大阪医療センター
泌尿器

膀胱がん

病気の概要

膀胱にできる悪性腫瘍です。その多くは尿路上皮という膀胱内の粘膜ががん化したものです。日本人は年間約2万人が膀胱がんと診断され、男女比は約4:1。原因は明らかになっていませんが、喫煙患者は膀胱がんの発生率が約2~4倍だといわれています。そのほか、仕事などで化学薬品を取り扱う人の発症率も高いのが特徴です。

見つかるきっかけ
(症状)

代表的な症状は、肉眼で確認できる血尿(肉眼的血尿)です。膀胱炎などの良性疾患でも血尿は出ますが、痛みを伴うのに対して、膀胱がんでは痛みがないケースも珍しくありません。近年は、血尿などの自覚症状がなく、検診で発見される患者さんも増えてきました。また、まれに頻尿や尿意切迫感、排尿時痛を伴うこともあります。

当院での検査内容

膀胱がんが疑われる場合、検尿や尿細胞診検査、超音波検査などの体への負担が少ない検査から始めます。確定診断のためには、膀胱鏡検査(尿道から内視鏡を挿入する検査)が欠かせません。さらに、がんの広がりや転移の有無などを診断するために、CTやMRI、骨シンチグラフィなどの検査を行います。

当院での治療内容

がんの広がりや深さに応じて、治療方針を決定します。がんが粘膜の下にある筋層に達していない筋層非浸潤性か、筋層まで達している筋層浸潤性かを判定するためには、病理組織診断が不可欠です。そのため、治療と診断を兼ねて、まずは経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT)を行うことになります。

当院での診療方針
(治療方針)

筋層非浸潤性の場合、内視鏡手術によって膀胱を温存します。再発予防のために膀胱内注入療法や温存のために4~6週間後に2回目の内視鏡手術を行うこともあります。一方、筋層浸潤性の場合は再発や転移のリスクが高いことから、抗がん剤を併用して膀胱を摘出します。初診で転移が判明した場合、全身治療として抗がん剤治療をまず行います。

対応診療科

画像

泌尿器科

悪性腫瘍から尿路結石症や前立腺疾患、排尿障害、蓄尿障害などの良性疾患までほぼすべての泌尿器科疾患に対応できる体制を整えています。手術は低侵襲であるロボット支援下手術や腹腔鏡手術を第一選択とし、尿路結石症は軟性尿管鏡・レーザーを用いた内視鏡手術でより早期での完全排石を実現するようにしています。

ホームにもどる