職員募集

後期研修プログラム【臨床腫瘍科】

腫瘍内科コース

  1. 1診療科(専門領域)

    腫瘍内科

  2. 2コースの概要

    呼吸器内科・血液内科・消化器内などを希望に応じてローテート研修することに より、特定の臓器だけでなく、がん薬物療法を中心にがんを総合的に診療できる医師の 育成を目指す。セカンドオピニオンや原発不明癌などにも対応する。

  3. 3取得資格

    がん治療認定医(日本がん治療認定医機構)
    がん薬物療法専門医(日本臨床腫瘍学会)

  4. 4長期目標

    がん薬物療法を中心にがんを総合的に診療できる指導医や専門医の育成
    チーム医療を実践できる指導医や専門医の育成

  5. 5取得手技

    各種がん(消化器・乳・呼吸器・血液・原発不明)に対するマネジメント
    コミュニケーション・スキル

  6. 6研修期間

    3年
    初期臨床研修を修了した者を対象とする。

  7. 7募集人数

    1~3名

  8. 8診療科(または関連診療分野)の実績と経験目標症例数

    症例数と手術件数の調査年度(21年度)

    主要疾患

    入院数(年間)

    経験目標症例数( 3 年間)

    胃癌

    150

    30

    大腸癌

    200

    30

    肝癌

    250

    15

    乳癌

    180

    30

    肺癌

    150

    15

    食道癌

    25

    悪性リンパ腫

    35

    15

    白血病

    10

    原発不明癌

    膵臓癌

    50

    15

    手術

    件数(年間)

    経験目標件数( 3 年間)

    胃癌

    130

    大腸癌

    180

    肝癌

    50

    乳癌

    180

    肺癌

    60

    食道癌

    25

    膵癌

    45

  9. 9診療科の指導体制

    診療科医師数:常勤 4 名、非常勤   0 名
    診療科研修の指導にあたる医師:3  名
    主として研修指導にあたる医師の氏名:小河原 光正  
      
    主として研修指導にあたる医師の診療科経験年数:29年

  10. 10コンセプト

    がん総合診療医として一定の診療能力を備え、各種がんの診断・治療・化学療法・ 緩和までを総合的に診療する。

  11. 11一般目標

    1. 呼吸器疾患全般における診断・治療 ・喫煙歴,居住歴,職業歴,家族歴等の呼吸器疾患と関連の高い病歴の聴取
    2. 各呼吸器疾患における診断・治療
    3. 一般内科の疾患・症例を広く経験することで、内科全般の知識、診断・治療能力を高め、適切に対応できる能力を習得する。
    4. 知識:当院で臨床研修を行うことにより、多くの症例を経験し血液専門医としての基礎的知識を会得する。
    5. 検査:殆どの血液検査の結果を理解し、一部の検査については一人で施行できるようにする。
    6. 治療および症例経験:種々の血液疾患について、診断を行うと共に、知慮計画を立て、それを実行できるように修練する。
  12. 12関連領域の研修に関して

    施設内での研修:可能
    施設外との交流研修:可能
    研修領域の決定:

  13. 13共通領域研修について

    職員研修部・臨床検査診断部CPC 月1回
    Cancer Board 月1回
    腫瘍内科は一部内科学(呼吸器内科・血液内科)カリキュラムと同等のプログラムである。

腫瘍外科コース

  1. 1 診療科(専門領域)

    腫瘍外科

  2. 2コースの概要

    乳腺外科・消化器外科などを希望に応じてローテート研修することにより、 特定の臓器だけでなく、がん薬物療法を中心にがんを総合的に診療できる医師の育成を 目指す。セカンドオピニオンや原発不明癌などにも対応する。

  3. 3取得資格

    がん治療認定医(日本がん治療認定医機構)
    がん薬物療法専門医(日本臨床腫瘍学会)

  4. 4長期目標

    がん薬物療法を中心にがんを総合的に診療できる指導医や専門医の育成   
    チーム医療を実践できる指導医や専門医の育成

  5. 5取得手技

    各種がん(消化器・乳・呼吸器・血液・原発不明)に対するマネジメント
    コミュニケーション・スキル

  6. 6研修期間

    3年
    初期臨床研修を修了した者を対象とする。

  7. 7募集人数

    1~3名

  8. 8診療科(または関連診療分野)の実績と経験目標症例数

    症例数と手術件数の調査年度(21年度)

    主要疾患

    入院数(年間)

    経験目標症例数( 3 年間)

    胃癌

    150

    30

    大腸癌

    200

    30

    肝癌

    250

    15

    乳癌

    180

    30

    肺癌

    150

    15

    食道癌

    25

    悪性リンパ腫

    35

    15

    白血病

    10

    原発不明癌

    膵臓癌

    50

    15

    手術

    件数(年間)

    経験目標件数( 3 年間)

