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メールマガジン「法円坂」No.252 (2022/4/18)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)



 新年度、新学期を迎えました。皆さんは桜の花を観られたでしょうか?病院の
敷地内や病院横の銅座公園の桜がきれいに咲き誇っていました。4月13日から19
日までは3年ぶりに造幣局の「桜の通り抜け」も開催されます。少しずつ日常を
取り戻せるよう、新型コロナウイルスを正しく理解して、適切な感染対策を講じ
ていきましょう。では、今月のメルマガをお楽しみください。
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   メールマガジン「法円坂」No.252 (2022/4/18)
          (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
 ・院 長  松村 泰志
 ・脳神経外科 副科長/医長 就任のご挨拶
 ・退職のご挨拶 
 ・看 護 の こ こ ろ
 ・研 修 医 日 記

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              院 長  松村 泰志  令和4年度の病院運営方針
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 令和4年度がいよいよ始まりました。令和3年度は、私が大阪医療センターに参
って間もなくであったため、前任の是恒名誉院長が引かれたレールの上をひたす
ら走ることで乗り切りました。令和4年度は、私が方向性を示して病院を導かな
ければならない年であると認識しています。兜の緒を締め直して、今年度に臨む
心境でおります。
 当院では、年度末に、各科、各部門の責任者から、1年間の実績と次年度の目
標等についてヒアリングをする機会を設けています。これを踏まえて、院長が次
年度の病院運営方針を決めて職員に通知しています。年度始めですので、今回の
記事は、この内容の概要をご紹介させて頂きたいと思います。
 当院の活動は、医療提供、人材育成、研究開発、経営の4つの柱にまとめられ
ます。その詳細は多岐にわたりますが、従来から取り組んできたことは今年度も
継続し、新たに取り組むべきことを具体的に示すようにしました。継続すること
にはパワーが必要ですが、新しく何かを始めようとすると、小さなことでも大き
なパワーが必要です。
 各診療科の診療内容については、アンギオ装置が2台から3台に増やすことがで
きたこと、脳神経外科の医師が一人増えたことで、脳・心血管系の検査・治療の
件数を増やすことができると思います。また、昨年度は、血液内科に2名の優秀
な医師が来てくれ、血液内科を見事に再開させてくれましたが、今年度、更に1
名増えることとなり、充実した診療科になっていくと思います。その他、上部消
化管外科で代謝改善手術を推進していくこと、整形外科でロボット手術の導入を
すること、眼科で日帰り手術を可能とする体制を整備することなど、各科で目標
を定めて取り組みます。
 昨年度は、重症コロナ患者への対応のことがあり、集中治療室の運用に苦労を
しました。令和4年度の診療報酬改定では、当院のように、重症コロナ患者を含
めた重症患者に対応している病院に対して手厚くして頂いていると感じます。急
性期充実体制加算に加え、重症患者初期支援充実加算、早期離床・リハビリテー
ション加算、早期栄養介入管理加算、術後疼痛管理チーム加算といった加算が付
きます。これらの加算は、しかるべきことを実施していることが条件ですから、
この条件をクリアし、集中治療室運用を充実させたいと考えています。また、集
中治療室は貴重な資源ですので、急性期を脱したものの人工呼吸器が外せない患
者さんなどを一般病床で受け入れ、集中治療室での治療を要する患者さんを漏れ
なく受け入れられる体制作りをしたいと考えています。
 コロナ感染拡大の時には、当院は重症患者の担当病院として対応してきました
が、入院中の患者さんがコロナ検査で陽性になったケース、別の疾患が原因で救
急外来に搬送されてきた患者さんが、調べるとコロナ陽性であったケースがあり、
こうした患者さんに入っていただく部屋が必要であることを痛感しました。これ
まで、一般病棟をコロナ患者さん用病棟に変えて対応していたのですが、既に入
院している患者さんを別の病棟に転棟していただくことでご迷惑をおかけしまし
