Back
メールマガジン「法円坂」No.278 (2024/6/20)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
- Thread-index: AdU7nhC1J1VTISOkT7mRfTsGLEjTaQ==
今年の梅雨入りは例年より遅いようですが、ジメジメ、ジトジトする季節に
なりました。梅雨の雨は、稲や野菜、草木には必要とわかりつつも、少々憂鬱
な気分になりますが、色鮮やかな紫陽花に心癒されますね。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
メールマガジン「法円坂」No.278 (2024/6/20)
(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今月号の目次
・院 長 松 村 泰 志
・うちの娘はユーチューバー
・就 任 の ご 挨 拶
・看 護 の こ こ ろ
・研 修 医 日 記
====================================
院長 松村 泰志 松下幸之助さんの「道をひらく」から
====================================
もうすぐ夏が来ることを肌身で感じるようになりました。季節の移り変わりで
時の過ぎるのを実感します。
先月は、松下幸之助さんに関する本を紹介し、松下幸之助さんが書いた「道を
ひらく」の本の一節を紹介しました。私は、この本がとても気に入り、その後、
もう一度この本を読み直しました。松下幸之助さんは、一代で小さな店舗から
Panasonic という大企業を築き上げられた大変な成功者です。しかし思い返せば、
太平洋戦争前に企業し、戦争を経て、戦後の混乱を生き抜き、その後の経済発展
からバブル崩壊までの山あり谷ありの世情の変化の中で成長を続けてこられまし
た。只ならぬ思いで生き抜いてこられたのだと思います。私は、大阪医療センタ
ーのリーダとして、病院経営の厳しさ、難しさをひしひしと感じ、どうしたもの
かと思い悩むことがありますが、この本を読むと、あの松下幸之助さんでも、決
して順風満帆ではなかったことを知り、慰められ、励まされる思いがします。
「手探りの人生」の一節に、「いくつになってもわからないのが人生というも
のである。世の中というものである。それなら手探りで歩むほか道はあるまい。
わからない世の中を、みんなに教えられ、みんなに手を引かれつつ、一歩一歩踏
みしめて行くことである。謙虚に、そして真剣に。」とあります。松下幸之助さ
んでも、手探りの気持ちで経営をされていたのかと思うと、私が手探りなのは当
然だと安心し、励まされます。
「若葉の峠」の一節に、「一つの峠を越えてホッと息をついたら、また次の峠
が控えていて、その峠を越えると、やっぱり次にまた峠がつづいていて、だから
とめどもなく峠がつづいて、果てしもない旅路である。これもまた人生の一つの
真実である。真実であるかぎり、これは誰も避けられない。避けられなければ、
やはりただ懸命に歩むほかないであろう。・・・それでも元気で懸命に、超えら
れるだけの峠を越え、歩めるだけの旅路を歩みたい。若葉の峠に、また、新しい
意欲をおぼえるのである。」とあります。私自身も、コロナ禍で振り回されてい
たことがひとまず落ち着いたと思えば。患者さんがコロナ禍前にはもどらず、物
価高もあり経営難で苦しい状況です。基本に立ち返り、今何をすべきなのかを手
探りで探し、やれることをやるしかないと思っているところです。松下幸之助さ
んでも、とにもかくにも懸命に歩むしかないとの思いだったと知り、これで良い
のだと慰められます。
また、「さまざまの」一節に「・・・さまざま、とりどりなればこそのこの華
麗さである。この自然の装いである。・・・いろいろの花があってよかった。さ
まざまな木があってよかった。たくさんの鳥があってよかった。自然の理のあり
がたさである。人もまたさまざま。さまざまな人もあればこそ、ゆたかな働きも
生み出されてくる。自分と他人とは、顔もちがえば気性もちがう。好みもちがう。
それでよいのである。ちがうことをなげくよりも、そのちがうことのなかに無限
の妙味を感じたい。無限のゆたかさを感じたい。そして人それぞれに力をつくし、
人それぞれに助け合いたい。いろいろな人があってよかった。さまざまな人があ
ってよかった。」とあります。私は医療の中に身を置いていますが、さまざまな
人がそれぞれの立場、思いで医療に関わっています。それぞれの人たちの持ちつ
持たれつの中に、医療の姿があります。ひとりよがりになってはいけないし、ひ
とりで背負いこむ気持ちはおごりであろうと思います。誰もが良い医療をしたい
と思って頑張っているのですから、互いに尊重し、助け合うことの中に活路が見
いだしていけるものと思います。そうした人との交わりを楽しんでいきたいと思
います。
