大阪医療センター
肝臓・胆のう・膵臓

肝細胞がん

病気の概要

肝がんとは、肝細胞と胆管細胞から発生したがん。日本では約9割は肝細胞がん、残り1割は胆管細胞がんです。肝細胞がんは慢性肝炎が長引くことで発症しやすくなります。たとえ根治的に治療しても、肝臓自体が良くならなければ、何度でもがんが発生します。慢性肝炎や肝硬変の方は、肝がんの早期発見と根治的治療が欠かせません。

見つかるきっかけ
(症状)

肝細胞がんは肝臓の一部からがんが発生し、次第に大きくなります。肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、初期の肝細胞がんでは特有の症状はありません。進行すると、腹部のしこりや圧迫感、痛みなどの症状が出てきます。さらに、肝細胞がんが破裂すると、腹腔内に多量の出血を起こし、腹部の激痛がみられることがあります。

当院での検査内容

血液検査と画像検査を組み合わせた上、総合的に判断します。血液検査では、AFP・AFP-L3分画・PIVKA-IIといった肝細胞がんに特異的な腫瘍マーカーを測定します。画像検査では、CTやMRI、腹部超音波検査を行います。それでも診断が難しい場合は、針生検で組織を採取し、病理学的に診断を行うこともあります。

当院での治療内容

肝細胞がんは慢性肝炎を来した肝臓に生じることが多いため、発見時には肝機能が低下しています。そのため、がんの進行度と肝機能の2つを考慮の上、慎重に治療方針を決定します。肝細胞がんの治療には、外科手術、ラジオ波焼灼療法(RFA)、肝動脈化学塞栓術(TACE)、肝動注化学療法(TAI)、放射線治療、薬物療法などがあります。

当院での診療方針
(治療方針)

消化器内科と消化器外科、放射線科の3科が連携し、肝がん治療を進めていきます。肝機能やがんの大きさ、数、部位などを考慮の上、治療方針を決定します。肝がんのリスクが高い慢性肝炎や肝硬変の患者さんには綿密なフォローアップを行い、肝がんの早期発見と根治的治療に努めます。

対応診療科

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消化器内科

消化管がんに対して内視鏡治療から化学療法まで幅広くカバーしており、炎症性腸疾患も含め、新規薬剤を積極的に導入しています。肝疾患は専門の医療機関として中心的役割を果たしており、肝胆膵領域のがんに対してもエキスパートが対応しています。専門性を要する診療だけではなく、一般的な消化器内科診療にも力を入れています。

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肝胆膵外科

肝臓・胆道・膵臓領域の難治性がんに対する外科手術や化学療法、放射線療法などを組み合わせた治療を実践。消化器内科や放射線診断科など他部門と毎週カンファレンスを行い、チーム医療で患者さん一人ひとりに合わせた治療方針を決定しています。腹腔鏡手術などの低侵襲手術から高難度手術まで幅広い手術に対応しています。

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