大阪医療センター
生殖器

子宮頸がん

病気の概要

子宮の下部(子宮頸部)から発生するがんで、全国で年間約1万人の方が罹患し、約3,000人が亡くなっています。日本ではいまだに増加傾向にあり、また近年20~30歳代の若い女性に増えてきています。ほとんどがヒトパピローマウイルス(HPV)感染が原因で、ワクチン接種とがん検診により死亡率を減らすことが期待されています。

見つかるきっかけ
(症状)

子宮頸部異形成や初期の子宮頸がんはほとんど症状がありません。子宮頸がん検診を受けると、細胞診という簡単な検査で異常な細胞を検出し、無症状のときから早期発見することが可能です。月経時以外の出血や、性行為の際の出血、普段と違うおりもの増加などの症状があるときは、ためらわずに受診することが早期発見につながります。

当院での検査内容

がん検診など細胞診で異常が認められた場合、コルポスコピー(拡大鏡)で詳細に観察し、組織診を行います。子宮頸がんと診断された場合、内診、超音波検査、CT、MRI、PET等で進行期(ステージ)を判定します。正確な進行期を判定するために、膀胱鏡や直腸鏡検査を追加したり、子宮頸部円錐切除術による組織診を行ったりすることもあります。

当院での治療内容

手術は進行期によって子宮頸部円錐切除術、単純子宮全摘術、広汎子宮全摘術などを行います。適応があれば腹腔鏡やロボット手術も選択できます。広汎子宮全摘術では、可能なら神経温存術式で排尿障害など術後合併症の軽減をはかっています。必要なら術後追加治療を行います。放射線と抗がん剤の併用療法(CCRT)も実施可能です。

当院での診療方針
(治療方針)

がんの進行の程度や合併症の有無などの病状と、患者さんの年齢、妊娠希望の有無、社会的背景など一人ひとりの状況に応じて治療の選択肢を丁寧に説明し、治療方針を決定しています。子宮頸がんは、HPVワクチンと簡単な検診で撲滅することも不可能ではないと考えられていますので、是非受診をご検討ください。

対応診療科

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産婦人科

正確な診断と、患者さんやご家族と相互理解を深めた上での治療方針決定を心がけています。悪性腫瘍に対しては手術療法や集学的治療、腹腔鏡下手術、子宮鏡下手術のほか、ロボット支援下手術も実施。産科では、異常がない限り自然な分娩をめざしており、総合病院の強みを生かして合併症のある妊婦さんにも対応しています。

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