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メールマガジン「法円坂」No.236 (2020/12/15)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今年も残すところ数日となりました。今年は新型コロナウイルス感染拡大一色で
、流行語大賞も「三密」でした。年忘れの“忘年会”は自粛ですが「メルマガ」は
、自粛することなく続けます。年の終わりに、一読していただければと思います。
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メールマガジン「法円坂」No.236 (2020/12/15)
(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
・院 長 是恒 之宏 です
・コロナ渦で一泌尿器科医ができること
・小児科医のひとこと
・看 護 の こ こ ろ
・研 修 医 日 記
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院 長 是恒 之宏(これつね ゆきひろ) です
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旅行鞄が泣いている
皆様、今年1年はどんな年だったでしょうか。思い起こせば、昨年の年末年始は
長かった。12月28日から1月5日の9日間でした。私は1月3日から5日台湾で講演でし
た。もうずいぶん前のことのように思い出されます。1月6日新年の挨拶では、新型
コロナウイルス感染がこのような状況になることには全く無縁で、オリンピックイ
ヤー、ねずみ年は干支の最初で新しいことにチャレンジする年などいうメッセージ
を送っていました。まさかオリンピックが延期になり、こんな形で新しいことにチ
ャレンジすることになるとは予想だにせず、でした。2021年を迎えるにあたり、少
しでも感染が落ち着いているように祈りますし、国民全体が会食の制限、マスク着
用、手洗い、3密を避けるを徹底することを意識していく必要があります。例年は
学会出張などで海外に行くことも数回以上ありましたが、国内も含めてWEBでの
会議に替わり旅行鞄も埃をかぶった状態です。来年いつか行けるように年末綺麗に
拭いておきたいと思います。
今年の漢字は何でしょうか。この原稿を書いている12月11日にはまだ発表されて
いません。14日にはわかりますが、予想としては、密、でしょうか。
これまでの今年の漢字おさらい。昨年は「令」でしたね。
2018年 災(災害) 2017年 北(北朝鮮)、2016年 金(オリンピック)、
2015年 安(安保関連法案)、2014年 税(消費税)、2013年 輪(五輪決定)、
2012年 金(オリンピック)、2011年 絆(東日本大震災)、2010年 暑(猛暑)
過去10年を振り返ると、災害とオリンピック関連が多いですね。今年は災害とも
いうべき新型コロナウイルス感染症でオリンピックが延期、またまた両者に関連す
る漢字になりそうです。皆さん、どうかご自愛くださり新しい年をお迎えください
。
(12月14日発表今年の漢字は予想通り「密」でした)
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コロナ渦で一泌尿器科医ができること
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泌尿器科
科長 西村 健作
先日新型コロナウイルス感染症の拡大により医療緊急事態宣言が大阪で発令され
ました。テレビなどの報道でよく使われる医療崩壊というキーワードはなにを意味
するのでしょうか。医療崩壊の定義が定まらない以上これをもってして医療の逼迫
と経済のバランスをとることは困難とも思えます。
大阪医療センターでも病棟を一つ閉鎖して、コロナウイルス感染症の最前線で勤
務するスタッフを確保して診療にあたることになりました。これはがん・心臓疾患
・脳疾患などの同じく生命に関係する病気の診療が滞ることを意味します。これを
医療崩壊といっても過言ではないと思います。
日本全体が経済を動かすことと感染拡大を抑えることのバランスを探っているの
と同じように病院では常に新型コロナウイルス感染症と通常診療とのバランスを保
ちながら刻々と変化する状況に対峙する必要があります。
大阪医療センターでは職員全員の高い意識のためか院内感染を起こすことなく、
この1年医療の質を維持しながら診療を行えていることは奇跡のようにも思えます
。
泌尿器科ではこの逆境に屈することなく、今まで以上のより高い質の医療をより
安全に提供できる環境を整えることが必要と考えています。これまで泌尿器がんや
尿路結石症・排尿障害・蓄尿障害など幅広い領域の診療を行なってきました。