思えば、何かに力をつくさなければならない課題が与えられているのは、幸せ
なことと思います。その役割が与えられている期間はいずれ終わることになりま
す。それまでの間は自分ができることを精一杯がんばっていこうと思います。
「道をひらく」の本を読んでいると、そのような思いにさせてくれます。松下幸
之助さんに感謝です。
====================================
うちの娘はユーチューバー
====================================
血液内科科長/輸血療法部長
柴山 浩彦
私の娘は、中学3年の夏休みの終わり(2010年8月)に14歳で、単身、ロシアの
モスクワにバレエ留学した。早くも14年の月日が流れ、人生の半分をロシアで過
ごしている。現在は、モスクワ大学の大学院に所属しながら、プロのバレエダン
サーとして、白鳥の湖、くるみ割り人形、眠れる森の美女など3大バレエの演目
を始め、多くのクラシックバレエの公演に、ソリストダンサーとして出演してい
る。今から約4年前、世界的に、コロナのパンデミックが始まったとき、モスク
ワでも行動が制限され、自宅で過ごす時間が増えたようで、以前から興味があっ
たユーチューブを始めたようだ。チャンネル名は、マリーシュカチャンネル。最
初は、親に内緒で動画を投稿し、何本目の動画で、親が気付くかをテーマに毎日
投稿を続けたようだった(やがて、気付いたときは、びっくりしたが、そのとき
は、ほかの人のユーチューブをみて、何がうけるか研究し、登録者も100人くら
いになっていた)。その後は、ロシアとバレエに、テーマを絞って、動画を投稿
し続けて、2024年5月末現在で、540本の動画を投稿し、登録者数も9.37万人にな
っている。ちなみに登録者数が10万人を超えるとGoogleから銀の盾が送られてく
るそうである。これまでに投稿した動画で一番バズッた(注目度が高く再生回数
が多いことをバズるというそうです)のは、再生回数が147万回で、その内容は、
ロシアの人気テレビ番組にうちの娘が出演したときの楽屋裏を撮影したものであ
る。2番目は42万回で、ロシアとウクライナの戦争が始まったあと、西側諸国か
らロシアが制裁を受けるようになったあと、モスクワ市内のスーパーマーケット
の中を撮影した動画だ。ロシアは制裁を受け、ものが不足し、物価が高騰してい
るかと思いきや、全然そんなことはなく、ものも普通にあるし、物価も日本と比
べても安いくらいである。その動画をみた某ロシアの専門家は驚いていたようだ。
3番目は39万回で、モスクワの地下鉄の駅を紹介した動画で、鉄道ファンにも人
気を得たようだ。今は、ロシアの素顔をみる機会が減っており、うちの娘がロシ
アの今を動画で発信し続けているのは、評価できると思う。父親としては、早く
日本に戻ってきて欲しいのだが、本人は一向にその気はないようだ。この文章を
読んでいただいた皆様、「マリーシュカチャンネル」を一度みていただき、でき
ましたらチャンネル登録といいねをよろしくお願い致します(最後は親バカでし
た)。
====================================
心臓血管外科医長 就任のご挨拶
====================================
心臓血管外科医長
齊藤 哲也
この4月から心臓血管外科医長として働かせていただきます、齊藤哲也です。
4年前にも大阪医療センターで勤務しておりましたが、その後は国立循環器病研
究センター、阪大病院、JCHO大阪病院で研鑽を積んでまいりました。
心臓血管外科は他の科よりも異動が多いと言われていますが、私ほど異動の多い
医師を他に知りません。決して各病院で問題を起こしているわけではなく、必要
な病院に行って心臓外科診療が滞りなく進むように最善を尽くしています。適応
が早いために異動が多くなっているのかもしれません。しかし、それは悪いこと
ばかりではありません。阪大病院や国立循環器病研究センターをはじめ、多くの
大阪市内の病院で手術を行うことで、さまざまな手術に対応できるようになりま
した。手術は一つとして同じものはなく、各施設のやり方や経験に基づいて最適
な方法を選択しています。多くの施設で手術を行うことで、多くの心臓外科医の
手技を目の当たりにし、自分自身の技術の幅も広がっていると感じています。
今まで培ってきた心臓血管外科の経験や技術を、大阪医療センターに還元し、循
環器診療を盛り上げていきたいと思います。
何卒よろしくお願いいたします。
====================================
看護のこころ
終末期患者との関わりから学んだこと
====================================
東5階 副看護師長
中島 薫
春に芽吹いた葉が青々と感じられる季節となりましたが皆様いかがお過ごしで
しょうか。昨年8月に副看護師長へ昇任し婦人科病棟へ異動して10ヶ月が経過し
