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メールマガジン「法円坂」No.215(2019/3/19)(独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)



 3月のメルマガです。3月は年度の終わりであり新年度の準備の月でもあります。
別れの月でもあり、春に向けて期待の月でもあり、人の気持ちが動揺します。でも、
楽しい行事としてはひな祭りがあります。ひな祭りは三月の初めに行う無病息災を
願う災厄を身代わりとなる紙で作った人形に託して海や川に流すものだったようで
す。今では贅を尽くしたお雛様を飾り、女の子や女性を中心に楽しみます。このよ
うに月々にある行事も少しずつ形を変えながら、伝える意味を考えていくのでしょ
う。それではメルマガをお楽しみください。
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   メールマガジン「法円坂」No.215(2019/3/19)
          (独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター)
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今月号の目次
 ・院 長  是恒 之宏 です 
 ・最新の診断治療 20 産科 
 ・最新の診断治療 21 婦人科 
 ・退職者 ご挨拶  
 ・看 護 の こ こ ろ
 ・研 修 医 日 記

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      院 長  是恒 之宏(これつね ゆきひろ) です       
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アブダビ(UAE)に行ってきました

 2月末に心房細動国際登録研究GARFIELD-AF(心房細動)レジストリー会議があり
アブダビに行ってきました。TRIというロンドンにある研究所が主催で通常は例年
10月頃研究所近くで行われるのですが、今回は最終年度で研究をまとめるのに時間
がかかったため年を越して2月開催となりました。2月のロンドンは寒いということ
で少し気候の良いアブダビで3日間の会議でしたが、これまでUAEに足を踏み入れた
ことはなく不安でした。場所はドバイから車で1時間ぐらいのところで、もともと
砂漠のところに街が出来ているので夏は50度ぐらいになるそうですが冬は快適でし
た。なにより安全な町で工場もみあたらず空気もきれいでした。以前よりアラブの
お金持ちは自家用ジェットでアメリカの有名な大学病院へ手術を受けに行くと聞い
てはいましたが、なんとホテルの前にクリーブランドクリニックAbu Dhabiがあり
驚きました。クリーブランドクリニックはアメリカでも有数の大病院ですが、まさ
かアブダビに、、、。職員の9割はアメリカ人だそうで、「自家用ジェットで行く
くらいならこちらに病院を作ってしまえ」みたいな発想でしょう。見学にも行きま
したが、想像に漏れず立派な病院で、残念ながら診療、手術などは見れませんでし
たが、病院の至る所にPatient First(患者さん第一)の文字がありました。地下
は1フロアすべてがSimulation Center で、手術室と同じような作りが何室もあり、
手術手技などのトレーニング、新しい機械技術が導入された際の研修などを院外の
人も含めておこなうことができます。VIPルームは2フロアあり、すべて家族も過ご
せる2室単位になっていました。となりのホテルとは地下でつながっており、家族
もそちらで食事、旅行などのアレンジもできます。「こちらに作ってしまえ」の発
想でもう1つ驚いたのは、ルーブル美術館in Abu Dhabiですがこちらに行く機会は
ありませんでした。オイルマネーのすごさを実感した3日間でした。また、シェイ
クザイードグランドモスクも世界的に有名ですので、もしアブダビに行かれる機会
があれば是非訪れてください。


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       最新の診断治療 20 産 科     
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                        産婦人科 科長  巽 啓司 

