専門・認定看護師・コーディネーター紹介
大阪医療センターには1名の専門看護師、16名の認定看護師、6名のHIVコーディネーターナース、7名の臨床研究コーディネーターナースが在籍しています。
専従での配属や各部署への所属など、勤務の形態は様々ですが、それぞれの専門分野の看護の質向上を目指して活動しています。
分野 | 人数 | 分野 | 人数 |
---|---|---|---|
がん看護専門看護師 | 1 | 皮膚・排泄ケア認定看護師 | 3 |
がん化学療法看護認定看護師 | 1 | 糖尿病看護認定看護師 | 2 |
緩和ケア認定看護師 | 1 | 認知症看護認定看護師 | 1 |
がん放射線療法看護認定看護師 | 1 | 摂食嚥下障害認定看護師 | 1 |
救急看護認定看護師 | 4 | 脳卒中看護認定看護師 | 1 |
集中ケア看護認定看護師 | 2 | 慢性心不全看護認定看護師 | 1 |
感染管理認定看護師 | 2 | HIVコーディネーター | 6 |
臨床研究コーディネーター | 7 |
櫻井 真知子
がんという命を脅かす病に侵された患者さんは、身体的な苦しみだけではなく、常に不安や恐怖、職場・家族・友人などの人間関係、治療費、自分の存在価値を考え苦悩されています。苦痛や苦悩を取り除くためのケアは、がん看護をするうえで最も重要な役割です。また、そのご家族においても同様に苦悩しており、ケアの対象となります。がん看護専門看護師は、少しでも苦痛を和らげることで、治療を完遂し最期の時まで患者さん・ご家族が希望を持って生きることを支えていきます。また、相談支援・放射線療法看護・化学療法看護・緩和ケアなどが、高い質を保ちながら全国に均てん化できるシステムを構築することや、教育活動・研究の推進と役割が多岐にあり、日々努力しています。
安原 加奈
がん化学療法は外来での治療が主流となってきているため、外来化学療法室で、がん化学療法を受ける患者さん・ご家族が安心・納得して治療にのぞむことができるよう支援しています。治療中は、安全に行えるよう点滴を管理し、副作用や治療継続による生活への支障を最小限とし、できる限り今までと同じ日常が送れるよう医師や薬剤師とも協力し、患者さん・ご家族へ支援しています。副作用については、患者さん自身でのケアも必要となるため、生活の中で行えるセルフケアについて、患者さんと一緒に考えながら支援しています。
齋藤 明音
緩和ケアは、病気に伴う苦痛(身体の痛みやしんどさ、不安や苦悩、医療費や療養場所の心配など)をやわらげ、QOL(生活の質)を向上するためのケアです。当院では、1名の緩和ケア認定看護師が、主にがん患者さんのケアに取り組んでいます。がん治療に関わる各がん関連の認定看護師と協力しながら、よい緩和ケアが受けられ、その人らしく過ごせるように、医師、薬剤師、MSW、心理士、栄養士、リハビリなど医療チームで支援しています。緩和ケアチームの一員として、また外来で看護実践しながら、スタッフ相談に応じ、指導をしています。患者さんのがん看護相談も受けておりますので、お困りのことがあれば、是非ご相談下さい。
三木 美子
「放射線治療はこわい」と思われがちですが、放射線は身体に当たっても“熱い、痛い”など感じることはなく、1回の治療時間は10分程度で、高齢者や合併症のある方でも治療することができます。
がん放射線療法看護認定看護師として、患者さんそれぞれが感じていらっしゃる不安な声を聞きながら、患者さんが安心して治療に臨めるように、情報提供、治療環境の調整、精神的サポートなどを行っています。
渡邊 由紀・山下 寿美子
突然の発症で危機的状況におかれた患者さんの病態を理解して個別性のある看護ケアを実践し、生命の危機を乗り越え社会復帰を目指した看護を提供しています。同時にそのご家族への精神面の援助も行っています。
また当院は災害拠点病院のため、被災者の受け入れ看護師の育成や被災地への派遣看護師として実務訓練を行っています。
垣内 友里
クリティカルケアという言葉を聞いたことはありますか?クリティカルケアとは、生命を脅かすような健康問題に対する人間の反応を扱う看護のことを言います。認定看護師の分野では新しい分野になります。クリティカルケア認定看護師は、救急看護認定看護師と集中ケア認定看護師に加え、一部の特定行為を行うことが出来ます。具体的な内容として、生命の維持・重症化の回避、早期回復支援、二次合併症の予防、QOLの維持向上を目指して患者さんやご家族への看護介入を行います。
職員には、病棟勉強会や呼吸ケアラウンド、ICLSコースなどを通して、看護の質の向上に向けて支援を行っています。
坪倉 美由紀・洲本 師来
「感染管理」とは、患者さんやご家族、面会の方はもちろん医療従事者や病院を出入りするすべての方を感染から守る活動です。実働部隊として日々活動しているのは、ICT(感染制御チーム)で、医師、看護師、薬剤師、検査技師、事務の多職種メンバーで構成しています。感染制御部専従で院内全体の感染発症生状況を把握したり、現場の対策確認やICT への情報発信、教育活動、マニュアルの整備等行っています。
