大阪医療センター
肺・胸膜

胸膜炎

病気の概要

肺の表面や、胸壁を覆っている薄い組織の胸膜に炎症が起こる胸膜炎。感染症やがん、膠原病などによって引き起こされる疾患です。細菌感染の場合は細菌性胸膜炎、結核によるものは結核性胸膜炎、がんによるものはがん性胸膜炎などと呼びます。中でも、日本人は結核性胸膜炎とがん性胸膜炎が多いことがわかっています。

見つかるきっかけ
(症状)

胸膜炎にかかると、胸の痛みをはじめ、息苦しさなどの呼吸困難、発熱、咳などの症状が現れます。人によっては、背中に痛みを感じることも。胸腔に胸水がたまると呼吸の摩擦が軽減し、胸の痛みは少なくなりますが、胸水で肺が圧迫されるため、呼吸困難に注意しなければいけません。また、胸膜炎を引き起こす原因となった疾患の症状も出ます。

当院での検査内容

胸膜炎では、片側の胸に胸水が貯留します。そのため、まずは胸部エックス線検査やCTなどの画像検査を用いて、胸水を確認します。必要に応じて、試験穿刺という局部に注射針を刺して胸水を採取する検査も行い、原因の特定などに役立てます。

当院での治療内容

原因に応じて、治療方針を決定します。例えば、細菌性胸膜炎はその病原体に有用な抗生物質、がん性胸膜炎は有効な抗がん剤を使用します。また、胸水量が多いと呼吸困難を引き起こしてしまうため、胸水を体外に抜くための処置も欠かせません。そのほか、がん性胸膜炎の場合は、胸水がたまらないようにする胸膜癒着術を行うこともあります。

当院での診療方針
(治療方針)

患者さんご自身に病状を理解していただき、安心して診断・治療を進められるように努めています。わかりやすく丁寧な説明を心がけていますので、何でも気軽にご相談ください。また、退院後も安心して生活していただけるように、退院時には紹介元の先生に診療情報を提供させていただきます。

対応診療科

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呼吸器外科

転移性肺腫瘍、横隔腫瘍、胸膜・胸壁腫瘍などを取り扱うほか、肺がんに関しては、早期がんの肺機能温存手術、胸腔鏡手術から進行がんの拡大手術、術後補助化学療法や再発がんに対する治療までに一貫して対応。呼吸器内科や放射線科、臨床検査科と共同体制を敷き、最高水準の治療と新しい診断・治療の開発に努めています。

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呼吸器内科

呼吸器内科は肺がんを専門とする内科です。診断および治療では、組織型(小細胞がん、非小細胞がん)、病期、全身状態、年齢、合併症など患者さんのさまざまな面を考慮。各種ガイドランを参考にするとともに、呼吸器外科や放射線科、病理診断科などと合同で症例検討会を行い、治療方針を決定しています。

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