ついに当院に2021年1月からロボット手術支援機器ダヴィンチが導入されること
になりました。高解像度3Dカメラと高い自由度の鉗子を用いるロボット手術はより
緻密で安全な治療の提供を実現しています。泌尿器科では前立腺癌に対する前立腺
全摘除術や腎癌に対する腎部分切除術を開始します。泌尿器科スタッフには指導医
が在職しており、導入直後から質の高い診療を提供できるものと確信しています。
このロボット手術は泌尿器科のみならず消化器外科・婦人科での運用も始まりま
す。コロナウイルス感染症拡大の危機のなかスタッフ全員が結束して患者様に安心
できる環境で、より高い質で安全な診療を続けていくことが大切であると痛感する
毎日です。
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小児科医のひとこと
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小児科
山本 景子
小児科へは風邪やインフルエンザといった身近な感染症から、より専門性を必要
とする疾患までいろんな病気の患者様が来られます。私は研修医の時に小児科では
幅広い疾患に関われることに魅力を感じ、小児科医になることを決めました。実際
に小児科医になってみると、その忙しさに驚いたこともありましたが、お子さんが
元気になっていくのをみていくことができることにとてもやりがいを感じ、この職
業を選択してよかったと感じています。
小児の感染症には季節性があるものもあり、夏にはヘルパンギーナや手足口病、
プール熱が流行し、冬にはインフルエンザやRSウイルス感染症などが流行します。
今年も寒くなってきましたが、現在のところ12月の時点ではインフルエンザやRSウ
イルス感染症は例年ほどの流行はみられていません。おそらくは、皆様の手指衛生
に対する意識が高まったことによる効果だと思います。
今は第三波のさなかのため外出に対するご不安もおありかとは思われますが、予防
接種や乳幼児検診はスケジュール通りに受けるようにして下さい。予防接種には対
象となっている感染症に感染しにくくし、感染した場合でも重症化するのを防ぐ目
的が、乳幼児検診には発達や成長に問題がある場合に早期発見する目的があります
ので、スケジュール通りに受けて頂くことが大切です。
そして、喘息など冬に調子を崩しやすい病気もありますので、もしお子さんに何
か心配な症状がある場合は医師の診察を受けるようして下さい。今回の流行がいつ
収束するかを読むことが困難と言われているのがつらいところですが、どうか引き
続き手指衛生などに気をつけ、感染しない努力を継続していただければと思います
。
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看 護 の こ こ ろ
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西6階病棟
副看護師長 山門 生子
日増しに寒さが身にしみるようになり、紅葉の美しい季節がやってきました。
また日本全国的に新型コロナウイルスの感染拡大が続いている中で、初めての冬を
迎えつつあります。長期間に及ぶ自粛生活の中、「新しい生活様式」を取り入れな
がらも、日本の特徴である美しい四季を感じる事で、精神的な「ゆとり」を持って
過ごしていきたいと感じております。
私は産科病棟で9年間、助産師として周産期に関わらせていただき、今年4月か
ら、副看護師長への昇任と同時に小児科・整形外科病棟へ異動し、現在7ヶ月を過
ぎた所です。今まで、知識や経験においても「井の中の蛙」であった私にとって、
新たな病棟で新しい知識と看護を学ぶ毎日は、自分の看護を見つめ直すとても良い
機会となっています。現在の小児科・整形外科病棟では、主に成人・小児への整形
疾患に対する外科的手術の他、化学療法も実施しています。手術後は、リハビリの
状況や退院後の社会状況を踏まえて、医師・受け持ち看護師の他、理学療法士・
MSW、地域の訪問看護師等の多職種で連携を行い退院までの調整を行っています。
また、小児看護では、成人と比べると思いの表出が言葉で十分にされるわけではな
いため、患児との関わり方について日々考えながら看護を行っています。今回は、
そんな小児科・整形外科病棟で出会った患者さんで印象に残っているA君とのエピ
ソードを紹介させていただきます。
A君は骨肉腫と診断され、化学療法を行っている10代の男児です。元気のある時
は少し冗談を言ってくれる様なとても明るい性格で、化学療法で倦怠感が強く出る
と、いつも「今日の調子カード」で「しんどい」等の意思表示をしてくれていまし
た。ある日、化学療法の副作用の腹部症状と嘔吐症状が強く出て、頓用の点滴で対
応後も病棟全体へ響く位の声で泣いており、時間を見つけて様子を見に行きました
