外科とAI
・看護学校新聞第1号 発刊 テーマは「歴史」
・看 護 の こ こ ろ
・研 修 医 日 記
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院 長 是恒 之宏(これつね ゆきひろ) です
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昨年7月は私の趣味の話をしました。例年今頃は年1回のバンドライブに向け夜
にスタジオに集まって仕上げの練習をしているところですが、新型コロナウイルス
のため今年は練習も長い間出来ず、ライブも開催難しいという状況で延期(おそら
く中止)せざるを得ませんでした。大阪では再度黄色信号が点灯し当院でも7月に
ようやく院外での会食を許可したのを再度今週からストップしました。先延ばしに
なっていた歓迎会や暑気払いなど楽しみにしていた職員には申し訳ないですが、大
人数での会食はいまや「会食クラスター」というレッテルを貼られることになりカ
ラオケとともに感染危険度の高いイベントとして当面許可できないと考えています。
非常にタイミングの悪いgo toキャンペーンが開始される中、個人個人が感染に気
をつけて生活すること(うつらない)、無症状の自分が感染を広めてしまうかもし
れないと自覚すること(うつさない)が求められます。
さて皆さんはどのようにストレス解消、発散をされていますか。まだまだ、ポス
トコロナの時期は遠いですから、withコロナの時をいかに過ごすか年間計画を立て
て見ましょう。1人で出来る趣味をお持ちの方はそれをさらに極める、また新しい
趣味を開拓する、アウトドアで3密を回避できるエクササイズ、研究者の方はたま
っている論文を完成させるなど毎月の目標を作ってみるのもいいかもしれません。
私は来年の今頃は皆で集まって練習が出来ることを想像しながら、新しい歌にチャ
レンジしたいと思います。本来オリンピックイヤーで来週はスポーツの日などとい
う休日が設けられましたが、海の日とともになんともむなしい連休になりそうです。
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心臓血管外科とAI
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心臓血管外科
吉龍 正雄
三隅 祐輔
7月より当院心臓血管外科に新しく三隅祐輔先生が大阪大学から赴任しました。
三隅先生は大学で心臓血管外科領域における人工知能(AI)の活用法について研究し
ていました。以下は三隅先生によるAIのお話です。
AIはすでに日常様々な分野で活用されていますが、AIの一形態である「機械学習
」が心臓血管外科領域に於いても臨床応用の兆しを見せています。「機械学習」と
は、コンピュータに大量のデータを読み込ませ、データの中に潜む特徴やパターン
を抽出する手法です。携帯電話の音声認識や迷惑メールの検出など、情報工学の分
野では既に実装されている例が多いです。他方、医療分野での活用は従来乏しいも
のでしたが、ビッグデータの活用やコンピュータ性能の向上などが相まって、近年
急速に研究が進んでいます。心臓血管外科領域における「機械学習」活用の一例と
して、重症心不全治療における合併症予測の研究を紹介します。
重症心不全に対する外科的治療として、心臓のポンプ機能を補助する植込み型左
室補助人工心臓(LVAD)があります。この治療は、心臓移植までの橋渡しのみならず
、心臓移植を最終目標としないdestination therapyとして今後適応が拡大する見
込みです。本治療は術後に患者が在宅へ移行しうるメリットがある反面、LVADポン
プ内の血栓形成に伴う脳梗塞やポンプ駆動異常などの重篤な合併症が発症し、在宅
加療できない大きな理由となっており、在宅で人工心臓の状態を正確に把握する技
術が必須であります。最近の研究では、機械学習を用いて、ポンプ内の血栓形成や
駆動異常によって生じるLVAD駆動音の微細な変化を調べると共に、自己心拍出量な
どの生体情報をLVAD駆動音の分析にて抽出する試みが行われています。具体的には
、LVAD装着患者より聴取した数百の音響データを解析し、LVADに合併する心臓弁膜
症(大動脈弁逆流)や血栓塞栓症(脳梗塞)を約85-90%程度の確率で予測するモデルが
構築されています。このようなLVAD駆動音の解析による診断システムは、合併症の
早期診断や在宅患者における遠隔診断に応用されることが期待されています。
この他にも、極めて高い精度で手術リスクを予測するモデルや、術後どのような
種類の合併症が起こりやすいかを予測するモデルなど、外科領域の診断・治療に寄
与しうる研究開発が盛んに為されており、今後、AIを活用することで治療成績の更
なる向上が期待されています。
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看護学校新聞第1号 発刊 テーマは「歴史」
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看護学校副学校長
増山 路子
大阪医療センター附属看護学校は3年課程の看護師養成所として、1学年80名
計240名を養成する学校です。その歴史は古く、昭和22年に開校し今年の入学生は
第74回生。今までに5,134名の方を看護職者として社会に送り出してきました。
令和2年は卒業式の入学式も新型コロナウイルス感染拡大防止対応により行うこ
とができませんでした。夢をかなえるために努力した学び舎を巣立つときも、未来
に向かって羽ばたく1歩の踏み出しにも、丁寧に母校のことを知ってもらう機会を
失ったようで残念に思っています。そこで、この度当校の歴史を紐解き、看護を学
ぶことの魅力を伝えたいと考え学校新聞を発刊しました。
テーマは石橋 文「歴史」、まずは校舎の歴史。創立記念史から引き出した写真
と記事によれば、昭和22年9月当校の創立は河内長野の地でした。昭和29年4月に国
立大阪病院本院に、木造の病棟を改築した校舎に移転。昭和40年に新築の鉄筋3階
建てに、昭和54年に鉄筋5階建てを国内で最初の大型校(300名定員)として新築。
そして、平成21年現在の校舎が建てられました。
2つ目は初代学校長と初代教育主事紹介です。初代学院長 佐谷有吉先生は大正
から昭和時代の皮膚科・泌尿器科学者であり、先生の胸像は現在病院敷地内西門北
側に立てられています。初代教育主事 雪永まさゑ先生は昭和17年に当校の教育主