 生殖医療の進歩は留まるところを知らず、体外授精等の補助生殖医療(ART)は、不
妊に悩む多くの夫婦に福音をもたらしました。少子化が進む日本で、今や年間5万
人を越える子どもがARTによって誕生しています。また最近は、卵子や卵巣組織の凍
結保存技術の進歩等により、若年悪性腫瘍患者の妊孕性温存(将来妊娠出産できる
可能性を残すこと)ができるようにもなりました。
 近年の大きな話題として、母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査(NIPT)が
あります。これは胎児の21トリソミー(ダウン症)などいくつかの染色体異常につ
いて、母体血液を用いて比較的高い確率で診断できる技術です。検査を受ける方は
徐々に増加し、染色体異常が確定した場合は9割以上が妊娠中絶を選択されていま
す。NIPTに関して、日本産科婦人科学会では、産婦人科医や小児科医だけでなく、遺
伝学、法学、倫理の専門家も委員とした検討委員会で議論し、有識者や広く一般の
意見も聴取したうえで、本検査の指針を作成しました。指針では、検査の適応や実
施する施設認定を厳密にし、「十分な遺伝カウンセリングが行われる体制の整備が
必要であること」が明記されています。しかし法的規制がないため、危惧していた
通り、最近では安価に検査ができるとPRする認可外の施設も増えました。これらは
産婦人科施設ですらないことも多いのですが、すでに検査の約半数がこれらの施設
で実施されたとのことです。倫理的に考慮すべき点が多分にあるにもかかわらず、
医療技術の進歩に法律も世論も全く追いついていないのが現状です。優れた技術は
諸刃の剣であることを医療従事者はもちろん、妊婦さんにもご理解いただきたいと
思っております。
 当院では母児の安全に最大限配慮しつつ、満足のいくお産を提供しています。助
産師、看護師は、正常分娩へと導くだけでなく、マザークラスや乳房外来などを通
じて、妊産婦のみなさまをサポートしています。また定期的に子育てサークルを開
催し、多くの方にご参加いただき好評を得ております。当院を選んでいただきまし
た妊産婦さん、また当院へご紹介いただきました地域の先生方には厚く御礼申し上
げます。


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       最新の診断治療 21 婦人科     
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                         産婦人科 科長 巽 啓司 

 当院婦人科では、婦人科悪性腫瘍(子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん・子宮肉
腫・外陰がんなど)をはじめ、婦人科良性腫瘍(子宮筋腫・卵巣嚢腫・子宮内膜症
など)や、その他婦人科疾患一般の診断、治療を取り扱っています。中でも悪性腫
瘍の治療においては、治療の3本柱である、高度な手術・化学療法・放射線治療が
整っており、個別の患者さんに最も適した治療が受けられるような体制を構築して
います。
 さて、近年は内視鏡(腹腔鏡・子宮鏡など)の進歩はめざましく、産婦人科分野
でも多くの良性腫瘍・悪性腫瘍が内視鏡で診断・治療できるようになりました。当
院でも内視鏡手術が増加しており、手術侵襲の軽減、入院日数の短縮を実現してい
ます。当院には日本内視鏡外科学会、産科婦人科内視鏡学会の技術認定医が在籍し
ており、内視鏡による高度な治療も可能です。良性疾患としては、卵巣嚢腫や子宮
内膜症などに対して卵巣嚢腫や子宮内膜症病巣の摘出術ないし卵巣摘出術を、子宮
筋腫や子宮腺筋症、子宮頸部上皮内腫瘍といった子宮疾患に対して筋腫核出術や子
宮摘出術を行っています。子宮筋腫が大きく従来は開腹手術を行っていた患者さん
でも、術前に筋腫核を小さくする薬剤を使ったり、術中も腹腔内で袋に入れて破砕
したりすることで、腹腔鏡手術を受けていただける適応範囲が広がりました。子宮
の粘膜下にできた筋腫に対しては、適応があれば子宮鏡下手術を行なっています。
また子宮脱や膀胱脱の患者さんに対して、腹腔鏡下仙骨頸部固定術という新たな術
式の選択肢ができました。悪性腫瘍に対しても、初期で悪性度の低い子宮体がんや
子宮頸がんに対する腹腔鏡下悪性腫瘍手術が保険診療となり、当院は実施施設とし
て認められています。適応をしっかりと評価して判断する必要がありますが、治療
法の選択肢が広がりました。
 また化学療法については、分子標的薬と言われる新たな治療薬が続々と登場し、
血管新生阻害薬(ベバシツマブ)やPARP阻害薬(オラパリブ)など婦人科領域で使え
る薬剤も増えてきました。画期的な効果を示す例もありますが、有効でない例や独
特の副作用もあり、当院では最新の情報を元に、しっかりと適応を評価した上でわ
かりやすい説明を行い、患者さんの同意のもとにこれら最新の治療を提供するよう
にしています。


