大阪医療センター
生殖器

前立腺がん

病気の概要

2019年に日本の男性がん罹患患者数は9万人を超え、第1位となりました。前立腺に発生する悪性腫瘍です。60歳以上に発症しやすく、同じ家系で発症することもあるため、加齢や遺伝の影響が考えられています。原因としては、男性ホルモン環境、肥満、動物性脂肪などの関与、遺伝子異常などの関連が考えられている病気です。

見つかるきっかけ
(症状)

早期の前立腺がんは、自覚症状はほとんどありません。がんが大きくなると、排尿困難や残尿感などの症状が出てきます。進行した場合は、尿が出なくなったり、血尿が出たりすることもあります。早期発見に役立つPSA検査が普及し、早期診断される患者さんが大半です。一方、骨への転移による痛みや骨折で診断されることもあります。

当院での検査内容

前立腺がんの場合、PSA(前立腺特異抗原)というタンパク質の血中濃度が高くなるため、血液検査でPSAを測定します。前立腺炎や前立腺肥大症でもPSAの数値が上昇することがあるため、PSAが高い場合は超音波検査やMRIなどで評価します。前立腺がんが疑われる場合、前立腺生検術により確定診断を行います。

当院での治療内容

進行度や転移の有無に応じて、手術療法、放射線療法や内分泌療法を選択します。転移がない場合、局所療法として手術療法あるいは放射線療法を実施します。PSA値やMRI、病理診断によるリスク分類により、放射線療法には内分泌療法を併用します。一方、転移がある場合は、男性ホルモンの分泌や働きを抑える内分泌療法を行います。

当院での診療方針
(治療方針)

前立腺がんは比較的進行が遅く、良好な予後が見込めるがんです。手術療法はロボット手術支援機器による前立腺摘除術を行います。放射線療法は、強度変調放射線治療(IMRT)、あるいは重粒子線治療を選択します。進行がんに対しては、新規ホルモン剤のほか、がん遺伝子パネル検査に基づいた薬剤、抗がん剤などを使用します。

対応診療科

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泌尿器科

悪性腫瘍から尿路結石症や前立腺疾患、排尿障害、蓄尿障害などの良性疾患までほぼすべての泌尿器科疾患に対応できる体制を整えています。手術は低侵襲であるロボット支援下手術や腹腔鏡手術を第一選択とし、尿路結石症は軟性尿管鏡・レーザーを用いた内視鏡手術でより早期での完全排石を実現するようにしています。

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