瘢痕拘縮
病気の概要
瘢痕拘縮とは、外傷や手術で縫い合わせた傷が赤く盛り上がったり、その部分が縮んで皮膚が引きつったりすることによって、関節などが動かせなくなる状態。指の関節や手首、肘、膝、足首、首、脇などに発生しやすいことがわかっています。似た疾患のケロイドのように、赤く盛り上がった腫瘍のような部分がどんどん拡大していくことはありません。
見つかるきっかけ
(症状)
傷痕が赤く盛り上がったり、皮膚が引きつることで長さが短くなったりするほか、痛みを伴う場合もあります。瘢痕拘縮が関節にかかると、関節を動かす範囲が制限されることも。瘢痕拘縮になると、すぐにはもとのやわらかい状態の皮膚には戻りません。できる限り早めに適切な治療を行っていくことが重要です。
当院での検査内容
瘢痕拘縮に関する検査法はなく、医師が肉眼で診察します。その際に、ケロイド体質がないかなどの問診も行います。
当院での治療内容
基本的に、関節の動きが制限される拘縮がある場合、手術を実施します。傷痕である瘢痕を切除して拘縮をなくし、皮膚が引きつらないように各種皮弁(Z形成術やW形成術)などで伸ばしていくことが目的です。必要に応じて、離れた部位から皮膚を採取し、植皮することもあります。
当院での診療方針
(治療方針)
瘢痕拘縮の治療は、手術をすれば終わりではありません。瘢痕が再発しないように、術後数ヵ月以上はテープ固定やトラニラストなどの瘢痕を抑える内服薬を服用していただきます。その間の通院は、患者さんの通いやすい近隣のクリニックにお願いする場合もあります。
対応診療科
皮膚科
皮膚がんの診断と治療を中心に、皮膚良性腫瘍や下肢静脈瘤、炎症性皮膚疾患など幅広い皮膚疾患に対応。特に皮膚がんに対しては外科手術を中心に先端の化学療法や集学的治療を行い、専門性の高い治療を必要とする患者さんを受け入れています。下肢静脈瘤に対する血管内レーザー治療による低侵襲治療にも対応しています。