たし、一般の入院患者さんが入れる病室が減ってしまい、病床のやりくりに苦労
をしました。こうした反省から、当院で休棟としている病棟の病室に陰圧にする
ための装備を入れ、ここにコロナに感染した患者さんに入院して頂くように整備
したいと思います。第7波が始まってしまいましたので、急いでいるところです。
また、令和4年度の診療報酬改定で、地域のコロナ感染患者さんを受け入れる医
療機関と連携することが求められています。連携における当院の果たすべき役割
をしっかり実行していきたいと考えています。
 当院の地域での役割の中で、救急医療の部分は大きいと感じます。大阪市内で
救急医療を要する人は、日々多く発生しています。当院には、急性期疾患のみな
らず、事故による負傷、自殺未遂の人等が搬送されてきます。また、社会的背景
が複雑な人もおられます。昨年10月には、大阪出入国在留管理局から紹介を受け
た在留外国人の方に手厚く対応をしましたところ、同局長から感謝状を頂きまし
た。市内にある当院には、北摂にある阪大病院とは異なる医療ニーズがあること
を知りました。ここにコロナに感染した患者さんが含まれてきます。なかなか大
変なのですが、こうした医療ニーズに応えてこそ、頼られる病院になるのですか
ら、この状況から逃げてはいけないと思っています。どこまで応えられるかはチ
ャレンジになりますが、しっかり前向きに挑んでいきたいと思います。新入職者
への私の挨拶の際には、この病院に来た以上は救急医療に対応してもらうことを
お話ししました。ただ、個々の医師の努力に任せるだけではなく、専属の看護師
や救命救急士の配置、病棟との連絡体制など、救急医療に対応できる体制作りに
も力を入れていきます。
 今年度取り組むべき大きな課題の一つに働き方改革があります。基本的には医
師の残業を減らすことが目標とされていますが、看護師を含め、コメディカルの
職員が医療に参加する場面を増やし、結果的に医師の負担軽減を図ることを考え
ています。意図していますのは、医療の質向上を図ることを同時に目指すことで
あります。特に、看護師については、認定・専門看護師、特定行為研修修了者等
の育成が重要と考えています。現実には、医師の数は簡単には増やせませんが、
看護師等が専門的な治療に関わることで、手厚い医療が可能となります。また、
リハビリ、栄養指導、薬剤管理と服薬指導など、必要とする患者さんにしっかり
届けていく体制が必要です。高齢化が進むなか、ソーシャルワーカの役割が益々
重要になってきています。これまで、先端医療を届けることが良い医療だと思わ
れてきましたが、現在は、それに加え、医療者が見守ることによる手厚い医療が
求められていると感じます。コメディカル職員が提供する医療部分を充実させて
いくことが必要です。しかし、コメディカル職員も人員が十分とは言えず、コメ
ディカル職員の残業が増えてもいけません。医療者間でコミュニケーションを密
にして、効率的で効果的な運用を実現させる工夫もしていきたいと思います。
 最後に経営改善のことにも触れたいと思います。経営を良くしていくことは、
病院のみならず組織を発展させるための必要条件です。当院の場合、長らく黒字
経営が続いていますので、問題はないように思えるのですが、病院の建て替えを
控えており、建て替えによる負債が返済できるレベルに到達させることを目指し
ています。医療では、医療費の単価は決められていますので、診療報酬の加算条
件をクリアし、加算を積み上げていくことが必要です。加算条件をクリアするこ
とは、良い医療を提供することにもなりますから、しっかり取り組んでいきたい
と思います。しかし、病院経営を抜本的に良くするためには、当院で治療を受け
たいと言っていただける患者さんの数が増えることが必要となります。近隣に素
晴らしい病院が多くあるなかで、簡単なことではありません。しかし、阪大病院
から参った私の目から見て、当院の医療レベルは、阪大病院に比べて決して劣る
ことはありません。阪大病院より扱える疾患の種類は少ないと思いますが、病院
規模が手ごろな分、診療科間の連携、多職種の連携においては当院の方が優って
います。おそらく、近隣の病院と比較しても、当院が劣っていることはないと思
います。これまで足らなかった点があるとすると、広報ではないかと思います。
人は、中身が分からないところに重要なことを託す気持ちにはなりません。当院
の行っている医療の内容を広く知ってもらえるようにすることにも、積極的に取
り組んでいきたいと考えています。本メールマガジンも、そのためのツールでも
あります。
 今年度もどうぞよろしくお願いいたします。

