大阪医療センター
腰・臀部~下肢

下肢静脈瘤

病気の概要

静脈には弁(静脈弁)がついて血液が1方向にしか流れないようになっていて、下肢の静脈血は重力に逆らって足から心臓に流れていきます。しかし、静脈弁が壊れると血液が下肢の静脈内に停滞し、逆流するようになります。下肢静脈瘤は血液の逆流によって拡張した下肢の静脈が瘤状に浮き出て蛇行するよう見える状態です。

見つかるきっかけ
(症状)

多くは下腿の表在静脈が青い網目ように目立ったり、曲がったホースのようにボコボコと浮き出てきます。逆流がひどく長期になると足のだるさや重み、疲れやすさを感じやすくなり、こむら返りを起こすこともありす。また、次第に皮膚に茶色い色素沈着を伴うようになり、湿疹を起こしたり、皮膚が硬くなって痛みを感じたりする場合もあります。

当院での検査内容

下肢静脈瘤が疑われると超音波検査を行い、静脈の拡張の程度を評価します。また、カラードプラー法やパルスドプラー法を併用して血液の逆流の有無や程度を評価します。足のだるさや痛みが静脈の逆流によるものかを調べるために、手術に似た効果が期待できる弾性ストッキングを着用し、だるさや痛みが改善するか観察することもあります。

当院での治療内容

静脈逆流が軽度の場合は弾性ストッキングを着用していただき下腿を圧迫して、静脈瘤の進行を防ぎながら経過を見ます。逆流が強く、だるさを感じたり湿疹が起こったりしている場合は手術を検討します。手術はほぼ全例で、逆流した血管内にレーザーファイバーを入れてレーザー光で血管を焼灼して閉塞させる血管内レーザー焼灼術を行います。

当院での診療方針
(治療方針)

血管内レーザー焼灼術の普及により下肢静脈瘤の手術は日帰りでもできる簡便で、体に負担の少ない手術になりました。当院では合併症の多い高齢の患者さんが多く、主に入院での手術を行っています。また、弾性ストッキングの着用により症状が改善するかを確認するなど、本当に手術が必要なのかをよく見極めるようにしています。

対応診療科

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皮膚科

皮膚がんの診断と治療を中心に、皮膚良性腫瘍や下肢静脈瘤、炎症性皮膚疾患など幅広い皮膚疾患に対応。特に皮膚がんに対しては外科手術を中心に先端の化学療法や集学的治療を行い、専門性の高い治療を必要とする患者さんを受け入れています。下肢静脈瘤に対する血管内レーザー治療による低侵襲治療にも対応しています。

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