    胃癌

    130

    大腸癌

    180

    肝癌

    50

    乳癌

    180

    肺癌

    60

    食道癌

    25

    膵癌

    45

  9. 9診療科の指導体制

    診療科医師数:常勤 4 名、非常勤   0 名
    診療科研修の指導にあたる医師: 3 名
    主として研修指導にあたる医師の氏名:三嶋秀行
        
    主として研修指導にあたる医師の診療科経験年数:27年

  10. 10コンセプト

    がん総合診療医として一定の診療能力を備え、各種がんの診断・治療・化学療法・ 緩和までを総合的に診療する。

  11. 11

    1. 1年目:入院患者の主治医として指導医の管理下で診断・手術・術後管理のすべてを実習する。専門診療、手術、化学療法、などの知識と技術を学ぶ。
    2. 2年目:入院患者の主治医として診断、手術、術後管理を全般にわたって行う。各専門分野の知識
           と技術を習得する。外科腫瘍学についての理解を深め、指導医とともに治療方針決定に関与する。臨床研究について学習し、実践する。学会活動を積極的に行なう。
    3. 3年目:入院患者の主治医としてすべてのレベルの患者を担当する。また、外来患者の診療を担当する。腹腔鏡下手術を含む内視鏡手術・あらゆるレベルの開腹手術の術者を経験する。外科専門医として必要な症例の修得に努めさせる。
    4. その他:3年間の研修期間全般にわたって、研修医を含む後輩医師に対する教育・指導(屋根瓦方式)も行わせ、将来指導医となるための修練をつませる。
  12. 12関連領域の研修に関して

    施設内での研修:可能
    施設外との交流研修:可能
    研修領域の決定:

  13. 13共通領域研修について

    職員研修部・臨床検査診断部CPC 月1回
    Cancer Board 月1回 
    腫瘍外科は一部外科学カリキュラムと同等のプログラムである。

緩和ケア内科3年コース

  1. 1診療科(専門領域)

    緩和ケア内科

  2. 2コースの概要

    初期研修を修了し基本領域の認定医・専門医を取得した者で日本緩和医療学会専門医取得をめざす者を対象。
    腫瘍内科研修を含む緩和ケアチームでの緩和ケア内科専門プログラムを選択。

  3. 3取得資格

    国立病院機構における診療認定医(I)資格
    日本緩和医療学会専門医の取得資格
     -基本領域の認定医または専門医取得
     -初期研修終了後5年の緩和ケアの経験
     -2年以上の日本緩和医療学会研修認定施設での研修

  4. 4長期目標

    緩和ケアの専門知識の習得
    臨床腫瘍学を理解し早期からの緩和ケアの実践を行う
    緩和ケアチームメンバーとしてチームアプローチに重点を置き緩和ケアを実践する

  5. 5取得手技

  6. 6研修期間

    3年間

  7. 7募集人数

    1名

    1年目     2年目          3年目

    緩和ケアチーム、緩和ケア病棟(院外)研修 希望者は腫瘍学研修

  8. 8診療科の実績と経験目標症例数

    緩和ケア目標症例数と件数の調査年度

    主要疾患 緩和ケアチーム介入
    入院数 (年間)
    経験目標症例数(12ヶ月間)
    悪性腫瘍 300 80
    非悪性腫瘍 3 2
    介入項目 件数(年間) 経験目標件数(12ヶ月間)
    がん疼痛 240 60
    疼痛以外の身体症状 180 50
    精神症状 190 50
    その他
  9. 9診療科の指導体制

    診療科医師数:常勤 2 名、非常勤     名
    診療科研修の指導にあたる医師:2  名
    主として研修指導にあたる医師の氏名:里見 絵理子  
    主として研修指導にあたる医師の診療科経験年数:17年

  10. 10コンセプト

    緩和医療は、生命を脅かすような疾患、特に治癒することが困難な疾患を持つ患者および家族のクオリティー・オブ・ライフ(QOL)の向上のために、療養の場にかかわらず病気の全経過にわたり医療や福祉及びその他の様々な職種が協働し、患者と家族が可能な限り人間らしく快適な生活を送ることができるような医学的アプローチである。特に、当院においては、がん患者とその家族に対して診断の早期から積極的な緩和ケアの導入に緩和ケアチームの一員として関わり、急性期病院抗がん治療中および進行終末期緩和ケアを実践している。On the job trainingで多くの症例を経験し専門的知識・技能に加え、多様性を学ぶことができる。また、当院では緩和ケア病棟は2011年4月現在設置されていないため、希望者は院外施設においてホスピス緩和ケア研修をおこなう。がん領域での緩和ケアを専門にするにあたり基本的腫瘍学知識は不可欠であるため、希望者には腫瘍学を中心とした研修を実施する

