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メールマガジン「法円坂」No.243 (2021/7/15)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)



 いよいよオリンピックが開催されます。皆さんは、どのようなオリンピックの
思い出や印象に残るシーンがありますか?私は体操、水泳や陸上のリレーなど団
体競技が好きです。コロナの世相や夏の暑さを吹き飛ばすようなアスリートの活
躍を期待したいと思います。では、今月のメルマガをお楽しみください。
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   メールマガジン「法円坂」No.243 (2021/7/15)
          (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
 ・院 長  松村 泰志 
 ・頸動脈超音波検査について
 ・看護学校 副学校長 就任のご挨拶
 ・看 護 の こ こ ろ
 ・研 修 医 日 記

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         院 長  松村 泰志    大谷選手の活躍で思うこと      
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 何かとつらいニュース、モヤモヤした話題が多い中、大リーグで大谷翔平選手
が活躍しているニュースは、私達日本人の気持ちを晴れやかにしてくれます。二
刀流など、プロの世界ではあり得ないと思われていたことを、やってのけてしま
う強さ、しかも、並みいる大リーグの強打者がいる中で、現時点でホームラン数
トップということですから、もう、とんでもない域に達していると思います。こ
うした偉業を成しているにも関わらず、テレビに出てくる大谷選手は、何かひょ
うひょうとしていて、ひたむきに努力を継続していることを感じます。また、大
谷選手の表情を見る限り、苦行を乗り越えて勝ち得た成果という雰囲気はなく、
チャレンジをすることを楽しんでいるように見えます。思い返せば、昨年は手術
後で調子が悪かったと聞こえていましたから、そこから脱する苦しみはあったの
ではと想像しますが、そうした雰囲気はつゆほども感じさせず、多くの人達は、
今の大谷選手のすごさに酔いしれています。
  こうした大谷選手の生き方に、私達が活動する上での良いヒントがあるように
思います。自分がやってみたいと思うチャレンジは、周りからどう言われても、
やってみること。ただひた向きに努力すること。そのチャレンジを楽しむことが
ポイントと思います。もちろん、そうすれば、大谷選手のような偉業を誰しもが
達成できるわけではないでしょうが、より良い成果を生むことになると思います。
  私のチャレンジは、大阪医療センターを、患者さんから親しまれ信頼され、職
員が和やかで活気があり、それでいて最先端の医療が提供できる病院にし、私が
去った後も、繁栄し続ける土壌を作ることです。私の院長の任期の期間、大谷選
手にならって、ひたむきに、楽しみながら、チャレンジをし続けたいと思います。

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               頸動脈超音波検査について      
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                                                        脳卒中内科副科長
                                  永野 恵子

<頸動脈超音波検査とは>
首ののどぼとけの隣左右にある頸動脈(けいどうみゃく)に超音波をあて、血管
の壁の厚さや血管の内側の状態を評価するのが頸動脈超音波検査(頸動脈エコー)
です。被曝もなく、体への負担がほとんどない検査です。

<検査でわかること>
*全身の動脈硬化の指標
動脈硬化は、高血圧症や糖尿病、脂質異常症、肥満などの生活習慣病や、喫煙に
よって生じ、悪化すると脳梗塞や心筋梗塞といった、重い血管の病気を引き起こ
す恐れがあります。頸動脈は全身の動脈の代表として、動脈硬化度の評価に使わ
れます。動脈硬化によって血管内部にできたプラーク(脂肪成分や線維など)な
どを頸動脈超音波検査で可視化します。ちなみに、動脈硬化についての最初の記
載はレオナルド・ダ・ヴィンチだといわれています。彼が直接的に人体から得た
所見が、500年の年月を経て、現在は体の外から、いとも簡単に画像で観察できる
ようになったのです。
*頸動脈狭窄(きょうさく)・閉塞(へいそく)
さらに、頸動脈は脳に血液を送る大切な役割があります。この血管がつまったり
(閉塞)、細くなったり(狭窄)すると、脳梗塞の原因となります。