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             退職者 ご挨拶       
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副院長 関本 貢嗣:

 大阪医療センターを3月末で退職することになりましたので、ご挨拶申し上げま
す。

 私は2012年にがんセンター診療部長兼外科科長として赴任し、2014年特命副院長
となり、2016年から副院長を務めておりました。
 専門とする大腸癌の外科治療では、患者様や先生方からの信頼を得ることができ、
たいへん多くの患者様の治療に携わることができました。忙しくはありましたが、
充実した日々を過ごせたこと、本当に感謝しております。しかし力及ばず救えなか
った患者様もおられます。今後も精進を重ね治療成績の向上を目指して参りたいと
存じます。
 副院長として病院運営に携わるようになって、大阪医療センターは旧国立病院と
言いながら、多くの公立病院の様な多額の補助金は無く独立採算と知りました。そ
ういった中でも高い診療レベルを保ち、感染対策や医療安全、災害医療などにもし
っかりと取り組んでいる施設です。職員の意識も高く、本当に良い病院に勤務でき
たと思っております。この素晴らしい大阪医療センターが今後も発展してくれるこ
とを心の底から祈っております。
 4月からは枚方にある関西医科大学外科学講座に勤務します。診療はもちろんです
が、大学病院ですので、優れた医師の育成やより多くの患者さんを救う新しい医療
の開発にも取り組んでまいります。たいへんきれいな病院ですので、近くに来られ
ることがありましたら是非お立ち寄りください。
(http://www.kmu.ac.jp/info/index.html)

 皆様のご健勝を祈念しつつ、簡単ですが以上をもちまして、お別れの挨拶とさせ
ていただきます。
                   

糖尿病内科科長 瀧 秀樹:

 2011年に糖尿病内科科長として勤務を開始して8年と3か月、3月31日で退職するこ
とになりました。糖尿病内科は看護部・栄養管理室・薬剤部・臨床検査部・リハビ
リテーション科・歯科口腔外科と連携し、チームを構成して活動を行っています。
就任以後各部署と共同で、フットケア外来・透析予防外来・1型糖尿病外来を新規に
開設いたしました。毎年11月に世界糖尿病デーに合わせて共同でイベントも開催し
ています。地域の医師の方々と連携を深めてご紹介いただいた患者さんの入院治療
を行っていますが、退院後地域の先生方に患者さんを逆紹介した後も当院の栄養指
導、フットケア外来や透析予防外来を受診いただき、より一層の連携に努めていま
す。就任後微力ながら地域の糖尿病治療に貢献できたのではないかと考えておりま
す。私は退職いたしますが、今後も大阪医療センター糖尿病内科をよろしくお願い
いたします。


看護部長 伊藤 文代:

 大阪医療センターのナースたちは、明るく実直な看護を実践するチームです。そ
のチームの中で毎年たくさんの新人ナースたちが必要な技術や知識を修得するため
に教育を受け、社会人として職業人として成長しております。
臨床で多くの経験を積み、学ぶことを続けています。この経験を大切にし、学び続
ける姿勢があれば、医療現場が厳しい変革を求められる中においても乗り切ってい
けると信じております。さらに、患者・家族の価値観や意思を尊重し切れ目のない
ケアを実践していくためには、チームとしての団結が重要です。私が退職を前に願
っているのは、みんな一緒に同じ方向を向いて、患者さんのために団結することを
続けてほしいということです。そのためには看護師長さん、副看護師長さんたちの
リーダーシップが欠かせません。看護管理者としての自覚と誇りをもって活躍して
ほしいと願っています。
 最後になりましたが、大阪医療センターの益々のご発展を祈念いたしますととも
に、皆様の人生の夢がかないますようにお祈り申し上げます。