    緩和医療を実践する医師の資質と態度
    1. 医師は緩和医療が患者の余命に関わらず、そのQOL の維持・向上を目指したものである事を理解する。患者や家族のニードは常に変化し、ケアの目標も変化するため、常に見直しを行うことが必要である。
    2. 全ての患者は、異なった人生を生き、死に直面している。医師は病気を疾患としてとらえるだけでなく、その人の人生の中で病気がどのような意味をもっているか(meaning of illness)を重要視しなければならない。医師は、患者、家族を全人的に、身体的だけではなく、心理的、社会的、霊的(spiritual)に把握し、理解する必要がある。
    3. 医師は、患者のみならず、患者を取り巻く家族や友人もケアの対象である事を理解する。
    4. 医師は、患者に医学的に正しいと思うことを強制しないよう、特別の配慮が必要である。患者にとって安楽なことは、個々人で全く違うものであることを理解し、患者の自律性や選択を重要視する。
    5. 緩和医療を実践する医師は医師として医学的判断や技術に優れていることが最も重要だが、それと同時にコミュニケーション能力も重要である。患者、家族、そして医療チーム内で良好なコミュニケーションをとることができる事が必要である。
    6. 医師は、診療にあたって十分な説明とそれに基づく患者および家族の同意(informed consent)を得ることが必要不可欠であり、患者・家族が判断に迷うとき、セカンドオピニオンを得るために自施設以外の他の施設への受診などについて配慮する必要がある。
    7. 医師は緩和医療を行うチームの中でその一員として働くことが重要である。チームメンバーのそれぞれの専門性と意見を大切にし、チームが円滑に運営されるよう常に心がける必要がある。
  11. 11一般目標

    生命を脅かす疾患(主に悪性腫瘍)に罹患している患者・家族のQOL の向上のために緩和医療を実践し、さらに本分野の教育や臨床研究を行うことができる能力を身につける。

    <到達目標>

    Ⅰ. 症状マネジメント

    1. 患者の苦痛を全人的苦痛(total pain)として理解し、身体的だけではな く、心理的、社会的、霊的(spiritual)に把握することができる
    2. 症状のマネジメントおよび日常生活動作(ADL)の維持、改善がQOL の向 上につながることを理解している
    3. 症状の早期発見、治療や予防について常に配慮することができる
    4. 症状マネジメントは患者・家族と医療チームによる共同作業であるということを理解することができる
    5. 症状マネジメントに対して、患者・家族が過度の期待を持つ傾向がある ことを認識し、常に現実的な目標を設定し、患者・家族と共有することがで きる
    6. 自らの力量の限界を認識し、自分の対応できない問題について、適切な時期に専門家に助言を求めることができる
    7. 症状マネジメントに必要な薬物の作用機序およびその薬理学的特徴について述べることができる
    8. 鎮痛薬(オピオイド、非オピオイド)や鎮痛補助薬を正しく理解し、処方することができる
    9. 薬物の経口投与や非経口投与(持続皮下注法や持続静脈注射法など)を正しく行うことができる
    10. オピオイドをはじめとする症状マネジメントに必要な薬剤の副作用に対して、適切に予防、対処を行うことができる
    11. 様々な病態に対する非薬物療法(放射線療法、外科的療法、神経ブロ ックなど)の適応について判断することができ、適切に施行するか、もしくは各分野の専門家に相談および紹介することができる
    12. 様々な症状の非薬物療法について述べることができる
    13. 病歴聴取(発症時期、発症様式、苦痛の部位、性質、程度、持続期間、 推移、増悪・軽快因子など)、 身体所見を適切にとることができる
    14. 各種症状を適切に評価することができる
    15. 痛みの定義について述べることができる
    16. 痛みをはじめとする諸症状の成因やそのメカニズムについて述べることができる
    17. 症状のアセスメントについて具体的に説明することができる
    18. 痛みの種類と、典型的な痛み症候群について説明することができる
    19. WHO 方式がん疼痛治療法について具体的に説明できる(鎮痛薬の使い方5原則、モルヒネの至適濃度の説明を含む)
    20. 神経障害性疼痛について、その原因と痛みの性状について述べ治療法を説明することができる
    21. 患者のADL を正確に把握し、ADL の維持、改善をリハビリテーションスタッフらとともに行うことができる
    22. 終末期の輸液について十分な知識を持ち適切に施行することができる
    23. 以下の疾患および症状、状態における苦痛の緩和を適切に行うことができる
      1. 疼痛
        がん性疼痛
        侵害受容性疼痛
        神経障害性疼痛
        非がん性疼痛
      2. 消化器系
        食欲不振
        嘔気 嘔吐
        便秘
        下痢
        消化管閉塞
        腹部膨満感
        腹痛
        吃逆
        嚥下困難
        口腔・食道カンジダ症
        口内炎
        黄疸
        肝不全
        肝硬変
      3. 呼吸器系


        呼吸困難
        死前喘鳴
        気道分泌
        胸痛
        誤嚥性肺炎
        難治性の肺疾患
      4. 皮膚の問題
        褥瘡
        ストマケア
        皮膚潰瘍
        皮膚掻痒症
      5. 腎・尿路系
        血尿
        尿失禁
        排尿困難
        膀胱部痛
        水腎症(腎瘻の適応決定を含む)
        慢性腎不全
        人工透析患者
      6. 神経系
        原発性・転移性脳腫瘍
        頭蓋内圧亢進症
        けいれん発作
        四肢および体幹の麻痺
        腫瘍随伴症候群
      7. 精神症状
        適応障害
        不安
        うつ病 (抑うつ)
        不眠
        せん妄
        怒り
        恐怖
      8. 胸水、腹水、心嚢水
      9. 後天性免疫不全症候群(AIDS)
      10. 難治性の心不全
      11. その他
        悪液質
        倦怠感
        リンパ浮腫
    24. 以下の腫瘍学的緊急症に適切に対応できる
      高カルシウム血症
      上大静脈症候群
      大量出血(吐血、下血、喀血など)
      脊髄圧迫
    25. セデーションの適応と限界、その問題点を患者と家族に説明し、必要時に適切なセデーションを行うことができる

