大阪医療センター
肝臓・胆のう・膵臓

鼠径ヘルニア

病気の概要

鼠径ヘルニアは一般的には脱腸とも呼ばれる疾患で、腸が鼠径部(脚の付け根)から脱出する疾患です。腸のほかにも膀胱や子宮などの内臓が脱出することもあります。男性に非常に多くみられる疾患で、およそ3人に1人が罹患するともいわれています。生まれつきのものは子供に多く見られ、生まれた後に起こるものは年配の方に見られます。

見つかるきっかけ
(症状)

お腹の内容物が鼠径部から脱出することで、鼠径部が膨らみ、違和感や不快感が生じます。腹圧がかかると膨らみ、仰向けになると引っ込むことが多く、放置すると次第に大きくなります。内臓が脱出したまま元に戻らない状態(嵌頓)になる場合もあり、腸閉塞や腸の壊死の原因となります。この場合緊急手術が必要となることもあります。

当院での検査内容

鼠径ヘルニアは一般的に視診や触診などの診察で診断されることが多いですが、普段は鼠径部の膨らみが目立つものの、診察時にたまたま膨らみが目立たず、診断されにくいケースも少なからず存在します。その場合には腹部超音波検査や腹部CTなどの諸検査を補助的に用いることで診断することもあります。

当院での治療内容

原則的にメッシュと呼ばれる人工の膜をヘルニアの原因となる箇所(ヘルニア門)に留置し、内臓の脱出を防ぐ手術を行います。鼠径部を4~6cmほど切開してメッシュを留置する方法(鼠径切開法)か、またはお腹に5~12mm程度の孔を3か所ほどあけて手術を行う腹腔鏡手術(TAPP法)を行います。

当院での診療方針
(治療方針)

TAPP法での手術が原則ですが、膀胱手術や前立腺手術後、腹膜炎術後など高度の癒着が想定される場合、嵌頓例など場合によって鼠径切開法を選択します。当院では心不全の治療や人工透析など他の疾患の治療中の患者さんが多いのが特徴ですが、様々な診療科があるので連携しながらの安全に配慮された手術をうけていただくことが可能で、緊急手術も対応可能です。

対応診療科

画像

肝胆膵外科

肝臓・胆道・膵臓領域の難治性がんに対する外科手術や化学療法、放射線療法などを組み合わせた治療を実践。消化器内科や放射線診断科など他部門と毎週カンファレンスを行い、チーム医療で患者さん一人ひとりに合わせた治療方針を決定しています。腹腔鏡手術などの低侵襲手術から高難度手術まで幅広い手術に対応しています。

画像

消化器内科

消化管がんに対して内視鏡治療から化学療法まで幅広くカバーしており、炎症性腸疾患も含め、新規薬剤を積極的に導入しています。肝疾患は専門の医療機関として中心的役割を果たしており、肝胆膵領域のがんに対してもエキスパートが対応しています。専門性を要する診療だけではなく、一般的な消化器内科診療にも力を入れています。

その他の肝臓・胆のう・膵臓の病気

ホームにもどる