追伸 : 離れても同じ看護の道を歩む先輩として看護管理者として、皆さんを支え
ていきたいと思っています。



事務部長 高橋 良和:

 今回の大阪医療センターの勤務は1年9ヶ月と短期間でしたが、皆様にはたいへ
んお世話になりました。
 退職と申しましても他の独立行政法人への異動ですので転勤的な様相の退職です
が、谷町四丁目での勤務はこれが最後となります。
国立病院には35年ほど勤務いたしましたが、その内の17年ほどは谷町四丁目で
の勤務でしたので、この地を離れることは感慨も一入なものがあります。
引続き大阪市内の同業種の独立行政法人に勤務いたしますことから、またお目にか
かることも無きにしも非ずかと思います。
その折りはどうぞよろしくお願いいたします。


薬剤部長 山崎 邦夫:

 この度、平成31年3月31日を以て定年退職いたします薬剤部長の山崎邦夫です。
昭和56年国立病院に入職以来38年間勤めて参りました。入植後2施設経験し、昭和
58年新築間もない大阪病院へ配置換えとなり一般薬剤として6年お世話になりまし
た。当時は薬剤師15名、薬剤助手6名の体制で外来調剤、製剤業務に明け暮れてい
ました。
 平成元年4月鶴賀病院へ異動となり、平成4年7月より主任薬剤師として再び大阪
病院でお世話になることになりました。平成に入ってから薬剤師の業務が大きく変
革を迎えます。
平成6年4月国立病院・療養所では初めて「外来オーダリングシステム」が導入さ
れ翌平成7年1月には「入院オーダリングシステム」導入されました。平成5年に発
足したシステム導入CORE委員会に参加させていただき深く関われたことは以後の転
勤した施設でのシステム導入に大いに役立ちました。システムの導入により薬剤科
内での調剤業務はかなり効率化され、徐々に病棟業務の拡充もはかれました。さら
に平成10年4月より院外処方せん全面発行に移行しました。平成9年より周到に準備
し、大阪府薬剤師会の協力も頂き、当時より「かかりつけ薬局」を推奨し面分業を
めざしました。オーダリングシステムを活用し、「かかりつけ薬局」を患者さん毎
に登録するシステムも構築しました。院外処方せん全面発行により病棟業務も7病
棟から全病棟対象に拡充することとなりました。また、がん化学療法も外来で行わ
れるようになり抗がん剤の無菌調製も薬剤師が行うようになったのもこの頃です。
平成15年1月姫路病院への異動となり5施設目の経験です。さらに平成17年4月より
4つの施設で副薬剤科長・薬剤科長を経験し、平成27年4月薬剤部長として3度目の
大阪医療センターを経験させていただきました。38年間の病院勤務の内、20年6ヶ
月を大阪医療センターで過ごさせていただいたことになります。大阪では、大きな
変革の都度様々な業務に関わらせていただいたことは私にとっては何よりの財産で
す。多くのことを学ばせていただいたことに感謝し、一緒に仕事をさせていただい
た皆様に心より感謝申し上げ退任の挨拶といたします。

本当にありがとうございました。


臨床検査技師長 佐野 隆宏:

 この度、3月31日付をもちまして定年退職を迎えます。昭和57年に国立循環器病
センター(現在の国立循環器病研究センター)に採用されて以来、37年間にわたり国
立病院、国立病院機構にお世話になりました。当院には平成19年10月から1年半 副
臨床検査技師長として、平成28年からは臨床検査技師長として2年間勤務させてい
ただきました。在職中、皆様には大変お世話になりました。心より御礼申し上げま
す。
 定年については50代半ばを過ぎた頃より漠然と頭の隅に感じておりましたが、い
ざあと数日で還暦・定年を迎えるとなると、なかなか気持ちが追いついて行かない
のが現実です。これからは自由に第二の人生を・・と言いたいところですが、なか
なかそうは問屋が卸してくれません。これから新しい職場を探して、まだ暫くは検
査技師としての暮らしを続けていければと思います。
 最後に皆様方のご健康と大阪医療センターの今後益々のご発展を祈念して、結び
のご挨拶とさせていただきます。誠にありがとうございました。


