胆石症・胆嚢炎
病気の概要
胆石症というのは、胆嚢や胆管に石ができて、時に痛みなどさまざまな症状を引き起こす病気の総称です。結石の存在する部位により、胆嚢結石、総胆管結石、肝内胆管結石と呼ばれます。体質や食生活が主な原因とされ、胆汁中のどの成分が石となるかによってコレステロール結石や色素結石など色々な性状の石ができます。
見つかるきっかけ
(症状)
無症状で偶然発見されることもありますが、一般的な症状としては、食後に出現する、みぞおちから右わきばらにかけての痛みです。胆石によって胆汁の胆嚢から胆管への排出や胆管から十二指腸への排出が滞り、せき止められた胆汁に細菌が感染し炎症を起こした場合は発熱や黄疸(皮膚の黄染)を認めることもあります。
当院での検査内容
患者さんの状態を考慮して血液検査、腹部超音波検査、CT、MRCP(磁気共鳴胆管膵管造影検査)などを行い胆嚢の状態や石の大きさ、数、炎症の程度などを調べます。当院では超音波内視鏡を用い更に詳細に評価しています。総胆管結石を疑う場合は、内視鏡的逆行性胆管膵管造影法(ERCP)を行い、結石の診断を行うと同時に治療を行っております。
当院での治療内容
胆嚢炎に対する治療の第一選択は外科手術です。併存疾患や全身状態を考慮し手術の危険性が高い場合や手術まで待機する間は内科的に治療を行います。内科的治療の方法として絶食と抗生物質投与による保存的加療に経皮経肝胆嚢ドレナージを追加することがあります。一方、総胆管結石による胆管炎に対しては内視鏡的胆道ドレナージを、術後の方などで経乳頭的ドレナージが困難な場合は経皮経肝胆道ドレナージを行います。
当院での診療方針
(治療方針)
当院の特徴として、基幹病院であるためほぼ全ての科がそろっており、さまざまな基礎疾患を有する方の対応に複数の専門科で密に連携を取りながら対応しております。治療方針に関しても外科と垣根なく相談し適切な治療を提供します。また内視鏡治療も経験豊富な内視鏡専門の医師のもと積極的に行っておりますので当院での治療をぜひご検討下さい。
対応診療科
消化器内科
消化管がんに対して内視鏡治療から化学療法まで幅広くカバーしており、炎症性腸疾患も含め、新規薬剤を積極的に導入しています。肝疾患は専門の医療機関として中心的役割を果たしており、肝胆膵領域のがんに対してもエキスパートが対応しています。専門性を要する診療だけではなく、一般的な消化器内科診療にも力を入れています。
肝胆膵外科
肝臓・胆道・膵臓領域の難治性がんに対する外科手術や化学療法、放射線療法などを組み合わせた治療を実践。消化器内科や放射線診断科など他部門と毎週カンファレンスを行い、チーム医療で患者さん一人ひとりに合わせた治療方針を決定しています。腹腔鏡手術などの低侵襲手術から高難度手術まで幅広い手術に対応しています。