    Ⅱ. 腫瘍学

    1. 腫瘍各分野の専門家と協力して患者の診療にあたることができる
    2. 各種悪性腫瘍の基本的な治療方法を具体的に述べることができる
    3. 頻度の高い疾患の外科療法(外科・整形外科的治療)の適応とその方法について述べることができる
    4. 頻度の高い疾患の放射線療法の適応とその方法について述べることができる
    5. 頻度の高い疾患の化学療法の適応とその方法について述べることができる

    Ⅲ. 心理社会的側面

    ◆心理的反応

    1. 喪失反応が色々な場面で、様々な形で現れることを理解し、それが悲しみを癒すための重要なプロセスであることに配慮する
    2. 希望を持つことの重要性について知り、場合によってはその希望の成就が、病気の治癒に代わる治療目標となりうることを理解する
    3. 子どもや心理的に傷つきやすい人に特に配慮することができる
    4. 喪失体験や悪い知らせを聞いた後の以下のような心理的反応を認識し、適切に対応できる
      1. 怒り
      2. 罪責感
      3. 否認
      4. 沈黙
      5. 悲嘆
    5. 病的悲嘆のスクリーニングを行い、適切に対処することができる

    ◆コミュニケーション

    1. 患者の人格を尊重し、傾聴することができる
    2. 患者が病状をどのように把握しているかを聞き、評価することができる
    3. 患者および家族に病気の診断や見通し、治療方針について(特に悪い知らせを)適切に伝えることができる
    4. よいタイミングで、必要な情報を患者に伝えることができる
    5. 困難な質問や感情の表出に対応できる
    6. 患者や家族の恐怖感や不安感をひきだし、それに対応することができる
    7. 患者の自立性を尊重し、支援することができる

    ◆社会的経済的問題の理解と援助

    1. 患者や家族のおかれた社会的、経済的問題に配慮することができる
    2. ソーシャルワーカ等と協力して、患者・家族の社会的、経済的援助のための社会資源を適切に紹介、利用することができる

    ◆家族のケア

    1. 家族の構成員がそれぞれ病状や予後に対して異なる考えや見通しを持っていることに配慮できる
    2. 家族の構成員が持つコミュニケーションスタイルやコーピングスタイルを理解し適切に対応、援助をすることができる
    3. 看護師やソーシャルワーカと協力し、家族の援助を行うための社会資源を利用することができる

    ◆死別による悲嘆反応

    1. 以下のことを行うことができる
      1. 予期悲嘆に対する対処
      2. 死別を体験した人のサポート
      3. 家族に対して死別の準備を促す
      4. 複雑な悲嘆反応をスクリーニングし適切に対処する
      5. 抑うつを早期に発見し、専門家に紹介する

    Ⅳ. 自分自身およびスタッフの心理的ケア

    1. チームメンバーや自分の心理的ストレスを認識することができる
    2. 自分自身の心理的ストレスに対して他のスタッフに助けを求めることの重要性を認識する
    3. 自分自身の個人的な意見や死に対する考え方が患者およびスタッフに影響を与えることを認識する
    4. ケアの提供にあたって体験する自分の死別体験、喪失体験の重要性を認識する
    5. ケアが不十分だったのではないかという自分、および他のスタッフの罪責感をチーム内で話し合い、乗り越えることができる
    6. スタッフサポートの方法論を知り、実践することができる
    7. スタッフが常に死や喪失体験と向き合っているということを理解し、正常の心理反応といわゆる燃え尽き反応を区別することができる

    Ⅴ. スピリチュアルな側面

    1. 診療にあたり患者・家族の信念や価値観を尊重することができる
    2. 患者や家族、医療者の死生観がスピリチュアルペインに及ぼす影響と重要性を認識する
    3. スピリチュアルペイン、および宗教的、文化的背景が患者のQOL に大きな影響をもたらすことを認識する
    4. 患者・家族の持つ宗教による死のとらえ方を尊重することができる
    5. 患者のスピリチュアルペインを正しく理解し、適切な援助をすることができる

    Ⅵ. 倫理的側面

    1. 患者や家族の治療に対する考えや意志を尊重し、配慮することができる
    2. 医療における倫理的問題に気づくことができる
    3. 医療における基本的な倫理原則について述べることができる
    4. 患者が治療を拒否する権利や他の治療についての情報を得る権利を尊重できる
    5. 患者・家族と治療およびケアの方法について話し合い、治療計画をともに作成することができる
    6. 尊厳死や安楽死の希望に対して、適切に対応することができる
    7. 個々の倫理的問題を所属機関の倫理委員会に提出することができる