栄養管理室長 谷川 清:

 このたび、3月末をもちまして定年退職いたします。
昭和56年に国立舞鶴病院(現舞鶴医療センター)に採用され、38年の間、国立病院、
国立病院機構にお世話になりました。
今までに9施設の慢性期、急性期の病院に勤務させて頂きましたが、特に記憶に残っ
ていますのは、平成3年に発生した信楽高原鉄道列車衝突事故であり、信楽で開催さ
れていました世界陶芸祭に来られた多くの方が亡くなられました。
この時は国立療養所紫香楽病院に勤務しており、怪我をされた方を夜遅くまで受け
入れた記憶があります。また、平成16年には国立療養所福井病院に勤務しており、
国立療養所敦賀病院との統合と移譲にも立ち会い、国立病院から国立病院機構への
組織の変革を肌で感じた思いが甦って来ます。
 大阪医療センターには、平成25年8月1日より5年8ヵ月勤務させて頂きました。
余りに大きな施設であり自分自身がここで何が出来るのかと戸惑いもありましたが、
病院機能評価受審や電子カルテの更新、病院の建替え、事業継続計画(BCP)の作
成と色々関わらせて頂き、結果として少しは何かしらのものを残す事が出来たので
はと今更ながらに思っています。
 電子カルテ更新と病院建て替えについては、次の方に引き継ぐこととなり最後ま
で見届ける事が出来ず残念ですが、最後の勤務地が大阪医療センターであった事が
大変光栄でありこれまで様々な経験をさせて頂くと共に多くの方々のご指導と支え
により、今までの長きに渡り栄養士として勤務させて頂きました事に感謝申し上げ
ます。

 大阪医療センターの益々のご発展を祈念しお別れの挨拶とさせて頂きます。
ありがとうございました。


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           看 護 の こ こ ろ        
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                         CCU 津村 麻衣子

 皆さんはフローレンス・ナイチンゲールをご存じでしょうか。クリミア戦争で負
傷兵たちへ献身的に看護し、「クリミアの天使」と言われ、のちに近代看護の普及に
尽力したイギリスの看護師です。私は、看護学生のときにナイチンゲールの著書「看
護覚え書き」を初めて読みました。看護師となり、当院に就職したあとも、何かに迷
ったときなどに何度か手に取ることがありました。その中でナイチンゲールは、「自
分では決して感じることのない他人の感情のただ中へ自己を投入する仕事はほかに
存在しないのである。そしてあなたが、この力を持っていないのであれば看護から
身を退いたほうがよいであろう」と書いています。
 看護師になって17年目、3年前にCCUへ異動となりました。CCUには急性心筋梗塞・
重症心不全・重症不整脈などの患者さんが入院しています。緊急で入院される患者
さんの中には人工呼吸器や人工透析、体外循環装置を装着しなければならない方も
います。そのような患者さんは昨日までは普通に生活できていたのに、急に生命の
危機状態となり、自分の思いを言葉で伝えることができません。「自営業でバリバリ
と働いていた一家の大黒柱の男性」や「幼い子供を持つ母親」など患者さんの背景も様
々です。患者さんやその家族は、今まで私が経験したことのないことを体験されて
いるので、患者さんの思いを完全に理解することは難しく、急性期の治療が継続さ
れる中で、本当に患者さんにとって最善のことがなされているのか、悩んだり迷っ
たりすることが多くあります。その時に私はナイチンゲールの言葉を思い出します。
患者さんやご家族の気持ちを想像し、患者さんの表情を観察したり、話を聞いたり、
患者さん本人が話をできない場合には、ご家族に患者さんがどのように生きてきて、
どのような考えを持っておられたのかなどを確認します。それを看護師だけでなく
医師や他部門のスタッフと共有し、患者さんやご家族が望む医療を提供できるよう
に日々看護に取り組んでいます。
他の人間を完全に理解することは難しいですが、理解しようと努力し続けて、病気
になった患者さんやその家族の気持ちに寄り添い、その人の思いを感じ取れる感性
をこれからも磨いていきたいと思います。


