変形性膝関節症
病気の概要
変形性膝関節症とは加齢や機械的刺激などによって関節表面を覆う関節軟骨が変性(弾力性が失われる)し、摩耗することで生じます。削り取られた軟骨の破片が関節の内側を覆う滑膜を刺激するため、炎症が起こることで痛みが出現するとされています。また、進行性の病気であり、関節軟骨のすり減りが進むにつれて関節の変形が少しずつ進みます。
見つかるきっかけ
(症状)
主な症状は膝の痛みと腫れ(水がたまること)です。初期は立ち上がりや歩き始めなど動作の開始時にのみ痛み、しばらく休めば痛みがとれます。その後、正座や階段昇降が困難となり、さらに進行すると安静時や夜間にも痛みを感じるようになります。また変形が目立ち、関節の可動域が制限され歩行など日常生活動作に支障をきたすようになります。
当院での検査内容
問診や診察、触診で膝の痛む場所や圧痛、関節の動き、腫れや変形などの有無を調べ、歩容の確認を行いX線検査で関節の骨と骨の隙間を評価して診断します。必要に応じ、血液検査やMRI検査なども実施します。関節穿刺で関節液を採取して調べる関節液検査を行う場合もあります。以上のように、症状と膝の客観的な状態から総合的に判断します。
当院での治療内容
まずは可能な限り鎮痛薬内服、外用薬、ヒアルロン酸の関節内注射、リハビリなど保存療法を行います。改善せず、日常生活に支障がある場合、手術が検討されます。当科では変形した膝関節をインプラントに入れ替える人工膝関節置換術を主に行っています。痛みが和らぎ、早期の歩行能力の回復が期待できるだけではなく長期的な安定も見込まれます。
当院での診療方針
(治療方針)
特に人工膝関節置換術に関して、丁寧かつ細部にわたってこだわりをもった手術を行うよう常に心がけており、安心・安全で質の高い医療を提供させていただきます。保存療法を受けても痛みなど症状が改善しない方はぜひご相談ください。患者様のご希望や状況に合わせて、治療方法をご提案し、一緒に納得のいく適切な治療の選択をサポートします。
対応診療科
整形外科
股関節・膝関節疾患、脊椎疾患、手の外科などさまざまな運動器疾患に対し、高度なレベルの専門診療を行っています。骨折など外傷にもできる限り対応しております。腫瘍、小児整形外科疾患、肩疾患、スポーツ疾患などは大阪大学 整形外科の関連病院ネットワークを通じて専門のクリニック・病院へ紹介しています。