    Ⅶ. チームワークとマネジメント

    1. 他のスタッフおよびボランティアについてその果たす役割を述べ、お互いに尊重し合うことができる
    2. チーム医療の重要性と難しさを理解し、チームの一員として働くことができる
    3. リーダーシップの重要性について理解し、チーム構成員の能力の向上に配慮できる
    4. 他領域の専門医に対して緩和医療のコンサルタントとして適切な助言を行い、協力して医療を提供する事ができる
    5. 他領域の専門医に対して適切にアドバイスを求め、療養に関する幅広い選択肢を患者・家族に提供し、互いに協力して医療を提供する事ができる
    6. 緩和ケア病棟、緩和ケアチームおよび在宅緩和ケアについてそれぞれの役割について述べることができ、自分が所属する組織の地域における役割を述べ、周囲の医療機関と協力して適切に医療を提供することができる
    7. 基本的なグループダイナミクスとその重要性について述べることができる
    8. 緩和ケア病棟、緩和ケアチームおよび在宅緩和ケアに関する医療保険・介護保険制度について具体的に述べることができる

    Ⅷ. 研究と教育

    1. 臨床現場で起こる日常の疑問について、常に最新の知識を得るよう心がけることができる
    2. 臨床研究の重要性を知り、緩和医療に関する未解決な問題に対して行われる臨床研究に参加することができる
    3. 医学的論文の批判的吟味を行うことができる
    4. Medline や医学中央雑誌などの医学文献データベースを利用し体系的文献検索を行うことができる
    5. 二次資料(Up To DateやCochrane Library など)を適切に利用することができる
    6. 成人学習理論に基づいた教育の基本的な手法について知り、実践することができる
    7. 所属する各機関およびその地域に於いて緩和医療の教育・啓発・普及活動を行うことができる
    8. 緩和医療に関する学会・研修会等に積極的に参加し、診療・研究業績を発表することができる

    ※ 注釈 : 緩和医療に従事するものにとって、研究についての能力を持つことが必要である理由は以下の3 点にまとめられる

    1) 日常に起こる臨床疑問についての解決方法を得るために、文献検索を行うことは必須であること
    2) 文献を読むためにはまずその文献の質(研究方法やバイアス、限界)を評価する必要があること
    3) 緩和医療は未発達な部分が多く、今後研究によって治療方法を探索、開発する必要が大きいと考えられること

    また、教育についての能力を持つ必要性は以下の3 点にまとめられる。

    1) ともに医療にあたる同僚に対して必要な能力の伝達を行うことが必須であること
    2) 教育を行うことが緩和医療に関する生涯学習につながること
    3) 地域における緩和医療の充実のため、他施設や診療所の医師をはじめとする医療従事者に緩和医療の教育を行うことは必要不可欠であること

    Ⅸ. その他

    1. 臨死期および死後の患者・家族の心理に配慮することができる
    2. 死因を適切に診断し、患者および家族に説明することができる
    3. 我が国におけるホスピス・緩和ケアの歴史と現状、展望について概説できる
  12. 12関連領域の研修に関して

    施設内での研修:可能
    施設外との交流研修:可能
    研修領域の決定:本人の意向を研修責任者が聴取し相談にて決定する

  13. 13共通領域研修について

    がんサポートチームセミナー 隔月1回
    オンコロジ―セミナー 隔月1回
    Cancer board  月1回
    職員研修部・病理診断部CPC 月1回
    緩和ケア内科抄読会 週1回
    3病院合同緩和ケアチームカンファレンス 年2回

  1. 1診療科(専門領域)

    緩和ケア内科

  2. 2コースの概要

    初期研修を修了し、日本内科学会認定医、日本緩和医療学会専門医取得を目指すもの者を対象。
    腫瘍学研修を含む緩和ケアチームでの緩和ケア内科専門プログラムを選択。

  3. 3取得資格

    国立病院機構における診療認定医(I)(Ⅱ)資格
    日本内科学会認定医の取得資格
      -初期研修終了後1年の教育病院における内科研修
      -受験時に18か月以上の内科研修
    日本緩和医療学会専門医の取得資格
      -基本領域の認定医または専門医取得
      -初期研修終了後5年の緩和ケアの経験
      -2年以上の日本緩和医療学会研修認定施設での研修

  4. 4長期目標

    緩和ケアの専門知識の習得
    臨床腫瘍学を理解し早期からの緩和ケアの実践を行う
    緩和ケアチームメンバーとしてチームアプローチに重点を置き緩和ケアを実践する

  5. 5取得手技

  6. 6研修期間

    5年間

  7. 7募集人数

    1名

    1年目 2年目 3年目 4年目 5年目

    内科(腫瘍学を含む)研修、院外緩和ケア病棟研修を含む

  8. 8診療科の実績と経験目標症例数

    緩和ケア目標症例数と件数の調査年度

    主要疾患 緩和ケアチーム介入
    入院数 (年間)
    経験目標症例数(12ヶ月間)
    悪性腫瘍 300 80
    非悪性腫瘍 3 2
    介入項目 件数(年間) 経験目標件数(12ヶ月間)
    がん疼痛 240 60
    疼痛以外の身体症状 180 50
    精神症状 190 50
    その他
  9. 9診療科の指導体制

