大阪医療センター
消化管

食道裂孔ヘルニア

病気の概要

体の中には胸と腹を隔てる横隔膜という膜状の筋肉があります。この横隔膜には血管や食道が通る穴があいていますが、このうち食道が通る穴(食道裂孔)から本来横隔膜の腹側にあるはずの胃の一部が胸側に飛び出してしまう状態を食道裂孔ヘルニアといいます。高齢化や、食生活の欧米化などによって肥満者が増えていることから、近年増加傾向にあります。

見つかるきっかけ
(症状)

食道裂孔ヘルニアは症状が出ないことも多いですが、胃酸が食道に逆流しやすい状態になっていることから、胸焼けなどの症状が現れる場合もあります。また脱出した胃が横隔膜で締め付けられている場合には食べ物がつかえる感じや胸のあたりの痛みが出ることもあります。

当院での検査内容

内視鏡検査を行い食道側と胃側の両方から胃粘膜の状態を確認します。食道と胃のつなぎ目の位置の確認と、食道裂孔のたるみの有無を確認することができます。また逆流性食道炎の診断も同時に行います。他の検査としては胃食道X線造影検査があり、バリウムを飲み食道や胃の形状や動きを確認することで食道裂孔ヘルニアの有無や程度が分かります。

当院での治療内容

食べ過ぎを避け、食後にすぐに横にならないといった生活習慣の改善と薬物療法を優先的に行います。症状がない場合には治療はせずに経過観察を行う場合もあります。改善がみられない場合や逆流症状の程度が非常に強い場合には外科的手術を行うこともあります。

当院での診療方針
(治療方針)

食道裂孔ヘルニアではまず内科治療が検討されますが、それでも改善しない場合には外科的手術が必要になります。近年では腹腔鏡手術の技術が向上したため、患者さんへの負担が少ない手術が行えるようになっています。食道裂孔ヘルニアの症状でお困りの患者さんはぜひ当院の受診をご検討ください。

対応診療科

画像

消化器内科

消化管がんに対して内視鏡治療から化学療法まで幅広くカバーしており、炎症性腸疾患も含め、新規薬剤を積極的に導入しています。肝疾患は専門の医療機関として中心的役割を果たしており、肝胆膵領域のがんに対してもエキスパートが対応しています。専門性を要する診療だけではなく、一般的な消化器内科診療にも力を入れています。

画像

上部消化管外科

食道がんでは、外科切除か化学放射線療法の選択、根治切除術など、進行度に応じた先進的かつ科学的根拠に基づく治療を提供。胃がんでは、早期症例の場合は早期回復と機能温存をめざした腹腔鏡下手術や機能温存術を、進行がんの場合は集学的治療により治癒をめざします。治癒や臨床試験にも積極的に取り組んでいます。

ホームにもどる