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メールマガジン「法円坂」No.255 (2022/7/15)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)



 7という数字はラッキーなイメージがありますが、今年の7月はコロナ第7波
に遭遇しています。嵐が過ぎ去るまで、この1~2ヶ月はご自宅でゆっくりメル
マガや小説を読んでステイ・ホームはいかがでしょうか。では、メルマガをお楽
しみください。
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   メールマガジン「法円坂」No.255 (2022/7/15)
          (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
 ・院 長  松村 泰志
 ・みなさんに知ってほしい心不全 
 ・医療における放射線
 ・看 護 の こ こ ろ
 ・研 修 医 日 記

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               院 長  松村 泰志   医学序説の講義をして
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 コロナ感染拡大の第7波に突入した模様です。今度の波は、かなり大きなもの
になると予想されています。大阪医慮センターでは、休棟としていた病棟を陰圧
室とする工事をしてコロナ感染患者さんが入院できるようにし、救急の待合室用
にコンテナを置いて患者さんに安全に待機してもらえるようにする等、第7波に
備えてきました。しかし、対応するのは生身の人間です。職員には自分が感染し
ないよう注意しながら、コロナ感染を含む患者さんの診療に頑張ってもらい、こ
の波を無事乗り越えられることを祈っています。
  私は、任期を残して大阪大学を退職しましたので、招聘教授として現在でも学
生の教育にも少し関わっています。先日、医学部1年生を対象に医学序説の講義
枠で1コマ授業をしてきました。今回は、そのことを題材に記事を書きたいと思
います。
  以前に自己紹介させていただきました通り、私の前職での専門は医療情報学で
す。医療情報学は新しい領域ですので、1年生に向けてこの領域を知ってもらう
良いチャンスと思い、この講義枠を引き受け、毎年行っています。今回は「未来
医療を支えるICT基盤」とのタイトルでお話ししました。
  第一話は「病院情報システムのこれまでの経緯」についてです。全てが紙で運
用していた病院を、どのようにしてシステム化していったかを説明しました。最
初は、オーダエントリシステムを導入し、診療現場と薬剤部や検査部門等の中央
診療部門の間を、処方箋や検査依頼用紙などの紙により情報伝達していたところ
をシステム化し、中央診療部門に業務を支援するシステムを導入して合理化を図
りました。次にとりかかったのが画像のデジタル管理でした。ThinスライスCTが
登場し、フィルムが膨大となったことに加え、3D等の画像処理への期待があり、
デジタル画像で閲覧管理するシステムを導入しました。更に、紙の診療録を電子
化していきました。多職種でチーム医療を行う上で、紙カルテでは情報共有しに
くかったところ、電子カルテにより解決を図ることを考えました。当初は、紙と
電子カルテを併用していましたが、重要所見の見逃しリスクが大きくなること、
カルテ搬送が残り電子カルテのメリットが得にくかったことから、完全ペーパレ
ス化を目指しました。診療録の電子化が達成できると、地域医療連携のために、
電子カルテを他の医療機関から閲覧できる仕組みを導入し、連携する医療機関に
対し対象患者の診療録を見せる運用を開始しました。
 第二話は、「電子カルテデータの臨床研究での活用」についてです。現在では
統計的に適切に評価された結果(エビデンス)に基づき判断されるべきとされ、
さかんに臨床研究が行われるようになりました。適用による交絡を除くためRCT
(ランダム化割付試験)が行われてきましたが、コストがかかること、それが故
にシンプルな症例に限定して評価する傾向があり現実と乖離しやすいこと、ラン
ダム割付をすることに倫理的ジレンマがあることなどに問題があります。診療デ
ータを使って、傾向スコアによるマッチングや多変量解析で交絡を除く方法が開
発され、電子カルテデータを使った臨床研究が注目されるようになりました。し
かし、電子カルテデータは、フリーテキストで記載されている部分が多く重要な
データが解析に利用できない問題があります。これを解決するために、テンプレ
ートによる入力方式を用いるか、自然言語処理技術により医療データを構造化す
ることが必要であること、業務用のデータベースは解析には使えないことから解
析を専用とするデータウェアハウスを構築する必要があること、多施設のデータ