<検査で所見がみつかったら・・・専門医への紹介・精査の目安> 
まず重要なのは原因となる生活習慣病の管理です。かかりつけ医さんとよく相談
し、健康維持に努めていただくことが非常に大切です。検査自体は広く普及して
おり、かかりつけ医や脳ドックでも行われることが多くなっています。所見があ
れば定期的にフォローしていただくとよいと思います。ただし、時に専門的な対
応が必要な場合があり、脳梗塞予防のために精密検査をしたり、外科的処置を検
討したりした方がよい場合もあります。急速にプラークの厚みが進行し、狭窄率
(血管の細さの程度)が50%以上で初めてみつかった場合は、かかりつけ医さん
からご紹介ください。当院では脳卒中内科・脳外科と共同で、かかりつけ医さん
と連携し、脳梗塞の予防と最先端の治療に取り組んでおります。
 
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           看護学校 副学校長 就任のご挨拶    
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                             副学校長
                               池田 仁美

 4月1日付で、看護学校の副学校長を拝命いたしました池田仁美です。大阪医療
センターでの勤務は20年ぶり2回目となります。前回の勤務も学校でしたが、当
時は助産学科がありましたので、名称は附属看護助産学校でした。その時の看護
学科の学生定員は1学年100名でしたので、人の名前を覚えることが不得手な私は
苦労いたしました。当時学生だった方が、現在も大阪医療センターで活躍されて
いることを大変うれしく思います。
 国立病院機構の教員は、できるだけ臨床と学校とを行き来するように人事異動
が行われます。私もこの20年間は、ほぼ2年ごとの異動で、途中行政での勤務も
はさみながら、臨床と学校とを行き来してまいりました。この度も、京都医療セ
ンターの臨床からの配置換です。看護基礎教育で何を教育されているのかを踏ま
えて現任教育に携わることができますので、看護管理者の役割の1つである人材
育成には教員経験が役に立ちます。逆に医療の最前線で行われていることを踏ま
えて、看護基礎教育での教材に活用することができます。現在、看護教育課程の
第5次改正申請準備の真っ只中です。3月までの臨床経験も改正を考える過程に組
み込んでいければと思っています。
 今春は、第75回生83名が入学いたしました。コロナ禍における医療従事者の過
酷な状況が報道されている中、看護の道を志してくれた人たちです。看護職者に
なるという強い意志をもって入学してくれたことに感謝します。コロナ禍におい
ても、看護教育課程の3分の1を占め学生の大きな学びの場となる臨地実習を継
続して実施できているのは、大阪医療センターの皆様のおかげです。どうもあり
がとうございます。臨地実習を実施できていることは、大阪医療センター附属看
護学校の学生にとって大きな強みです。これからも、皆様のお力をお貸しくださ
い。どうぞよろしくお願いいたします。
                                    
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            看 護 の こ こ ろ        
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                        西6階病棟 副看護師長  
                                                              勝田 裕希
 