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              脳神経外科 副科長/医長 就任のご挨拶           
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                                                        脳神経外科副科長
                                                              尾崎 友彦 

  2022年1月に大阪医療センター脳神経外科副科長、4月より医長を拝命しました
尾崎友彦と申します。ご挨拶を兼ねまして簡単な自己紹介をさせて頂きます。
 私は2005年(平成17年)に大阪大学医学部を卒業し、大阪医療センターで2年間
の初期研修を行ったのち、大阪大学脳神経外科学教室に入局致しました。その後、
初期研修に引き続き大阪医療センターで脳神経外科レジデント(専修医)として3
年間研修させて頂きました。その後、関西労災病院で2年間の勤務を終え、大阪
大学医学部脳神経外科大学院で脳虚血耐性に関する研究を行いました。大学院修
了後は大阪国際がんセンター(旧 成人病センター)、河内総合病院で勤務し、20
19年よりカナダのトロントウェスタン病院の神経放射線科でリサーチフェローと
して、脳血管障害の臨床研究ならびに治療を学んで参りました。2020年10月より
大阪医療センターに約10年ぶりに戻って来ることができました。医師として出発
した最初の5年間を過ごした当院で再び勤務出来ることに嬉しさを感じております。
 私の専門分野は脳血管障害で、脳動脈瘤のクリッピング術などの開頭手術、そ
してコイル塞栓術や頚動脈ステント留置などのカテーテル治療をともに行なって
おります。特にカテーテル治療に関しましては今年11月に、当科科長の藤中が第
38回日本脳神経血管内治療学会学術集会を開催予定で、臨床面でもアカデミック
面でも大阪から世界に発信できる病院であり続けたいと思います。
 大阪医療センター脳神経外科は大阪大学脳神経外科関連施設の中でも、専修医
の数が特に多く、将来の大阪の、日本の、世界の脳神経外科を背負っていく人材
育成にも重きを置いており1例1例を大切に診療しております。
 2022年4月現在もCovid19の厳しい状況ではございますが脳外科治療を必要とす
る患者様のため、最新の知識と熱意をもって、安全第一に日々精進してまいりま
す。今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。

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                退職のご挨拶  
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                                                               木村 剛

 このたび退職いたします呼吸器内科木村剛です。2010年に大阪医療センターへ
入職してから12年間、肺がん診療を主に行ってまいりました。その間に、各種分
子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬など新規の抗悪性腫瘍薬の登場によって、
肺がんの検査・治療法が大きく進歩しました。がん拠点病院の名に相応しい肺が
ん診療を提供できるように、小河原科長の指導のもと、私も微力ながら尽力いた
しました。時に困難を伴うこともありましたが、多くの方々のご支援で乗り越え
ることができました。この場をお借りして、お世話になりました皆様方に御礼申
し上げます。

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            看 護 の こ こ ろ        
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                               西8階病棟 副看護師長
                               恩地 愛香