を解析するためにはコード体系とデータ構造を統一化する必要があること、多施
設で前向きにデータを収集するためには、多施設で共通するテンプレートを利用
してデータを集める仕組みが必要であることをお話ししました。大阪大学では関
連病院の間をセキュアなネットワークで結び、多施設で診療データを研究利用す
るための基盤を構築し、実証を進めていることも紹介しました。
 第三話は「人工知能による医療支援」についてです。人工知能は1980年代にエ
キスパートシステムと呼ばれた技術で、専門家の知識をコンピュータに移植し知
的処理をさせるシステムが開発されましたが、専門家から知識を抽出するのに手
間がかかることから普及しないままブームを終えました。現在のブームは、深層
学習の系を利用し、システムに大量のデータで学習させることでシステム内に知
識体系が出来上がり、複雑なパターン認識を可能とする技術です。これまでのコ
ンピュータは、項目と値を組み合わせた構造化データでしか処理できなかったと
ころ、画像や音声、自然言語などが処理対象とできるようになった点で革命的と
言えます。医療では画像診断に使われ、自然言語処理にも応用されようとしてい
ます。また、機械学習の新たな技法が登場し、大量のデータを与えることで、適
切なサブグループに分けて予後を正確に予測するなどの技術が登場しました。今
後、人工知能の応用範囲が広がることが期待されますが、そのためには、きちっ
と整理された大量のデータが必要であることをお話ししました。
 第四話は、「Personal Health Record」についてです。診療データがデジタル
化され、改めて診療録のあるべき姿について考えられるようになりました。現在
では、一人の患者さんの同じ疾患に対してでも複数の医療機関が関わりますが、
その経過を記した診療録は、それぞれの施設内に分散して管理されています。そ
こで、現状の診療記録の管理に加え、患者さん自身にも自分の医療データを持っ
てもらい、医療機関を受診する時に患者さんから提示してもらう方法で、初診で
あっても、医師はこれまでの経過を知ることができるようにするアイデアを紹介
しました。オーストラリアでは既に実運用されています。これにより生涯の医療
記録ができます。エッセンシャルなデータを構造化データとして患者さんに持っ
てもらうことで臨床研究にも利用できます。長期のアウトカム(10年生存率など)
が取得できますので、長期的に見て良い治療が何かを追求できるようになります。
また、スマートフォンを使って説明・同意が得られますので、個別同意を取る手
間が省けます。現在、三井住友銀行と阪大とで、この実証を進めており、患者さ
んからは好評であることをお話ししました。いずれ、大阪医療センターでも導入
したいと考えています。
 この授業では、学生は、講義のサマリと感想をレポートにして提出することと
なっています。システム化を進めていく際には、常に反対意見、無謀だと言う意
見がありました。2010年にペーパレス電子カルテを実現させた頃、自分では苦労
してやり上げたとの感覚で、いかにして紙の記録を電子化していったかを得意気
にお話ししていました。今、このことを学生に話しますと、「昔は紙に診療録を
書いていたのだと驚いた」と感想文に書かれていました。私も両親から戦争時の
苦労話しを聞かされた時には、大昔のことのように思って聞いていました。十年
ひと昔と言いますが、時代が変化している時に、若い人には勝てません。
 私がオーダエントリシステムの導入にあくせくしていた頃、システムにより業
務の効率化を図ることに意義はあるものの学問的な意味があるのか疑問に思い、
当時の医療情報学教授の井上先生(国立大阪病院名誉院長)に苦言を申し上げた
ことがありました。その時、井上先生は、「まず、医療を見える化することだ。
次に医療を評価すること。評価がないところに発展はない。さらに、医療を支援
すること。現実の医療はピンからキリまであるが、キリをピンに近づけるのは我
々の仕事だ」とおっしゃいました。私は至極納得し、その後、この目標を追いか
けてきました。私は100枚以上のスライド原稿の中に1枚だけ井上先生が語られた
言葉を記したスライドを入れてお話ししました。しかし、多くの学生が、レポー
トに井上先生の言葉を書いていました。誰にとっても得心のいく核心を突いたお
言葉であったと思います。
 本来は90分枠で20分ぐらいを、レポートを書く時間に残さなければならなかっ
たのですが、しゃべり過ぎて90分枠をぎりぎりまで使ってしまいました。あまり
良いレポートは書けないだろうと諦めていたのですが、提出されてきたレポート
を見て驚きました。用紙に小さな文字でびっしりと記載され、私の講義内容を上
手にまとめてありました。レポートを採点して提出する必要があり、全てのレポ
ートを読んだのですが、全員が出席しており、7割ぐらいの学生がきちっと整っ
たレポートを書いてくれていました。私の学生時代は授業への出席率が悪かった
ですし、熱心に聞く学生は更に少ない状況でしたので、雲泥の差です。彼らの将
来を大いに期待したいと思います。

