大阪医療センター
全身

HIV感染症

病気の概要

HIV感染症とは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染した状態を指します。HIVに感染した直後の急性期、症状のない無症候期、免疫不全が進行したエイズ期に分けられます。免疫不全に伴う合併症を日和見疾患と言い、エイズ期ではさまざまな日和見疾患を合併します。適切な治療により、現在ではコントロール可能な慢性疾患となりました。

見つかるきっかけ
(症状)

HIV検査はいろいろな施設で実施されています。保健所や保健センターで自主的にHIV検査をうけて診断される方、発熱や呼吸困難などの症状が出現して医療機関で血液検査をうけて診断される方、HIV感染症に関連した症状はなくても手術前の検査で診断される方、妊婦健診や献血を契機に診断される方など、診断に至る経緯はさまざまです。

当院での検査内容

当院では血液検査を行い、血液中のCD4数やHIVのウイルス量を測定します。CD4数が低い方では、免疫不全に伴う合併症の検査を行います。日和見疾患は全身の臓器に生じるため、CT検査やMRI検査、眼底検査、消化管内視鏡検査などの検査が必要になることがあります。眼科や消化器内科などの診療科と協力して検査を進めていきます。

当院での治療内容

最初に全身の検査をし、日和見疾患があればその治療を行います。その後、ウイルスの増殖を抑える抗HIV療法を開始します。HIV感染症は全員治療の時代になりました。抗HIV療法で免疫能の回復がめざせるようになり、多くの方は通常の社会生活を送っています。そのためには規則正しい抗HIV薬の内服が必要で、医療費助成制度の活用も重要です。

当院での診療方針
(治療方針)

抗HIV療法を継続し、血中のウイルスを検出限界未満に維持することは重要です。しかし、実際の療養においては抗HIV療法だけでは不十分であり、患者さんの社会背景やメンタルヘルスも重要です。ガイドラインに則した医療の提供に加え、チーム医療の実践による全人的医療や地域医療連携の推進も行いたいと考えています。

対応診療科

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感染症内科

保健所や他の病院などでHIV検査を受けて陽性とわかった方の診療を行っています。医師、看護師、薬剤師、カウンセラー、ソーシャルワーカーなど、多様な専門職がHIV診療に参加するチーム医療を実践し、最新の治療を提供いたします。

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