脳卒中(脳梗塞・脳出血)
病気の概要
脳卒中を大きく分類すると、脳の血管が詰まって起こる「脳梗塞」、脳の血管が切れて起こる「脳出血」、脳の血管にできた瘤(脳動脈瘤)が破れて起こる「くも膜下出血」の3つの種類があります。いずれの場合も、脳神経細胞がダメージを受けることで手足の麻痺や言葉が話しにくいなどの後遺症が残ることも少なくありません。重症の場合は命にも危険が及ぶこともあります。
見つかるきっかけ
(症状)
脳卒中を起こすと、ろれつが回らない、言葉が出ない、左右どちらかの手足や顔が動かしにくい、ふらついてうまく歩けない、物が二重に見える、視野の半分が欠ける、経験したことのないような激しい頭痛などの症状が「突然」現れます。とても大切なことは、これらの症状が見られた時に、できるだけ早く病院を受診していただくことです。
当院での検査内容
CT、MRI、脳血管撮影が中心となります。CTは脳出血やくも膜下出血を診断するのに適しています。MRIはCTで診断が難しい、起きたばかりの脳梗塞を診断できます。脳血管撮影はカテーテルを用いて血管の病変を精密に診断できます。当院では、これらの検査をいつでも迅速に行える体制を整えています。脳卒中の原因を調べるために超音波検査、核医学検査なども行います。
当院での治療内容
脳梗塞では、発症から間もない場合はtPA静注療法という血栓を溶かす薬の投与を、必要があればカテーテルを使った脳血管内治療を行います。脳出血では、開頭して脳内血腫を取り除く手術のほか、より低侵襲な内視鏡手術も行っています。くも膜下出血は、開頭手術や血管内治療を行います。リハビリテーション治療を早期から開始し、脳卒中の原因に応じて再発予防の薬物治療を行います。
当院での診療方針
(治療方針)
脳神経内科と脳神経外科が協力して、迅速な診断・治療を進めています。脳卒中は、少しでも早く治療を開始することで後遺症の緩和が望めます。脳卒中を疑ったときには、すぐに救急車を呼んで受診して下さい。1人でも多くの患者さんの後遺症を減らすために、医師・看護師・技師など多くのスタッフが協力して診療に当たります。
対応診療科
脳神経外科
脳神経外科は救命救急センターや脳神経内科と連携し、脳血管障害や脳神経疾患全般を広く担当しています。急性期脳卒中ケアユニット(SCU)や脳血管内治療用血管造影装置などの先進機器を備え、質の高い治療を実現。化学療法や放射線治療などを組み合わせた集学的治療も積極的に行い、治療成績向上をめざしています。
脳神経内科
脳卒中などの脳血管障害や、パーキンソン病などの神経内科疾患を担当しています。急性期脳梗塞に対しては、脳神経外科と協力してrt-PA静注療法や脳血管内治療を24時間体制で実施しています。脳血管障害や神経内科疾患の原因を詳しく調べて、病状に応じた最適な治療を提供します。