ました。副看護師長としての新たな役割と責任を実感しながら、日々業務に励ん
でおります。
所属する病棟には手術後の患者さんや終末期の患者さんが入院されています。
その中で私がとても印象に残っている患者さんについてお話をします。50歳代女
性の患者さん、乳癌術後で骨・肺に転移を認め、再治療をされていましたが、リ
ンパ節・肝臓への転移の増大が認められ、病状は早い速度で進行していました。
病状を十分説明した上で、本人と家族の意思にもとづき心停止時には心肺蘇生を
行わない方針となり、症状緩和中心の治療に変更となりました。苦痛を緩和しな
がら、自宅へ帰りたいという本人の意思を尊重できるよう在宅医や看護師などの
医療チームで緩和ケアの調整を行い、自宅へ帰ることができました。しかし、そ
の後状態が悪化し再入院をすることとなりました。再入院の際は退院時と違い辛
そうな状態で家族はとても心配されていました。患者さんだけでなく家族への心
身への配慮を大切にし、少しでも安心して過ごせるよう関わりました。残念なが
ら再度自宅へ帰ることはできませんでしたが、最後の時間までご家族が患者さん
へ寄り添う時間を過ごしてもらうことができました。退院後、家族からとても感
謝していますとの声をかけていただくことができました。本人はもちろん家族に
対しても時間を十分に取り関われたことが、このような家族の反応に繋げられた
のではないかと振り返ります。
この経験を活かし、病棟全体で患者さんに向き合える看護師の育成にも力を注
いでいきたいと強く実感しました。看護師としてベテランと呼ばれる立場になり
ましたが、日々の看護を通じて学ぶ事や新たな気づきも多く、生涯学習の重要性
を痛感しています。患者さんや家族に信頼され「ありがとう。」と言っていただけ
るよう、これまでの経験を活かしながらより良い看護を提供していきたいと思い
ます。婦人科病棟における看護は、女性の心と体に寄り添う役割を担っています。
患者さんが安心して治療に専念できるよう、私たち看護師が提供するケアの質が
その方々の心の支えとなるよう努めていきたいです。患者さん一人ひとりに対す
る深い共感と理解、そして尊重の姿勢を持ち続けていきたいと思います。
これからも副看護師長として、看護の心を大切にしながら日々努力していき成長
し続けたいと思います。
ホームページ→https://osaka.hosp.go.jp/kango/index.html
====================================
研 修 医 日 記
====================================
研修医2年目
工藤 あや
研修医日記をご覧の皆さんこんにちは。研修医2年目の工藤あやと申します。
熊本生まれ熊本育ち熊本大学出身の私ですが、「大阪に住んでみたい」という好
奇心とともにこの地に移り住んできてから、1年ちょっと経ちます。初めての一
人暮らし、初めての都会生活、初めての社会人生活、そして初めての医師生活。
わからないことばかりで周囲の助けを借りてばかりですが、研修医の仲間はもち
ろん、当院のスタッフの皆さんの優しさでここまでなんとか生きてきました。こ
こで当院のいいところは、、、と研修医の仲の良さや研修体制についてのご紹介
をすべきなのでしょうが、ご存知の通り出尽くしているので、それに関しては他
の方の日記を読んでください。私は近所の美味しいご飯屋さんを紹介します。美
味しいご飯があってこそ、人は頑張れるんですよ。一番大事なことです。
なおCOIはありません。
・中華そば うえまち
・中華そば やいろ亭
・Ramen辻
・谷町 一味禅
・ポン酒タグラム The Bar
・ペドロリーノ
・雅頌
・國型製作所
・餃王
・上町おでん とある
キリがないのでここでやめますが、この辺の実力はこんなものではありません。
ぜひ実際に働いてみて、お気に入りのお店を見つけてみてくださいね。
臨床研修のホームページ→
https://osaka.hosp.go.jp/kyujin/syokikensyu/nikki/index.html
************************************************************************
総編集長:院長 松村 泰志
編 集 長:副院長 平尾 素宏 渋谷 博美
看護部長 水戸 祥江
編 集:池永 祐子
発 行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
(〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
************************************************************************
熱中症や食中毒の危険性の高まる時期です。皆さま、体調には十分にご留意く
ださい。
408-osaka@mail.hosp.go.jp
Back