虫垂炎
病気の概要
虫垂炎とは、虫垂に起こる炎症性の病気です。虫垂とは、大腸の一番奥の盲腸にくっついている細長い袋状の臓器で、腹部の右下に位置しています。虫垂炎は、細菌感染などが原因で炎症が起きている状態で、痛みや発熱を伴います。発症から数日間無治療でいると症状が進み、重症化し、腹膜炎や穿孔を起こす場合があります。
見つかるきっかけ
(症状)
右下腹部に痛みがある場合や、最初にお腹の真ん中に痛みを感じ、そこから痛みの場所が下部に移動してさらに痛みを感じるという場合があります。腹部全体に炎症が広がれば、いわゆる腹膜炎の状態になります。人によっては、我慢できないほどの激痛が腹部に生じることもあります。吐き気や嘔吐、発熱を伴うこともあるのが特徴です。
当院での検査内容
最初に問診を行い、痛みが発生している場所を聞きとった後に触診を行い、右下腹部などを圧迫したときの痛みを確認します。腹壁が硬く、圧迫して急に離すと感じる痛みがあるかなどが、虫垂炎の診断材料です。そのあと血液検査、腹部X線検査、超音波検査などで判断していきます。必要があれば腹部CT検査を追加してさらに詳しく診断します。
当院での治療内容
軽度の場合はまず抗生剤の投与で様子を見ます。抗生剤の点滴は、1日に2〜3回定期的に投与し治療を行います。炎症の所見が軽くなってくるようであればそのまま治療を継続しますが、逆に状況が悪くなるようであれば手術が必要です。切除手術では開腹手術と腹腔鏡下手術の2種類があり、炎症の進行具合で診断後すぐに手術する場合もあります。
当院での診療方針
(治療方針)
急性虫垂炎は、時間の経過とともに症状が悪化していきます。そのため、できるだけ早期に受診し、治療を開始することがポイントです。虫垂炎は、幅広い年齢で発生し、特に子どもの腹痛には注意が必要です。痛みがあり、症状が治まらないときには、休日や夜間問わず速やかに受診するようにしてください。
対応診療科
消化器内科
消化管がんに対して内視鏡治療から化学療法まで幅広くカバーしており、炎症性腸疾患も含め、新規薬剤を積極的に導入しています。肝疾患は専門の医療機関として中心的役割を果たしており、肝胆膵領域のがんに対してもエキスパートが対応しています。専門性を要する診療だけではなく、一般的な消化器内科診療にも力を入れています。
下部消化管外科
大腸がん治療ガイドラインに準じた大腸がん治療を中心に、炎症性腸疾患・下部消化管救急疾患の手術を行っています。年間手術は350例を超えており、腹腔鏡手術割合は90%です(2021年1~12月実績)。また、他院では手に負えないような難治性疾患、再発がん(特に再発直腸がん)に対しても積極的に受け入れ、外科治療を行っています。