大阪医療センター
肝臓・胆のう・膵臓

膵がん

病気の概要

膵臓にできるがんには、膵管がん、腺房細胞がん、神経内分泌腫瘍などがあります。膵管から発生する膵管がんが最も多く90%ほどを占めることから、膵がんは通常この膵管がんのことを意味します。膵がんは難治性がんの代表で、膵がんの発生率は胃がんや大腸がんといった他のがんと比べ3分の1程度ですが、国内のがんによる死因の第5位となっています。

見つかるきっかけ
(症状)

食欲不振、腹満感、黄疸、体重減少、腹痛、腰背部痛などの症状が見られますが、初期では無症状のことも多く、早期の診断につながる特有の症状はありません。糖尿病が急速に悪化することで発見されることもあります。また疫学調査から糖尿病、肥満、喫煙、膵嚢胞の存在が膵がんのリスクを高めていることがわかっています。

当院での検査内容

CTやMRIなどによって画像診断を行い、病変部位や進行度(浸潤や転移)について評価を行います。これと併行して超音波内視鏡下穿刺(せんし)生検などにより病変の一部を採取し、顕微鏡で観察する病理検査を行って確定診断を得るようにしています。また胆管閉塞による黄疸がある場合には内視鏡下胆道ドレナージ術などを行い、減黄治療を行います。

当院での治療内容

膵がんの状態や患者さんの全身状態を踏まえた上で、手術または化学療法(抗がん剤治療)の方針を決定します。最近では手術可能であっても化学療法を先行することが一般的になっており、速やかに化学療法を開始できる体制を整えています。手術不能と判断された場合でも、化学療法が奏功した際には手術の可能性を追求するよう常に心がけています。

当院での診療方針
(治療方針)

膵がんは予後が悪い悪性腫瘍の一つであるため、消化器内科や消化器外科など複数の診療科を中心とした集学的治療を要することもまれではありません。当院は肝胆膵外科、消化器内視鏡、がん薬物療法のエキスパートが在籍する地域がん診療連携拠点病院であり、安心して診療を受けていただくことができます。

対応診療科

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消化器内科

消化管がんに対して内視鏡治療から化学療法まで幅広くカバーしており、炎症性腸疾患も含め、新規薬剤を積極的に導入しています。肝疾患は専門の医療機関として中心的役割を果たしており、肝胆膵領域のがんに対してもエキスパートが対応しています。専門性を要する診療だけではなく、一般的な消化器内科診療にも力を入れています。

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肝胆膵外科

肝臓・胆道・膵臓領域の難治性がんに対する外科手術や化学療法、放射線療法などを組み合わせた治療を実践。消化器内科や放射線診断科など他部門と毎週カンファレンスを行い、チーム医療で患者さん一人ひとりに合わせた治療方針を決定しています。腹腔鏡手術などの低侵襲手術から高難度手術まで幅広い手術に対応しています。

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