大阪医療センター
皮膚

ケロイド

病気の概要

けがや手術の切開線の傷が治癒する過程(創傷治癒過程)では、炎症反応によって線維芽細胞からコラーゲンが産生されます。通常、けがや傷が治ると創傷治癒過程は終了しますが、コラーゲンが過剰に産生され続ける状態がケロイド。人種や体質、身体部位によって発生率に差があり、肩関節や前胸部などに多い疾患です。

見つかるきっかけ
(症状)

手術などで縫い合わせた傷口は、正常に治癒すれば細くて白い線になります。一方、ケロイドの場合、赤く盛り上がった皮膚腫瘍のようになるのが特徴。痛みやかゆみを伴うことが多いです。さらに、線の両側に皮膚の緊張が加わりやすいため、鉄アレイのような形を示すことも。外傷ではなく、ニキビ痕から発生するケースもあります。

当院での検査内容

まずは、ケロイドの家族歴やBCGワクチンの痕、過去の外傷後の傷痕などを問診します。ケロイドは肉眼で診断できる場合がほとんどですが、まれに肉腫と紛らわしいこともあるため、必要に応じて病理検査を実施。針生検などで一部組織を採取し、肉腫などの腫瘍ではないかを診断します。

当院での治療内容

一般的な保存療法としては、ステロイド剤の外用やテープ、局注のほか、リザベンや漢方薬などの内服剤を使用します。難治や重度のケロイド体質の場合、手術と術後の放射線療法を行うこともあります。具体的には、ケロイドを切除、もしくは部分切除した後、再発を防ぐために術後に比較的少量の放射線を照射していく流れです。

当院での診療方針
(治療方針)

保存療法のみを行う場合、通院が長期になるため、近隣のクリニックをご紹介します。難治のケロイドは、当院にて手術、術後に放射線療法(電子線照射、もしくは組織内照射)を行います。その場合、院内の放射線治療科も受診し、放射線治療についての説明も受けていただきます。再発予防のために、術後も最低3年程度は保存療法が必要です。

対応診療科

画像

皮膚科

皮膚がんの診断と治療を中心に、皮膚良性腫瘍や下肢静脈瘤、炎症性皮膚疾患など幅広い皮膚疾患に対応。特に皮膚がんに対しては外科手術を中心に先端の化学療法や集学的治療を行い、専門性の高い治療を必要とする患者さんを受け入れています。下肢静脈瘤に対する血管内レーザー治療による低侵襲治療にも対応しています。

画像

形成外科

皮膚外科・再建外科・整容外科・その他外傷の4分野に取り組む形成外科。耳鼻科や口腔外科、外科との共同によるチーム医療に力を入れています。機能面だけでなく整容面にも配慮した皮膚の良性・悪性腫瘍の治療と、切除された体の機能・形態の再建のほか、顔面の先天奇形や眼瞼下垂、顔面骨折などの外傷も扱っています。

ホームにもどる