乳がん
病気の概要
乳がんは乳房から発生するがんです。発症は45歳から70歳の間に多く認められ、女性のかかるがんでは第1位となります。近年では遺伝性乳がん卵巣がん症候群という、遺伝的に乳がんや卵巣がんになりやすい遺伝子も見つかっており、その方については予防的な乳房切除なども保険適用となりました。
見つかるきっかけ
(症状)
症状として一番多いのが乳房内のしこりを自覚する事です。しこりの近くの皮膚がひきつれていたり、色調が変わっていたりすることもあります。基本的には痛みは感じませんが、乳房に痛みや違和感を感じて触ってみるとそこにしこりがあり受診されることもあります。また下着に乳頭からの血の混じった分泌物が付着していることに気づく場合もあります。
当院での検査内容
まずは乳房をはさんでのマンモグラフィーや乳房超音波検査を行い、乳がんを疑う場合は局所麻酔をしたうえで針による組織検査をします。がんの確定診断がついた時は、CTや骨シンチで全身に転移がにないかを調べます。乳房内のがんの広がりの程度を乳房MRIで確認します。
当院での治療内容
乳がんのタイプによっては手術を先行して行うこともありますし、全身化学療法を先行してその後に手術を行うこともあります。手術においても、乳房部分切除、乳房全摘、乳房再建、予防的乳房切除など幅広く行っています。また、治験を複数行っていますので、適応となる方には治験もご提案いたします。
当院での診療方針
(治療方針)
各主治医によって治療方針が異ならないように定期的なカンファレンスで話し合って決めています。また治療や仕事についての相談窓口の併設や、薬剤師や看護師から治療に関する情報を提供できるように整えています。さらに紹介元の乳腺クリニックと連携を取りながら、術後の補助療法やフォローアップを自宅や仕事場の近くで行えるように調整しています。
対応診療科
乳腺外科
早期発見と適切な治療を2本柱に、乳がんから女性を救う診療と研究の実践をめざしています。マンモグラフィ装置や乳腺エコー機器などハードの整備と診断精度の維持により早期発見に注力。乳房温存手術やセンチネルリンパ節生検を生かした腋窩温存手術を施行するほか、新薬開発治験などにも積極的に参加しています。