 初夏を迎え、徐々に暑さの本番にもなってきていますが皆様いかがお過ごしで
しょうか?新型コロナウイルスの第4波により6月20日まで「緊急事態宣言」が
継続となったため、徐々に感染者数は減少傾向となってきていますが、未だ日々
制限のある生活の中でお過ごしかと思います。
 私は今年度副看護師長に昇任させていただき、西6階病棟に配置換えとなりま
した。日々看護を行う中で当病棟に偶然、私が看護師1年目から2年目の時にプラ
イマリーとして担当していた患者さんの入院がありました。10年程前のことであ
るため、患者さんや家族さんは覚えていないかと思いましたが、入院日に病室に
伺ったところ、「覚えてるよ!覚えてるよ!あの手術した時はお世話になりまし
た。今日はね・・・」とすぐに思い出して頂けました。振り返ると私は1年目、2
年目の時は業務や看護ケアに必死であり、患者さんとしっかりと向き合えていな
かったと思います。その頃は必死に自分ができる看護を提供していると思ってい
ましたが、数年経って再会した患者さんからこのような言葉や反応があり、患者
さんの記憶に自分が残っていたことに喜びを感じることができました。また、家
族さんとも荷物を持ってこられた機会にお話しさせていただき、「しっかり覚え
てるよ!あの時はよく来てくれてたもんね!」と言っていただき、家族さんへも
記憶に残る看護の提供を行うことができていたと実感できました。
 昨年まで、患者さんの滞在期間が短い集中治療室でいたこともあり、患者さん
に覚えていただける機会が一般病棟にいた時に比べ少なくなっていましたので、
看護師として患者さんと家族さんの人生に関わらせていただいていることを改め
て思い返す機会となりました。日々看護を行う中で、やりがいや満足感がすぐに
得られないこともありますが、自身が行った看護は、患者さんや家族さんの心に
はしっかりと刻まれるということを学ぶことができました。
 看護師になり外科病棟で3年半、集中治療室で6年半経験し、11年目で副看護師
長に昇任となり、一般病棟の看護と集中治療室での看護、両方の看護のやりがい
や楽しさを経験できたことは、自身の看護師人生で貴重な経験だと思います。特
に私の看護において最も大切にしている「患者と家族の立場に立った看護」はど
の部署、どのような患者さんに対しても必要なものだと思います。
 副看護師長となり、患者さんへ提供する看護や看護に対する思いをきっちりと
言葉にし、実践しながら、その背中を見せていくことで、スタッフの見本となれ
るようにこれからも日々努力し、楽しみながらスタッフ教育に携わっていきたい
と思います。
 最後になりますが、未だに新型コロナウイルスの猛威が持続していますが、体
調を崩されませんよう、ご自愛ください。
 
ホームページ→https://osaka.hosp.go.jp/kango/index.html

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             研 修 医 日 記
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                             初期研修医 2年
                               赤間 俊之

はじめまして、初期研修医の赤間俊之です。
この文章を読まれているのは当院での初期研修を考えていただいている医学生の
方が多いとのことで、1年当院で働いた感想を述べたいと思います。

・当院は当直も比較的少なく、いわゆる「ハイポ」だといわれがちですが、特に
メジャー科はしっかり研修したい場合にはそれに応えてくれる、自分である程度
忙しさを調整できる病院だと思います。大変な時も多々あります。でも、先輩・
同期皆さん仲良く、困った時は助けてくれます。
・選択期間は4ヶ月しかありません。いわゆるマイナー科に行くと決めている方
にとってはマイナスとも捉えうるでしょう。ですが、医療は診療科同士が複雑に
絡み合っていて、どの科に行くにしても他科の基本的な考え方を知っておくに越
したことはありません。様々な科の先生に簡単なことでも聞けるのは、フットワ
ークの軽い初期研修医ならではの特権だと思います。

いかがでしたでしょうか。興味を持たれた医学生さんは、ぜひ見学にお越しいた
だければと思います。
                                                              
臨床研修のホームページ→
https://osaka.hosp.go.jp/kyujin/syokikensyu/nikki/index.html

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総編集長:病院長 松村 泰志
編 集 長:副院長 三田英治 平尾素宏
     看護部長 西本京子 
編   集:池永祐子
発  行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
         (〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
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 オリンピックは個人的に1972年の札幌(冬季)、1998年の長野(冬季)の記憶
はあるのですが、さすがに1964年の東京の記憶はありません。日本で開催される
夏季オリンピックをLIVEで見るのは今回が初めてです。次回のメルマガはパラリ
ンピック直前ですね。暑い日々が続きますので、熱中症にかからないよう、ご自
愛ください。

408-osaka@mail.hosp.go.jp


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