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                 みなさんに知ってほしい心不全           
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                                                         循環器内科医長
                                                             安部 晴彦

 心不全ってご存知でしょうか?医師以外の読者もおられると伺いましたので、
わかりやすくお話できればと思います。大阪医療センターではWEB市民公開講座
を行っており、私が心不全についてお話ししている動画をYouTubeでも見ること
が出来ますので、以下から視聴頂いても結構です。https://www.youtube.com/w
atch?v=dmGkdI78gaAもしくは「大阪医療センターWEB市民公開講座 第4回 心不
全ってどんな病気?」とパソコンに入力頂いてもYouTubeの動画に辿り着くこと
ができると思います。
 心臓は全身の臓器に血液を送り出すポンプの働きをしている重要な臓器です。
心臓のポンプの働きが低下すると心不全という状態になります。日本心不全学会
の一般人向けの心不全の定義というのがあります。そこでは、「心不全は、心臓
が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気
です。」と定義しています。また「少しでも心臓の力を回復させるためには、お
薬などの治療とともに、患者さんご自身の日常生活の管理がとても大切です。」
と自己管理の重要性についても提唱しています。心不全パンデミックという言葉
があります。これは日本の心不全患者が高齢化に伴って年々増大していることを
称しています。心不全には2つの問題点があって、心不全再入院率が年間30%と
高い点、そして心不全患者の高齢化という点です。心不全患者の高齢化は社会へ
及ぼす影響も無視できません。なぜなら、独居21%、車いす状態23%、要支援・
要介護といった何らかの介護保険制度を必要としている患者が50%近くいるから
です。医療経済的に社会へ及ぼす影響は無視できないものとなっています。
 実は、心不全を発症する10年も20年も前から危険な兆候は始まっています。
40-50歳で高血圧、糖尿病、脂質異常など健康診断で指摘される生活習慣病を持
ち始め、50-60歳で狭心症、心筋梗塞、70歳をこえて心不全を発症し、入院退院
を繰り返しながら徐々に衰弱して死亡に至るという経過は少なくないと想定され
ています。ですから、将来心不全にならないためにも、高血圧、糖尿病、脂質異
常といった生活習慣病を軽視せず、必要があれば治療を行うことが大切です。
 いったん心不全を発症すると5年生存率は大腸がんと同じくらいです。心不全
患者とがん患者の違いについて理解しておくことは大切です。がん患者は、65歳
までの現役世代が多く、症状は完全緩解か徐々に増悪し、自己管理領域が小さく、
広く社会に認知されています。それに対して、心不全患者は、70歳以上の年金生
活者が多く、症状は増悪緩解を何度も繰り返し、自己管理領域が大きく、社会に
認知されていないという点が特徴的です。治療についても癌と心不全では異なり
ます。癌の治療は、薬物療法、放射線療法、手術、支持療法が主で、あまり自己
管理するべきところがありません。いっぽう、心不全の治療は、薬物療法、自己
管理、手術が主体で、自己管理が半分を占めるくらい重要です。心不全の治療薬
には、大きく分けて3つ、むくみを除去する利尿薬、寿命を延ばす心保護薬、息
切れなどの症状を改善する強心薬などがあります。それぞれの薬の効能をよく理
解して、忘れずに飲み続けることが大切。調子が良くなったからと言って、心不
全治療薬を中止してしまうと、心不全再増悪を来すので注意が必要です。心不全
における自己管理では、体重測定、塩分・水分制限、適切な運動(心臓リハビリ
テーション)、むくみと息切れのチェック、内服薬を忘れないことが大切です。
とくに体重管理は大切です。ある研究では心不全増悪入院の1か月前から徐々に
体重が増加しているという報告があります。むくみ、息切れの早期発見も大切で
す。息切れが出現したら1週間以内に心不全増悪で入院となる報告もあります。
ですから、心不全管理手帳で、日々の体重測定、足のむくみ、息切れの有無のチ
ェックが大切です。
 多くの人が心不全に対する理解を深め、自己管理を学び、健康寿命を延ばして
頂ければと願っています。