事に着任し学校開設に尽力されました。昭和48年第24回ナイチンゲール記章を受賞
されており、その勲章と賞状は当校に保管されています。
3つ目は雪永先生の看護教育への熱い思いを表現した校歌です。校歌と校章は、
同窓会から頂いた銅板レリーフに表し学校玄関に飾っています。この歌詞は大正詩
壇で活躍した詩人 富田砕花が作詞したものです。詩の1番には「看護師になりた
いという思い」に対する回想から始まり、2番は「傷つき病んでいる人に自分の持
てる力を注ぐ」という崇高な愛の精神が込められています。3番では温かな光と風
を受けて看護を学ぶ学生たちの姿・志の美しさを歌っています。作曲は東京音楽学
校教授 時信 潔。素晴らしい一流の方々に依頼することを決意した雪永先生のお
考えが日記にも残っています。
長い歴史のある看護学校のことを少しでも学生たちに伝え、看護師という職業の
尊さと凛とした美しさを実感する職業人を社会に送り続けられるよう、看護学校は
日々努力してまいります。
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看 護 の こ こ ろ
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西11階病棟副看護師長
石橋 文
暑さ本番の季節となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか?新型コロナウイ
ルスによる「非常事態宣言」が解除され日常の生活に戻りつつも、まだまだ安心は
できない日々をお送りの事と思います。
私は20数年前当センター附属看護学校を卒業しました。看護学校では3年生にな
ると毎日実習が始まります。実習とは病院で実際の患者さんのケアを通して学ぶこ
とです。この実習で多くのことを学びます。私は内科実習で30代の成人男性で悪性
リンパ腫のAさんという患者さんを担当しました。実習開始時Aさんはお元気で緊張
して実習に来る私に気を使い、たくさん楽しい話をしてくださいました。私もAさ
んとコミュニケーションをとるためにAさんの好きなプロ野球の事など実習前に情
報収集してたくさん話をして楽しい実習の日々を送りました。しかしAさんは強い
抗がん剤治療を受け副作用が出現し始めました。ある日訪室するとAさんは嘔気嘔
吐のためお部屋のトイレからでてくることができませんでした。私はそんなAさん
に何もしてあげる事はできずトイレの前で声もかけることが出来ず立ちつくすだけ
でした。私は何もできない自分に無力さを感じ申し訳ない気持ちでいっぱいになり
ました。
まもなくAさんの副作用も軽減し実習最終日を迎えました。絵を描くことが趣味
だったAさんは最後に私に絵を書いてくださいました。「毎日楽しく話ができて副
作用も忘れることができました。ありがとう。立派な看護師さんになってください
」と絵の裏にメッセージが書かれていました。
私はただ楽しい話をさせてもらい何も看護ができなかったと思っていました。しか
し、Aさんのメッセージを読み、そばにいて話をするだけでも抗がん剤治療の不安
を軽減できていたのかなと考えました。この看護学生時代の経験が何故か20年以上
経っても忘れることなく心に残っております。
看護学校を卒業し“がん看護”を5年、救命救急センターで約16年勤務し多くの
事を経験し学びました。看護学生の経験と23年の看護師生活の経験で得た私の大切
にする看護観は「そばにいて、安心感を与え、支えになれる、患者さんのどんな小
さなSOSのサインも見逃さずキャッチできる」です。
現在副看護師長となり、自分の「看護観」をしっかりともち、看護を楽しいと思
えるような後輩育成に奮闘しております。
ホームページ→https://osaka.hosp.go.jp/kango/index.html
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研 修 医 日 記
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研修医2年目 岸 由衣加
研修医2年目の岸 由衣加と申します。1年目のフレッシュな研修医が入職し、例
年よりも早く病棟業務に参加し始め数カ月が経ちました。早く慣れようと日々の診
療や当直業務に一生懸命取り組んでおり、ちょうど1年前のことを思い、懐かしく
感じます。2年目研修医は皆少しずつ自分の志望科・進路が決まり始め、来年度に
向けてそわそわとしています。幸いにも研修医時代にも大阪医療センターで勤務し
ていた先輩医師が多く、進路相談をしやすい環境にあります。一学年に14人もいる
と、各々が自分の理想とする医師ライフを考え、相談する中で、新しい価値観に出
会うこともあり面白いです。
今年は特に様々な難題に直面することが多く、研修医含め病院全体が日々情報を
取り入れ、体制を整えることに奔走しています。コミュニケーションや情報共有の
大切さを感じる毎日です。そんな中でも季節は徐々に夏らしくなっており、大雨の
翌日には研修医室の窓から時折涼しい風が入り心地よさを感じます。大変な日々で
はありますが、時が過ぎ、今後どうなっていくのか、とても興味深く思います。
臨床研修のホームページ→
https://osaka.hosp.go.jp/kyujin/syokikensyu/nikki/index.html
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総編集長:病院長 是恒之宏
編 集 長:副院長 上松正朗 三田英治
看護部長 西本京子
編 集:百崎実花
発 行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
(〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
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今月のメルマガ、いかがでしたか。夏場は熱中症や食中毒なども発生しやすい季
節です。無理しないようお互い思いやりをもちながら、体調管理に気をつけましょ
う。それでは、また来月のメルマガをお楽しみに。
メールマガジンのご感想をお聞かせ下さい。
408-osaka@mail.hosp.go.jp
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