大阪医療センター
消化管

憩室炎

病気の概要

繰り返すおなかの痛みの原因の一つに憩室炎があります。憩室(けいしつ)とは腸の壁の一部が外側へ袋状に飛び出してしまったものです。この憩室に炎症が起こった状態が憩室炎です。近年は食習慣の欧米化や高齢化に伴い、憩室炎の患者数が増えており、大腸に憩室を持っている人の中で憩室炎を経験するのは、そのうちの1~2割程度だといわれています。

見つかるきっかけ
(症状)

憩室炎の代表的な症状には、発熱、腹痛、吐き気・嘔吐、便通異常(便秘、下痢など)があり、中でも腹痛と発熱は特に多く見られますが、これらは憩室炎に限った症状ではありません。憩室炎を一度でも起こしたことのある人は、前回と同じような場所に腹痛を感じたときには再発の可能性を考える必要があります。

当院での検査内容

憩室炎が疑われたときには、問診と身体診察を受けた後に、血液検査、レントゲン(X線)検査、腹部超音波検査、腹部CT検査、大腸内視鏡検査といった検査が行われます。画像検査の中でも腹部CT検査は憩室炎を見つけるのを得意としていて、憩室炎を疑われた人のほとんどが受けることになる検査です。

当院での治療内容

憩室炎の炎症がそれほど広がらずに重症化していない人は、必ずしも入院する必要はなく、外来で通院しながら治療を受けることができます。一方で、炎症が腸の外側からおなか全体に広がって、汎発性腹膜炎の状態になっている人は、手術が必要だったり、長期にわたって食事を中止したりすることもありますので、入院での治療が勧められます。

当院での診療方針
(治療方針)

憩室炎は、ほとんどの人は手術を受けずに治療できる病気ですが、再発することがあります。一度憩室炎を起こした人は普段から自分の体調には気を配るようにしてください。特に以前と同じような場所におなかの痛みが出てきたときは、再発の可能性があります。早めに医療機関を受診するなどして対処することが望ましいです。

対応診療科

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消化器内科

消化管がんに対して内視鏡治療から化学療法まで幅広くカバーしており、炎症性腸疾患も含め、新規薬剤を積極的に導入しています。肝疾患は専門の医療機関として中心的役割を果たしており、肝胆膵領域のがんに対してもエキスパートが対応しています。専門性を要する診療だけではなく、一般的な消化器内科診療にも力を入れています。

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下部消化管外科

大腸がん治療ガイドラインに準じた大腸がん治療を中心に、炎症性腸疾患・下部消化管救急疾患の手術を行っています。年間手術は350例を超えており、腹腔鏡手術割合は90%です(2021年1~12月実績)。また、他院では手に負えないような難治性疾患、再発がん(特に再発直腸がん)に対しても積極的に受け入れ、外科治療を行っています。

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