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                      医療における放射線     
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                            診療放射線技師長
                                中尾 弘

 TVドラマ『ラジエ-ションハウス』で診療放射線技師の仕事が取り上げられる
ようになり、注目度も少しずつ上がっているように感じます。実際はドラマのよ
うにダイナミックで輝かしいイメ-ジばかりでなく、日々地道に確実に患者さん
の診療を支える業務をコツコツと行っています。大阪医療センタ-は多くの診療
科があり、色んな疾患をお持ちの患者さんに対応しています、文字通り頭の先か
ら足の先まで。放射線科では1日あたり平均500件くらいの検査や治療を行ってい
ます。我々は医師の指示のもと、直接患者さんの検査や治療に携わることから、
技術や知識はもちろん、やはり人とのコミュニケーション力も重要と考え、職場
全体で日々研鑽しています。
 さて、“放射線”と聞いて、漠然とした不安や恐怖を感じる方も多いのではな
いでしょうか。原発事故や原爆など、確かに大きな影響はありますが、診療に用
いる放射線や放射能は、しっかり管理されています。例えば、必要最低限の部位
にしか照射をしません。診療では、これ以上使ってはいけない法的レベルはない
ものの、人体への影響が一時的に出るようなレベル(確定的影響)もしっかり把
握した上で使用しています。また発がんや遺伝的影響(確率的影響)を受ける線
量に閾値はありません。実際には食生活や嗜好品、はたまた生活環境など複雑に
影響していると考えられているものの、見えない“放射線”は怖く感じる方も多
いです。ただ放射線に関して不確かな情報を過剰に怖がって検査を受けないこと
で、病気を見過ごすほうが、大きな損失とも考えられます。安易に勧めるわけで
なく、「正しく怖がる」ことです。とは言え、情報が溢れる昨今、検査を受ける
ことに不安や不明点があれば、担当医はもちろん、気軽に我々現場の診療放射線
技師に訊ねてください。年齢や性別によって異なるであろう“何が怖いか”につ
いて、しっかり聴いてお答えできればと考えています。管理という面では、CTや
血管撮影、核医学検査など患者さん毎、撮影部位ごとで想定される受けた線量を
データベ-ス化し、常に最適化を図っています。
 放射線科にはCT、MRI、放射線治療等々、いわゆる大型医療機器がたくさん稼
働しています。その中でも今年度は、救急災害棟に手術を想定した血管撮影装置
が新たに増設され、救急対応を今まで以上に速やかに行える体制ができました。
脳卒中、心筋梗塞は待ったなしの時間勝負、24時間体制でカテ-テル治療などを
たくさん行っています。そして9月より診療稼働を予定している放射線治療装置
は、かなりハイスペックで精度の高いがん治療が期待できます。挙げました2つ
の装置は、いずれも専門性の高い診療放射線技師が扱うことで、患者さんの負担
を少しでも軽減し、また医師の診断、治療をサポ-トをすべく若手スタッフの育
成にも努めています。どの医療職種もですが、国家資格である診療放射線技師も
取得してからが本当の勉強です。昔の常識が、今では非常識になることもよくあ
ります。最新の情報収集は欠かせません。

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            看 護 の こ こ ろ        
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                               東5病棟 副看護師長 
                               清水 奈穂

