大阪医療センター

脳動静脈奇形

病気の概要

20代から40代を中心に、10万人あたり年間1~2人が発症する脳動静脈奇形。通常、血管は動脈と静脈が毛細血管を介してつながりますが、脳動静脈奇形では毛細血管が適切に形成されません。ナイダスという血管の塊を形成し、動脈と静脈が直接つながります。このナイダスは胎児期に形成され、出生後にも成長していくと考えられています。

見つかるきっかけ
(症状)

ナイダスは血液の異常な塊のため、脳動静脈奇形ではナイダスによる症状が現れるのが特徴です。代表的な症状は、頭蓋骨内での出血が多いこと。そのほか、けいれん発作や頭痛などを伴うこともあります。なお、年間の出血率は2%程度、一度出血した場合は年間4~5%程度。最初の出血から1年間は、再出血が多いとされています。

当院での検査内容

まずは、頭部CTやMRIによる画像検査を実施します。脳動静脈奇形が疑われる場合、カテーテルによる脳血管造影検査も推奨しています。脳血管造影検査は入院検査ですが、脳動静脈奇形の診断・治療方針決定に役立ちます。具体的には、出血の危険性が高い構築や部位はないか、治療介入は行うべきか、どのような治療方針にすべきかなどを検討します。

当院での治療内容

症状などに応じて、カテーテルによる塞栓術(血管内治療)や開頭手術による摘出術、放射線治療のいずれか、もしくは組み合わせた治療を行います。放射線治療の場合、連携施設と協力の上、進めていきます。なお、塞栓術に関しては、塞栓促進用の補綴材を用いた治療を中心に行っています。

当院での診療方針
(治療方針)

画像検査をもとに、脳神経外科で十分にカンファレンスを行い、治療方針を決定します。難易度の高い手術や血管内治療に対しても、積極的に対応しています。保存的に経過観察を行うか、治療介入をするかなど、安全を第一に検討を重ねていきます。

対応診療科

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脳神経外科

脳神経外科は救命救急センターや脳神経内科と連携し、脳血管障害や脳神経疾患全般を広く担当しています。急性期脳卒中ケアユニット(SCU)や脳血管内治療用血管造影装置などの先進機器を備え、質の高い治療を実現。化学療法や放射線治療などを組み合わせた集学的治療も積極的に行い、治療成績向上をめざしています。

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脳神経内科

脳卒中などの脳血管障害や、パーキンソン病などの神経内科疾患を担当しています。急性期脳梗塞に対しては、脳神経外科と協力してrt-PA静注療法や脳血管内治療を24時間体制で実施しています。脳血管障害や神経内科疾患の原因を詳しく調べて、病状に応じた最適な治療を提供します。

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