大阪医療センター
消化管

直腸がん

病気の概要

大腸がんのなかでも、肛門からすぐ近くの「直腸」と呼ばれる部分(肛門から20センチメートルほどの大腸のこと)にがんができるのが「直腸がん」です。日本人に多く、大腸がんのうち約40%-50%を占めています。直腸の周辺には、泌尿器系の自律神経が集中しており、難しい手術になることも多く、再発率が高いことも知られています。

見つかるきっかけ
(症状)

直腸がんは健診などの便潜血検査で、見つかることが多いです。最も多い症状は血便です。直腸は自律神経によって支配されていて、痛みを感じる神経はありません。そのため直腸に異常があっても、痛みはありません。がんが大きくなると便秘や便の狭小化や下痢、腹痛などの症状が出現します。これらの症状がきっかけで見つかることもあります。

当院での検査内容

当院では、便潜血検査で陽性となった方や、家族歴、既往歴で大腸ポリープが疑われる場合、あるいは、血便や便が細い、腹痛などの症状のある患者さんに対しては、大腸内視鏡検査を実施しております。直腸がんが見つかった場合には、CT検査やMRI検査などを追加し、がんがどの程度、広がっているのかを確認します。

当院での治療内容

がんが小さく、粘膜内にとどまっている場合には、内視鏡治療が可能な場合もあります。がんが大きく、肛門に近い場合は、人工肛門が必要となることもありますが、肛門温存を目指して手術前に放射線治療や化学療法を組み合わせることでがんを小さくする治療も導入しています。手術が困難な場合には、全身化学療法による治療も行っています。

当院での診療方針
(治療方針)

直腸がんに対しては、欧米では長らく化学放射線療法が標準治療とされており、当院でも治療成績の向上を目指した化学放射線療法を導入しています。さらに手術が困難な患者さんに対しては、治療開始前に遺伝子検査を実施し、遺伝子検査に基づいた治療法を提案するなど、個々の患者さんと相談しながら治療を進めていくことを大切にしております。

対応診療科

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消化器内科

消化管がんに対して内視鏡治療から化学療法まで幅広くカバーしており、炎症性腸疾患も含め、新規薬剤を積極的に導入しています。肝疾患は専門の医療機関として中心的役割を果たしており、肝胆膵領域のがんに対してもエキスパートが対応しています。専門性を要する診療だけではなく、一般的な消化器内科診療にも力を入れています。

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下部消化管外科

大腸がん治療ガイドラインに準じた大腸がん治療を中心に、炎症性腸疾患・下部消化管救急疾患の手術を行っています。年間手術は350例を超えており、腹腔鏡手術割合は90%です(2021年1~12月実績)。また、他院では手に負えないような難治性疾患、再発がん(特に再発直腸がん)に対しても積極的に受け入れ、外科治療を行っています。

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