 梅雨も明け、木々の葉が生茂る季節となりました。暑さが厳しい日が続き体調
を崩しやすい時期でもありますので、皆様体調には十分にお気をつけください。
私は、産科病棟で9年間、助産師として周産期に関わらせていただき、今年4月に
婦人科、乳腺外科の東5階病棟に異動となりました。病棟異動と同時に副看護師
長に昇任し、自分の言動が病棟スタッフに影響を与える立場になるという責任感
を感じながら、日々忙しくも楽しくスタッフと協力して仕事に励んでいます。看
護をする上で大切なこと、「看護のこころ」とは何なのか、私自身の看護を振り
返り考えてみました。私にとっての「看護のこころ」とは、患者さんの思いや言
葉を大切に受け止めること、患者さんが大切にしてきた日常を一緒に大切にして
いくことだと考えています。なぜそのように思うようになったかというのをお話
しようと思います。
 妊娠中期の検診で胸のしこりを医師に相談し、乳がんが発覚した方がおられま
した。乳がんの治療は出産後開始されることになりました。妊娠中の不安は大き
かったですが、無事に出産を終え、産後何日目かの夜中の巡視時患者さんが涙を
流されているところを遭遇しました。「これから、ちゃんとこの子の母親になれ
るのか。不安でいっぱいです。」と言われました。初めてのおむつ替えや沐浴、
授乳など行い、母となる第一歩踏み出していた患者さんでしたが、やはりこれか
らの治療開始後、母親役割が遂行できなくなることなど不安でいっぱいであった
ことに改めて感じました。この患者さんの思いを聞き、私も一緒に涙しました。
日常生活の中で育児技術を獲得し母親としても成長していくことができますが、
治療を受けることで一旦その生活が中断されること、当たり前のようにおくって
きた日常生活がおくれなくなることが患者さんにとってどれだけストレスになる
ことか改めて感じました。チームカンファレンスを実施し、夫に対しても育児技
術獲得できるよう沐浴指導、おむつ替え、授乳方法について入院中に指導できる
ように調整しました。家族全員が同じゴールに向かうことが必要だと考え、本人
の思いを家族に話す機会を作りました。患者さんの思いを聞き、家族は涙しなが
ら、協力するから大丈夫と言われ、患者さんも涙されていました。産後のスケー
ジュールや支援状況など患者さんと家族とともに何度も話し合い、出産後スムー
ズに治療が開始できるように患者さん・家族に指導を行いました。患者・家族と
もに徐々に育児技術の自信がつき無事退院することが出来ました。
 入院中の患者さんには、普段表現されている言葉にも色々な思いがあり、その
本心を聞けるように寄り添えたとき初めて患者さんと向き合えたと感じます。患
者さん・家族の思いをくみ取りどうなっていきたいのか、これからどのように生
活していきたいのかをチームで考え目標を患者さんと考え実践してくことを大切
にしています。日々、病棟スタッフと看護を語り合い、がんと闘う患者さんの思
いを考え患者さんに寄り添った看護が出来るようにしていきたいと思います。
                                                        
ホームページ→https://osaka.hosp.go.jp/kango/index.html

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             研 修 医 日 記
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                             初期研修医 1年
                                竹内 太郎

 初期研修医1年目の竹内太郎と申します。この1年間の研修生活を振り返って、
当院で研修させていただいて良かったと感じている点を幾つか述べさせていただ
きます。
1)自主性が尊重される研修環境
忙しさの観点から、研修病院を「ハイパー」「ハイポ」に分類することが多いで
すが、当院は「研修医の希望次第でハイパーにもハイポにもできる」と言えると
思います。強制される雰囲気はありません(その分自主性が求められるとも言え
ます)が、「これをやりたい」という希望にはいくらでも応えてくれる研修環境
だと思います。勿論、緊急性の高い疾患を扱う診療科の研修は多忙となりますが、
その中で多くの事を学ぶことができます。
2)熱心にご指導いただける環境
指導医や先輩の研修医は非常に優秀で教育熱心な方ばかりで、日々様々なことを
教えてくださいます。それをもとに自分で勉強していくことで、更に理解が深ま
ります。
3)同期から刺激を受けられる環境
当院は研修医が1学年13人(たすきがけ含む)と多く、優秀な人ばかりです。お
互いに経験した症例の情報を共有したり、勉強した内容を共有したりする中で、
様々な刺激を受けることができ、モチベーション向上に繋げることができます。
4)立地
当院は地下鉄谷町四丁目駅降りてすぐの所にある好立地です。また、梅田、天満
橋、難波、天王寺といった大阪の代表的な街のほとんどが電車で20分圏内にあり、
週末等の息抜きもしやすい環境です。
いかがでしたでしょうか。本記事が、当院を研修先として考えておられる方々の
参考に少しでもなれば幸いです。実際に当院に来ていただくことで雰囲気をつか
むことができると思いますので、お気軽に病院見学にお越しください。お待ちし
ております。
                                                           
臨床研修のホームページ→
https://osaka.hosp.go.jp/kyujin/syokikensyu/nikki/index.html

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総編集長:病院長 松村 泰志
編 集 長:副院長 三田英治 平尾素宏
     看護部長 西本京子 
編   集:池永祐子
発  行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
         (〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
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 スイカが美味しい季節になりました。小さい頃は、よく種を飛ばす距離を競い
ました。コロナに気をつけながら、夏を楽しみたいものです。では、また来月お
目にかかりたいと思います。

408-osaka@mail.hosp.go.jp

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