大阪医療センター
肝臓・胆のう・膵臓

膵炎

病気の概要

急性膵炎とは、何らかの原因によって膵酵素が膵内で病的な活性化を受け、膵臓と周囲組織を自己消化していく疾患です。重症例では適切な治療を行っても10〜30%と高い死亡率であると報告されています。一方、慢性膵炎とは、膵臓に炎症が繰り返し起こることで膵実質が緩徐に破壊されて、長い時間をかけて線維組織に置き換えられる状態であり、アルコール過飲が主な誘因です。

見つかるきっかけ
(症状)

急性膵炎では急な上腹部痛や背部痛、嘔気(おうき)がみられ、時に発熱や黄疸を伴うことがあります。慢性膵炎では上腹部痛や背部痛、腹部膨満感、嘔気・嘔吐、食欲不振がみられ、膵機能低下に伴って消化・吸収が悪くなるために下痢(脂肪便)を起こしたり、糖尿病を合併することもあります。

当院での検査内容

急性膵炎が疑われる場合は、まず血液検査、腹部超音波検査、CT検査などを行います。また急性膵炎の原因検索や重症度などによっては追加の検査が必要です。慢性膵炎の診断には、血液検査、腹部超音波検査、CT検査などを行います。膵石があれば慢性膵炎の診断が確定します。必要に応じて糖尿病についての検査や膵外分泌機能検査を行います。

当院での治療内容

急性膵炎は緊急入院となる場合がほとんどです。大量の点滴を行うとともに、膵炎の治療薬を投与します。重症例では集中治療が必要となることもあります。慢性膵炎では禁酒が最も重要ですが、疼痛や糖尿病、消化吸収障害があれば治療薬の調整を行います。急に強い炎症を伴うこともあり、この場合は急性膵炎に準じた治療が必要となります。

当院での診療方針
(治療方針)

重症急性膵炎では、炎症が全身に波及していき、腎臓や肺などの臓器機能に影響を及ぼすことがあります。また膵炎が治まった後にも仮性嚢胞という液体貯留を形成することがあり、出血や感染を合併する場合には内視鏡治療、血管内治療などが必要となります。集学的治療が必要となる場合には、他の専門科と連携しながら治療にあたっています。

対応診療科

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消化器内科

消化管がんに対して内視鏡治療から化学療法まで幅広くカバーしており、炎症性腸疾患も含め、新規薬剤を積極的に導入しています。肝疾患は専門の医療機関として中心的役割を果たしており、肝胆膵領域のがんに対してもエキスパートが対応しています。専門性を要する診療だけではなく、一般的な消化器内科診療にも力を入れています。

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肝胆膵外科

肝臓・胆道・膵臓領域の難治性がんに対する外科手術や化学療法、放射線療法などを組み合わせた治療を実践。消化器内科や放射線診断科など他部門と毎週カンファレンスを行い、チーム医療で患者さん一人ひとりに合わせた治療方針を決定しています。腹腔鏡手術などの低侵襲手術から高難度手術まで幅広い手術に対応しています。

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