診療内容
小児神経疾患
小児神経疾患の診療では、てんかんや運動の異常、頭痛の診断と治療、発達遅滞・知的障害の原因精査が主な対象になります。
てんかん
てんかんの診断と原因検索、抗てんかん発作薬の調整を中心に行います。難治の場合には、てんかん外科手術や食事療法の適応につ いて、早めに判断して、必要に応じて専門病院と連携します。
発達の遅れや麻痺や身体の動きの異常がある場合
発達の遅れや麻痺や身体の動きの異常がある場合には、一見、同じように見えても、原因を探ることが神経疾患診療では重要です。詳細な問診と神経学の知識を生かした診察、各種血液検査や髄液検査、頭部MRI検査などを用いて、原因をできる限り調べます。
近年、小児神経診療では、遺伝子の異常が原因である疾患が次々に発見され、実際の臨床で、当院の患者さんでも疾患の診断がついた人もおられます。このように診断がつくことで、病気で注意すべき症状がわかったり、対処法がわかったりすることがあります。極力、正確な診断をつけて、それに基づいて今後の方針を立てることを進めていきたいと考えています。
神経発達症・心身症
神経発達症
神経発達症は、丁寧に病歴を把握し、発達検査・知能検査等心理検査を行った上で、診断や投薬、環境調整を行っています。言葉の遅れ、落ち着きのなさ、多動、集団での不適応、学習の問題などについて、診療が可能です。
心身症
心身症に対しては、画像検査・血液検査等で器質的疾患の除外を行った上で、背景の心理社会的な要因にもアプローチしています。必要に応じて、各種心理検査、心理療法・カウンセリングを行う場合もあります。
起立性調節障害
起立性調節障害に対しては、外来で新起立試験を実施し、結果に基づき投薬や丁寧な生活指導を行っております。2025年度より、起立性調節障害・概日リズム睡眠障害・不登校傾向のお子さんを対象に、生活リズムの立て直しを目標とした2週間の入院プログラムを始めましたので、ご希望の患者様がおられましたら、ぜひご紹介ください。
外来部門
診療所からの精査・加療目的で紹介いただいた患者さんについての一般外来や、ワクチン外来、当院出生児の1か月健診、乳幼児健診を行っています。また、先に述べた小児神経と神経発達の専門外来以外に、アレルギー、内分泌、循環器の各種の専門外来を行っています。
入院部門
小児科病棟では、小児期疾患の診療を行っています。肺炎、気管支炎、感染症胃腸炎などの感染症の患者さんは、個室での治療を原則としています。きょうだいがいて付き添いができない場合でも、対応させていただきます。
産科病棟では、院内出生の病的新生児、合併症妊娠で出産した児、在胎34週以降のlate preterm児を診療しています。HIV陽性、肝炎キャリア妊婦や精神疾患合併妊婦など、出生後もフォローが必要な新生児も分娩前からかかわっています。NICUはありませんが、一人ひとりの妊婦さんにチームで丁寧にかかわっています。