ホームページ→https://osaka.hosp.go.jp/kango/index.html


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          研 修 医 日 記
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                     研修医2年目 和田 賢人

 研修医2年目の和田賢人と申します。もうすぐ研修医が終わってしまうことを名
残惜しく思います。恐らく、この日誌を見て頂いている方は、当院での初期研修を
考えている人が大半でしょう。参考になれば幸いです。
 この病院に2年間勤めて良かったと感じたことは1.3次救急があること2.2次
救急は自分たちで自主的に行えること3.研修医ルームがあること4.研修医の人
数が多いこと、です。それぞれ、どのような点が良かったのか説明させて頂きます。

1.	3次救急
ご存知の通り、3次救急を行っている病院は大阪府下でも数が限られます。救急科に
興味がある人はもちろんのこと、将来救命科に進むつもりがない人にもぜひ3次救急
がある病院で研修を行うことをお勧めします。医師になる以上、将来どの科に進む
としても緊急症例というものは必ず存在します。どの緊急症例に対応するにあたっ
ても絶対なくてはならないものがあります。それは「度胸」です。3次救急には今に
も亡くなりそうな患者さんが運ばれてきます。それらの症例を目の当たりにするこ
とで、たとえ手が動かなくても度胸をつけることはできます。緊急症例が多い循環
器内科や脳外科なら日々の診療の中で度胸をつけることはできるでしょう。むしろ
緊急疾患の頻度が少ない科に進む人ほど、度胸をつけるタイミングは少ないので、
ぜひ初期研修のうちに3次救急を経験することをお勧めします。その経験は医師人生
において絶対に損にはならないです。

2.	2次救急
当院の2次救急の詳細は他の研修医の方々が書いて下さっているのでそちらを参考に
してください。割愛させて頂きます。

3.	研修医ルーム
今や総合医局のスタイルをとる病院が多い中、当院には研修医ルームがあります。
自分も様々な病院に見学に行きました。もちろん、当院にも見学に来て、その際に
当時の研修医の先生に「うちは研修医ルームがあるのが最大の強みやで」と言われ
ました。当時の僕はあまりわかっておらず、総合医局だろうが自分の机があればい
いし大してメリットではないだろうと思っていました。はっきり言いましょう。研
修医ルームはあった方が絶対にいいです。
理由は研修医ルームに来て頂ければすぐにわかると思います。詳しいことを知りた
い方はぜひ一度見学に来てください。

4.	研修医の人数が多い
これも他の研修医の方々が熱弁して下さっているので、割愛させて頂きます。

この記事を読んで、少しでも興味を持っていただければ嬉しいです。百聞は一見に
如かず、とも言いますし興味が沸いた方はぜひ一度当院へ見学に来てください。こ
こでは書けないようなことも研修医の先生から聞けるかもしれません。以前、見学
に来た学生から「もし、もう一度初期研修を行うなら、この病院を選びますか。」
と聞かれたことがあります。面白い質問ですね。皆さんもぜひ活用してみてくださ
い。ちなみに僕の場合は、もう一度当院で研修したいと思います。


臨床研修のホームページ→
https://osaka.hosp.go.jp/html/kensyu/shoki/nikki.html


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総編集長:病院長 是恒之宏
編 集 長:副院長 関本貢嗣、上松正朗
     看護部長 伊藤文代 
編   集:百崎実花
発  行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター院長室
         (〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14)
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 3月は年度の集大成をする中で、失敗したこと、悲しかったこと、悔しいことも
思いだします。でも嬉しかったこと、うまくいったこともあったはず。「笑う門に
は福来る」ということわざのように、笑って3月を終え4月を迎えたいと思います。


www-adm@onh.go.jp

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