    診療科医師数:常勤 2 名、非常勤     名
    診療科研修の指導にあたる医師: 2 名
    主として研修指導にあたる医師の氏名:里見 絵理子  
    主として研修指導にあたる医師の診療科経験年数: 17 年

  10. 10コンセプト

    緩和医療は、生命を脅かすような疾患、特に治癒することが困難な疾患を持つ患者および家族のクオリティー・オブ・ライフ(QOL)の向上のために、療養の場にかかわらず病気の全経過にわたり医療や福祉及びその他の様々な職種が協働し、患者と家族が可能な限り人間らしく快適な生活を送ることができるような医学的アプローチである。特に、当院においては、がん患者とその家族に対して診断の早期から積極的な緩和ケアの導入に緩和ケアチームの一員として関わり、急性期病院抗がん治療中および進行終末期緩和ケアを実践している。On the job trainingで多くの症例を経験し専門的知識・技能に加え、多様性を学ぶことができる。また、当院では緩和ケア病棟は2011年4月現在設置されていないため、希望者は院外施設においてホスピス緩和ケア研修をおこなう。緩和ケアを専門にするにあたり、基本的診療能力は不可欠であるため、腫瘍学を中心とした内科研修を必須とし内科認定医取得を目指す

    緩和医療を実践する医師の資質と態度
    1. 医師は緩和医療が患者の余命に関わらず、そのQOL の維持・向上を目指したものである事を
      理解する。患者や家族のニードは常に変化し、ケアの目標も変化するため、常に見直しを行う
      ことが必要である。
    2. 全ての患者は、異なった人生を生き、死に直面している。医師は病気を疾患としてとらえるだけ
      でなく、その人の人生の中で病気がどのような意味をもっているか(meaning of illness)を重要視
      しなければならない。医師は、患者、家族を全人的に、身体的だけではなく、心理的、社会的、霊的
      (spiritual)に把握し、理解する必要がある。
    3. 医師は、患者のみならず、患者を取り巻く家族や友人もケアの対象である事を理解する。
    4. 医師は、患者に医学的に正しいと思うことを強制しないよう、特別の配慮が必要である。患者にとって安楽なことは、個々人で全く違うものであることを理解し、患者の自律性や選択を重要視する。
    5. 緩和医療を実践する医師は医師として医学的判断や技術に優れていることが最も重要だが、それと同時にコミュニケーション能力も重要である。患者、家族、そして医療チーム内で良好なコミュニケーションをとることができる事が必要である。
    6. 医師は、診療にあたって十分な説明とそれに基づく患者および家族の同意(informed consent)を得ることが必要不可欠であり、患者・家族が判断に迷うとき、セカンドオピニオンを得るために自施設以外の他の施設への受診などについて配慮する必要がある。
    7. 医師は緩和医療を行うチームの中でその一員として働くことが重要である。チームメンバーのそれぞれの専門性と意見を大切にし、チームが円滑に運営されるよう常に心がける必要がある。
  11. 11一般目標

    生命を脅かす疾患(主に悪性腫瘍)に罹患している患者・家族のQOL の向上のために緩和医療を実践し、さらに本分野の教育や臨床研究を行うことができる能力を身につける。

    <到達目標>

    Ⅰ. 症状マネジメント

    1. 患者の苦痛を全人的苦痛(total pain)として理解し、身体的だけではな く、心理的、社会的、霊的(spiritual)に把握することができる
    2. 症状のマネジメントおよび日常生活動作(ADL)の維持、改善がQOL の向 上につながることを理解している
    3. 症状の早期発見、治療や予防について常に配慮することができる
    4. 症状マネジメントは患者・家族と医療チームによる共同作業であるということを理解することができる
    5. 症状マネジメントに対して、患者・家族が過度の期待を持つ傾向がある ことを認識し、常に現実的な目標を設定し、患者・家族と共有することがで きる
    6. 自らの力量の限界を認識し、自分の対応できない問題について、適切な時期に専門家に助言を求めることができる
    7. 症状マネジメントに必要な薬物の作用機序およびその薬理学的特徴について述べることができる
    8. 鎮痛薬(オピオイド、非オピオイド)や鎮痛補助薬を正しく理解し、処方することができる
    9. 薬物の経口投与や非経口投与(持続皮下注法や持続静脈注射法など)を正しく行うことができる
    10. オピオイドをはじめとする症状マネジメントに必要な薬剤の副作用に対して、適切に予防、対処を行うことができる
    11. 様々な病態に対する非薬物療法(放射線療法、外科的療法、神経ブロ ックなど)の適応について判断することができ、適切に施行するか、もしくは各分野の専門家に相談および紹介することができる
    12. 様々な症状の非薬物療法について述べることができる
    13. 病歴聴取(発症時期、発症様式、苦痛の部位、性質、程度、持続期間、 推移、増悪・軽快因子など)、 身体所見を適切にとることができる
    14. 各種症状を適切に評価することができる
    15. 痛みの定義について述べることができる
    16. 痛みをはじめとする諸症状の成因やそのメカニズムについて述べることができる
    17. 症状のアセスメントについて具体的に説明することができる
    18. 痛みの種類と、典型的な痛み症候群について説明することができる
    19. WHO 方式がん疼痛治療法について具体的に説明できる(鎮痛薬の使い方5原則、モルヒネの至適濃度の説明を含む)
    20. 神経障害性疼痛について、その原因と痛みの性状について述べ治療法を説明することができる
    21. 患者のADL を正確に把握し、ADL の維持、改善をリハビリテーションスタッフらとともに行うことができる
    22. 終末期の輸液について十分な知識を持ち適切に施行することができる
    23. 以下の疾患および症状、状態における苦痛の緩和を適切に行うことができる

