診療科・部門

集中治療部(ICU)

概要

集中治療部(ICU)は手術室に隣接するフロアにあり、ICU10床とリカバリ6床で運営されています。
ICUでは重症の臓器不全患者および難易度の高い手術の術後管理を中心に診療しています。年間、術後患者と重症の緊急患者を合わせ800名前後の入室があり、重症診療と専門看護を提供しています。

以下に、入室基準を示します。

1)院内発症の重症患者:
意識障害または昏睡、急性呼吸不全または慢性呼吸不全の急性増悪、急性心不全または慢性心不全の急性増悪、呼吸・循環についての厳重な監視を要する患者(急性冠症候群・急性肺動脈塞栓症・急性大動脈解離・重症不整脈など)、ショック、重症感染症・敗血症、重篤な代謝障害(肝不全・腎不全・重症糖尿病など)、心肺蘇生後

2)術後の患者:
侵襲度の高い手術の周術期、もしくは術後、呼吸あるいは循環について、厳重な監視を要する患者

リカバリはPost-Anesthetic Care Unitとして機能しており、全身麻酔後の患者を受け入れ、全身状態が安定し、疼痛コントロールが良好であることを確認して、病棟に帰室して頂きます。術中術直後に問題がある場合は、麻酔科医と相談して、抜管せずにリカバリ入室し、数時間管理した後に抜管したり、そのままICU泊に変更したりと状況に応じて臨機応変に対応しています。

チーム医療

ICUにおける治療は、各科の主治医とともに集中治療専門医1名、ICU専属診療看護師1名、麻酔科医が協力しながら対応します。チームのメンバーには、医師、看護師38名(集中ケア認定看護師1名を含む)、ICU専属薬剤師2名、臨床工学技士、栄養士、理学療法士が常時参加し、必要に応じて放射線技師、医療ソーシャルワーカー、事務職員その他も加わります。患者さまの早期回復に向けた集中治療を提供できるよう取り組んでいます。

臨床研究

ICUにおいて数多く対応する重要臓器不全患者の診療技術向上に関する工夫や新たな取り組みを研究テーマとして、集中治療専門医、集中ケア認定看護師らが中心となり、臨床研究を行い、学会などに発信します。
またICUの提供する医療の質的向上を目指して、日本集中治療医学会の運営する前向き症例登録事業のJIPAD(日本ICU患者データベース、Japanese Intensive care PAtient Database)に参加しています。