大阪医療センター

脳動脈瘤

病気の概要

脳動脈瘤は脳の動脈の一部が拡張し、瘤(こぶ)のようになった状態のことです。未破裂状態で見つかることもありますが、破裂して出血すると、くも膜下出血や脳内出血などの命に関わるような重篤な疾患の原因となります。破裂の危険性は動脈瘤の状態(大きさや形状、部位など)によって異なることが知られています。

見つかるきっかけ
(症状)

脳動脈瘤は未破裂状態では無症状であることがほとんどで、脳ドックなどで偶然に発見されることが多いですが、まれに物が二重に見える、頭痛、めまいといった症状をきっかけに病院を受診し、見つかることもあります。破裂により出血した場合には、激しい頭痛や吐き気、嘔吐、意識障害などをきたします。

当院での検査内容

脳MRI、CT/CTA、脳血管造影(カテーテル検査)などの検査を行います。破裂の危険が高く、治療したほうがよい動脈瘤であるかどうかは、大きさや形状、部位などで判断します。治療の安全性を高めるため、関連する併存症(腎疾患、高血圧症、糖尿病、脂質異常症など)についても検査を行います。

当院での治療内容

破裂の危険性が高い未破裂脳動脈瘤には破裂予防手術を行います。開頭手術によるクリッピング術や血管内治療(カテーテル治療)によるコイル塞栓術、フローダイバーターステント留置術のほか、難症例には血管バイパス術併用手術や新しい機器を使用した手術も実施しています。破裂瘤に対しては24時間体制で緊急の再破裂予防手術を行います。

当院での診療方針
(治療方針)

破裂の危険性が高い未破裂脳動脈瘤には、個々の患者さんに適した破裂予防手術を提案します。破裂の危険性が低い場合には定期的な検査による経過観察を行い、破裂の危険性が高まったと判断される場合に破裂予防手術を提案します。併せて高血圧症などの内科的な治療も行います。破裂瘤にはできる限り速やかに緊急の再破裂予防手術を実施します。

対応診療科

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脳神経外科

脳神経外科は救命救急センターや脳神経内科と連携し、脳血管障害や脳神経疾患全般を広く担当しています。急性期脳卒中ケアユニット(SCU)や脳血管内治療用血管造影装置などの先進機器を備え、質の高い治療を実現。化学療法や放射線治療などを組み合わせた集学的治療も積極的に行い、治療成績向上をめざしています。

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脳神経内科

脳卒中などの脳血管障害や、パーキンソン病などの神経内科疾患を担当しています。急性期脳梗塞に対しては、脳神経外科と協力してrt-PA静注療法や脳血管内治療を24時間体制で実施しています。脳血管障害や神経内科疾患の原因を詳しく調べて、病状に応じた最適な治療を提供します。

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