      項目

      • 疼痛
        がん性疼痛
        侵害受容性疼痛
        神経障害性疼痛
        非がん性疼痛
      • 消化器系
        食欲不振
        嘔気 嘔吐
        便秘
        下痢
        消化管閉塞
        腹部膨満感
        腹痛
        吃逆
        嚥下困難
        口腔・食道カンジダ症
        口内炎
        黄疸
        肝不全
        肝硬変
      • 呼吸器系


        呼吸困難
        死前喘鳴
        気道分泌
        胸痛
        誤嚥性肺炎
        難治性の肺疾患
      • 皮膚の問題
        褥瘡
        ストマケア
        皮膚潰瘍
        皮膚掻痒症
      • 腎・尿路系
        血尿
        尿失禁
        排尿困難
        膀胱部痛
        水腎症(腎瘻の適応決定を含む)
        慢性腎不全
        人工透析患者
      • 神経系
        原発性・転移性脳腫瘍
        頭蓋内圧亢進症
        けいれん発作
        四肢および体幹の麻痺
        腫瘍随伴症候群
      • 精神症状
        適応障害
        不安
        うつ病 (抑うつ)
        不眠
        せん妄
        怒り
        恐怖
      • 胸水、腹水、心嚢水
      • 後天性免疫不全症候群(AIDS)
      • 難治性の心不全
      • その他
        悪液質
        倦怠感
        リンパ浮腫
    24. 以下の腫瘍学的緊急症に適切に対応できる

      高カルシウム血症
      上大静脈症候群
      大量出血(吐血、下血、喀血など)
      脊髄圧迫

    25. セデーションの適応と限界、その問題点を患者と家族に説明し、必要時に適切なセデーションを行うことができる

      Ⅱ. 腫瘍学

      1. 腫瘍各分野の専門家と協力して患者の診療にあたることができる
      2. 各種悪性腫瘍の基本的な治療方法を具体的に述べることができる
      3. 頻度の高い疾患の外科療法(外科・整形外科的治療)の適応とその方法について述べることができる
      4. 頻度の高い疾患の放射線療法の適応とその方法について述べることができる
      5. 頻度の高い疾患の化学療法の適応とその方法について述べることができる

      Ⅲ. 心理社会的側面

      ◆心理的反応

      1. 喪失反応が色々な場面で、様々な形で現れることを理解し、それが悲しみを癒すための重要なプロセスであることに配慮する
      2. 希望を持つことの重要性について知り、場合によってはその希望の成就が、病気の治癒に代わる治療目標となりうることを理解する
      3. 子どもや心理的に傷つきやすい人に特に配慮することができる
      4. 喪失体験や悪い知らせを聞いた後の以下のような心理的反応を認識し、適切に対応できる
        • 怒り
        • 罪責感
        • 否認
        • 沈黙
        • 悲嘆
      5. 病的悲嘆のスクリーニングを行い、適切に対処することができる

      ◆コミュニケーション

      1. 患者の人格を尊重し、傾聴することができる
      2. 患者が病状をどのように把握しているかを聞き、評価することができる
      3. 患者および家族に病気の診断や見通し、治療方針について(特に悪い知らせを)適切に伝えることができる
      4. よいタイミングで、必要な情報を患者に伝えることができる
      5. 困難な質問や感情の表出に対応できる
      6. 患者や家族の恐怖感や不安感をひきだし、それに対応することができる
      7. 患者の自立性を尊重し、支援することができる

      ◆社会的経済的問題の理解と援助

      1. 患者や家族のおかれた社会的、経済的問題に配慮することができる
      2. ソーシャルワーカ等と協力して、患者・家族の社会的、経済的援助のための社会資源を適切に紹介、利用することができる

      ◆家族のケア

      1. 家族の構成員がそれぞれ病状や予後に対して異なる考えや見通しを持っていることに配慮できる
      2. 家族の構成員が持つコミュニケーションスタイルやコーピングスタイルを理解し適切に対応、援助をすることができる
      3. 看護師やソーシャルワーカと協力し、家族の援助を行うための社会資源を利用することができる

      ◆死別による悲嘆反応

      1. 以下のことを行うことができる
        1. 予期悲嘆に対する対処
        2. 死別を体験した人のサポート
        3. 家族に対して死別の準備を促す
        4. 複雑な悲嘆反応をスクリーニングし適切に対処する
        5. 抑うつを早期に発見し、専門家に紹介する

