FAQ
放射線治療について
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放射線治療は手術や薬物療法と何が違うのですか.
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放射線治療は、手術と同様にがんのある部分だけを治療する局所治療です。一方、薬物療法は全身に効果を発揮する全身療法です。
放射線治療では臓器を取らずに治すことが可能で、からだへの負担が手術より少ないことがほとんどです。局所治療なので効果も副作用も原則として治療した部分に限られます。
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転移したがんにも放射線治療は有効ですか.
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転移したがんに対しても放射線治療は有効です。
がんが局所にとどまっている場合には治す目的で、全身的に転移している場合では症状を和らげる目的などで放射線治療が行われます。
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放射線による副作用について教えてください.
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放射線治療によるからだの正常な部分への悪影響は、治療中から終了後数か月までの影響と、数か月以降に起こる影響に分けられます。
いずれも照射した部分が原因で起こる変化です。症状や程度は照射部位とその範囲、放射線の量や種類によって異なり、抗がん剤の併用や年齢、全身状態も影響します。
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放射線治療の費用はどれくらいかかりますか.粒子線治療の費用や高額療養費用制度,先進医療などについても教えてください.
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放射線治療の費用は使う放射線の種類や治療方法、全体の治療回数で決まります。
外部照射でかかる費用は、治療のための準備と日々の治療に関わるものに大別されます。複雑な治療技術を使うため、回数が多くなるほど費用は高くなります。また、健康保険の負担割合で支払う費用が変わります。
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放射線治療はどれくらいの日数がかかりますか.
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1回(1日)で終わるものから1か月以上かかるものまであります。
放射線腫瘍医の診察によって最適な治療回数が決まります。
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放射線治療中も普通に生活できますか.
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ほとんどの患者さんは、放射線治療をはじめる前と同様の生活を送ることができます。
ただし、放射線治療の範囲や方法、ほかの治療方法との組み合わせにより、体調が変化する患者さんもいます。こうした変化が出たら、放射線腫瘍医による安静や投薬の指示に従ってください。
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治療箇所と違う場所に印が付いていますがなぜですか.また治療用の印が消えそうな時はどうしたらよいですか.
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治療計画用のCT画像を撮影する際、皮膚や固定具の表面に印を書きますが、これは治療装置の照射口を治療箇所に正確に合わせるための印です。心配する必要はありません。
位置を合わせるための印(マーク)は、消えにくいインクを使用したり、テープを貼ったりするなど各病院でさまざまな工夫をしていますので、衣類ですれたり、からだを拭いたりする程度では落ちません。短い時間ならば入浴も可能です。
『JASTRO 日本放射線腫瘍学会 - 放射線治療Q&A』より抜粋