。部屋に入るとA君はまだ泣いており、「まだ少し痛い?」と聞くと、首を縦に振
り、「薬効いてない?」と聞くと、首を横に振りました。他に辛い所があるのかと
考え、「他どこかしんどい?気持ち悪い?」と聞いても、反応が無かったため、横
で「しんどいよね。よく頑張ってるね」と話しながら付き添いしばらく背中をさす
っていました。A君は何も話しませんでしたが、またしくしくと泣き始め、気づい
たら横で眠り始めていました。A君は、始めは痛みや吐き気が辛くて泣いたのかも
しれませんし、症状が緩和された後は、「辛い治療」に対して泣き続けていたのか
もしれません。私は、ただ側にいて、その気持ちに寄り添い、背中をさする事でそ
の時のA君の気持ちを癒やす看護が出来たのかなと感じました。小児は、成人と比
べて自分の思いを言葉で表す事が難しい分、反応から読み取る事が必要な場合があ
りますが、成人も小児も関係なく、患者さんの様々な声やしぐさに寄り添い手を差
し伸べるだけで、その患者さんの感じている辛さを癒やす事が出来るのが看護であ
ると強く感じた経験でした。
まだまだ学ぶ事は多く、これからも患者様に教えて頂ける事が多くあると思いま
すが、副看護師長として、病棟での看護師モデルとなれるよう看護実践とスタッフ
教育に精進して参りたいと思います。
ホームページ→https://osaka.hosp.go.jp/kango/index.html
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研 修 医 日 記
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研修医2年目 名手 孝紀
大阪医療センター初期研修医の名手孝紀と申します。
他の方と被る部分も多いかとは思いますが、簡単に当院の特色を書いておきます。
一番の特徴として、ローテーションの科が多く、選択科が4ヶ月であるというこ
とです。このため、自分が選択したい科をまわる期間は短くなってしまいますが、
その分初期研修医のうちに様々な経験ができるということです。将来の自分が進む
科以外を勉強できる、かつ惜しげもなく質問できるのは初期研修医の期間だけです
。この期間に多くの科を経験できることは非常にメリットが大きいと考えます。実
際私がその科をまわってみて、興味がないなと思っていても後から興味が湧いたり
、発見があったり、経験できてよかったと思うことは数多くあります。このローテ
ーションシステムでなければ、経験していなかったことも多くあると思います。初
期研修医の間に自分が専攻すると決めた科をまわっておきたい気持ちもあるとは思
いますが、3年目以降、絶対に自分の専攻科は勉強します。専攻科に関していえば
、初期研修医のうちに学べることは、長い医者人生の中では微々たるものだと思っ
ています。そういった意味で、当院のローテーションシステムは価値のあるものだ
と思っています。
また、同期が15人近くおり、先輩後輩含めれば、出会う研修医は40人以上になり
ます。気の合う人合わない人、それぞれいるのが当たり前であり、人数が多いとい
うのは、交友関係としても貴重な初期研修医の期間に自分の居場所を見つけやすい
ことに繋がるかと思います。
研修環境、病院の立地・待遇といったその他の周辺環境含め、非常におすすめでき
る病院の1つになってくるかと思います。
少しでも興味を持った方は、このようなご時世ではありますが、一度、見学、マッ
チングの候補に入れてみてください。
臨床研修のホームページ→
https://osaka.hosp.go.jp/kyujin/syokikensyu/nikki/index.html
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総編集長:病院長 是恒之宏
編 集 長:副院長 上松正朗 三田英治
看護部長 西本京子
編 集:百崎実花
発 行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
(〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
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今年は、新型コロナウイルス感染拡大に翻弄された1年でした。今まで“当たり
前”と思っていたことが“当たり前”ではなかったことに気づいた年でもありまし
た。日々の“当たり前”に感謝しつつ、来る年には平穏な日常が戻ることを祈念い
たします。引き続き、来年もよろしくお願いします。
メールマガジンのご感想をお聞かせ下さい。
408-osaka@mail.hosp.go.jp
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