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下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)外来

下肢閉塞性動脈硬化症外来(ASO外来)では下肢(足)の閉塞性動脈硬化症と深部静脈血栓症の患者さんを対象としています。

下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)

末梢動脈疾患の一つで動脈硬化によって足の血管が細くなったり閉塞したりする病気です。喫煙、不健康な食事、運動不足、加齢、遺伝、糖尿病、高血圧、高コレステロールなどにより悪化する進行性の疾患です。歩いているとふくらはぎや太ももが痛くなり、休むと楽になるのが典型的な症状です(間欠的跛行)。酷くなると安静時にも痛みを感じることもあります。しかしながら、約50%の末梢動脈疾患の患者様は無症状と言われています。末梢動脈疾患を治療しないままでいると症状が進行し、足を切断しないといけなくなる場合もあります。また、心臓発作、脳卒中、冠動脈心疾患などの心血管系の病気を併発するリスクが高いとされています。そのため、末梢動脈疾患の疑いがある場合は適切な治療を受けるとともに、健康的な生活習慣を心掛けることがとても大切です。

深部静脈血栓症

飛行機に長時間同じ姿勢で座って、飲み物もとらないと血液が固まりやすくなり足の静脈に血の塊ができることがあります(深部静脈血栓症)。安静や脱水以外には、婦人科手術後、整形外科手術後(股関節、膝関節)、経口避妊薬の内服、癌、喫煙なども血の塊ができやすくする状態です。深部静脈血栓症の自覚症状はしばしば片方の足のむくみ、痛み、熱感ですが、症状がない場合もあります。下肢静脈に血栓がある状態で歩き始めると、血の塊が流れ出して、静脈から肺動脈に詰まってしまい、肺動脈血栓塞栓症を引き起こす危険性があります。肺動脈血栓塞栓症は突然の胸痛や呼吸困難、血圧低下、意識障害などを起こす重篤な病気です。大きな血栓が詰まると心肺停止になってしまうこともあります。
血液検査、超音波検査、CT、MRI等で血栓が見つかった場合は血栓を溶かすための抗凝固薬を用います。血栓の状態によっては足の血栓が肺に飛ぶのを防ぐフィルターをお腹の太い静脈内に留置したり、カテーテルや手術で血栓を除去する処置を行うこともあります。

ASO外来では上記疾患のスクリーニング検査を行い、薬物治療を行います。必要な場合には入院での治療をお勧めすることがあります。