滝本光子・大澤真琴・大西淳子
皮膚・排泄ケアは創傷/褥瘡(床ずれ)・ストーマ(人工肛門・人工膀胱)・失禁を中心とした看護です。それらの問題に対して、専門的な知識や技術を用いて看護ケアを提供しています。
<創傷ケア>
疾患や治療に伴って生じた傷や皮膚のトラブルについて医師と協力しながらケアを行っています。
また、褥瘡については褥瘡対策チーム(医師・薬剤師・栄養士・療法士・看護師)で協力して取り組んでいます。
<ストーマケア>
オストメイト(人工肛門・人工膀胱保有者)やそのご家族に、ストーマとともに生活していく上で知って頂きたことや習得して頂きたいこと、またストーマ周囲の皮膚のトラブルなどのケアを提供しています。入院中だけでなく外来でもサポートを行っています。
<失禁ケア>
排尿ケアチームによる排尿自立支援を行っています。また便や尿の失禁に伴って生じる皮膚のトラブルの予防やケアを提供しています。
福山 雅代・佐藤 愛美
慢性疾患である糖尿病患者さんの思いや今までの経緯を把握し、身体・精神・社会面の全体像から患者に寄り添う看護を実践しています。
療養では患者さんが意欲を持ちつつ、セルフケア能力が高まり食事療法や運動療法、薬物療法が継続できるように介入しています。必要時には多職種と連携し、ご家族の協力体制を確認しながら、患者さんだけでなくご家族も支援しています。外来では、フットケア外来と糖尿病外来で、患者さんがセルフケアを継続できるように支援しています。
長澤 朋子
当院では平成30 年から認知症ケアチームを立ち上げ活動しています。認知機能の低下がある方は、環境の変化に敏感であり、住み慣れた場所では穏やかに生活することができても、非日常的な環境・治療・ケアに戸惑い、行動心理症状(以下、BPSD)が現れることがあります。
認知症ケアチームでは、各病棟で診療にあたる医師、看護師、薬剤師、セラピストなどと連携し、BPSD の予防や改善を目指し、患者様が何に困っているのか、どのような関りがあれば落ち着くことができるかを探り、病棟スタッフがケアに取り組めるように支援しています。
藤井 蘭
病気や加齢により飲み込みがうまくできなくなり、むせやすくなることがあります。さらに、これらを放っておくと誤嚥性肺炎を起こして重篤な状態となることがしばしばあります。これらを防ぐために院内では摂食嚥下チームが活動しています。摂食嚥下チームの一員として、院内スクリーニングの改定や代替栄養が必要となった際の意志決定支援なども行っています。脳卒中発症直後の患者様の嚥下機能評価や訓練を行い、食事開始の時期や安全な食事形態・介助方法などを検討しています。『ゆりかごから墓場まで』幅広い患者様に安全に楽しくご飯を食べていただける様に支援しています。
江藤 亜希子
脳卒中は、突然発症し、そして後遺症によりその後の生活を大きく変えてしまうことのある病気です。発症のリスク因子は高血圧や糖尿病、脂質異常症、過度の飲酒や喫煙など生活習慣に関係することから、生まれつきの血管の状態や不整脈、加齢や遺伝など様々です。再発リスクの高い病気でもあり、まずは発症予防が重要です。
脳卒中看護では、突然の発症による衝撃の中にいる患者さん、ご家族を支えるとともに、退院後の生活を考えた支援が必要です。医師やリハビリ科、ソーシャルワーカーなど他職種で連携し、一歩先の今後の暮らしを見据えた看護を提供するために活動しています。
川﨑 みゆき
中濱 智子・東 政美・米田 奈津子・冨田 亜沙美・川上 絵理・河村 湖々
私達は、HIV/AIDSの患者様が、学業や仕事と療養生活を両立できるように、医師、薬剤師、ソーシャルワーカーやカウンセラーなどチームで支援をしています。HIV感染症は、治療の進歩に伴い長期療養が可能となってきました。患者様自身がうまく自己管理できることを目標に、日々の患者様の身体の辛さや社会生活での問題、精神的な不安や悩みなどに対応しています。また、HIV感染症について、まだまだ正しい知識が得られていないことも多く、正しい知識の普及や予防啓発について、研修会やポスター展示など、院内での活動だけに留まらず、院外にも出向きフットワーク軽く積極的な活動をしています。
羽田 かおる・柚本 育世・千賀 明日香・三井 知子・辻本 有希恵・福本 妃可里
臨床研究コーディネーターは、臨床研究(人を対象とする医学系研究のこと)の開始前から終了までのすべてをサポートする専門スタッフのことをいい、Clinical Research Coordinatorの頭文字をとってCRCとも呼ばれています。
臨床研究のうち、国から薬として認めてもらうために、人に使ったときの効き目や安全性について調べる試験のことを「治験」といいます。当院では主に「治験」に参加してくださる患者さんが、治験への参加を検討される段階から終了まで、安心・納得して参加できるように、診察に同席し、体調の変化を注意深く観察し、不安や疑問が軽減できるように支援しています。またCRCは患者さんや医師だけではなく、薬剤科・臨床検査科・放射線科・事務部など様々な部門と関わり、臨床研究が円滑に実施できるように院内の調整をしています。