肥満
病気の概要
身長に比較して体重が重い状態です。体格指数(BMI=体重[㎏]/身長[m]2)が25以上の場合が肥満に分類されます。肥満症は肥満による11種の健康障害(合併症)が1つ以上あるか、健康障害を起こしやすい内臓脂肪蓄積がある場合に診断され、減量による医学的治療の対象になります。BMIが35以上の場合、高度肥満症となります。
見つかるきっかけ
(症状)
肥満に伴う健康障害はたくさんあります。例えば、糖尿病、心臓・脳の血管性疾患、脂質異常症(高脂血症)、高尿酸血症(痛風)、脂肪肝、月経異常、膝痛や腰痛、睡眠時無呼吸症候群など、数え上げるときりがありません。肥満が改善すると、これらの健康障害も改善することが期待できます。
当院での検査内容
肥満は自己責任ではなく、さまざまな原因が関与していると考えられます。社会や環境の要因、遺伝因子やホルモン分泌などさまざまな側面から検討する必要があります。また手術を受けることになれば高度肥満症の患者さんは通常より手術リスクが高いため、「手術を安全に受けていただけるかどうか」を調べるための各種検査を受けていただきます。
当院での治療内容
BMI35以上の高度肥満の患者さんについては、まずは6ヵ月の栄養療法、運動療法、薬物療法などの内科的治療を行っていただきます。それでも減量効果が十分に得られず、「糖尿病」「高血圧」「脂質異常症」「睡眠時無呼吸症候群」のうち1つを満たせば減量を目的とした腹腔鏡下スリーブ状胃切除術が適応となります。
当院での診療方針
(治療方針)
減量手術はあくまでも一つの手段であり、手術のみで減量できるわけではないということを患者さんに術前から理解いただくように説明しています。高度肥満の病状や治療法はいまだ社会で十分認知されておらず、また周囲からの偏見にさらされている問題があります。院内の職員、患者さんや開業医の先生へ向けて疾患への理解を呼びかけていきます。
対応診療科
糖尿病・内分泌内科
2週間の教育入院で適切な治療法を提案し、退院後はかかりつけ医と併診する検査・治療・教育の3本立てのプログラムによる糖尿病管理を行っています。専門の外来である1型糖尿病の外来のほか、合併症予防として透析予防の外来やフットケアの外来も設置。インスリンポンプ治療やSAP療法なども積極的に取り組んでいます。
上部消化管外科
食道がんでは、外科切除か化学放射線療法の選択、根治切除術など、進行度に応じた先進的かつ科学的根拠に基づく治療を提供。胃がんでは、早期症例の場合は早期回復と機能温存をめざした腹腔鏡下手術や機能温存術を、進行がんの場合は集学的治療により治癒をめざします。治癒や臨床試験にも積極的に取り組んでいます。