 花冷えの日が続いていますが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょう
か。コロナの第6波が過ぎ、新年度に新しいスタッフを迎えます。
 私は現在の病棟に異動し2年目が経ちます。昨年度から血液内科が新設され当
病棟でも抗がん剤治療をする患者さんがおられます。私が心に残っている80歳
代の患者さんで食欲不振で来院され検査の結果、がんと診断されました。腫瘍が
胃の周辺にあり食事もなかなか進まない状況で、抗がん剤が開始されました。栄
養状態も悪かったこと、食事量が進まないため高カロリーの点滴もおこないまし
た。しかし胃そのものにがんがあるわけではないため、できるだけ口から摂取で
きるように、栄養士、医師、看護師で構成されたNSTチームで食事内容について
検討し食事の種類を変更しましたが食事摂取量は増えませんでした。患者さんは
倦怠感と食欲不振、夜間の不眠や点滴の持続投与などでせん妄症状が見られ始め
ました。その中で帰宅に対する訴えが聞かれました。せん妄に対する医療チーム
や緩和ケアチームも介入してもらい、患者さんにとって良い環境づくりや症状緩
和ができるよう検討しました。食事の蓋を開けたときに臭いで食欲が低下してい
た時期もあり、配膳時に事前に蓋を開け、臭いを飛ばしておくことや、冷たい食
事の提供、ゼリーが食べやすい場合は高カロリーゼリーの提供も行いました。ま
た夜間の不眠については睡眠薬の調整も行いました。しかし、食事摂取量はあま
り進まず、夜間の不眠も日によって異なる状況で「もうあかん。帰りたい。なん
もできへんわ。」との発言も聞かれました。そのため、本人に帰宅の希望がある
ことや入院が長期化していたこともあり、抗がん剤による血球減少から回復した
時点で一泊退院することを医師とともに話し合いました。
 この時点では一泊の退院も困難ではないかと思われましたが、患者さんは帰宅
に向けベッド上で過ごす時間が長かった状況から歩行リハビリを意欲的に参加し
てくださいました。退院まで食欲不振や不眠は変わりませんでしたが、自宅で一
泊し帰院された時、「家に帰れてよかったわ。久しぶりに帰った。おいしいもの
食べてきたよ。また抗がん剤頑張らな。」と前向きな発言が聞かれ、その後から
食事摂取量も増加しました。夜間の不眠については引き続き薬剤調整をおこない
改善がみられました。食事摂取量の増加は抗がん剤による腫瘍の縮小があったこ
とも関連していると思いますが、その後抗がん剤を6コース終了するまで、1コ
ース毎に退院しながら継続することができました。
 入院は生活環境が変わり、症状や治療など患者さんには大きな負担がかかりま
す。それによりせん妄症状の出現など疾患以外の症状が出現することもあります。
私は患者さんが前向きに治療に専念できるよう様々な医療チームと話し合うこと
が大切であり、患者さんや患者さんを取り囲む家族が治療後どのような環境で生
活していきたいかを早期から調整していくことで、患者さんにとって限られた時
間を大切にしていく事につながると思い日々看護を行っているため、今後も続け
ていきたいです。
                                                        
ホームページ→https://osaka.hosp.go.jp/kango/index.html

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             研 修 医 日 記
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                             初期研修医 2年
                                  脇 貞徳

 大阪医療センター研修医2年目の脇 貞徳と申します。マッチング前の情報収
集や国試にむけてモチベーションアップのために研修医日記を遡って読んでいた
ことを思い出します。あと3か月で研修が終了するのかと名残惜しい気持ちで一
杯です。病院見学やマッチングに向けたご参考になれば幸いです。
 私が当院を志望した一番の理由は病院全体の雰囲気が温かく熱心だと感じたた
めです。6年生の4月に腎臓内科、6月に耳鼻咽喉科を見学しました。スタッフ、
レジデント、研修医の関係性が良いことに加えてコメディカル、職員研修部の皆
さん(病院見学の時もお世話になるはずですが困った時いつも助けて頂いており
ます。)の人柄が良いという印象を受けました。実際、私が勤務をしてみてその
通りでした。先輩方、同期後輩もみな穏やかな方ばかりで、本当によく相談に乗
ってもらいました。大阪大学の関連病院というイメージがあるかもしれませんが、
府外の大学出身の私も存分に研修ができましたので心配はいらないと思います。
今後もきっとこのような雰囲気は続くと思いますし、精神的にも肉体的にも2年
間しっかりと研修できる環境が整っていることが当院の強みだと思います。実際
のローテートや当直については頼れる同期が執筆してくれているのでそちらを参
考にしてください。
 百聞は一見に如かずといいますが百見は一考に、百考は一行に如かずという続
きがあるそうです。研修医日記を読んでいて見学に悩んでいる方がいらっしゃれ
ばぜひ一度当院に足を運んでみてください。見学に来た科で空いた時間があれば
研修医ルーム(本館5階にあります。)に遊びにきてください。きっと温かい雰
囲気の中で色々なことを聞けるはずです。
                                                             
臨床研修のホームページ→
https://osaka.hosp.go.jp/kyujin/syokikensyu/nikki/index.html

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総編集長:病院長 松村 泰志
編 集 長:副院長 三田英治 平尾素宏
     看護部長 西本京子 
編   集:池永祐子
発  行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
         (〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
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 すっかり暖かくなりました。すぐにゴールデンウイークがやってきます。健康
のため、屋外で身体を動かしましょう。では5月のメルマガでお会いできること
を楽しみにしています。

408-osaka@mail.hosp.go.jp

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