      Ⅳ. 自分自身およびスタッフの心理的ケア

      1. チームメンバーや自分の心理的ストレスを認識することができる
      2. 自分自身の心理的ストレスに対して他のスタッフに助けを求めることの重要性を認識する
      3. 自分自身の個人的な意見や死に対する考え方が患者およびスタッフに影響を与えることを認識する
      4. ケアの提供にあたって体験する自分の死別体験、喪失体験の重要性を認識する
      5. ケアが不十分だったのではないかという自分、および他のスタッフの罪責感をチーム内で話し合い、乗り越えることができる
      6. スタッフサポートの方法論を知り、実践することができる
      7. スタッフが常に死や喪失体験と向き合っているということを理解し、正常の心理反応といわゆる燃え尽き反応を区別することができる

      Ⅴ. スピリチュアルな側面

      1. 診療にあたり患者・家族の信念や価値観を尊重することができる
      2. 患者や家族、医療者の死生観がスピリチュアルペインに及ぼす影響と重要性を認識する
      3. スピリチュアルペイン、および宗教的、文化的背景が患者のQOL に大きな影響をもたらすことを認識する
      4. 患者・家族の持つ宗教による死のとらえ方を尊重することができる
      5. 患者のスピリチュアルペインを正しく理解し、適切な援助をすることができる

      Ⅵ. 倫理的側面

      1. 患者や家族の治療に対する考えや意志を尊重し、配慮することができる
      2. 医療における倫理的問題に気づくことができる
      3. 医療における基本的な倫理原則について述べることができる
      4. 患者が治療を拒否する権利や他の治療についての情報を得る権利を尊重できる
      5. 患者・家族と治療およびケアの方法について話し合い、治療計画をともに作成することができる
      6. 尊厳死や安楽死の希望に対して、適切に対応することができる
      7. 個々の倫理的問題を所属機関の倫理委員会に提出することができる

      Ⅶ. チームワークとマネジメント

      1. 他のスタッフおよびボランティアについてその果たす役割を述べ、お互いに尊重し合うことができる
      2. チーム医療の重要性と難しさを理解し、チームの一員として働くことができる
      3. リーダーシップの重要性について理解し、チーム構成員の能力の向上に配慮できる
      4. 他領域の専門医に対して緩和医療のコンサルタントとして適切な助言を行い、協力して医療を提供する事ができる
      5. 他領域の専門医に対して適切にアドバイスを求め、療養に関する幅広い選択肢を患者・家族に提供し、互いに協力して医療を提供する事ができる
      6. 緩和ケア病棟、緩和ケアチームおよび在宅緩和ケアについてそれぞれの役割について述べることができ、自分が所属する組織の地域における役割を述べ、周囲の医療機関と協力して適切に医療を提供することができる
      7. 基本的なグループダイナミクスとその重要性について述べることができる
      8. 緩和ケア病棟、緩和ケアチームおよび在宅緩和ケアに関する医療保険・介護保険制度について具体的に述べることができる

      Ⅷ. 研究と教育

      1. 臨床現場で起こる日常の疑問について、常に最新の知識を得るよう心がけることができる
      2. 臨床研究の重要性を知り、緩和医療に関する未解決な問題に対して行われる臨床研究に参加することができる
      3. 医学的論文の批判的吟味を行うことができる
      4. Medline や医学中央雑誌などの医学文献データベースを利用し体系的文献検索を行うことができる
      5. 二次資料(Up To DateやCochrane Library など)を適切に利用することができる
      6. 成人学習理論に基づいた教育の基本的な手法について知り、実践することができる
      7. 所属する各機関およびその地域に於いて緩和医療の教育・啓発・普及活動を行うことができる
      8. 緩和医療に関する学会・研修会等に積極的に参加し、診療・研究業績を発表することができる

      ※ 注釈 : 緩和医療に従事するものにとって、研究についての能力を持つことが必要である
      理由は以下の3 点にまとめられる。

      1) 日常に起こる臨床疑問についての解決方法を得るために、文献検索を行うことは必須であること
      2) 文献を読むためにはまずその文献の質(研究方法やバイアス、限界)を評価する必要があること
      3) 緩和医療は未発達な部分が多く、今後研究によって治療方法を探索、開発する必要が大きいと考えられること

      また、教育についての能力を持つ必要性は以下の3 点にまとめられる。

      1) ともに医療にあたる同僚に対して必要な能力の伝達を行うことが必須であること
      2) 教育を行うことが緩和医療に関する生涯学習につながること
      3) 地域における緩和医療の充実のため、他施設や診療所の医師をはじめとする医療従事者に緩和医療の教育を行うことは必要不可欠であること

      Ⅸ. その他

      1. 臨死期および死後の患者・家族の心理に配慮することができる
      2. 死因を適切に診断し、患者および家族に説明することができる
      3. 我が国におけるホスピス・緩和ケアの歴史と現状、展望について概説できる
  12. 12関連領域の研修に関して

    施設内での研修:可能
    施設外との交流研修:可能
    研修領域の決定:本人の意向を研修責任者が聴取し相談にて決定する

  13. 13共通領域研修について

    がんサポートチームセミナー 隔月1回
    オンコロジ―セミナー 隔月1回
    Cancer board  月1回
    職員研修部・病理診断部CPC 隔月1回
    緩和ケア内科抄読会 週1回
    3病院合同緩和ケアチームカンファレンス 年2回