大阪医療センター
血液

貧血

病気の概要

貧血とは、全身の臓器に酸素を運ぶ血液細胞の赤血球とその中にあるヘモグロビンの量が減少することです。貧血になると、各臓器への酸素の供給が不足するようになり、けん怠感や息切れなどの症状を認めるようになります。血液中のヘモグロビン濃度が男性では13.0g/dl、女性では12.0g/dl以下になると貧血と診断されます。

見つかるきっかけ
(症状)

赤血球に含まれるヘモグロビンは、酸素を運ぶ重要な役割をしています。これが減少すると、全身に運ばれる酸素の量が低下し、頭痛・めまい・失神・倦怠感・動悸・息切れ・立ちくらみといった様々な症状が出現します。鉄欠乏性貧血では嚥下困難、匙状爪、舌炎、異食症(氷などを食べたがる)といった症状が出ることもあります。

当院での検査内容

まず血液検査を行い、血算、末梢血液像、網状赤血球、血清鉄、血清フェリチン、総鉄結合能などを調べます。頻度が高いのは、鉄欠乏性貧血ですが、その他にも再生不良性貧血や溶血性貧血など稀な疾患を鑑別することも重要です。診断のために骨髄検査(骨の中にある骨髄という組織から骨髄液を採取する検査)を行うこともあります。

当院での治療内容

鉄欠乏性貧血では、鉄欠乏の原因(腫瘍・出血など)の精査を行う必要があります。再生不良性貧血では、免疫抑制剤(ATG、シクロスポリン)やサイトカイン、トロンボポエチン受容体作動薬などを用いて治療を行います。溶血性貧血では副腎皮質ステロイドを使用し、無効な場合は、シクロフォスファミドなどの免疫抑制薬を用いて治療します。

当院での診療方針
(治療方針)

貧血の原因は様々であり、適切な治療をおこなうには、正しく診断することが重要となります。当院では血液専門医による、高い技術と知識に裏打ちされた適切な検査・診断が可能です。治療が長期間に及ぶ疾患もあるため、主治医と患者さんがお互いの信頼関係を保ちながら治療を進めていくことも大切であると考えています。

対応診療科

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血液内科

白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの腫瘍性血液疾患から再生不良性貧血、免疫性血小板減少症などの非腫瘍性血液疾患まで、さまざまな血液疾患の入院・外来での診断・治療を日本血液学会認定血液専門医が対応しています。患者さん一人ひとりに寄り添い、正確な病気の診断と病状に合った適切な治療の提供をめざしています。

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