大動脈瘤 閉塞性動脈疾患
腹部大動脈瘤および胸部大動脈瘤手術では破裂の危険が高い(最大径約50mm以上)と判断されれば人工血管置換術を考慮しております。
高齢者など手術リスクが高い場合には、カテーテルによるステントグラフト治療を選択致します。また、急性大動脈解離に対しては 24時間体制で緊急手術を行っております。
高齢者の弓部置換ではFrozen elephant trunk technique(open stent graft)を用いることに より、出血のリスクや術後呼吸機能障害の軽減、新たな反回神経麻痺 の発生を回避することが可能となり良好な手術成績が得られています。 また、急性大動脈解離では、出血に強く再解離の少ない人工血管吻合 法(Adventitial Inversion Technique)を用いた上行大動脈置換や Eaves+Elephant trunkを用いた全弓部置換術を行っており術後遠隔期 を見据えた外科治療の有効性を実証してきています。
腹部大動脈瘤では積極的にステントグラフト治療を適応することにより、 高齢者、脳梗塞、腎不全、慢性閉塞性肺疾患等のハイリスク症例に対し ても治療成績は良好でした。
胸部大動脈瘤に対するステントグラフト治療もハイリスク遠位弓部大動脈 瘤に対するdebranched TEVARや前述のFrozen elephant trunkを用いた 弓部置換後の下行大動脈遺残病変に対する二期的手術を行い、飛躍的 な低侵襲化が得られています。
閉塞性動脈硬化症に対しては循環器内科との協調でカテーテル 治療やバイパス手術を施行致します。